第7期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第11回) 議事録

1.日時

平成26年10月29日(水曜日)9時59分~11時57分

2.場所

文部科学省5階 5F2会議室

3.議題

  1. 今後の技術士制度の在り方について~第二次試験~
  2. その他

4.出席者

委員

池田主査、福山主査代理、岩熊委員、奥野委員、岸本委員、中谷委員、吉田委員

文部科学省

片岡人材政策課長、杉浦専門官ほか

オブザーバー

国土交通省、経済産業省、公益社団法人日本技術士会、一般社団法人日本技術者教育認定機構

5.議事録

開会9時59分

【池田主査】 皆さん、おはようございます。ただ今から第11回制度検討特別委員会を開催いたします。御多用中、御出席いただきましてありがとうございます。
 それでは、まず、事務局から資料の確認をお願いします。
【小林係長】 お手元に配付資料1から4までございまして、その下に参考資料1から10までございます。いつもながら、左上の方に今年度第二次試験の試験問題と法令集と紙ファイルを置かせていただいています。
 また、左手前には、右上に「メインのみ」と書かれた、クリップで留めてある資料がございます。こちらについては、この席のみにお配りさせていただいています。御確認をお願いいたします。
【池田主査】 よろしいでしょうか。
 それでは、議題1、今後の技術士制度の在り方についてに入ります。
 前回の特別委員会において、今後の第二次試験の在り方の検討を開始いたしました。前回、各委員から頂いた御意見等を事務局にて集約していただきましたので、前回の主な発言、第二次試験の事務局案等について御説明をお願いいたします。
【小林係長】 私から、資料1から3まで説明申し上げます。
 資料1につきましては、前回、9月30日制度検討特別委員会におきまして、今後の第二次試験の在り方をどのようにするのか、この点について自由議論していただいたところでございます。国際的通用性の観点や科学技術イノベーションの観点、また、個々の技術者のキャリア形成という三つの観点を踏まえまして御意見を頂いたことを資料1でまとめさせていただいております。事前にメール等ではお配りしておりますので、簡単に説明させていただきます。
 まず、資料1の1ページ目でございますけれども、コンピテンシーのところでございますが、技術士資格付与、取得に当たって、技術士に求められる資質能力、コンピテンシーを有していることを様々な方法で確認することが必要であるということでございます。このためには、筆記試験だけではなく受験者の申込み段階で業務経歴においてどの部分がコンピテンシーを有するために取り組んできたものなのか、これを把握することが重要で、これを基に口頭試験を行うべきではないかと、今の業務経歴票を重視すべきではないかという御意見でございます。
 また、現行の第二次試験を通してコンピテンシーを全て確認できるのかという点では確認できないのではないかと。誰が確認するのかといったときに、受験申込みする方がドキュメントを作成して、既に技術士を持っている方がそのチェックをするなり、推薦書を頂くなり、そういったものを用意して申込み時に添付してはどうかという御意見がございます。
 1ページ目の下の方でございます。IEAのPC、又は技術士のコンピテンシーの中の「評価」の項目についてはどのように測るのかという点で、以前の技術的体験論文の例を御説明いただいたところもございましたけれども、今の業務経歴票の業務内容の詳細を記載するに当たって、受験者自身の、こういうことをやってきたという得意分野の詳細を書いたとしても、それがコンピテンシーとどのようにひも付けできているのかという視点が重要であるということで、その観点、受験者が書いたものと、又は出題者の方で求めているもののミスマッチが起きないようにするべきではないかという御意見を頂いたところでございます。
 2ページ目でございますけれども、評価のところで、実務経験の中でいろいろな選択肢から何を選び、それを実施したのか、どのような反省、改善の余地があったのかを業務経歴票に記載すること、これを基に口頭試験を行うことによって、どのような成長があったのかをある程度把握できるのではないかという御意見があったかと思います。
 また、どのようにこれまで研さんを積んでこられたのか。受験申込みの前にどのような研さんを積んできたということについては、業務経歴とは異なる観点ではありますけれども、情報としては必要になってくるのではないかと。また、技術者倫理のところでは、知識、又は実践を通して得るものがあるのではないかと。知識は筆記試験で問えるけれども、実践については業務経歴票を基に口頭試験で確認する方法もあるのではないかという御意見です。
 また、これを総じまして、コンピテンシーを、業務経歴票、筆記試験、口頭試験等の方法、それぞれで何を確認するのか、どの程度のレベルを確認するかというのをもっと細かく決めることが必要になってくるという御意見でございます。
 2ページ目の下の方でございますが、現行の第二次試験の必須科目については、今、技術部門全般にわたる専門知識を問うていると。これは暗記的な要素が多く、この問題は第二次試験ではどうか、不要ではないかという御意見もありました。知識確認を簡素化する方法も考えられるのではないかという御意見です。
 3ページ目でございます。科学技術イノベーション推進の観点からということで、イノベーションとはいろいろなものを考えて、問題を発見する、抽出する、デザインする能力を確認することが必要になってくると。今の試験について、もっと一歩踏み出す、又は、もう一歩踏み込んだ問い方が必要ではないか、社会が抱えている様々な問題をどうやって見つけて解決していくかというところまで求められているのではないかという御意見でございます。
 また、3ページ目の下の方でございますけれども、基本的なところを理解し、法令や倫理を判断材料にした上で、どのようにそれらを用いて課題を見付け、解決し、改善していくのかということを試験によって確認すべきではないかという御意見でございます。
 また、4ページ目の個々の技術者のキャリア形成のところでございますが、現行の第二次試験は一発勝負になっているが、受験によってあるレベルまで達していることが明確になり、その次、また段階を踏んで受験すればよいと。一つ一つ積み重ねて受験することによって、技術者の方の資質向上のためにこの試験を活用することができるのではないかという御意見であったと思います。
 4ページ目の真ん中あたりですが、技術士、またプロフェッショナルエンジニアを目指す中で、プロというのはどのようなレベルをもってプロと言うのかという点。また、キャリア形成のところでは、35歳程度の技術者にターゲットを合わせるとなると、試験の難易度はどの程度にするのか、この議論は避けて通れないだろうという御意見がありました。
 4ページ目の最後のところですが、複合的な問題という点について問い掛けをしていただいております。5ページ目になりますけれども、どのような問題を解けたときに複合的な問題を解けたことになるのか、その目標値のようなものを明示する必要があるのではないか。また、IEAの中でいうComplexという表現についてももう少し議論する必要があるのではないかという点。また、複合的な問題の解決能力についてはどの水準まであったらよいか、この点も水準を作らないといけないというような御意見を頂いたかと思います。
 これを踏まえまして、資料2のところでは皆様から頂いた御意見を基に第二次試験の在り方のたたき台、案、イメージのようなものを作成いたしました。第二次試験に取り組むに当たって、左から右に時間が経過する流れで作っておりますけれども、受験申込みの段階では何を確認するのか、筆記試験、口頭試験のところでは何を確認するのかというのをある程度書いたところでございます。受験申込みの段階では、申込書に加えて業務経歴票、今も業務経歴票はございますけれども、前回の御議論を踏まえますと1)から3)のような要素を書いた方がいいのではないかという御意見があったかと思います。
 1)のところでは、技術士コンピテンシーに照らして、受験者のどのような取組がコンピテンシーと関連付けられるのか、そういう主な取組を書いていただくべきではないかと。2)のところは、現状もこのように経歴票を書くところでございますけれども、主な業務内容や立場、役割、取組とか反省や改善等を書いてはどうかと。また、3)のところで自己研さん、IPD等の主な取組を書いてはどうかと。これは、口頭試験のときにこの業務経歴票を基に見ていただくという流れで作っております。
 その次に、筆記試験のところでございますけれども、確認すべき概念とか内容のところでは、1から4まで該当するものがあるのではないかと考えております。技術者倫理、知識の部分、また、2の専門の技術分野の業務に必要な専門知識、3、与えられた条件に基づく問題点の認識、分析、応用。また、4は、もう少し広い概念で社会が抱える様々な事象から複合的な問題の抽出、多様な視点からの分析、実現可能な解決策の提案等を確認すべきではないかというところでございます。
 口頭試験のところでは、1の技術者倫理の部分、実践力を問えるかどうかと。2のコミュニケーション能力、又は3の調整・取りまとめ能力、4のCPDに対する理解。5は、筆記試験の4と重複しておりますけれども、5のところでもこういった複合的な問題の抽出等について問うことができるのかという点で案を作っております。
 左下の赤字のところでございますが、今日御意見を頂くのはこの資料2-1の全体図でございますけれども、それに加えて議論を深めていただきたい、御意見を頂きたい点を書いております。星印1から3でございます。専門知識の程度・範囲ということで、これは筆記試験の2のところでございますけれども、どの程度必要なのか、後で資料3のところで御説明申し上げたいと思います。
 資料2と3について、複合的な問題の定義と解決策の水準等をどの程度とするべきかという点については御意見を頂きたいと思っております。
 資料2-2につきましては、左側のIEAのPCと分科会でお決めいただいたコンピテンシーの部分についてはこれまでと同様でございますけれども、資料2-1につきまして、今後の第二次試験の在り方、申込みの段階ではコンピテンシーのどの部分をどこが確認しているかという役割分担表のようなものを作成したものでございます。重要な点は、1ページから3ページ目までございますけれども、技術士に求められるコンピテンシーについては申込み時なのか、筆記試験、口頭試験のどの段階かというのは漏れなく確認することが必要であるという点で、漏れなく確認できるような制度設計ができるのではないかという案をお示ししております。
 3ページでございます。議論を深めるべきポイントとしまして、まず、筆記試験であります。専門の技術分野の業務に必要な専門知識の程度・範囲について御意見を頂戴したいと思います。1ページ目のところは、これまで、知識というのはこういうものだとアナウンスしているものを寄せ集めたものでございまして、今年度の第二次試験実施大綱では、技術部門全般にわたる専門知識について問うとございます。また、受験者が御覧になります受験申込み案内の中でも、概念や内容についてもこのように記載しておりまして、これに沿った問題を作っていただいているというところでございます。
 3ポツ、4ポツについてはIEAの中では何を言っているのか、エンジニアという分野についてはすぐれた実践に必要な汎用的な原理に関する高度な知識を理解し、応用すると書いてあります。分科会でお決めいただいているコンピテンシーの部分については御覧のとおりになっております。
 また、5番の技術者キャリア形成スキームのところにつきましては、技術者の方の年齢を一つの目安にした成長過程の中で、ステージ3、35歳程度の方については専門の技術分野に関して、実務経験に基づく専門的学識、高等の専門的応用能力を有する技術者が求められてきているというようなことが前回のヒアリングを通して分かってきたところでございます。
 2ページ目でございます。本日御意見を頂きたいと思いますのは、この(1)、(2)、(3)でございます。まず、実務経験10年程度を超える民間の技術者の方において、こういった専門知識はどのようにして習得されているのか、実際にどのように、OJTとかいろいろな手段、場合があろうかと思いますけれども、どんなふうにされているのかというのを実際にお聞かせいただきたいという点がまず1点ございます。
 (2)のところでは、こういった民間企業の技術者の方が技術士資格を取得するに当たって求められる専門知識というのはどんな性質のものであるべきかというところで、これはキャリア形成スキームのステージ3のところではこういった複合的な問題を明確にして解決できる技術者ということが求められるとありますので、そのために必要な専門知識とはどのようなものなのか。これは、内部の中で議論してきたことでありますけれども、実務経験を通じて培うものとして期待される業務遂行上必要な知識、高度な知識とか抽象的な知識のことなのかなということで、これはクエスチョンマークで書いております。
 (3)のところですが、こういった民間企業の技術者の方が受験をする時点において知っているということを問うような専門知識を筆記試験で確認する必要はないのかと。暗記的な要素が多いと言われる部分もありますけれども、こういった専門知識は確認する必要はないのかどうか。また、問題の設計、問い方を工夫すればいいのかという点があろうかと思います。
 3ページから5ページにつきましては、複合的な問題、又はこの問題の解決の水準、成熟度等について問題提起させていただいています。3ページ目のところは、IEAのGAとPCの中で複合的な問題と複合的な活動というのはどんな要素を含むのかということが書かれておりまして、その日本語訳を3ページ、4ページ書かせていただいています。これはごらんいただければと思います。重要な点は下線をしておりますけれども、4ページ目の下の方では、現在でも受験申込みの案内の中で課題解決能力の概念、内容等を示しております。平成25年度の試験改正によって選択科目の課題解決能力を問う問題を新設しております。そこでは何を問うのか、その概念や内容についてもこういったふうに既に受験申込み案内ではお示ししているところでございます。
 5ページ目のところで御議論、また御意見を頂きたいと思いますのは、(1)から(3)でございますが、複合的な問題とはどのようなものを言うのかと。問題の性質等については、これはキーワードとしてIEAのPCの訳等を見ながら重要だと思うことは書いておりますけれども、どういった問題なのかとの御意見を頂きたいのと、(2)複合的な問題を解くとは、どのような過程を必要としているのか、問題解決の過程、プロセスについてはこういった段階があるのではないかと考えております。(3)のところで、複合的な問題を解くとは、どのようなことができるか、まさに目標値といいますか、どういったことができることがそうだと言えるのかというところで、一つの案でありますけれども、調査、分析、提案等、こういった一連の過程を通じて技術的実現性の高い解決策を提案できることということが言えるのではないかと。これも案でありますので、様々な観点から御意見を頂きたいと思っております。
 以上でございます。
【池田主査】 どうもありがとうございます。
 続きまして、中谷委員から資料を作成していただきましたので、御説明をお願いします。資料4になると思います。
【中谷委員】 それでは、資料4のComplexityに関する意見ということで、スノーデンという方が、これは「カネビン」と発音するようなのですが、日本語のドキュメントもウエブや書籍などで出回っていますけれども、その場合には「クネビン」と片仮名表記されているものです。このCynefinフレームワークというのが紹介されていまして、このフレームワークでは何が示されているかというと、我々が対処しなければならない問題をSimple、Complicated、Complex、Chaoticという4種類に分類して、それぞれの特徴が定義されているというものです。
 そういう資料が技術者の間でも盛んに参照されておりまして、先ほど資料2-2でIEAの複合的な問題に関する特徴が、キーワードで列挙されていましたけれども、それにもかなり関係するということが分かりましたので、その資料をまとめてまいりました。このCynefinフレームワークというのは何かといいますと、その概要というのを図1にまとめました。実は、このCynefinフレームワークというのはかなり長い時間をかけていろいろブラッシュアップといいますか、いろいろなバージョンがありまして、現在、この図1に示したもので安定してきているのかというものです。
 ここに赤い丸、それから緑色の丸というのがあります。それから、その間を線で結ぶというように図が表記されていますけれども、この緑色は何かというと、実はドキュメントに余り説明がないのですが、いろいろ読み解いていきますと、緑色というのは解くべき問題であると。赤い丸で示されているのが解決策、ソリューションということになります。あと、この間を直線と点線で結んであるんですけれども、点線というのは分析する必要がない、あるいは分析しても分からないというもので、直線は分析すれば分かる、あるいは自明である、つまり、分かっているというものになります。
 一番単純な問題というのがSimpleということになります。それから、さらに問題が複雑になってきますとComplicatedというものになりまして、さらにそれが解くのが難しくなってきますとComplex、さらに解けないというものがChaoticという、簡単に言うとこの4種類に分けられるんですけれども、次の2ページに4種類の問題についての概要をまとめました。
 まず、単純な、Simpleという問題ですけれども、これは単純な問題では解くべき問題に対する解は自明であると。また、問題の状況というのも安定しているという特徴があります。ですから、問題に対して解こうとしたときには既知の解を適用するということになります。このようなSimpleな問題というのは、問題を解くための最良の解というのが分かっておりますので、この解のことをベストプラクティスと呼ぶということです。このような単純な問題を解くには、問題を把握して、分類して、そして既知の解を適用して説いていくというプロセスで問題を解くということになるようです。
 先ほどの図1を見ますと、Simpleな問題では緑色で示された問題の間の関係、依存関係が点線になっていますけれども、これは問題の間の依存関係を分析する必要はないと。ただ、問題に対して既知のソリューションを適用していけばそれで解けると、そういう種類の問題ということになります。
 次がComplicated、込み入った問題と訳しましたけれども、このComplicatedな問題に対する解というのは複数あるという特徴を持っています。問題間の依存関係というのは分かっているんですけれども、その理解が正しいという保証はないと。ですので、このような込み入った問題を解くには、まず問題が何であるかということを把握した後に、専門的な知識を適用して問題構造を分析すると。それによって問題の依存関係を明らかにして、複数の解の中から最良であろうと思われる解を適用していくということなので、この解はベストプラクティスではなくてグッドプラクティスと。最良ではないが、よい解であるということで解が適用されるということになります。このComplicatedな問題は、専門家の知識が必要であるという特徴を持ってくるということになります。あと、この特徴を下にまとめましたけれども、解は一つではない。ですから、複数の解の中からメリット、デメリットというのを分析しながら選択をしていくということになります。
 次がComplexな問題ということで、ここは「複雑な」と書きましたけれども、これがIEAが言っている複合的な問題というところになると思います。このComplexな問題というのは何かというと、解はもちろん未知であると。さらに、この点ですけれども、解が未知であるということなんですけれども、これはComplicatedな問題というのが解が複数あるということが分かっているという点と違いがあるということです。解が分からないということです。複雑な問題ということですけれども、Complexは何がComplexかといいますと、それぞれの問題が発生している状況というのが変化するということ。それから、依存関係というのはいつ分かるかといいますと、問題が解決された後に振り返ってみると、あの問題とあの問題はこういう依存関係があったんだと。あのときにこういう意思決定をやったので、このように状況が変わって問題が解決できたということが後になれば解析ができて、説明ができるんですけれども、このような状況というのは動いていますので、同じような問題に対して一度解決した問題の解決手法を適用しても、再び同じようにいい結果が得られるとは限らないという特徴を持っているということです。
 そのためにどうするかというと、問題の状況を、このProbeというのを調査というふうに訳しましたけれども、探索するというか、そういう意味です。そして把握して、そして問題に対処するということになります。
 先ほど申し上げましたように、この問題の状況というのは変化しているということですので、いろいろと問題の解決手段を適用しながら、状況の変化を見ながらまた適用してということを繰り返していくということがこのComplexな問題を解く活動の特徴であるとも言えると思います。そのために、この解の発見活動というのは創発と呼ばれているようです。先ほどのキーワードの中にも創造的なという話がありましたけれども、まさにこのComplexという定義とうまくIEAの定義が合うかと思います。
 最後のものがChaoticということですけれども、これは問題も解も不明であるということで、さらに問題の状況は変化しやすく、さらに問題の間の因果関係も変化するということですので、問題の状況も制御できない、つまり、把握もできないので制御もできないということです。こういう問題に対してはどういうふうに問題を解決していくかというと、とりあえず手を打ってみて、その結果を見ながらまた次の手を打っていくという問題の解決手段になると思います。
 今申し上げました問題解決の手段ですけれども、これは図1に書いてあります、それぞれSimple、Complicated、Complex、Chaoticの下に書いてある赤字の、例えばSimpleですとSense、Categorize、Respond。ComplexであればProbe、Sense、Respondという、ここに示されたものに相当するものになります。
 ということで、資料に関しては参考文献ということで、ウエブでも資料をダウンロードすることができますので、御興味のある方は是非お読みいただければと思います。
 以上です。
【池田主査】 どうもありがとうございます。
 もう1点資料がありますが、前回の議論の中で日本技術士会の国際委員会IEA担当ワーキンググループにおける議論が話題になりましたが、これについて御説明をお願いしたいと思います。
【小林係長】 私は日本技術士会の国際委員会IEA担当ワーキングに傍聴させていただいているという立場で、どんな議論がなされてきたのかということを簡単に申し上げたいと思います。

(以下、日本技術士会国際委員会IEA担当WGで議論されている内容について、非公開資料に基づき説明)

【池田主査】 どうもありがとうございます。
【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。
【池田主査】 どうぞ。
【吉田委員】 それに加えて、この資料について私から一言申し上げておきますと、事務局から説明があったように、日本技術士会の中に国際委員会という委員会がありまして、その下部組織にIEAのワーキンググループというのができていまして、ここが複数名の技術士、会員の皆様が集まって検討した結果がこれであって、中間報告であって、日本技術士会内部で、私以外はどの理事もまだ知らないということで、日本技術士会がオーソライズした結論ではないということ。ただ、非常に本特別委員会の中で私は役に立つと思ったのは、ここに関わった7、8名の技術士の方々の御意見だということで、これは多分、私の認識では日本技術士会内の技術士試験センターにも意見としてまだ全てが通知されているわけではないということで取り扱っていただきたいと思います。
【池田主査】 承知しました。それで、メインのみということですね。
【吉田委員】 はい。
【池田主査】 承知しました。
 それでは、御説明をいただきましたので、これから議論に入りたいと思います。まず、資料2-1ですが、この横長の「今後の第二次試験の在り方について」ですが、まず御意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
 資料2-1を拝見すると、これは第二次試験からのイメージなのですが、第一次試験との接続というか、それらも含めて第二次試験の在り方を検討した方がいいと思うんだけれども、この案を拝見すると、基本的にはPCをベースに、業務経歴をベースに、それから筆記と面接と業務経歴票でPCを判定しよういう考え方だと思うんです。そういう観点からいって、それから、第一次試験も含めてこれで一つの流れとして能力を判定することができるかどうかという観点で皆さん御議論をお願いできればと思います。
 この中で、一つは、前回の意見でもありましたけれども、部門全般に関する専門知識というのがありましたが、この案ではそこは入っていないのですが、そのあたりについても議論していただきたいのと、それから、あとは複合的な問題についての議論がありましたが、これは例えば筆記試験の4とか口頭試験の4のところを見ると、社会という観点から複合的な問題という捉え方をされているんですけれども、先ほどの御説明では必ずしも社会だけではなさそうだと。技術的な面も当然ありますよね。技術に関しての複合的な問題もあるので、そのあたりについてそういうものでよろしいのかどうか、まず議論いただいて、その後、レベルについて少し御意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。
 岸本先生、いかがでしょうか。
【岸本委員】 そうですね。最初の知識のところなのですが、資料2-2のところでIEAの、先ほども触れていましたけれども、知識といったときに「汎用的な原理に関する高度な知識」と書いてあって、一つ一つの記憶に頼るような知識という意味ではないと思うんです。そういったときに、現行の第二次試験の専門知識を問う問題、例題がここにありますけれども、かなり断片的な知識を問う形になっているので、こういった試験のやり方を続けることは余り適切なことではないという印象を持ちます。
 むしろ、こういった知識であれば第一次試験で確認しているので、わざわざ第二次試験で問う必要はないと思います。それが一つです。
 あともう一つ、後半の方なんですけれども、複合的な問題について、現在、第二次試験でどういう形で問われているかということですが、「受験申込み」に説明がある通り、選択問題の3は課題解決能力を問う問題であるということで、概念と内容についての説明があります。ここでは社会的なニーズや技術の進歩に伴い、最近注目されている変化や新たに直面する可能性のある課題に対する認識を持っており、多様な視点から検討を行い、論理的かつ合理的に解決策を策定できる能力を問うことになっています。したがって、これに沿って作問すれば、現行の試験でもかなりの部分、筆記試験で問うことができているといえると思います。採点のやり方もありますけれども、現行、出題していることになるんじゃないかと思います。
 したがって、具体的には、現在出題されている問題の中のいいものを評価することで、かなりの部分、きちんとした筆記試験の内容になってくるんじゃないかと思っています。
 ということで、第二次試験において、現在でも、かなりの部分で対応できているところをきちんと認識して、必要なところは残し、そうじゃないところは別のやり方に変えていくという方向がいいのではないかと思います。
【池田主査】 ありがとうございます。今の第二次試験ですと、先ほど申し上げた部門全般に関する基本的な知識に関する問題と、それから、専門に関しては専門分野の知識と応用能力を問うものと課題解決能力がありますよね。これは先ほどの中谷先生の資料から見ると、応用というのはやはり基本的にComplicated程度だと考えればよろしいんでしょうか。
【中谷委員】 はい。
【池田主査】 それで、課題解決というのがComplexな問題だというような位置付けにできそうな気もするんですけれども、そのあたりは中谷先生、どうお感じになりますか。
【中谷委員】 そうだと思います。今まで複合問題、問題作成側の委員の方々もそうだと思いますけれども、なかなか複合というのと、複合、要するにComplicatedとComplexの切り分けができないためにどういう問題を出せばいいかということがよく分からなかったのではないかという感じがしますけれども、先ほどの定義を適用していくと、問題をもう少し的確に作れるようになるかという感じがしますよね。
【池田主査】 先ほどの御説明を伺って、私も少しイメージが湧いてきたんですけれども。
【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。私も、基本的には第二次試験において、いわゆる普遍的な、専門的な基礎技術を、基礎を問うようなことをしないで、そこは第一次試験と切り分けて、あるいはすみ分けて、第一次試験できっちりそこを確認しておくということにすればよろしいし、実はIEAのPCでいう複合的な課題、問題を解決する能力を有するという資質が必要ですよというのですが、なかなかこれは問題作成が難しいのですが、このIEAのワーキングがどういう判定でもって、評価でもってこれが二重丸ですよ、丸ですよとやっているかというと、IEAワーキング委員各位にということで、こういう基準で、下に1ページと書いてあるのですが、IEAのこのメインのみの中の参考資料3なんですけれども、ここに非常に明確に、こういう問題が入っていますかどうか、皆さん現在行われている第二次試験の課題解決に関する問題にこういう問題が入っているかと、判定要素をやっているんですね。まず問題がありますねと。それを分析して、解決の選択肢の検討をして、評価をして、判断をして、どれを解として提案するのかと、こういう問題が一連の流れの中で問われていますかと、こういう手法で解くような問題でしょうかということを判定してくれと言っているんじゃないかと思うんです。まさに中谷先生が言ったComplexの定義がこれだろうと思うんです。
 だから、明確に、各技術部門の作問委員の方々にこういう解決手法で解決できる問題にしてくださいと言えば、ある一定の問題が間違いなく作れるんじゃないかと思います。それが、中谷先生の説明を聞いて、ComplexとComplicatedというのがどこに線引きがあるのかというのが分かって、多分この中でそれが当てはまらないというのは、多分Complicatedな問題が出されているんだろうと思うんです。
【池田主査】 そうですね。基本的には知識をどういうように応用できるかという問題が多分多いんですね。課題解決というのはもうちょっと複雑で、ちょっと応用とは違うところですね。そこをやはり切り分ける必要がある。せっかく課題解決能力を問う問題を作ったので、前回から取り入れたので、そこは生かしていきたいという気がしますよね。
【吉田委員】 そうですね。これを見ますと、モデル的に非常に優れた問い方をしている問題が、いろいろな部門に多くあるわけですよね。そういうものをちょっと見て、やはり例示としてこういう問題がいいですよというのがいいと思うんです。そういう問題を第二次試験で問うと。そのレベルをどの程度にするかは非常にキャリアパスの問題と絡み合うもので考える必要があると思いますけれども、やはりそういうことだろうと。
【池田主査】 35歳というレベルを考えると、余り難しい問題は。そういうことをできる資質があるかとか、そういうものの見方ができるかとか、そういうのが問えればいいんじゃないかと思います。それをブラッシュアップしていくのは、やはり業務経歴の中で深めていくというやり方の方が望ましいのかという気がするんですけどね。そこで一発で問うというのはなかなか難しいので。
【岸本委員】 今の課題解決能力の問題なんですけれども、かなりいい問題が出題されているように思うんですけれども、もう一つは水準といったときに、採点ですね。どういう基準で採点するのかというマニュアルをきちんと用意していくことが大切で、採点者の方が公正に判断できるように、共通のスタンダードを設定することが大事なことかと思っていますけれども。
【池田主査】 ほかには御意見。どうぞ、よろしくお願いします。
【奥野委員】 今の課題解決問題は25年度から導入されたもので、それ以前は必須科目、テーブルの上にありますけれども、必須科目は択一式になっているのですが、それ以前はこういう問題ではなくて記述式でしたよね。それをやめて、まずは必須科目としては択一式の問題にしたと。これは岸本先生のおっしゃる暗記能力を問うているんじゃないかと。暗記だけではなかなか難しい面もあると思うんですけれども。
 それで、しかも今、まだやっておられるかどうか分かりませんけれども、この必須科目である程度点数を取らないと、そこから先の採点はしないということになっていますね。評価は。だから、ちょっと分析しにくいですけれども、例えばこの必須科目が大体どの程度の点数を皆さん取っておられるのかということで、暗記問題という御指摘ですけれども、かなり点数が悪いようならば、やはりこの程度の知識がない人は困るねというようなこともあるんじゃないかと思うので、その辺の結果の分析もやったらどうなんでしょうか。
【岸本委員】 私が言っちゃいけないんですけれども、技術士試験センターの方で分析されていますよね。ここ数年、まだ全部採点しようということで。
【奥野委員】 そうですよね。
【池田主査】 そうですね。それをベースに今後どうしようかということになっていたと思いますけど。このあたり、どうなんでしょうね。
【奥野委員】 例えば、この必須科目は点数悪いけれども、選択科目の方ですごくいい点数を取っている方がかなりいらっしゃるのかどうかと。選択科目の方でこんな回答をする人は是非技術士になってほしいと思うけれども、必須科目の点数が悪いからだめだったとか、そういうケースが多いのかどうか、そういう分析も必要ではないかという気はいたしましたけれども。
【吉田委員】 そういう視点で分析ができている、事務局で。
【日本技術士会】 分析しております。
【奥野委員】 そうですか。
【吉田委員】 そうですか。概括的に言うとどうなの。
【日本技術士会】 平成26年度はまだ言えません。
【吉田委員】 でも、概括的に言うのはいいんじゃないの。パーセンテージで。
【日本技術士会】 平成25年度の第二次試験について申し上げますと、択一式で合格点の方は記述式でも合格点を取られている割合が多かったです。
【奥野委員】 記述も通っていると。
【岸本委員】 択一は過去問を利用しながら出すということになっていて、それはできなかったんでしたっけ。
【奥野委員】 適用すれば。
【岸本委員】 だけど、過去の問題をよく勉強してくださいということなので、そういうような準備になっちゃうと、やはりかなり暗記的な要素が強いのかなと。

(以下、公正かつ適正な試験を実施することが困難になるおそれがあるため、非公開)

【池田主査】 私は、そういう議論もあるのですが、第一次試験と第二次試験の性格を考えると、2回やる必要があるのかどうかという問題と、それから、今、業務経歴は割と簡単に書いていただいていますよね。本当はしっかり書いていただくので、その分、受験者にとってヘビーになりますよね。それをただ単に付け加えて業務経歴をたくさん書かせる、付け加えていいのかどうかという問題があって、そのあたりを勘案すると、第二次試験の今の必須科目のところをどうするかというのが非常に大きなポイントになるような気がするんですけれども。
そこで、いろいろな面のPCを今後、第二次試験のとき、あるいは試験制度の中で測っていかないといけないわけで、そのバランスを試験制度の中でどのようにとっていくかというのはすごく大事なような気がするんですけどね。福山主査代理はいかがでしょうか。
【福山主査代理】 基本的に第二次試験の位置付けというのをもう1回見直すという立場になると、今、主査が 言っておられたように業務経歴をきちんと問う中でその人が本当に技術士としてふさわしいポテンシャルを持っており、かつ将来に向けてその人が成長していかれるのかどうかというのを問うようなことが基本 になるんじゃないかと思うんです。それから、これまでの 択一式に相当するような部分は、可能な限り比率を少なくしていったらいいんじゃないかと 思います。
【福山主査代理】 基本的に第二次試験の位置付けというのをもう1回見直すという立場になると、今、主査言っておられたように業務経歴をきちんと問う中でその人が本当に技術士としてふさわしいポテンシャルを持っており、かつ将来に向けてその人が成長していかれるのかどうかというのを問うようなことが基本、目的というか、そういうふうになるんじゃないかと思うんです。それから、これまでの記述式に相当するような部分は、可能な限り比率を少なくしていったらいいんじゃないかとは思います。
【中谷委員】 一つ。
【池田主査】 どうぞ。
【中谷委員】 もともとの必須科目を第二次試験で設けるという一つの目的を確認したいんですけれども、現在、第一次試験を合格した方々はどの部門を受験しても第二次試験は好きな部門を選択できるということになっていますよね。そのために、第二次試験で本当にこの部門の専門家として技術士資格を与えていいのかどうかを検査するための必須問題なのではないかと思います。
 もしもそうだとすると、例えば必須科目というのをやる意味、あるいはやめてもよいという共通認識、そういうところを我々が理解していないといけないのではないかと思いますけれども。
【岸本委員】 その点でいうと、7ページのところを皆さんは御覧になっていると思うんですけれども、必須問題と選択問題と分かれていますが、選択問題の中に記述式の「専門知識及び応用能力」というのがあります。これが対象とする技術部門全般にわたる専門知識となっていて、それぞれの専門分野に対する出題になっているわけですね。そういう意味からすると、文章で回答を書かせることで、できるか、できないかという判定じゃなくて、もう少し広い観点から問題も作り込んでいるので、その方がふさわしいように思われます。ということで、必須問題というのをなくしたとしても、選択問題でここのところは対応できていると思っているんですけれども。
【奥野委員】 「技術部門全般にわたる~」ということなんですよね。だから、その辺は今の選択科目とはちょっと変えていかなきゃいけないんですよね。
【岸本委員】 はい、そうです。
【奥野委員】 選択科目は、その選択した科目の専門知識ですから。
【岸本委員】 その専門知識というのをもう少し広めに問うような形というのは、先ほどIEAのプロフェッショナルコンピテンシーでは「汎用的な原理に関する高度な知識」なので、断片的なことを問うわけではなくて、本質的なところを理解しているかどうかというような問い掛けにすることで、専門知識のところを問うことができるように思います。むしろ文章で書かせた方が試験として適切ではないかと思うんですけれども。
【岩熊委員】 以前はここのところは文章だったと思います。ただ、部門によって出し方が随分違っていたような気はしました。幅広く問題を与えて書いていくようなところで、やはり択一で答えをマルバツで出すよりも、ここを簡単な記述式に直していく方がよいとは思います。
【池田主査】 分野によっては非常に幅が広いので、これは大変だとおっしゃる部もありますよね。それから、第二次試験で35歳ぐらいになってもう1回部門全部を基本的な基礎知識をもう1回問うというのは、そのぐらいの年、大学を出て十何年ぐらいの人にとってはなかなかヘビーなんじゃないかという気がしますけれども。そこで全部もう1回勉強し直さなきゃいかんわけですよね。
【岸本委員】 汎用的な原理というのをどう捉えるかですね。一つ一つの専門用語を知っているか知っていないというよりは、汎用的な原理であれば、ある分野で広く共通な概念というのがあると思いますので、その辺を出題してきちんと理解しているかどうかを聞いた方がいいような気がするんですね、専門知識としても。
【岩熊委員】 やはり部門によって出し方、というか問題の作り方が随分ばらつきがあるということがありそうです。問題を出す方がどういう仕事をされているかということによって随分ばらつきがあるのではと感じていますので、ここはやはりベストな問題を提示して改善していくことで、適正に近付いてくるのではないか。どこかの部門を見ただけで、だめとか、いいとかいうような判断が下されてしまうのは、問題かなと思います。
【奥野委員】 まだこの問題、歴史が浅いですから、作問される方もまだ戸惑いがあるんじゃないかという気がしますね。
【岩熊委員】 そうですね。
【吉田委員】 今日の会合で、中谷先生からこういうComplexに関する定義は世の中ではこうですよというのが示されているように、25年度作問する期間のときに、果たして作問委員全員に、Complexって、要するに課題解決問題というのはこういうプロセスを経て最終解を提案するような趣向も入れてくださいねというようなことを説明しているかどうか難しいと思うんです。後で、これはこういう評価をしてくださいよと、課題解決問題というのは分析をして、解決選択肢を検討して、その中から評価をして、それで選択肢を選んで判断をして提案しろと、こういうものがこの問題に入っていますか。それで、丸ですか、二重丸ですか、バツですかと問うているわけです。作る段階では、多分、全員が認識したかどうかというのはまだ2か年で疑問だと思うんです。ですから、こういうことを明確にマニュアル化してお伝えすれば、どの部門も作れるのではないかと思います。
【福山主査代理】 よろしいですか。
【池田主査】 どうぞ。
【福山主査代理】 少し基本的な点を確認させていただきたいんですけれども、元に戻る話になって恐縮です。  一応私の理解では 、20の専門技術部門よりも総合技術監理部門の方がより広く、よりマネジメントに近い資質を問うているような気がするんです。総合技術監理部門は横に広い、しかし、専門技術部門は縦に深い ということで、前々回あたりから議論しているPCを考えると、 総合技術監理部門が私たちが目指している技術士により近いんじゃないかなと感じているんですけれども、そのあたり、御意見をほかの先生から聞かせていただきたい 。
【吉田委員】 では、ちょっと私から。
【池田主査】 どうぞ。
【吉田委員】 実は平成12年以前に取得された技術士の方々、あるいは昭和58年以前、問題が本当に自分の専門知識だけを問うてないんですよね。もっと幅広く、この前もたしか岩熊先生がおっしゃったんですけれども、自分が技術士として携わってきたプロジェクトの中で、こういうことがありましたね、ああいうことがありましたねと反省をして、評価をして、最新の技術をもし適用した場合、どういう結果になったでしょうか、どう思いますかというような問い方もするんですよ。ということは、総合技術監理部門以上にもっと幅広く、深く、自分が業務の中でどういう役割を果たして、技術者としてどういうふうに振る舞ってきたのか。その結果こうだったけど、今思ってみれば最新の技術、昔の技術者だって今の技術をそこに当てはめたときに結果はどうなりますかと。そこまで考察しなさいというような問題だったんです。だから、相当、ウイングの広い出題がされていたと思います。
【福山主査代理】 今は。
【吉田委員】 今はもっと狭いですよね。
【福山主査代理】 ですよね。だから、私はそういう…。
【吉田委員】 だって、平成12年以降は、なぜ狭くなったかというと、これはそういう専門知識を問うだけで技術士を増やそうという目的だったんです。数を増やそうと。
【池田主査】 そういう問い方で、しかも試験がある程度難しかったので数は増えないし、かなり成長しないと合格しないのでね。
【吉田委員】 そういうのが答えられないと。
【池田主査】 答えられない。だから、もう少し専門的なものに狭めていったという流れはあると思いますね。
【吉田委員】 そうですね。ただ、結果からすると、合格者の年齢はそれほど変わってないんですね。
【池田主査】 変わってないですね。
【岩熊委員】 そうです。そこが不思議です。
【池田主査】 目標と合っていない。
【吉田委員】 その時代もピークが42、3歳だと思うんですが、今も42歳ぐらいでしょう。
【岩熊委員】 もっと若いときに取れるというようなことをはっきり打ち出していかないと、42歳ぐらいで取るものだという意識がかなり蔓延していると思います。
【吉田委員】 定着しちゃった。
【岩熊委員】 ええ。ですから、35歳ぐらいでということを、もっとはっきり出したい。そうすると、問題がそのぐらいの年齢の人が解ける形になってくると思います…。
【池田主査】 レベルとしてはそういう設定にしないといけないでしょうね。
【岩熊委員】 はい。
【吉田委員】 まず、技術士資格を取ってから産業界なり社会に貢献するスタートですと。その後は、やっぱりCPD、自己研さんをやって自分を高めていくという努力を責務として法が課しているわけですから、それぞれの技術士がやればいいと思っています。
【福山主査代理】 今、総合技術監理部門とそれ以外の技術部門に試験が分かれていますよね。例えば本特別委員会でいろいろ検討してもらいながら、到達するであろう目標というのは、これは二本のまま継続なんですか。そうすると、おのずとそれぞれに問うべきテーマが変わってくるんじゃないですかね。
【吉田委員】 総合技術監理部門の問題は、技術士分科会でも当面このままにしようということなので、いじらない方がいいと思いますけれども。
【福山主査代理】 ということは、総合技術監理部門向けの第二次試験は第二次試験としてあって。
【吉田委員】 継続すると。
【福山主査代理】 一般のものがあって、その第2次 試験で 特にPCを問おうとしているわけですよね。PCの問い方というのは、今回新たに切り口を明確にして問うわけですけれども、それは同じでいいんですか。
【吉田委員】 いいと思いますね。
【岸本委員】 総合技術監理部門のプロフェッショナルコンピテンシーもIEAにそろえるということが一つの考え方になるんじゃないかということですよね。そういったときに、今度は専門知識をどういう範囲での専門知識とするかになります。特定の工学分野ではなくて、工学一般、技術一般として捉えるようにするのか、良く考える必要があります、今まで通おりですよというと、そこだけ浮いちゃうように思うんです。
【池田主査】 PCは基本的には同じでしょう。
【岸本委員】 同じです。同じにしないと…。
【池田主査】 専門が違うと。
【岸本委員】 専門が違うと。
【池田主査】 そういうことですよね。
【岸本委員】 はい。総合技術監理という専門の範囲で問うということになると、横並びにできるんじゃないかということですよね。
【池田主査】 今、筆記試験についての議論になっているのですが、筆記試験は資料2-1のイメージから見ても、ワン・オブ・ゼムで、やはり業務経歴票とか口頭試験が非常に重要な、それ以外のPCを測るファクターになると思うんですけれども、そのあたりについても少し御意見を頂ければと思います。
【岩熊委員】 技術者倫理の知識というところですが、これをもう一度第二次試験の筆記試験で問うということで、いろいろ意見が出ていたので、ここに書いてあると思いますが、これは第一次試験の適性科目で一応知識はあるというふうに判断するのか、もう少し違う第二次試験なりの知識というように考えればよいでしょうか。
【吉田委員】 現在はたしか口頭試験の中でこの関係は。
【岩熊委員】 口頭試験も書いてありますね。
【吉田委員】 問うているんですよね。
【岩熊委員】 ええ。だから、ここにもう一度出ているというのは…。
【吉田委員】 筆記試験でやる必要があるのかどうかということなんですけれども。
【奥野委員】 技術者倫理というくくり方がちょっと違和感を覚えるんじゃないでしょうか。技術部門共通の知識ということだと思うんですよね、ここに書いてあるように。だから、それを今、択一式でいいのかどうかという御提言があったんですけれども。
【池田主査】 第一次試験で基本的にしますよね。
【奥野委員】 知識はですね。
【池田主査】 知識は。
【奥野委員】 ええ。レベルは違うんだろうと思っているんですけれども。
【岩熊委員】 そう思っているのですが。
【池田主査】 だから、そのあたりの考え方をそろえておかないといけない。
【奥野委員】 大学等卒業程度の知識と、10年程度の実践を積まれた後での知識というのは、当然レベルは違うんだろうと理解しているのですが、それが択一式という設問形式でいいかどうかということだろうと思いますけどね。
【吉田委員】 口頭試験で確認すれば、基礎的な知識、概念は持っていたんだから、10年たったらかなり成長しているという考え方も、というのは分かる、判定ができるんじゃないですかね。私は口頭試験の審査の方を知りませんけれども、多分このテーマでもって、このカテゴリーで合否を、何かを聞いてそのレスポンスで合否を判定しているのではないかと思うんですけれども。だから、6に関してこの口頭試験で十分じゃないかと思うんですよね。
【池田主査】 業務経歴票は、今、割と、先ほどどれにありましたかね。
【小林係長】 参考3に。
【池田主査】 参考3、これですよね。これを見ると、勤務先とか所在地とか、これは大事ですけれども、業務内容は割と簡単に書いていますよね。それから、その下に業務内容の詳細ということで、これは多分、今何か一つ選んで書いてもらっているんじゃないかと思うのですが、そういうことでよろしいですよね。もう少し詳しくポートフォリオみたいな形で書いていただく方がいいんじゃないかという気がするんです。業務内容をもう少し詳しく書いていただいて、例えばAPECだと重要なエンジニアリング業務としてこれを行ったかどうかとか、それから、こういう業務内容を通じてどういう能力が開発されたかというふうに、それを説明していただくというような書き方にすると、かなりコンピテンシーに業務経歴票は役に立つんじゃないかという気がするんですけれども、最近どうも外国は割とそういう書き方に変わっていっているような気がするんですけどね。ただし、彼らは試験をほとんどやりませんので、私は日本の良さというのは、筆記試験もきっちりやって、しかも口頭試験・面接もやるし、こういう業務経歴票も出してもらっていいと思うのですが、ちょっとバランスが試験の方に偏り過ぎているような気がするんです。そこの三つのバランスをよくしていかないといけないので、そこを少し議論していただければと思うんですけれども。
【吉田委員】 一つ重要なポイントだと思うのですが、業務経歴をより詳細に、自分が従事した立場だとかいろいろなことを記述させるというのはいいことだと思うのですが、例えばそれは合否の判定の中にも入れるということですか。これは多分、形式的に受験要件が満たされているかどうかだけを判定している書類だろうと思うんです。今は。これを合否の基礎にはどこにも入れていないと思うのですが、詳しく書かせるということは、海外の場合はおっしゃったように試験をやっていませんから、レポート形式でかなり詳細に書かせるんですね。
【池田主査】 ポートフォリオですね。
【吉田委員】 はい。それは、逆に言えば資格を与える、与えないの判定基準になるわけですよね。日本の技術士試験制度もそのような方向に持っていく必要があるのかないのかということ…。
【池田主査】 いや、総合的に判断ですよね。
【吉田委員】 これも最終的な合否判定の中には入ると。
【池田主査】 例えば面接…。
【吉田委員】 面接の基礎にはなりますよね、何をやったとか。
【池田主査】 だとか、総合的に自分でどういう能力開発をしてきたかというのがこれで分かるような業務経歴票にした方が、その人のキャリアがよく分かるんじゃないかという気がするんです。
【岸本委員】 よろしいでしょうか。キャリアを順番に書かせる履歴書的なものでなく、むしろコンピテンシーをどの程度まで身に付けているかということを自己分析して、自分はこれだけの能力を身に付けたというように記述するような形式を考えたらどうかということです。そうすると、例えば専門知識については大学を出てから自分はこういう活動をして、こういうことがあるので、専門知識が十分身に付いているということをそこに実際に書いてもらうと。
【吉田委員】 いや、理解するのですが、実は国家試験の資格要件の中に、この技術士は業務経歴が4年ないし7年というのがあるので、それだけの判定のためのものだと私は認識しているのですが。
【岸本委員】 そうです。現状はですね。
【吉田委員】 それをもう少し突っ込んでやるとすれば、理解はするのですが、これも総合判定の中に入りますよということを御案内しないといかんわけですよね。
【岸本委員】 そういう作り込みに作り直すことによって…。
【吉田委員】 そうすると、バランスですから、筆記試験の中の何かを簡素化して、こちらに力を入れてもらう分は少なくしましょうとかね。
【岸本委員】 今、この資料2-2を事務局案として作っていただいていますが、この三つを総合してということでしょうか。、すなわち、受験申込み時のポートフォリオで足りるところと、実際に筆記をやるところ、面接をやるところをどうやって区分けしていくかというのが議論になるんじゃないかと思います。何を持って評価するのが一番適当かというのもあると思うんです。
【吉田委員】 ただ、これを見ますと口頭試験でやると。ただし、その基礎の参考は業務経歴だという概念ですよね。今と同じですよね。
【岸本委員】 この業務経歴票をポートフォリオ的なものに変えようというのが今出てきた話だと思うんです。
【池田主査】 やはり技術者の能力開発というのは、CPDもそうですけれども、業務を遂行する中でかなり身に付いていくと思うんです。それが今は、割とそこが書き方としては弱くて、試験ということになっているので、そのバランスはとった方がいいんじゃないかという気はしているんですけれども。
【奥野委員】 口頭試験も試験ですから、経緯としては、かつては吉田委員が先ほどおっしゃったように、今までこんな仕事をしてきて、こんな反省点があるとかないとか、そういう非常に長い文章があって、それが試験そのものに近かったんですよね。それが、この筆記試験が合格してから経歴を出していただいて、それをベースに口頭試験をやろうという方式に変わって、それもなくなって口頭試験の時間が大分短縮されたんですね。去年からですね。そのときに、やはり業務経歴とかそういうことも大事だろうからというので、口頭試験としてはやはりその辺を聞かせていただこうという資料としてこれが作られたということになったんだと思うんですけれども、先日来の話で、やはりIEAの基準に合致しているというようなことを判定する、あるいはCPDの重要性をどう認識しているかというふうなことも確認しようということになりますと、それは筆記試験というよりはむしろ口頭試験に負う部分が多いだろうという議論になっているのではないかと理解しているんですけれども、そうしますと、やはり口頭試験をもう少し充実して、そこで合否判定もかなりあるというふうな体系に持っていく必要があるのかという気はしております。
【池田主査】 恐らく、今度IEAの、4年後にありますよね。
【奥野委員】 何か書いてありましたね。
【池田主査】 ええ。そのときに、本当にこの試験を重視しているやり方でそういう能力が身に付いているんですかという質問は必ず来ると思います。そのときに、やはりこの業務の中で判定もしていっていますよというスタンスをとっておかないと、なかなか説明ができないような気がするんです。しかも、それが世界の中の一つのの流れではあると思いますけれども。
【岸本委員】 だから、口頭試験の中でも、例えば技術士の責務は何ですか、ちゃんと答えてくださいとかいう方式ではなくて、むしろ業務経歴の中で、業務で自分はいつもそういうことを考えていますよということを書いてあったならば、それが公正に書いてあるかどうかを確かめるぐらいの話じゃないかと思うんです。そういうやり方に持っていった方が、一発の試験で合否が決まるようなもでなくて、実績の積み重ねでここまで到達したから技術士になるというようなメッセージが出せるように思うんです。
【岩熊委員】 昔の願書の中には、主査がおっしゃっているような、仕事以外に、仕事を補完するものとしてどういう能力開発をしてきたかというようなことを書く欄があったと思います。例えば、仕事は仕事で経験は積む、仕事に関連して委員会、学会、社内でも研修マネジャーをやった、そういうようなことや執筆も含めて書く欄がありました。それは、もちろん仕事に関連していますので、仕事以外のキャリアが補填できているということは確認できた。口頭試験のときに、その一部を聞かれることもありました。どうやって書くかというのは別にして、仕事を積み重ねてきた中で、その周辺でどうキャリアを積んだかというのはどこかに書いてもらった方がよいと思います。
【池田主査】 この資料2-1の業務経歴票の3のところは自己研さんが入っていますね。これでしょうね。
【岩熊委員】 このあたりのことを分かるようなものは、やはり必要ではないかと思います。
【池田主査】 そうすると、今は業務、本当の業務だけなんだけれども、そういうものも少し書いていただくということはやはり大事でしょうか。
【岸本委員】 これ、今の資料2-1の2番目のところが、最後のところが振り返った上での反省や改善等と書いてありますが、今のもそうなっているんですよね。だけど、ここで反省したり改善したりするというよりは、やはりこういった業務を通じて1のところがどう身に付いたかということをきちんと関連付けて説明してもらう方がいいんじゃないかと思うんです。そちらに変えていくと、今までの議論と整合してくるように思うんですけれども。
【池田主査】 それを、どういう仕事をやったかということを今書くようになっているので、それを通じてどういう、例えば自分で分析したり振り返ってみてどういう能力が身に付いたかというような書き方にしていただく方が。
【奥野委員】 自己評価ですかね。ある種の。
【岸本委員】 自己評価。
【池田主査】 その方が私はいいんじゃないかなと。
【奥野委員】 それも大事なことですね。
【池田主査】 いいと思いますけれども。そういう書き方にしていただいた方が。
【奥野委員】 その辺を口頭試験で十分確認させていただくと、こういうことになる。
【岩熊委員】 そうですね。
【奥野委員】 それほど負担にはならないんですかね。受験申込書を出す段階でかなりのことを書いていただくというのは。それはやはり、それだけ熱意があればそれぐらいのことを書いていただくというのは。
【吉田委員】 時間がありますから、負担にはならないと思いますね。例えば我々の時代みたいに、試験の中でそういうことを書かなきゃならんというと、ある一定の時間で書かなければならないですから、かなり大変ですけれども。
【池田主査】 前のは大変でしたよね。
【吉田委員】 はい。1日中書いていたですからね。
【池田主査】 何ページか書いてもらって、3時間ぐらい書いたんじゃないかな。
【岩熊委員】 自分でやってきたことを、こういう観点で整理してくださいというふうに提示すればいいだけだと思いますので。
【吉田委員】 だから、この申込書に書かせることは、受験者に対して負担はないと思うんですね。
【池田主査】 それは自分で書かないといけませんよね。きっと誰かに聞いてということにはならないので。
【吉田委員】 こう書いた方がいいよと誰かに聞けば、口頭試験で答えられないと。
【奥野委員】 それは、企業ではこういうのが模範回答だからというのが出回るかもしれませんけれども、それはやはり…。
【池田主査】 だけど、基本的にはどういうことをやったかというのは自分で書かないといけない。
【岸本委員】 自分の業務でなければいけないので、それはありますよね。
【吉田委員】 こういうものというのは必ず口頭試験のときにベースになるから、質問を受けるよと、確認されるよとなれば、やはり自分の経歴以外は書けないですよね。
【岸本委員】 書けないと思います。
【奥野委員】 そうですよね。自分の言葉で書いていただくことになりますよね。
【池田主査】 それから、資料3についても議論をしていただいているのですが、専門知識の程度とか範囲、これも少し議論していただきました。それから、複合的な問題についても議論していただきました。それから、問題解決の水準をどの程度にすべきかとか、いろいろな視点があるのですが、それらについても、資料3についても御意見を頂戴していただければと思います。中谷先生の作成された資料4についても参考にしながら御議論をお願いできればと思います。
【福山主査代理】 ちょっとよろしいですか。中谷先生の資料も対比しながらの考えですけれども、現行の技術士法第2条に技術士の定義があるわけですよね。何と書いてあるかというと、「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者」を言うのですよね。そのときに、私の理解を深めるためなんですけれども、ここに書いてある「高等の専門的応用能力」というのと、今私たちが議論している複合というのと違うんですか、同じなんですか。
【吉田委員】 私は同じだと思います。政治的な、複合的な課題を問うわけじゃなくて、技術的な問題を問うわけですから、もちろん専門的な応用能力がなければ、自明の理だけを答えればいいわけではありませんので、先ほど中谷先生から御説明があったように、分析したり、確認したり、これがいいか、あれがいいかと頭の中でそれぞれのメリット、デメリットも含めてやって、自分の解としてはこれを提案しようと。これはこういう理由だと。
【池田主査】 そうですね。高等の専門的応用能力というのが広くて、その中に複合的な問題とか、そういうのが含まれているというふうに私は考えますけれども。
【福山主査代理】 私の言いたいことは、何かこの文章を読んだだけで受験する人は、例えば複合的問題とか何とかと自分の中で整理して、それに基づいて業務経歴票を書こうというふうになるかということなんです。
【池田主査】 それは、必ずしもそういうふうに書かなくてもいいんじゃないかと思いますけどね。どういう能力が、そこで振り返ってみて、自分の業務の中で、あるいは能力が身に付いていったかということが分かるというような書き方にしていただければいいんじゃないかと思いますけれども。それにCPDというのは、やはりその業務の中で得られないものを基本的に研修を受けたり、みずから学んだりして能力を身に付けていくというのが基本的な考え方だと思いますので、そういう切り分けにしておいた方がいいんじゃないかなと思いますけどね。
【福山主査代理】 はい、分かりました。
【池田主査】 よろしいですか。では、ほかに何か御意見があったらお願いしたいのですが。
【奥野委員】 レベルというお話があって、これはなかなか議論することも難しいという気がしますし、この程度の問題ならばレベル5だからいいんじゃないかとか、レベル3だからちょっとまずいんじゃないかと、なかなか具体的に浮かんでこないんですけれども、先ほど35歳を目標にしているけれども相変わらず42歳だというお話があったんですけれども、これは受験者数は圧倒的に建設部門が多いんですけれども、合格者数になればそうではないのかもしれないが、やはり建設部門が多いんだと思うんです。そういう平均をかなり建設部門が影響させているのではないかと思うんですけれども、その辺はどうですかね。
【吉田委員】 そういうことだよね。
【日本技術士会】 そのとおりでございます。
【奥野委員】 そうだろうと思うんですよね。そうすると…。
【吉田委員】 建設部門の合格率が1ポイント上がると、全国でも相当上がるんですよ。
【奥野委員】 大体いつも一番低いぐらいですよね。建設部門の合格率は。
【吉田委員】 低い方から数えた方が早いですね。
【奥野委員】 そうですね。一番とは言わないかもしれませんが。それで全体の合格率もかなり影響されているということなので、そうしますと、やはり建設部門は御承知のとおり技術士の資格を持っていれば公共事業に関係する設計ですとか、そういうものに携わることができるというので今やられているので、そうすると資格を取った途端に椅子に座れるということですから、やはりどうしてもかなり経験を積んだ人にやってほしいなという、これは仕事をお願いする側からはそんな気持ちになっちゃうので、やはり設問だとかそういうのが少し難しくなっているのかと。あるいは、ある程度の経験を積んだ人でないとなかなか合格しないというような設問になっているということがあるのかもしれませんね。ですから、これは必ずしも年齢ではないと思うんですけれども、やはり先ほど来出ている経験をどの程度積んでおられるかとか、そうした中で自分がどのようなことを身に付けてきたかというようなことをしっかり確認するというプロセスがあれば、多少年齢も若返る可能性があるのではないかという気がいたしますけれども。
【池田主査】 例えば会社とかそういうことで、35歳というのはどのレベルなんですかね。例えば何か、何人か一緒にグループのリーダーとして仕事をするという立場に大体35歳ぐらいからなるのかどうか。
【奥野委員】 35、私は会社はよく分からないですけれども、どうでしょうかね。
【福山主査代理】 35だと、課長になるとかならないとかですよね。今は随分、年齢的に高齢になりまして。だから、全体的に見るのは、基本的にやはり45歳手前ぐらいの人だと僕は思うんですけれども。
【奥野委員】 45だと部長さんクラス。手前、もうちょっと上ですか。
【池田主査】 全体を見るというよりも、何か一つ仕事があったときに、指示をされて働くのではなくて、自分が中心になって問題を、あるいは仕事を解決していくという立場になるのは35歳ぐらいと考えていいですか。
【吉田委員】 ちょっと早いかもしれないですね。
【岸本委員】 どの程度の責任かというのをきちんとしておかないと多分いけないと思うんですけれども。APECエンジニアでも責任を持った仕事というのがありますが、日本側は責任というのを大きく捉え過ぎているような気もしていて、10人ぐらい部下がいないといけないとかね。そうではなくて、数人ぐらいのグループでやっていて、そのグループリーダーとして一定の仕事に責任を持ってやれば、責任を持った仕事だというふうに捉えることもできると思います。そういう仕事をしている人たちはもっと若いんじゃないですか。
【池田主査】 私もそこがポイントだと思うんです。だから、上から言われて、言われたことだけはやって、これはもう必ずComplexな仕事ではないですよね。明らかに違う。
【岸本委員】 マニュアルでやるだけ。
【池田主査】 それはマニュアルでやるだけですから。
【吉田委員】 そうではないんですよね。35ぐらいというと、やはりリーダーの補佐的な役割を果たしていますから、リーダーの要請に従って、多分、小さなグループを束ねているんだろうと思うんです。35ぐらいというのは。多分どこでもそうじゃないかと。ただ、もう少し大きな、本当に責任がある立場で振る舞っているかというと、それとは違うと。
【池田主査】 それは、技術士はそこまで要求しなくてもいいと思うんです。小さなグループで、自分でどうやってやっていこうかというのを考える立場になる、そういう人は取っていただきたいと思うんです。
【吉田委員】 ただ、奥野さんも、いみじくも先生が言ったように、使う側からすると、35で管理技術者かよ、ちょっとあれだな、経験的にもう少し経験を積んでもらいたいなという気持ちになるのというのが正直だろうと思います。35というと10年でしょう。10年のうち、最初の二、三年というのは経験に入らないと思うんですよね。そうすると、やはり使い勝手からすると、重要な立場で経験を積んだ数は少ないねという感じの印象を持たれる年ですよね、35というと。40というと、そういう年齢はなかなかそういう印象は持たないと思うんですけれども。
【奥野委員】 それは個人差がありますから。
【吉田委員】 もちろん。
【池田主査】 そうですね。大学でいうと、35歳の助教授というのは一番バリバリしていますよ。
【奥野委員】 助教授ぐらいになられていますか。
【岸本委員】 35歳だと、今ちょっと遅いですけれども、35だとほとんど研究室を束ねて。
【池田主査】 学生を指導しますよね。
【岸本委員】 だから、会社の中でどういう形で責任分担をして、仕事を次の若い人たちに任せていくのかというのはあると思うんですよね。学部とか修士を出たレベルで責任をかなり持たせた形で、本人が考えながらになると思いますけれども、仕事をさせていかないと、これから日本はもたないと思うんです。若い人たちの数がどんどん減っていく状況でもありますから。そういうところも考えて、技術士を若返らせるというのは大事だと思います。
【吉田委員】 大事だと思います。ただ、35ぐらいで合格するレベルをどうするんだというと、なかなか私もイメージが湧かないんですよね。現行の問題で最低年齢は幾つかというと、やはり30ちょっと前で合格している方がいるんですよね。
【岸本委員】 20代でいらっしゃいますね。
【吉田委員】 28、9歳でいるんです。
【池田主査】 個人的なばらつきはすごく大きいとは思いますね。
【吉田委員】 そうなんですよね。
【岸本委員】 社内でもかなり仕事を任されて、成功すると次の仕事とか、ちょうどそのくらいの年代になって受けられていると、20代でも合格が出ると思うんですよね。
【吉田委員】 非常に難しいんですけどね。どこをどう捉えていればいいのか。それこそ、脱線しますけれども、第一次試験は9歳の小学生が受かったですからね。
【池田主査】 業務経歴がないから、技術士にはなれないでしょうけど。
【吉田委員】 そうですね。
【福山主査代理】 PCを問うために、例えばすごく重要な課題、テーマにするとするでしょう。そうすると、やはりある経験年齢があって、経験を積みながら自分のコンピテンシーをきちんと積み上げていくというプロセスが今までよりも必要になってくるんじゃないかと思うんです。そうしたときには、35というのが後ろ倒しになる可能性があると。だけれども、前倒しにしないと全体的な海外の企業との競争力とかは勝てないよねということになると、35歳で試験を受けて、技術士を取得できるようにするということと、技術士を試験で評価するということは二項対立的になっているような気がするんですけれども。
【池田主査】 それはレベルの問題じゃないですか。
【岸本委員】 それと、もう一方で、先に開催されたIEAの会合でイギリスの担当者が作成した資料によると、きちんと会社の中でも育てる、どういう観点で仕事をしなさいとかいうのをきちんと自覚させることによって、プロフェッショナルエンジニアになるまでの期間が短くなるということです。漫然と経験だけしている人は、そのときの発表では40幾つ位になるということでした。40歳では海外から見ると遅いと。普通だと29歳でということは、大学できちんと勉強し、会社に入ってからも会社のトレーニングをきちんとやり、業務を任せる仕組みができているということです。日本のシステムをそちらに合わせていかないと人材育成の競争に勝てないですよね。だから、そういう意味の意識がこれで出てくるといいんじゃないかと思うんです。だから、遅くなるということじゃなくて、早くするためには会社の方も変えなきゃいけないし、みんなが変えなきゃいけないと。
【岩熊委員】 42歳は試験制度を変えても、何をしてもそれは変わらなかったんですよね。
【池田主査】 今まではね。
【岩熊委員】 というのは、先生がおっしゃるように35歳で目指すというメッセージを、逆にこちら側からきっちりと出していって、そこへ35歳で目指していくことで若返りというか、若い人に目指してもらうということをもっとはっきりさせる。試験制度を変えてどうだったという形ではなくて、こういう資格であるべきだということがもっと全面に出ていた方がよいと思います。
【池田主査】 多分、世の中のニーズを見ながら試験をしているんだと思うんです。そうではなくて、やはり高等教育から始まって、自分が技術者でどういうふうに成長していくか。35というのは一つの非常に重要な年齢で、そこで技術者としてかなりのところが成長していっているんだと、そういうことを皆さんにお話をするのと、やはり試験制度もそれに合わせるようにしていかないといけないんじゃないかと思いますけれども。
【吉田委員】 もちろんそうなんですよね。だから、偶然にも第一次試験の合格者の平均年齢が35歳なんですよ。そうすると、今の制度だとそこから業務経歴ですから、第一次試験も大くくり化で、もう少し在学時代から受けられる、あるいは卒業してすぐ受けられるというような形をとっていかないといかんと。
【岸本委員】 会社の方でも、JABEEの卒業者でなければ、技術士第一次試験を全員受けて、合格できるような状況を作らないといけないんだと思うんですよね。
【吉田委員】 そうですね。だから、産業界も、この前も話があったんですけれども、やはり意識としては技術士第一次試験を合格していますというと、やはりそれは考慮しますよと言っているわけですから。
【池田主査】 ほかにはいかがでしょうか。今日御議論をお願いしたのは、第二次試験の内容とレベルをどうするかと。それから、業務経歴票とか第二次試験筆記試験と口頭試験、そららの間のバランスをどうするかという観点で議論をお願いしたのですが、レベルの問題というのはなかなか難しくて、こういうレベルでというのは難しいんですけれども、私は基本的にはそういう考え方というか、視点を持っているかどうかというのはすごく大事で、このレベルに全てのコンピテンシーが到達しないといけないということでもなさそうな気がするんです。こういうコンピテンシーを様々な観点からチェックしていくと。それが技術者の能力開発の証ではないかという気はするのですが、それを試験で全て測ろうとすると非常に無理があるような気がするんです。
【岩熊委員】 推薦書のことが何も話題にならなかったんですけれども。
【池田主査】 推薦書ですか。
【岩熊委員】 ええ。資料に書いてある受験申込み時の推薦書の話で、これは新しい提案ですけれども、どういうふうに考えたらよいでしょうか。
【池田主査】 これですね。この推薦書ってどういうイメージ。
【小林係長】 受験者のいる企業、組織の上司に当たる方が、この人は例えばコンピテンシーを取得するためにはこんな取組をやっていたことを証明しますということを第三者というか、本人ではない別の人からもそうだということを証明するような材料という意味で考えられるのではないかと。
【吉田委員】 私は、これは受験者を狭める、狭き門にする一つになるんだろうと思う。例えば、企業の中の大半、技術士がいない企業もたくさんあるわけですよね。それでもそこの代表者の、この人はこういう業務経験をやりましたよ、印鑑を押して認めたわけですよね。ところが、技術士の推薦がないと、この人は受験できないとなると、これはまずいと思うんです。
【岸本委員】 考え方だと思うんですけれども、これから技術士補、名前は変わるかもしれませんけれども、JABEEの卒業者も含めていろいろなところで勉強できるようにしましょうということなので、何もこの推薦する人は社内の人でなくてもいいわけですよね。
【吉田委員】 もちろん。
【岸本委員】 必ず日本技術士会と関わってほしいと、そういうふうに技術士を目指す人は、大学を出てから35歳になるまでですから、10年間の経歴の中を技術士から見てこの人はちゃんと技術士になれそうだというのを、何かこういう仕組みとして入れた方がいいんじゃないかというのが事務局案なので、最初にこれが難しいからとやめてしまうとその仕組みが作れないかもしれない。
【吉田委員】 いや、これは実は失敗例だろうと思うのですが、技術士第一次試験を受けて登録すると、指導技術士を見つけて、その指導を受ければ7年が4年に短縮されるんですけれども、実際、数字から見てそれをやって受ける人は少ないんです。
【岸本委員】 だから、技術士補に登録するからなんですよ。それがしないだけで、やはり…。
【吉田委員】 いやいや、しなかったら余計、現行の技術士がこの人受験するからって、知らない人を推薦するかどうか、これは難しいでしょう。
【岸本委員】 知らないとするか、技術士にするのか、学協会にするのか、やはり技術者としてシニアの人がこの推薦書を見て何か書いてあげるというのが、大体欧米は推薦方式になっていますよね。
【吉田委員】 だから、企業の責任者、代表が…。
【岸本委員】 でもいいし。
【吉田委員】 もう既にあるわけですよね。
【岸本委員】 上長でもいいし。
【吉田委員】 それはあるわけです。今、現行の中に。それで十分じゃないかと思っている。
【池田主査】 推薦、証明は今でもありますよね。これは、経歴は。
【岸本委員】 経歴を証明するだけだから。でも、コンピテンシーは証明しないわけだから。今度は、業務経歴票を書いてきたときに、そういう能力を、周りから見ていても大丈夫ですよというのをしてあげる方がいいと思いますが。
【中谷委員】 コンピテンシーは試験で試験委員が評価するのであって、上司、あるいは日本技術士会の技術士がいくらお墨付きを与えても合格するわけではないわけですよね。
【池田主査】 これをこのままにしておくと、上記のとおり相違ないことを証明する、これは業務経歴についてはですよね。
【中谷委員】 これは必要だと思います。
【吉田委員】 これは必要ですよね。
【池田主査】 ですよね。だけど、コンピテンシーが身に付いたかどうかと書かせると、相違ないというのはなかなか言えないと思うんですよ。おっしゃるとおり。だから、これは自ら書いたということを証明してもらうとか、業務経歴については間違いないとか、そういう証明をしていただくのはいいと思うんです。
【岸本委員】 そうするのか、もう一つ、試験で全部測るのかというのと関連しているんですよね。コンピテンシーの全ては測れないわけですよ。要するに、コミュニケーション能力だといってもその場限りかもしれないわけだから、試験とこれとをどうやって組み合わせて、要求される全コンピテンシーを満足したかということもあるので、ちょっとこの辺はすぐだめだというよりは、ちょっと考える要素として置いておいた方がいいのかなと思っているんですけれども。
【福山主査代理】 おっしゃることは分かるんですけれども、現実的にはやはり技術士有資格者という、いわゆる第三者ですよね。直系の業務だけの評価者じゃなくて、PCを持っている人物。それは、現実的にはすごく間口を狭めることになると思います。
【岸本委員】 そこら辺はどうするかですよね。私は広がるんじゃないかというような気もするし。
【福山主査代理】 例えば、この人はどうやって証明するんですか、その技術士は。証明する技術士が証明の基準を持っていなくちゃいけない話になってきますよね。
【岸本委員】 だから、結局、技術士のコミュニティーとしてのコンセンサスがあるということが大前提ですけれども。だから、新しい人が入ってきたときに、この人たちをインタビューしてでもどういう仕事しているのと聞いて、この人は大丈夫だといって推薦書を書くわけですよね、みんなは。そういう仕組みが日本として作れるかどうかということにかかっているとは思うんだけれども。
【福山主査代理】 結構大変な気がしますね。
【池田主査】 それは口頭試験で確かめるということではないんでしょうか。口頭試験とか筆記試験で。
【岸本委員】 ところが、口頭試験というのは非常に時間が限られていて、1時間やったら十分なのかといったらそうでもないわけです。その人をずっと見ているわけではないので、やはり技術者コミュニティーの人が見ていて、この人は大丈夫だというのも一つの要素として考えたらどうかと。そうすると、口頭試験がもう少しソフトタッチ、もうちょっと緩やかになるんじゃないかと。
【吉田委員】 それは理解するのですが、だけど、この受験者が、技術士がいるコミュニティーのメンバーかどうかも分からないわけですよね。技術士にとったら、日本技術士会に入れば日本技術士会というコミュニティーのメンバーになりますけれども、受験者ですからね。
【岸本委員】 受験者というのは、だから、大学を卒業した後に技術者を目指す人たちを、会社の中で協力するだろうし、あとは…。
【吉田委員】 だから、会社の上司が…。
【岸本委員】 言えばいいですよ。証明できればね。
【吉田委員】 証明すればいいんじゃないかと。
【岸本委員】 それ一つはね。技術士じゃなくてもいいかもしれない。技術士に相当する方でもいいんですけれども、あとは、そういう方がいない人もいるわけですよね。
【吉田委員】 いないけれども、その会社の経営者がいるかもしれない。その経営者が技術者じゃなくても、こういうことをやりましたよというのは証明できるわけですよね。中身は別として、こういう仕事はやってきましたよと。
【池田主査】 それはできるでしょうね。
【吉田委員】 だから、それで十分だと思うんですが。
【福山主査代理】 私もそう思いますね。要は、技術士としての資格を持っている人が証明しないと、この推薦書にならないということを言ってるんでしょう。
【岸本委員】 いや、その技術士有資格者までは、ここはそう強く書いてありますけれども、技術士に相当する技術レベルを持っている人でもいいと思いますけれども。
【吉田委員】 またそうなると、それが証明できないじゃないですか。この人は技術士と同等の技術を持っていますと。
【岸本委員】 その人たちはどこかへ登録しておかなきゃいけないですね、やはり。
【吉田委員】 だから、それはややこしいですよ。
【池田主査】 ちょっとそこは複雑になるね。
【吉田委員】 複雑になる。
【池田主査】 やはり、まずは自分がやってきた仕事に関して虚偽の申告はしていないと。それはやはり誰かにサティフィケートを出してもらう必要はあると思うんだけれども、能力がどういう能力があるかというのは、これはなかなか外から見て分からないような気がするんだけど。それはやはり試験とか、あるいは面接をすることによって判定をしていくという。そうしないと、多分、俺らは証明なんか、おまえのこと分からんから嫌だなんていう人が出てくる可能性が出てきますね。
【福山主査代理】 一番大きな壁は、この推薦書ですよ。頭の1、2、3に比べると。
【岸本委員】 なかなか日本はこういうことになじめないから、このようにはなっていかないと思われます。
【池田主査】 本来はそうなんだけどね。
【岸本委員】 この辺は次の課題かもしれないけれども。事務局案としてはいいなと思っていたんですけれども、ここまでやると変化が大き過ぎてしまい、実行が難しいということであれば、取り下げてもいいと思います。
【池田主査】 日本の推薦書は信頼できないというのが大体外国での評価で。大体みんないいようにしか書かないのでね。
【岸本委員】 だから、もうちょっと丁寧に書くとか、そういう文化になっていかないとまだだめなんでしょうね。
【池田主査】 そういう文化になってないですよ。
【福山主査代理】 特に技術的なテーマとか考え方が異なる上司がいる場合、 あなた の考え方はだめだというかもしれない 。
【岸本委員】 そういう状況になるとちょっと、もうここまで踏み込まないことにしましょう。
【小林係長】 技術者倫理の話、奥野委員がおっしゃっていたこと、ちょっと御意見を頂きたいのは、第一次試験でも適性科目で今問うているという現状があって、第二次試験でも問うかとか、口頭試験で問うというのが現状なんです。ただ、倫理という言葉が適当かなんですけれども、やはり35歳なのか、実務経験を経て第二次試験を受けたいといった人であっても、技術者というのはこういう倫理というか…。
【奥野委員】 私は第二次試験で必要ではないのではないかというので違和感と言ったのではなくて、これはやはり技術士になっていただくには、そういう資質を持った方だという、いわゆる普通の意味での倫理ですね。これはやはりどこかでチェックしていただく。だけど、これはやはり口頭試験だろうと思うんですけれども、書いたものでは難しいと思います。
【池田主査】 ペーパーテストの知識ではないですね。
【奥野委員】 ではないと思います。それは先ほど来出ているPCにもつながることだと思いますので、そこは必要だと思います。
【池田主査】 今、二重にチェックしているようなところがあって、第一次試験と第二次試験でね。だから、第一次試験でチェックできる、例えば技術一般に関することとか、あるいは技術者倫理の知識に関するようなことは第一次試験で通っているので、もう第二次試験はやはり専門的な業務とか、あるいはIPDみたいなものを通じてどういう能力を自分が身に付けてきたかということを判定するような試験の方が望ましいような気がするんですね。
【岸本委員】 現行だと、技術士としての適格性及び一般知識と書いてある観点からインタビューされていると思うんですけれども、この中での重みが、技術者倫理というのがかなりと、技術士制度の認識その他と書いてあるので、適格性というよりは、ほとんど技術士の制度について聞いていることが多いんですよね。だから、それをまさにこの技術士としての適格性という形でインタビューする内容を組み込んでいくことではないかと思うんです。技術士制度の中で技術士がしてはいけないこととか、それを聞いているんですけれども、そこはもう聞かなくてもいいんじゃないかということかと。
【池田主査】 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。それから、先ほども最初に申し上げましたけれども、複合的な問題は社会的な問題のみじゃなくて技術についても複合的な問題がありますので、それは是非含めておいていただきたいと思います。
【岸本委員】 繰り返しですけれども、7ページのところには社会的なニーズや技術の進歩に伴い…と書いてあるので、まさに今作ろうとしている、やっている問題は、うまく作っていけばそれが含まれているんですよね。
【池田主査】 そうですよね。
【吉田委員】 しかし、あくまでも技術に絡んでいるわけです。
【岸本委員】 そうです。
【池田主査】 どうもありがとうございます。
【福山主査代理】 いいですか、先生。
【池田主査】 どうぞ。
【福山主査代理】 今日の議論も含めて考えると、私の個人的な印象では、だんだんこの技術士試験が複雑かつ難しい方向に行っているんじゃないかという気がするんですけれども、どうですか。
【吉田委員】 僕はそうは思わないんですけれども。だから、レベルをどうするかというのは非常に真剣に考えないと。
【福山主査代理】 そうですね。分かりました。今、吉田委員がおっしゃったように、そのレベルの話をもう少しきちんとすれば、必要かつ十分な制度ができ上がっていくと思うんです。今のままでいくと、より受験者が減って、合格者が減ってという感じがしないでもないものですから。
【吉田委員】 第一次試験はもう明確に大学を卒業した程度ということですけれども、第二次試験もそれなりに指標を示さないといけないわけですよね。
【池田主査】 今日ある程度そのあたりの議論が進んだような気はしますけれども、これは次回もう少し議論を深めるということでよろしいですか。
【小林係長】 はい。これをもう少し文書化したものとか、業務経歴とか、この段階ごとにもう少し詳しい資料を描けるんじゃないかと思っていますので、またお示ししていきます。
【池田主査】 ありがとうございます。
 それでは、本日の意見を集約していただきまして、次回の委員会で修正案を提示していただきたいと思います。
 最後に、事務局から報告があります。よろしくお願いします。
【小林係長】 はい。資料はないんですけれども、本特別委員会の下に二つの作業部会がございまして、その進捗状況を簡単に申し上げたいと思います。
まず、第一次試験適正化検討作業部会、第一次試験の専門科目の大くくりについてどうするかについては、10月上旬に作業部会を開催しまして、今の専門科目の知識項目を余り詳しく定めていくと大くくりの議論ができないのではないか、膨大な作業になるということなので、ある程度細かくしたもので今止まっており、その上で事務局案や、以前に日本技術会の検討チームで作られた「系」という、簡単に言えば5つの系という案を頂いていますけれども、それを基に事務局案で同じような系を作って、その中に属する技術部門は何なのかというのと、知識項目は具体的に何なのかという案をお示しして、作業部会の委員の方に今見ていただいているというところでございます。これは、11月中旬に作業部会を開催して、それまでに委員より頂いたもので系の適否というか、系はこれでいいのかという妥当性、又は、そこに含まれる技術部門や専門科目の知識項目についてもこれでいいのかというのを固めていくということでございます。
 もう一つ、相互活用作業部会、情報処理技術者試験と技術士第二次試験の相互活用のところにつきましては、今は作業部会の委員の中で、情報工学の第二次試験の必須科目、ここでも議論がありました専門知識の部分が一体何なのかという、いわゆるBOKというものを作っていただいているところであり、それを基に情報処理技術者試験の知識とスキルというものと対比する形で検証をしていくというところであります。対比したところで、全部丸が付くのであれば、それは同等な部分が見えてくるんじゃないかという議論を今していただいているというところであります。こちらも適宜報告させていただくということであります。
【池田主査】 ありがとうございます。
【杉浦専門官】  済みません、あと補足で、誤解がないようにしていただきたいのは、確かに資格要件の資格証明書なのですが、面接のときにはもちろんこういったものを見ながら能力を検討しておりますので、その点は誤解のないようにさせていただいて。
【池田主査】 それは皆さんそういう認識だと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、ほかに何か事務局からありますでしょうか。
【奥野委員】 メインのみの資料はどうするんですか。
【小林係長】 お持ち帰りいただいて構わないです。
【奥野委員】 いいんですか。はい。
【小林係長】 私の方から、毎回ながら、議事録につきましては案を後日照会させていただきます。御確認いただきましたら、ホームページに公開させていただきます。また、次回の日程につきましては、既に御案内しております、11月26日水曜日午前10時から、これは15階局1会議室で開催させていただきます。
【池田主査】 それでは、以上で議事を終了したいと思います。どうもありがとうございました。

閉会11時57分

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