第7期 技術士分科会 制度検討特別委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成25年10月8日(火曜日)10時00分から11時57分まで

2.場所

文部科学省東館15階 局1会議室

3.議題

  1. 今後の技術士制度の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

池田主査、福山主査代理、岩熊委員、奥野委員、岸本委員、中谷委員、椋田委員、吉田委員

文部科学省

松尾人材政策課長、吉田専門官ほか

オブザーバー

経済産業省、農林水産省、公益社団法人日本技術士会、一般社団法人日本技術者教育認定機構

5.議事録

10時00分開会


【池田主査】 それでは、ただ今から科学技術・学術審議会技術士分科会第4回制度検討特別委員会を開催いたします。御多忙中、御出席いただきましてありがとうございます。
 初めに、今回から2人の委員に御参加いただくことになりましたので、御紹介申し上げます。まず、一般社団法人関東地域づくり協会理事長の奥野晴彦委員です。

【奥野委員】 奥野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【池田主査】 よろしくお願いします。
 次に、一般社団法人日本経済団体連合会常務理事の椋田哲史委員です。

【椋田委員】 椋田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

【池田主査】 よろしくお願いします。
 それでは、議事に移ります。まず、事務局から資料の確認をお願いします。

【小林係長】 お手元の資料の確認をお願いいたします。配付資料につきましては、一番上に議事次第、その次に資料1から2、3、4、5とあります。参考資料につきましては、参考1、2、3、4とございます。それぞれの皆さんの机上に技術士関係法令集という白冊子と机上資料一覧という紙ファイルが置いてあるかと思います。御確認お願いいたします。

【池田主査】 よろしいでしょうか。
 それでは、早速ですが、議題1「今後の技術士制度の在り方について」に入ります。
 7月下旬に開催されました前回の技術士分科会では、これまでの本委員会での議論の途中経過報告をいたしました。それを基に御議論いただきました。そこでは、技術士のキャリア形成スキーム、総合技術士、総合技術監理部門等について様々な御意見を頂戴し、本委員会で引き続き議論するように求められました。
 本日の委員会ではその分科会の議論を踏まえて、ここで更に議論してまいりたいと思います。まず、前回分科会における主な発言内容を含めて、事務局から説明をお願いします。

【小林係長】 配付資料、資料1から5につきまして10分弱で御説明申し上げます。まず、資料3を御覧ください。7月下旬に開催されました親委員会であります技術士分科会におきまして、これまでの制度検討特別委員会で御検討いただきました途中経過について主査より御説明いただきまして、分科会の皆さんより意見を頂戴したところです。それぞれ文字を枠で囲んでおりますように、資質能力、キャリア形成スキーム、総合技術監理と大きく5つほどに分けて記載しております。
 1ページ目の真ん中あたりにキャリア形成スキームのことにつきまして、「民間企業等が求めている技術者、技術士は経験を重ねるごとにどのような資質能力を具備すべきなのかを明確にしていけば企業等における技術者のキャリア形成において技術士制度が活用されるようになるだろう」というような御発言を頂いたところです。これにつきましては、本日の検討の議題と関連しておりますので、紹介させていただきました。
 裏を御覧いただきますと、総合技術士又は総合技術監理部門のことで様々な御意見を分科会のときに頂戴いたしました。一番上のところでは、「総合的なものを扱う資格を設けること自体に違和感がある」というような御発言。また、国際的な同等性を考慮したときに、「技術士」というのはIEAで示すエンジニアに相当するというふうにした場合、総合技術士というのはどういう位置付けとして国際的に説明していくのか。今後内容をしっかり詰めていかないといけない。また、総合技術士や総合技術監理部門の技術士に求められる内容というのはその他の20の専門技術部門の技術士が基本的に持たなければならないものであって、技術士に必要とされる資質能力に付加していく方が適当なのではないかというような御意見がありました。
 ボリューム的には総合技術士又は総合技術監理部門のところで賛否両論の御発言を頂いたというふうに受け止めております。
 これを基に本日の議事につきまして簡単に申し上げます。資料1を御覧いただければと思います。大きく3つに分けておりますけれども、まずはコアスキーム、技術者のキャリア形成スキームについて、資料2にありますように案をお示ししております。我々事務局の方で民間企業の人材育成、採用、研修等を担当する方々からのヒアリングを参考にしまして、技術の業態は様々でございますけれども、共通的な技術者キャリア形成スキーム、コアスキームのようなものを例示したものでございます。数十社回りましたが、複数の方々がおっしゃるには、やはり業務の性格、性質が異なってくるのが40代前、年齢がひとり歩きするのは避けなければならないんですけれども、37から38歳ぐらいから中核的な役割を担う技術者として位置付けているというような、ヒアリングの中でそういったことをおっしゃっている企業が多くございましたので、それを中心に、技術士の資格をどういうふうに位置付けるかというのを考えた方がいいのではないかという、これはまさに我々事務局からの問題提起でありますけれども、本日御意見を頂ければと思います。
 2番のところで、技術士や技術士補については、現行は試験実施大綱等でこのように定めておりますけれども、技術士については、技術者の一連のキャリア形成の中でどういったところに位置付けたら適当なのか。又は技術士補についても同じように、どういったところに結び付けることができればよいのか。ここには案、例示として、ステージ1やステージ3というような書き方にしております。また、民間企業における技術者の人材育成においても同様に活用できる余地はないのかということについて、本日御意見頂ければと思います。
 3番の総合技術監理部門のところは前回の分科会で御意見がございましたように、総合技術監理部門についてどのようにしていくのか。部門として残した上でその他の専門技術部門の技術士が取得するように促していくという案がありますし、総監の内容を専門技術部門の、例えば機械部門や電気電子部門というふうに20の専門技術部門の中に付加して、試験内容に加えていくということも考えられるのではないかということでこのように書いております。
 本日は、この3つについて御議論いただければと思いますけれども、総合技術監理部門についてやはり分科会で賛否がありましたので、何らかの方向性又はいろいろな意見を我々事務局として頂いた上で、次回以降の議論につなげていければと思っております。
 資料2につきましては、これまで技術士や技術士補又は総合技術士という資格に位置付けてステージ1、2、3というふうに設けて書いておりましたけれども、これまでの複数のヒアリングを基にステージ1から5というふうに分けております。ステージ1のところは大学等を卒業した方の技術者としての在り方、又はその後5年、10年ぐらい研さんして30代になった技術者の在り方。又は先ほど申したような37とか38ぐらいの中核エンジニアというような位置付けの方についてはどういった技術者像又は業務の性格等があるのかというように設けております。40代、50代になりますと、専門とする技術分野に加えて隣接する複数の技術分野も担当しながら、それを通して俯瞰(ふかん)できる技術者になってくるのかというふうにヒアリングの中で受け取ったものですから、このような記載にしております。
 ステージ5の50歳代というところについては、重要なプロジェクトの責任者として事業を遂行できる技術者というような位置付けにしております。これはこれまでも何度も御案内しておりますけれども、資料5にありますような土木学会で作成された土木技術者グレードガイドラインというものが公開されておりますけれども、これも参考にさせていただきながら複数の民間企業の御担当者の方々の有益な御意見を基に作成させていただきました。これもちょっと御覧いただきながら今日の議論をしていただければと思います。
 以上です。

【池田主査】 どうもありがとうございます。
 それでは、これまでの説明を基に資料1に記載された検討事項について、これから御意見を頂戴したいと思います。前回分科会では総合技術士について諸々の御意見を頂きましたが、そこで求められる資質能力について現行の総合技術監理部門ではどのように活用していけばいいのか。また、その他の技術部門を含めて、技術士資格をどのように役に立つ資格にしたらよいかという点を本日の主要議題にしたいと思います。
また、資料2の技術士キャリア形成スキームにおける技術者の共通的な資質能力等(コンピテンシー)を基にどの段階の技術者が技術士、技術士補の取得を目指すことが適当か。また、民間企業における人材育成に活用できるかという点も御議論いただきたいと思います。
 それでは、ただ今からかなり時間をとりたいと思いますが、御議論をお願いしたいと思います。それでは、御意見ございましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。松尾課長、どうぞ。

【松尾課長】 前回まで総合技術士というものを新たに作るということでいろいろ議論していただいておりましたが、前回の親委員会の方でいろいろ議論がございまして、本当にそういうものができるのかどうかということと、ここでも議論がございましたが、今まで技術士というものを持っておられた方の上位に作るということについての違和感等々ございました。
 それで、私どもとしてどういう議論の進め方、どういう技術士制度がいいのかといったときに、目標を何にするのかということで、例えばここでも議論がありましたように、国際的な通用性という観点と、あと企業におけるキャリアパスと技術士をどう位置付けていくかというようなこと。ということで、るるキャリアパスについては御議論いただいたところでございまして、ここにあるのは、前回もいろいろな情報系のキャリアパスの在り方であるとか、それぞれ部門によって随分違うわけでございます。
 したがって、この1枚にすることは当然できないんですけれども、ある程度共通的なものはここでまとめて、そして更にそれは業種間のいろいろな制度もありますので、そことどううまく連携させていくのかという観点。それから、国際的通用性をどうするのかという観点。それで、総合技術士なるものが制度としてなかなか、今までの思想をどう総合技術監理部門に入れるか。その3点ぐらいが多分論点ということと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【池田主査】 そうですね。前回の分科会での議論は賛否両論ありまして、かなり違和感があるという意見も複数ありましたので、今回そのままというわけにはいかないと思いますので、そのあたりも含めて御議論お願いしたいと思います。
 では、私の方からちょっと質問させていただいてよろしいですか。37、8歳というのが今回ステージ3として提示されているんですが、企業の中ではこのあたりの方が、例えば主任技術者みたいな形に、何か1つの仕事に責任を持って受け持ち始める年代ということでよろしいんでしょうか、民間としては。そのぐらいの年から。

【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。ちょうどこの37、8というと、極めて一般的にいうと、たしか技術士の第2次試験の合格者のピークの年齢ぐらいになるんだろうと思う。ちょっと手前ぐらいかもしれません。40ぐらいですかね。

【池田主査】 平均42、3。

【吉田委員】 41ぐらいですね。だから、ちょうどこのぐらいが民間企業においては一番技術者として第一線で活躍できる年齢ということと、間もなく技術士をほとんど取得するであろう年齢で、技術士を取れば企業の業態によって違いますけれども、大体チームを束ねて責任者としてプロジェクトに当たる年齢だろうと思います。ですから、この2がとても大切でちょうど重要な位置付けの年齢ではないか。

【池田主査】 なるほど。そうすると、このあたりで少なくとも技術士を目指して、このあたりで取っていただきたいという年だと考えてよろしいですか。

【吉田委員】 そうですね。そうだと思いますね。

【池田主査】 今40ちょっとなのは年齢の上の人が受けているから高くしてしまっているか、あるいは。

【吉田委員】 いえ、そうではなくて、実年齢で合格者数が多いのが何歳でしょうかという統計的にとっているものがあって、第2次試験の合格者の年齢のピーク値が。

【池田主査】 ピーク値。

【吉田委員】 41。

【池田主査】 多分正規分布していないのでちょっとずれているわけですね。

【吉田委員】 また高齢になって50代の後半でもう1つピークが来るのかな。

【池田主査】 そうですか。

【吉田委員】 それに多分、この前の分科会でも御議論があったように、業種、業態によっては技術士を日常の業務の中で活用しないけれども、技術者として生きてきて、ある年齢になって企業をもう少しで辞めるというような年齢のときに、こういう資格を取ってみようかなという方が多いんじゃないか。

【池田主査】 そうなんですか。いや、例えばステージ5で50歳ぐらいになると、ほかの分野も取ってみようとか、そういうことではないわけですか。

【吉田委員】 ではなくて、例えば技術士をお持ちになっていない、いわゆる産業界で技術者としては立派に活躍してきた方々が自分の力はどのくらいのところにあるんだろうか、あるいは会社を辞めてから技術士の資格で何か仕事ができないだろうかと、様々なモチベーションはあると思うんですが、動機は。そこが1つまたピークがあるということも事実なんです。

【池田主査】 やはり自分の技術者としてのあかしみたいなことですね。

【吉田委員】 そうですね。

【池田主査】 1つは、30代後半ぐらいのは仕事をやる上でどうしても必要だ。それから50ぐらいは、これまで自分が技術者として活躍してきた、それを1つの形として、あかしとして受験する。そういう2つが主要な受験の1つの動機だということですね。

【吉田委員】 ですから、前回の特別委員会での議論では、技術士の資格は取得してスタートなのか、あるいはゴールなのかという議論がありましたけれども、これは両方の性格を持っているんだと私は思います。

【池田主査】 なるほど。分かりました。それで非常によく分かりました。ありがとうございます。そこのところは多分非常に大事なところで、技術士の位置付けをする上で多分大事なポイントではないかと思います。
 もし御意見ありましたら、今日はかなり重要なテーマですので、活発な御意見を私もお願いしたいと思うんですが、いかがですか。

【福山主査代理】 よろしいですか。

【池田主査】 どうぞ。

【福山主査代理】 福山でございます。このキャリア形成スキームというのが今後の議論のポイントになってくるんだと思うんです。一つはいろいろな業態によってばらつきがあるということ。それから、今回は実際に各企業にいろいろなヒアリングをされたのでかなり実態を反映しているということ、その2点からこの表を見ますと、37、8歳というステージ3が入ったことが、結果としては何かそこだけが細かくなっているような気がしないでもない。例えばこれが20代、30代、40代、50代という区分けしたときに、そのくくりの中ではばらつきがありますというようにとらえて、私は37、38というのも40の中に含めてもいいのではないかという気はいたします。

【池田主査】 そうした場合に、技術士分科会としては30代の半ばぐらいには技術士を目指してもらいたいという意識があるわけです。そうすると、そこのあたりで少し年齢の差異が出てこないかという心配があるんです。37、8と40ぐらいになると、2、3年しか離れていませんから。20代というのは学卒ですよね。非常に若い。30代になってやっと仕事を覚えて仕事を始める。それで、30の後半、40近くになって実際自分が中心になって仕事をやる。それでしばらくやって、10年近くですか、そういう仕事をやって、その後もう少し上のポジションに行くというような感じでしょうね、実際は。

【福山主査代理】 ええ。

【池田主査】 ですから、40とここのところが近過ぎるのかもしれないですね。逆にステージ4と3とが近過ぎるのと、40代と50代を分けるというのはどうなんでしょうか。

【岸本委員】 この表ですが、平均的な技術者の姿で年代を区切って表にされているわけですね。技術士を取られる方というのは、平均的な技術者として捉えるよりも能力が高く、少し早めの年代からいろいろなことができる人と捉えると、年代層としては若い方にシフトしてくるのかと思います。そのような考えで見ていくと、多分35才ぐらいというのが1つの目安になって、ちょうど30代と40代の間ぐらいにステージ3が来ると、今までの話と整合してくると言えませんか。

【池田主査】 多分そのあたりで意識し始めるんでしょうね、恐らく。

【岸本委員】 はい。早い人は既に準備して先に資格を取っていくという形なので、むしろそちらの方に軸足を置きながら議論していった方がいいのかという気はします。

【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。

【池田主査】 どうぞ。

【吉田委員】 そこが、データとして私も見たことはないんですけれども、先ほど来申し上げているように、技術士の資格がどうしても自分が技術者として生きるために必要な業種とか業態だと、多分もっと早く取っているのではないかと思うんです。多分早ければ20代後半、遅くとも30代半ばぐらいまでに取るようなことになっているんだと思うんです。全体的に日本技術士会としてデータを持っているのは、全業種とか、要するに業種を問わず全体で見るものですから、第2次試験の合格者の年齢ピークが41とか、そういうふうになるので、多分技術士を仕事上密接に必要とする業界にいる、業態にいる技術者はもっと早く取っているかとも思います。多分そういうデータというのは作れるのではないかと思うんだけれども。

【池田主査】 多分それやらないと、自分の勤め先でのキャリアという観点から見ると、多分早く取った方が有利なはずですよね。

【吉田委員】 またそういう業態というのは、民間企業では取得を強烈に奨励していると思うのです。

【池田主査】 そうですね。

【岩熊委員】 前回女性の統計をグラフでお見せしたと思いますが、先ほどの定年間際の男性にとって資格がエビデンスとして必要だということと同じように、女性にとってもやはり自分の技術者としてのあかしということで、早めに技術士に挑戦されていると思います。男性よりも合格年齢が若く、30半ばぐらいまでに取っているということがあるので、本気でやろうと思えば30代半ばまでには技術士というのが技術者の姿という気はします。

【福山主査代理】 最初の分科会のときに私どもの会社の実態として申し上げたのは、最後の技術者としての仕事を終わる前の勲章とか実績を整理するとか、そういうような位置付けで取る場合が多い。ただしそれは仕事には余り直結していない形になっていますし、だから、先ほど吉田委員がおっしゃったお考えで、私はいいのではないかと思います。だから、前に取るべき業態とか技術の内容とか、上がりとしての年齢層が取るであろう技術士というのもいるんだと思うんです。

【池田主査】 どうぞ。

【奥野委員】 会社などをお辞めになって組織から離れるわけです。そうしたときにその技術士という資格を持っていることがそういう組織を離れた後も技術的な仕事に携わる、そういった可能性があるのかないのかという部分ですけれども。

【池田主査】 そのあたりね。

【奥野委員】 中にはやはり組織を離れてでもまた技術士の資格で技術士事務所、個人的な事務所を開いてたまにはお手伝いをするとか、そんな仕事はしていらっしゃる方が、これも業態によって違うのかと思いますけれども。そういった方は、辞める寸前に、ちょっと資格をチャレンジしておこうか、将来ひょっとしたら役に立つかもしれないというような方もいらっしゃるのではないかという気はしますけれども。

【池田主査】 そうですね。そういう場合もあるでしょうね。

【吉田委員】 お答えになっているかどうか分かりませんが、1つは、そういう技術者として生きてきて、しっかりやってきたんだ。そのあかしみたいな、いわゆる資格として取りたいというのは、この技術士法の精神そのものだと思うんです。これが名称独占で、ここにも書かれているように、あなたは高度な科学技術の専門的応用能力を持っている技術者ですよと法律で認めてくれるわけですから、何も持っていないよりは産業界でやってきた、それで1回受けてみようか、俺もこのぐらいの資格は取れるだろうといって受ける。
 それで、今奥野委員がおっしゃったように、その後、ビジネスとしてやるかどうかというのはそのときの個人の考え方だけれども、多分そのぐらいの年齢になると様々な業務実績、体験をしているわけなので、ある意味で技術コンサルタントとして自分の専門分野では行きやすいし、社会から受け入れられる。したがって何かのお手伝いもビジネスとしてできるという考えはあるかと思います。日本技術士会としても技術士を取って独立されることについては支援しておりますので。

【岩熊委員】 圧倒的に、多分合格者の7割から8割ぐらいが50歳未満ぐらいだったと思いますので、やはりそれはかなり少数なのではないか思います。後から取られた方、P.E.JPという名刺を持って国際的に歩いていただくのは若手から中堅の方なので、そういう名刺を持って日本から外に出ていっていただく方に技術士を積極的に取っていただきたいとなるのです。そのことは結構大事であるという感じもします。

【池田主査】 そうですね。ちょっと何か学位と構造が似ているような気がしますね。研究職で生きていく上では学位というのは技術士以上にこれは切実な問題で、これは持っていないとほとんど認められませんので取りますよね。それは必要性があって取るわけで、多分この30代の半ばというのはそういうのに相当していて、ところが功なり名を遂げた方がやはり学位が欲しいというのがあって、2つあって。

【岩熊委員】 そうですね。

【池田主査】 ちょっと似てるなと思っていたんですが、どうしてもそういう方は出てくると思うんですけれども、私自身はやはり技術士制度という観点からすると、若手を根幹に、これから実際にそういう方を中心に据えていった方が日本の活力という観点から見てもいいのではないかという気がしますけれども。
 ですから、35、6から、30代の後半の方のどういう能力をここで見るのかという議論が必要かと私は思いますけれども。
 今日の検討事項の1に、30代の後半ぐらいの方を「中核エンジニア」と位置付けしているんですが、複合的な問題を発見して解決できる技術者ということなんですが、もしそうすると、技術士になる段階である程度複合的な問題を解決するという視点がここで述べられているわけですよね。それと、では、総合技術士になったときにどういう能力を付加するのかというようなことが多分大事、そこの議論をはっきりさせておかないといけないのではないかと私は思うんですが。
 先日の分科会の御議論では、どちらかというのは指摘あるんですが、私はこういうふうに普通の技術士はそういうものは要らないんだ、総合的な能力は要らないし、総合技術監理になってから突然要るということではなくて、キャリアアップの中で次第に増やしていく、複合的にあるいは総合的に物事を見ていかれるような能力が次第に増えていくというのが望ましい姿ではないかと思うんですが、そのあたりを少し議論していただくと、総合技術士、総合技術監理部門との関連がある程度明らかになってくるのではないかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

【吉田委員】 よろしいですか。

【池田主査】 どうぞ。

【吉田委員】 産業界においてこの技術士という資格を持たない技術者の方も自分の専門分野について深い造詣があると同時に、周辺あるいは他の分野もかなりの知識を持って仕事に当たっていると思うんです。これはそうでなければ、単純な技術マンとしてなってしまって使い物にならないわけです。だから、ごくごく自然に周辺を広げ、更にその周辺を深め、それで業務に従事してくるわけです。そんな中である30ぐらいになると、自分の本当の専門はここだから、技術士はこの分野で取りましょうということになろうかと思いますが、取る段階ぐらいでは、大体チームリーダーとして活躍していますから、1つのプロジェクトの責任者となった場合、自分の専門知識だけのところしか私はやらんよ、あとは君のところで頼むよというわけはないと思うんです。だから、総合技術士として称してもいいような知見は既に持っているんだろう。
 私はまたかたくなに信じているんですが、どんな技術部門であっても、技術士もある意味では総合的な視野を持っていて、問題解決に当たってはそれをフルに活用して技術士あるいは技術者として振る舞えるというふうに思っております。したがって、特別資格として総合技術士というふうに与える必要があるのだろうか思っております。
 これは福山主査代理のところもそうだと思うんですが、技術士をお持ちではない技術者も自分の専門分野はもちろんしっかりしていますけれども、周辺も相当勉強されて身に付けられて、ごくごく自然に身に付いている。したがって、何か研究開発をやるにしても、自分の専門のところしか発言しないのではなくて、様々な視点でいろいろな指摘をし、方向性を出していくのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【福山主査代理】 そうですね。そのあたりはこの分科会の最初の段階で議論がありましたT型人間とかπ型とかΣ型とか、企業内技術者はどの業態に限定することなく、やはり幅の広さというものがだんだん求められている。幅が広いから技術の深さもだんだん出てくるという相関があるのではないかと思うんです。そういう意味では、やはりおのずと広げていかなくてはいけないし、企業は広い視野を持った人を大事にしていくということになると思います。

【椋田委員】 今までは自前技術で製品、サービスを作っていくというのが主流だったわけですけれども、随分変わってきていて、今何か課題があって、その課題の解決に必要な技術というものは自社だけではなくて、ほかの会社の技術かもしれませんし、大学の持つ技術かもしれない。外部の技術をも組み合わせて課題を解決できる人ということですので、相当視野を広げていかないといけなくなっています。自分が全部の技術を知っていなくてもいいんですけれども、どこどこの技術とどこどこの技術を自分の持っているコアの技術と組み合わせることによって、こういった課題が解決できるんだといった人材が今企業に求められているんだと思います。

【福山主査代理】 そうですね。

【椋田委員】 総合技術士なのか、あるいは一般の技術士かはともかく、企業が必要とする技術者あるいは技術士というのは相当変わってきているということは確かだと思います。

【池田主査】 そうしますと、30代半ばぐらいからチームリーダーになるということはチームのメンバーがいるわけです。その人たちを束ねていくということになると、専門的な知識だけではなくて、やはりもう少し複合的に見ることができる能力が求められるだろう。このあたりは会社でも一番、私も会社に行って見ていたら、上からと下と板挟みになって相当大変な年代で大変だと思うんですけれども、そういう中でやはり1つの能力のあかしとしてこういう資格を持っているというのは大事なことだというふうに思います。
 そうすると、今日の議論を伺っていますと、20部門の技術士も当然複合的な、問題を発見して解決できる能力が必要だということですね。それをやはりコンピテンシーとして技術士の中にはっきりさせていかないといけないのかという気がします。
 それで、総合技術監理部門、総合技術士をその中でどう位置付けしていくか。総合技術監理部門の技術士は当然今いらっしゃるわけですから、1万2,000人ですか。

【福山主査代理】 そうですね。

【池田主査】 いらっしゃるわけですね。

【松尾課長】 はい。

【池田主査】 全ての技術士のうちおよそ6分の1いるわけです。だから、その人たちの位置付けをはっきりさせないと、何のために作ったのかということになりかねませんので、技術士の能力と、それから総合技術監理あるいは総合技術士、これはまだどうすべきかという結論は出ていませんが、そのあたりも私は考えておいた方がいいと思いますので、もし御意見ありましたらお願いしたいと思います。どうぞ。

【中谷委員】 こちらのステージ1、2、3、4、5というのがありますけれども、幾つかの見方があると思います。企業の中で新入社員として入ってきた技術者がいろいろ経験を積みながら成長していく。また、企業の意図として成長してもらおうということで、いろいろな仕事を与えていくと思います。そうすると、企業の中で例えば何歳ぐらいになったらチームリーダーとして充てていきましょうとか、あるいは複数のチームを束ねる地位になってもらいましょうというように、一応1人の技術者のキャリアパスというのが設計されていると思います。
 それで、この技術士の制度というのは少し立場が違いまして、個々の技術者がどのように自分のキャリアパスを設計していくかという視点があると思います。ですので、例えば大学を卒業しました。自分は技術者として企業に就職しました。これは企業の中に入りましたので、自然に仕事はどんどん与えられていって自分は成長していくけれども、では、自分は5年後どういう技術者になっていくのか。あるいは10年後はどういう技術者になっていくのかという目標としてこういう資格制度というのがある必要があると思います。
 そうすると、自分が目標としてきた、例えば30歳を超えましたといったときに、自分は実際に客観的に評価されたときにどのレベルにいるのかということを評価できる資格制度にならないといけないと思います。ですので、ただ、企業が技術者に求める成長のプロセスと、それから、技術者の制度として整合しないとはいけないとは思いますが、そうすると、やはり20代で学卒で入ってきた技術者が、例えばJABEEの課程を経て、技術士補のレベルであるといったときに、自分の目標として手の届くところというのはどのぐらいのところなのかということを考えると37、8歳というのは少し遠い感じがします。もう少し若い設定でないとという感じがします。そうするとやはり35よりも下でないと頑張れないのではないかと思います。
 これは業種によって必要だから20代後半で取るという方もいらっしゃる。これは問題はないと思いますが、ただ、別の分野でなくても仕事ができるという分野の人たちが、50超えて、これで仕事を辞めるけれども、では、そろそろ取るかということだと、これは技術士制度として、果たして技術者の成長目標という位置付けが持てているかというと、ちょっと持てていないのではないかという気がします。ですので、先ほどいろいろ年齢の話がありましたけれども、もう少しこの37、8歳というのを下げていく方がよいのではないかというふうに思います。
 あと、総合技術士の方ですけれども、企業として今、では、ベテランと呼ばれている人たちはどのぐらいのレベルなのかというところで設定していくのがよいのではないでしょうか。50歳だとちょっと企業としての、資格を取った後のその後の時間がやや短過ぎないかという気もしますが、いかがでしょうか。

【池田主査】 そうですね。

【岩熊委員】 今の先生のお話もそうなのですけれども、先ほどから議論している中で、改めて複合的な問題って一体何だろうというところに今つまずいています。下の方に総合技術士が持っているもので、複合的問題というのは、自分の技術に関するその周辺領域の問題であって、どちらかというとマネジメントに近いものを指してはいないというふうに考えればいいのでしょうか。

【吉田委員】 マネジメントも技術の1つだと思います。特に昨今では、ピュアマネジメントというんですか、復興に際して行政側と同等に全ての手続を技術者がやる。そこに求められる資質というのはマネジメントで、私はマネジメントというのは目に見えないけれども、個人差はあると思うんですが、おぎゃあと生まれてからずっと身に付けてきているんだろうと思うんです。リスクを回避したり危険を予知したりも含めた意味で、広義の意味でマネジメントというのは。
 そうすると、先ほど中谷委員もおっしゃったけれども、大学を卒業して企業に入ると様々な仕事を押し付けられます。もちろんお給料をもらうわけですから、それは拒否できないわけです。私は電気屋として入りました。しかし、やるのは電気の仕事だけではないんです。そうすると、そこには徐々に年齢を加えていって、専門的で自分のやりたい仕事をやれるようになってくるときにマネジメントというのは実は役に立つんです。だから、管理技術者とかチームリーダーとして全体をまとめる立場になれるわけです。
 マネジメントというのはごく自然に身に付くもので、日常特別にマネジメントを勉強するというのは多分、例えばMBAを取得したりというのなら分かりますけれども、それ以外は。

【岩熊委員】 そうですね。仕事の中で身に付けていく。

【吉田委員】 そういうものがやはり能力が少し欠如している人というのは組織の中では生きていけないのではないか、逆に言えば。

【池田主査】 そういう方もやはり。非常に単線的な方もいらっしゃる。でも、やはり30代の後半になってくると、そういう能力は当然備えていないと仕事できないですね。

【吉田委員】 そうですね。例えば国土交通省の業務委託標準仕様書などで規定されている管理技術者の要件というのはまさに1つの業務を委託するんです、そのときにあなたは全て、マネジメントも含めて工程も管理し、品質も管理してきちんとやってください、それが管理技術者ですという位置付けですから。

【岸本委員】 ちょっとよろしいですか。

【池田主査】 どうぞ。

【岸本委員】 机上資料の4で国際エンジニアリング連合のレポートがあります。もう一度これを確認して国際的な整合性を考えた方がいいのではないかと思います。14ページのところにプロフェッショナル・コンピテンシーのプロファイルと書かれていますけれども、そこにエンジニアとテクノロジストとテクニシャンと書いてあります。日本語版の方が見やすと思います。

【池田主査】 資料4ですね。

【岸本委員】 その14ページのところで、皆さんも何回もこれは御覧になっていると思いますけれども、技術士の資格について日本では技術者をこのように分けていないですが、国際的にはエンジニアとテクノロジストとテクニシャンに分類されていて、問題解決能力、マネジメント能力などについて、その内容が区分けされています。このような観点から技術士の資格を考えたときに、エンジニアとしての資格を考えるのか、それとも、それぞれの技術部門については、テクノロジストとしての資格と考えるのか、その辺まだ明確にされていないのではないかと思うんです。、総合技術監理の内容は、エンジニアと同等の能力と捉えることができるように思われますので、その資格をエンジニアの資格として捉えると総合技術監理部門を独立に置くとすると、ほかの部門の技術者はテクノロジストという形の位置付けになってしまうことにならないでしょうか。だから、日本は現状のままの形でやっていくのか、国際的に技術者をこのように区分するのだったら、エンジニアとしての資格を技術士として、どのように捉えるのかというのをやはり議論しておいた方がいいのかと思うんです。

【池田主査】 そこは割と自明だということで議論してこなかったのではないかと思うんです。エンジニアについてはもう当然だと。これを見ると複合的な問題というのが非常にたくさん出てきますね。

【岸本委員】 複合的といったときに、例えば今の技術士の資格だとある技術部門を特定して、その部門の中での問題となると、本当にそれで複合的といっていいのかどうかという問題に突き当たってきます。特定の技術部門の目を通して複合的な課題を解決できるとしてエンジニアとしての技術士の資格を付与するのか。その辺少し議論してから総監を考えてもいいかと思います。

【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。

【池田主査】 はい。

【吉田委員】 今の岸本委員のお話は、極めて単純明快に現行の各技術部門の技術士がこのエンジニアに当たると認識しております。それはどういうことかというと、既に10年以上も前からAPECエンジニアの問題も、それから、IntPE、International Professional Engineerですか、EMF国際エンジニア。その資格も技術士に与えているんです。

【岸本委員】 そうです。

【吉田委員】 そうすると、国際的同等性というのは、技術士でしかもそれはエンジニアなのです。

【岸本委員】 そうすると、今の試験のやり方から内容も含めてもっとそちらにシフトする形で考えていかなければいけないのかというふうにも思えるのです。

【吉田委員】 多分そうだろうと思う。今、IEAがガイドラインで示している13の項目が日本の現行の試験制度に合致しているかどうかというのは日本技術士会で今検討している最中でございまして、多分合致しているんだろうと思います。していない部分については、やはりそこを制度として直すということが必要。国際的通用性を外さないということになるんだろうと思うので。

【池田主査】 そうですね。そこは試験制度の問題に関わってきますね。

【吉田委員】 そうなんです。それから、もう一方、実は総合技術監理部門というのは平成12年の法改正によって生まれたのですが、確かに既に1万二、三千人という方々がいるんですが、では、この部門は使われない理由というのは逆に考えると何だろうか。私は単純明快に技術部門の技術士で十分であるということだろうと思うのです。
 ただ、一方、やはり技術士という資格を広く活用してくださっている国土交通省の方々とお話しすると、やはり総合技術監理部門の技術士というのは少し上に見ています。上には見ているけれども、では、どうやって活用しているのですか。みんな困るのです。

【岩熊委員】 中身が違うとかというふうな評価はなかったですか。

【吉田委員】 中身が違うという。

【岩熊委員】 持っている、持っていないで、中身というか、技術者の持っている人と持っていない人。そういう話はなかったですか。

【吉田委員】 それはないですね。

【奥野委員】 たしか技術者をある程度評価するときに、総合技術監理部門とその以外の技術部門を、例えば経験年数とかそういったところの評価で総合技術監理部門を持っている方は高く評価されているというのがあったと思います。

【岩熊委員】 それはそうですね。

【奥野委員】 ちょっと。

【池田主査】 経験の部分を見るということですか。

【奥野委員】 国土交通省のこういう業務はこういう人でなければいけないとかいろいろあるんですけれども、それで経験年数か何かの評価項目があったような気がするんです。確認しなければ。

【岩熊委員】 ポイントか何かが違う。

【吉田委員】 私も確認しなければいけないのですけれども、私が聞いていた範囲は平成12年以降の技術部門の技術士は国土交通省内では管理技術者として振る舞うときは総合技術監理部門を持っていないといけない。

【奥野委員】 いや、それはないです。

【吉田委員】 というような話が一時あった。

【池田主査】 一時ね。

【吉田委員】 そこは、だから、どういうことなのか。つまり、平成12年の法改正によって生まれた技術士と、平成12年以前の法律でもって資格を取得した技術士に何か違いがあるのかというのは、実は私はそのときに参画していまして、平成12年以前の技術士の名称を上級技術士にしたらどうだと言ったら、それがどこかで消えてなくなったんですけれども。

【池田主査】 なるほど。

【奥野委員】 おっしゃるとおり、平成12年以前に技術士を取得された方とそれ以後の技術士とは多少差はついています。それで、総合技術監理部門を持っている方は平成12年以前の技術士と同じ扱い。

【池田主査】 旧技術士という意味?

【奥野委員】 こういうことになっています。

【吉田委員】 そういうことです。だから、平成12年に生まれた技術部門ですから。

【池田主査】 資料4が出てきて、私もこの議論はたしか参加した記憶があるんですが、当時若かったものですから、余り深く考えていなかったんですけれども。これは大橋先生とか西野先生がリーダーでいろいろ議論されたと思うんですけれども。これは多分これまでのを余りきちんと読んでいないのではないかと思いますので、小林さん、これをちょっとかいつまんで説明していただいて、今たしか総合技術監理は試験が5つの内容がありますよね。そのあたりも少し説明していただいた方が議論が進むのではないかと思うんだけれども。

【小林係長】 分かりました。データでは、単独で総合技術監理部門という技術部門を持っていらっしゃる方は1桁しかいないんです。何らかの1つ、2つないし複数の技術部門のを持っていらっしゃって総合技術監理部門を持っている方が1万2,000人程度いらっしゃるというのが実態。例えば電気電子部門の技術士の方が総合技術監理部門をお取りになるという場合は、必須科目、選択科目ありますけれども、選択科目は免除されて、必須科目のこの総合技術監理一般という科目をお取りになる、合格するとこの部門が取れるということになります。
 その必須科目の中では、ここにありますように、安全管理、社会環境との調和性、経済性、情報管理、人的資源管理というふうに、この5つの事項を含むものというふうに告示の中で明らかになっておりますので、この内容が含まれた試験を受けていただくということになっております。
 我々の方で過去の資料を見たところ、平成12年の法改正が、当時4月の通常国会のときにありまして、法律が成立した後に、同時並行で技術士審議会が動いていまして、技術士法施行規則(文部科学省令)において総合技術監理部門が設けられたという経緯になっております。たしか平成12年12月に省令としてなったものですから、その前提として審議会の中で御意見頂いて考え方をまとめたものがこの資料4というふうになっております。当時もパブリックコメント等をかけまして、上級技術士にすべきではないかという意見もあれば、やはりそういうものは必要ではないというような御意見もあって、いろいろ政府内での調整の中でこれを一段上というふうに法制的に設けることが困難だったということで、21ある中の1つというふうに位置付けられております。

【池田主査】 ありがとうございます。今御説明があったように、コンピテンシーとしては、基本的にそれぞれの専門分野については免除している。これは能力としてある。そのほかに安全管理、それから、社会との調和性、経済性、情報管理、人的資源管理、これらの能力を問うということになっているわけです。これで果たしてよろしいのかどうかということがやはり議論になるのではないかと思うんです。もし総合技術監理部門というものの位置付けをこれから議論していかないといけないんですけれども、その位置付けをはっきりさせたときに、この中身でいいのかどうかということもこれから議論になってくるだろうと私は思います。

【岸本委員】 逆に言うと、技術士の部門の技術者にとって、これが別にあるということは、これは要らないということになると。別の資格としてこれを取ってくださいということになると、そこに含まれないとなると、やはりエンジニアの資格にはならないのではないかというのがあって、やはり技術士をエンジニアの資格として置くんだとすれば、この内容は技術士の方に含めるべきではないか、部門としての。そうだとしたときに、では、総合技術監理をどう置くのかというのは非常に難しい状況になってきますよね。

【岩熊委員】 このときのこれだとこういった問題は既存の技術部門が対応するものの、全体としては現行の技術部門では対応することができないというふうに定義されている。しかし、創設から10年たって、実は現在の技術士でもこういったものに対応しながら仕事している。

【岸本委員】 しているという先ほどの話ですよね。

【岩熊委員】 ええ。実態がそうなってきているという。ですから、現実と少しかい離されてきている。

【池田主査】 そうすると、ここの議論では若い方々に視点をあてていこうと。それで、数年ぐらい若くしていく。それはやはり技術者としての経験が必要になってきますね、こういう能力を身に付けるには。

【岩熊委員】 そうですね。

【池田主査】 そうすると、若い人たちにかつてよりも過重な要求をすることに。そういう心配はないですか。

【岩熊委員】 そうですね。

【池田主査】 やはりそこのところの整合性だと思うんです。

【福山主査代理】 済みません。ちょっと話を戻させていただいて恐縮ですけれども、よろしですか。
 この作っていただいたキャリア形成スキームというのは、いわゆる企業内技術士に対するスキームですよね。ところが、世の中には企業内ではなくて独立技術士がいるわけです。独立技術士の議論を余りこの分科会とか特別委員会ではしていないんですけれども、独立技術士も対象に入れるとこういう流れもある。独立技術士は会社にいるうちは企業内の技術士でやっているけれども、それ以前も含めて卒業するときまでに資格を取って、それ以後自分でコンサルティングの業務をやろうというような独立技術士もおられる。
 そのときにいわゆる機械部門なら機械部門の技術士というのと、機械部門総合技術士を比較すると、名前から来る印象でしかないと思うんですけれども、その総合技術士というタイトルが名刺に付いた方が受けがいいというのですか、仕事がやりやすいとか、そういうふうにおっしゃる方はおられます。
 ですから、今回の何歳で取るとか取らないとかという議論もすごく大事なことだと思いますから、それを詰めるにしても、では、この外におられる独立技術士のところはどこが議論するのだというあたりもテーマとしてあるのではないでしょうか。

【池田主査】 多分、技術士を取るまでは企業の中が多いのではないかと思うんです。その後に多様性が生まれてくるんだと思うのです。それで、会社にいて仕事を覚えて、こうやってやればいいというのが分かってきて、それで独立しようとする方がいらっしゃる。ですから、技術士を取る段階では、やはり私は企業の中で実際に働いている方をターゲットにしておいた方がいいと思うんです。その後どうするかということがやはりキャリアの多様性だと思います。これは随分議論しましたね。

【福山主査代理】 きっと年齢層に応じて枝分かれしていくわけですよね。

【池田主査】 枝分かれしていくんだと思うんです。

【福山主査代理】 それで、そちらの枝分かれした側にも技術士はおられるわけですよね。

【池田主査】 そこで総合技術士というのがどういう役割を果たすかということだと私は思うんです。国際性の中で、あるいは独立していく、そういう中で、この総合技術士というのはどういう役割を果たすか。会社にいる方も当然いるわけですけれども、会社の中でもそのまま残って管理職になっていかれる方、自分で独立していく、あるいは国際的に展開していく方。きっと取った後で多様性が生まれてくるのではないかと私は思うんですけれども。
 それで、そのときに総合技術士というのをやはりどういうふうに位置付けて、総合技術監理部門をどういうふうにそういうキャリアの中で位置付けていくかということをやはり考えた方がいいのではないかと私は思うんですけれども。

【松尾課長】 今のお話を伺って、実態をちょっと見ていかないといけないんですけれども、今の20部門の技術士と総合技術監理部門を取る年代とか。今主査が言われたように、技術士を取るのを若くするということと、やはり経験を積んでマネジメントもやるという。これは二律背反するなんですけれども、実態、ミシュランマーク式に総合技術監理部門というのを考えれば、例えば20部門の技術士は、マネジメントも一部やってもらわなければいけないんですけれども、より早く取ってもらって、20部門を取られた、ほとんどが20部門を取られている中で総合技術監理部門を取られているということであれば、総合技術監理部門を取る年代を少し後にすることによって、例えば建設で技術士を取られた人。それで、その後にもう1回総合技術監理を。イーハン付けて、外にはミシュランマーク1つ星で売っていくとか、そういう二律背反するんだけれども、全部一律に考えると二律背反するようですけれども、取る時期を変えるようなキャリアパスを変えることによって少し柔軟に外に対しても1つ星技術士、ちょっと言い方は悪いんですけれども、総合技術監理を取った技術士の方とか、そういった形でやっていくというのも1つのアイデア、これは実態との兼ね合いもあるんですけれども、そういうふうにもし使われているのであれば、経験で総合技術監理部門というものを使えというのであれば、それも1つのキャリア形成の何かかな。

【池田主査】 そうですね。例えばステージで言うと、40代半ばぐらいというイメージになりますか。

【松尾課長】 ただ、技術士の方自体も今総合技術監理でやっている安全管理とか社会環境との調和性とも入るんでしょうけれども、よりマチュアな経験を積んだ方は更に総合技術監理というのを付与するとか、そういう試験の仕方をして、外に2個の、技術部門を取った方ということで、国際的な通用性もより高めていくとか、個人の能力もより高まったということを証明してあげるとかというのはありかな。

【福山主査代理】 総合技術監理部門というのは20と1ではなくて、21の中の1つですよね。

【松尾課長】 はい、21の中とこちらと取っていただいてももちろんありですけれども、今の運用ではほとんどが20を取られた方が取っているという現実からすると、多分何か違うことだと思うんです。

【池田主査】 この平成12年の資料を見ると、1ページ目の最初に、これは何かちょっと上に置きたいというような言葉としてにじみ出ているんです。

【松尾課長】 にじみ出ている。

【池田主査】 19もいずれかの部門について。19というのは放射線・原子力がなかったものですから。

【松尾課長】 そうです。

【池田主査】 19なんですけれども、いずれかの部門についての相当の専門的学識を備えていることが前提となるところと書いてあるんです。

【松尾課長】 ということはこの後に取れという意味ですよね。

【池田主査】 意味ですね。実態としてはややそうなっている。ほとんど1桁…。

【松尾課長】 3名。

【池田主査】 3名ですか。以外の方はそういうキャリアで取られているということですよね。そうすると、今岸本委員がおっしゃったように、これはかなり安全管理だとか何か1つ特異な能力を問うていますよね。今ここで議論していることと少し中身が違うような気もするんだけれども、やはり総合技術監理部門の技術士に対して求めているコンピテンシーとやや私は離れているのではないかと。

【岸本委員】 逆に言うと、総合技術監理がこれだとまずいということですかね。むしろこの内容は技術士、それぞれの部門に入っていて。

【池田主査】 本来は少し入っていかなければいけない。

【岸本委員】 それと、また技術士の部門そのものももっと大くくりしていった方がいいという議論がありましたので、そういうことによって国際的なエンジニアリングの資格と同等性を保ちながらというとなると、総合技術監理はほとんどの部分は技術士に吸収されてしまってということになって、技術士としては一本化できると思うんです。その上でもう1つは、総合技術士というのを本当に設けるのかどうか。
 だから、総監も含めた従来の技術士の部門も含めたところを再構築して、それで、今までのエンジニアリングの考えというのはそこに入れてしまって、更に総合技術をやるかどうかというのは、先の議論にありましたように屋上屋を重ねるということになるように思えます。

【池田主査】 そうですね。

【岸本委員】 そこにうまいやり方がないと、総合技術士というのは成り立たなくなってしまうのではないかと思うんです。

【池田主査】 これを読んでも相当苦しい書き方をしていて、苦慮された様子がよく分かるんですけれども。私はやはり一方では、35歳ぐらいにしたときに、その次の複線的になっていく段階でキャリアを10年ぐらい積んだときに、その人たちにやはり技術者としてのより高度な能力を身に付けたというあかしも必要ではないかという気がするんですけれども。どうですか。

【岸本委員】 それを技術士として試験をするような形で与えるのか、ちょっと別の観点からすると、日本技術士会がございますね、他の学協会だとフェローという制度があるので、技術士としてのフェローという形で入れていけば、そのコミュニティーの中でリスペクトしてやれるかと思うんです。それをある意味、総合技術士の別の姿というのもあり得るかと思うんです。

【奥野委員】 先ほど机上資料4の14ページでエンジニアというのはこういう資格ということで、確かに複合的なという言葉が随所にあるんですけれども、先ほどおっしゃっていたように、企業の中でも技術者というのはいろいろ経験を積むことによって、必然的に広い視野とかそういうものは身に付いてくるんだというふうなお話があったんですけれども、そういう意味では、複合的な能力というのはある一線でぴたっと、これで複合的だと言えるのかどうかという問題もあるんだろうと思うのです。

【岸本委員】 そうです。

【奥野委員】 池田主査がおっしゃったように、経験に培われたそういうものがあって、そういうものを誰が見てもこの人はそういう資質を備えているということであれば、この技術士の中でそれを認証するという仕掛けがあってもいいのではないかというふうに思うんです。資料5の土木学会のグレードが6つあるので、この辺は池田主査が一番お詳しいと思うんですけれども、例えばここで6番のグレード6は日本を代表する土木技術者、この分野、ある分野ではそういうことになっているんですけれども、やはり技術士の中でもこの人はある種の専門的な能力を回せて代表する技術者であるというふうな認定をしてもいいのかという気はしますけれども。もちろん日本技術士会の中ではフェローという仕掛けもあり得るとは思いますけれども。

【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。

【池田主査】 どうぞ。

【吉田委員】 土木学会のフェローというのは、土木学会をお辞めになる、会員をお辞めになったときは返上するんですか。それとも土木学会があなたの個人に記録してフェローといっているんだから、会員でなくてもどうぞあちこちでフェローとやってくださいというんですか。

【池田主査】 会員でないとフェローにならないですね。

【吉田委員】 ですね。そうだとすれば、日本技術士会の中でそういう認証制度というか表彰制度を設けるということは1つ重要な課題として考えたいと思っているんです。つまり、どういうことかというと、それによって日本技術士会の会員になろう、フェローをもらいたいと思う方も増えてくるのではないか。もしそうであればですね。確かに企業ではフェローという、役職ではないですけれども、そういう名誉職的なものがあるわけですけれども、やはり完全にお辞めになったときは対外的に使えないわけです。だから、学会のはどうなるのか。やはり会員を辞めたときに使えないとすれば、そういう制度であれば、日本技術士会の会員の中で非常に経験が豊かで、誰が見ても業務や実績もすばらしいというある一定の基準を超えた方にフェローという称号を表彰するか、認証か、与えるということは非常に重要なことだろうと思うんです。

【池田主査】 そうですね。それは日本技術士会の方で御検討いただきたいと私は思うんですが、総合技術監理部門というのは厳然としてあり、1万2,000人いるので。

【吉田委員】 そうなんですね。そこで、ここをどうするかなんですが。

【池田主査】 これをフェローというわけには私はいかないだろうと思うんです。ですから、これをどうするかというのは喫緊の非常に重要な課題だと思うんです。この位置付けをどうするか。このコンピテンシーがこれでいいのか。今までの議論を伺っていますと、必須科目で書かれているようなものだけでいいのかというのが私は非常に重要な議論。ここのところをきちんとやらないと、多分分科会も説得できないし、世の中も説得できないと私は思うんです。

【吉田委員】 ですから、現在日本技術士会の中で、国際委員会でこのIEAが定めたプロフェッショナル・コンピテンシー、技術士試験で確認されているのかどうかと検討していただいているところなんです。もし合っていないとすれば、IEAから離脱するなら別ですけれども、離脱しないとなれば、合わせざるを得ない部分があるわけです。そうすると、多分この総合技術監理部門でやっているこういうものを共通科目として技術士の試験の中に導入していく必要が出てくる場合もあると思うんです。

【池田主査】 そうですね。そうだろうと思います。

【吉田委員】 ましてや今APECもそうですし、IntPEも既にモニタリングコミッティーで認証してタイトルを与えている方がたくさんおられるわけですけれども、その人たちはみんな技術部門の技術士がベースです。

【池田主査】 そうです。

【吉田委員】 これを今さら違いますと国際的に言うのもおかしな話になってくるかと思うんです。ですから、なかなか難しい話ですけれども、一番肝心なのはこの総合技術監理部門の活用の場と、あるいはこの技術部門を持っている方はどう取り扱うのか。

【池田主査】 前回の特別委員会では総合技術監理部門の議論というのはほとんどできなかったんです。技術士の試験制度をどうするかという議論があって、一般の部門についての議論は随分やったんですけれども、総合技術監理が置き去りにされていて、十分議論ができなかったので、改めて見るとここにやはり問題点が大いにあるという気がします。これは十何年前の議論ですから、多分世の中変わってきているし、当時の総合技術監理の概念と今とは多分違ってくるのではないかという気がするのです。
 これを見ると、メンテナンスも余り入っていませんし、これまでの技術士の資格というのはどうやって作るか、そのためにどうやってマネージするかというような観点で設計されていますので。ところがそれから十何年たつと随分世の中が変わっていて、その世の中の変化に技術士の持つべき能力が付いていっているかというと、私は必ずしもそうではない、少しかい離し始めているのではないかという気がしていますので、そのあたりの議論をここの総合技術監理部門に関連させて議論していただければと私は思っているんですけれども。

【福山主査代理】 主査、いいですか。資料1、作っていただいた3番目に総合技術監理部門の在り方みたいなものがありますけれども、案1と案2がございますね。案1は総監の部門として残して専門技術部門の技術士が取得するように促す。案2は総監の内容を専門技術部門の技術士資格の取得時に学ぶよう試験内容に加えるというのがあって、案2の場合は、それぞれの専門技術分野の中のいわゆる総合技術監理というような位置付けになると思っていいんですか。
 例えばそういうふうにすると、屋上屋と前回御批判いただいた意見に対しても、その専門分野の中で、いわゆる専門と上位、先ほど課長がおっしゃったミシュランマークのようなイメージという議論を少し深めていただくと、先に進めるような気がするんですけれども。それで、独立で横に置いておくというのはやめますというのは現実的に可能なんですか。総合技術監理部門はやめるというのは、上に乗せるのと同じようにやはり難しいんでしょう。

【福山主査代理】 主査、いいですか。資料1、作っていただいた3番目に総合技術監理部門の在り方みたいなものがありますけれども、案1と案2がございますね。案1は総監の部門として残して専門技術部門の技術士が取得するように促す。案2は総監の内容を専門技術部門の技術士資格取得時に学ぶよう試験内容に加えるというのがあって、案2の場合は、それぞれの専門技術分野の中のいわゆる総合技術監理というような位置付けになると思っていいんですか。
 例えばそういうふうにすると、屋上屋と前回御批判いただいた意見に対しても、その専門分野の中で、いわゆる専門と上位の、先ほど課長がおっしゃったのはミシュランマークでしょうけれども。そういうイメージがどちらかという議論を少し深めていただくと、先が出てくるような気がするんですけれども。それで、独立で横に置いておくというのは、では、これをやめますというのは現実的に可能なんですか。総合技術監理部門はどこかにやめるというのは。上に乗せるのと同じようにやはり難しいんでしょう。

【池田主査】 いや。

【松尾課長】 ええ。今はもう取っておられる方がいて。

【福山主査代理】 そうですよね。だから、この枠組みは壊せない。

【松尾課長】 現実問題。

【岸本委員】 例えばほかの部分の組織替えもあると思うんですけれども。

【松尾課長】 そこでセットで。

【岸本委員】 セットでやらないと、多分独立にはできなくて、機械部門とかそういう部門ごとに置くのか、あと、工学一般みたいな形にして。

【松尾課長】 ええ。やるのかというものいいと思いますけれども。

【岸本委員】 工学一般としての技術士というようなイメージにすれば、同じレベルで置けるか。そうすると、上と下はなくなって。ただジェネラルとしての部門になるということではないか。だから、特定の部分にこだわらないで技術士になる方と総合工学みたいな感じですね。

【椋田委員】 1万二、三千人というのは、建設とか公的インフラ関係が中心なんですか。それ以外でも結構おられるんでしょうか。

【吉田委員】 ほとんどそうですよね。だから、要はやはり建設部門が多いのではないかと思いますけれども。

【松尾課長】 8割。

【椋田委員】 B to CとかB to Bの企業の中でどういうふうにこれが活用されているのか。何かその辺はヒアリングで何か聞かれていますか。。

【松尾課長】 そこは聞いておりません。

【椋田委員】 というのは、この年代というのはもう部長クラスの方ですので、そういった方々が新たな資格を取るということが、企業の中でどういった意味を持っているのか、ヒアリングの中で分かれば良いと思います。若い方というのは当然いろいろな資格を取って自分のキャリアパスを考えていこうと思っておられると思うんですけれども、多分50代の方というと、ある程度の方々ですので。

【松尾課長】 名誉的な上の。

【椋田委員】 そういう方があえてこういった資格を取って、それが社内の中でどういうふうに評価されているのかというのがもし今回のヒアリングの中でも聞かれていればお聞かせ頂ければと思ったのですが。

【松尾課長】 そこはちょっと。今回のヒアリングではちょっとそこまで突っ込んでいなので、また改めて。

【福山主査代理】 だとすると、どういうことに。

【椋田委員】 それによってどういった位置付けにしていくのかとか、どういったことを試験内容に加えていくのかとかということが変わってくるのかという気もする。

【吉田委員】 ちょっとよろしいですか。あと、企業の中でこういう資格あるいはドクターのディグリーも含めて、若いときは評価に直結してつながるんだけれども、50ぐらいを過ぎると、それを持っているから部長から事業部長にしますよとか、あるいは経営層に入れますよとかという話には全くならなくて、完全に人間そのものを見ているわけです。
だから、私は、ここは非常に難しいんですけれども、多分国際的同等性を担保するというような形を維持していくならば、IEAの中でこの案2を実行しないとならなくなるのではないか。私はまだ詳しく知りませんけれども、多分そうなるのではないか。そのときに特別に電気電子総合技術士なんていう名称を与える必要もないと思うんです。「技術士(電気・電子部門)」でいいのではないかと思うんですけれども。

【池田主査】 おっしゃるとおりで案2はやはり当然だと思うんです。案1、案2はそれぞれ別個ということではなくて、案2を実行した上で案1をどうするかということではないかと思うんです。

【松尾課長】 おっしゃるとおりです。

【吉田委員】 そこはやはり数年、あるいは10年になるんですか、日本技術士会内でもやはり部会というのは、実は専門分野に対応して。ですから、20部会があるんです。21の総合技術監理部門というのは日本技術士会内でも部会として認めていないんです。これは部会がないんです。なぜかが分かりませんけれども、調べてみますけれども。多分単純に置き去りになっただけだろうと思うんだけれども、多分もう1つは、技術部門を持っていて総合技術監理を取るものですから、このベーシックな技術部門の部会に加入していれば十分であるということだろうと思うんです。

【池田主査】 そうなんです。

【吉田委員】 そういうことになると、やはり数年前、もう少し前ですか、やはり日本技術士会内でも部会の数が多い。再編しよう。いわゆる専門分野ももっと大くくりに統合したらどうだというような検討も特別委員会を作ってやったんですが、長いこと来ているものですから、既得権というのとは少し違うんですが、ノスタルジーもあるし。

【岸本委員】 難しいと思う。

【吉田委員】 俺のところの部会をつぶすのか、名称をなくすのかというような話になってしまって、最後は多分現行のままが一番いいという結論になったかと記憶していますけれども、やはりそれではなく、今試験の選択科目も多過ぎますし、現実に受験者がほんの数名しか受けない分野があるわけです。そういうものをそのまま選択科目として残すのか、あるいは部会として残すのか、もう少し大くくりに、いずれの時期か検討してやらなければならない。それはなるべく早くやるのか。そうなると、そのときに併せてこの総合技術監理部門の扱いをどうするんだということはできるかと思いますけれども。

【奥野委員】 今の資料4で総合技術監理部門、そこに5つのテーマがあるんですけれども、今の技術士試験の中にこれが全く欠如しているんですか。全く問うてないんですか、この安全管理とか社会環境との調和性とかそういうもの。

【日本技術士会】 私どもは問うていると考えております。

【奥野委員】 と思いますけれどもね。そのレベルの差はあるかもしれませんよ。だけれども、全くこれを問わないで、この計算ができるかということだけ聞いていないと思います、技術士試験では。

【池田主査】 そうですね。

【岩熊委員】 解答するときの観点を問うているのです。この問題を解決するときの観点で、例えば安全の問題とか環境の問題を。

【奥野委員】 品質とかね。

【岩熊委員】 踏まえて解答せよというようになるので、当然それは問われている。

【奥野委員】 と思いますので、案2でこの安全などの事項を今から、かなり難しいこういう分野に関する設問を付け加えるというのは現実的には若干疑問ではあるんですけれども、今のでも結構その辺はいろいろ書いていただくものの中に反映されているのではないかという気はしますけれども。

【池田主査】 そうですよね。試験問題を見ても、例えば社会環境との調和性だとかこういうものは論文を書くときに当然入ってきますね。

【岩熊委員】 入っています。

【池田主査】 だから、総合技術監理部門で、今後どういう能力を取ってどういう位置付けをするのか難しいという気がする。

【奥野委員】 総合技術監理というのがこれでいいかというのが逆に問題かもしれません。

【池田主査】 そこがむしろ私は問題なのではないかという気がするんです。

【吉田委員】 加えて、CPD、継続研さんの認定というのが今後非常に重要になるんです。特に技術士に義務付けられてきているわけですけれども、この中には、倫理の問題もあれば、社会・産業経済動向、こういうものを勉強しなさいということが言われているわけです。だから、単に専門分野の専門の技術のものだけを勉強すれば事足りるというのではないんです。だから、CPDも含めて考えると、総合技術士というのは既にどの技術分野もみんなそうなっているんです。

【奥野委員】 経験の蓄積の中で、ですからそういう方にそういう資格を持っているという認定をしてあげるのも意味あることではないかというふうに思いますけれども。それをどう活用するかというのはまた別途あるんですけれども。

【吉田委員】 そうですね。実は日本技術士会では1万4,000人の会員の中で1,000名ぐらいだと思いますが、こういう認定会員というのを出しているんです。CPD認定会員というのがある。ゴールドカードですけれども、これが年間いろいろなそういう分野の研さんを年間ある一定の単位を何年間も続けたというのを証明で出すとこういうものがもらえて、それこそ私はここに1つ星があるんですが、1回リニューアルしているんです。更新しているんです。こういうものを出しているんです。だから、こういう方をフェローにするという手はあると思うんです。1,000人ぐらい今いますか。

【日本技術士会】 800人です。

【池田主査】 更新をするたびに星が増えるわけですか。

【吉田委員】 そうですね。

【池田主査】 建設業の認定と同じですね。あれは回数が多いほど信用があるんです。

【岩熊委員】 私は応用理学の技術士ですけれども、総合技術監理部門ができた頃の話はよく知っています。第1次試験が必須になったちょうどその端境期の時期です。私は実は総合技術監理は取っていないのです。それは自分がやってきた仕事が、例えばここに書いてあるようなことをやってきているので、名前があった方がいいと思えば受験したかもしれませんけれども、そういう意味では余りそれを使って何かをしていくという必要性をそのときは感じていなかったのですけれども、周りの方は随分受けていました。とりあえず取っておこう。ただ、とりあえず取っておかれた方がそのまま名刺に書くぐらいでしか活用されていないというのはいかがかというふうに思います。

【福山主査代理】 お考えの前提としては屋上屋ということもあって、専門の20部門の上に1つ乗せるという考えはなさそうだと思っていいんですか。それもまだありというふうに考えるんですか。

【吉田委員】 私はそれはやめるべきだと思う。

【福山主査代理】 やめるべき。1つそれで方向決まりますよね。そうすると20プラス1の21の中で、1個1個に割るのか、それもやめるのか、その議論を少し深めた方がいいと思うんですけれども。

【池田主査】 大分問題点がはっきりしてきましたね。

【岩熊委員】 先生、博士の中で学術というものがありますね。

【岸本委員】 はい。

【岩熊委員】 あれは工学とか理学とか、そういうものとどういう関連。今総合技術監理と技術部門とそういうものに何か関連しそうな考え方があるのかと思うのですけれども。

【岸本委員】 学術はもともとは海外のPh.Dの日本語版として学術があって、例えば工学なのか学術なのかといったときにPh.Dを取りたい留学生には学術を付与します。もう1つの考えは、工学という特定の分野にこだわらずにもう少し広いというか、融合的なところをやった人に、特定の名称よりはいいということでそちらを選ぶときもあります。ということで、学術というのは二重な使い方をしています。

【岩熊委員】 なるほど。それはちょっと違うかな。

【岸本委員】 はい、ちょっと違うかもしれません。

【岩熊委員】 分かりました。ありがとうございました。

【池田主査】 やはり名前として技術の監理というのがあるので、多分こういう5つの要素が出てきたのではないかという気はするんです。

【岩熊委員】 監理という名前からですね。

【池田主査】 だけれども、そういう総合技術監理部門でこういう能力を認めて、これだけで仕事をするってやはりほとんどなされていないんじゃないでしょうか。

【岩熊委員】 ないです。

【奥野委員】 イメージ的には私のいた世界でいうと、土木学会の技術者のランクとか、それから、今実際的にコンサルティング業務を発注する場合に、監理技術者という言葉が先ほどありました。1つの業務をやっていただくのに監理技術者という技術者がいなければいけない。これは私はあちこちで説明したのは、大工の棟梁みたいなものです。この監理技術者の下にそれぞれのいろいろな技を持った人がいて、その人たちを束ねて1つのチームとしてものを仕上げるという話をしているわけです。
 そこに監理技術者の資格としては、技術士を持っていること。ほかにもあるんです。RCCMとかあるんですけれども、技術士は監理技術者であれば、評点5点なんです。RCCMは3点なんです。この2点の差というのは大きいんです。
 お金に換算すると随分大きくなりまして、やはり技術士を持っていないとなかなか業務を受注できないという仕組みになっているんです。多分業務にもいろいろなレベルがあると思います。河川の河道設計をするような業務もあれば、もう少し大きく、それも含めて水系全体の流出計算から含めて計画を作るというような業務もある。そうすると、そこに求められる専門知識とかそういうものも含めて、やはり少しレベルが違うようなものが求められるケースがあるのではないかというときにこの総合技術監理部門を持っている方を活用するということはあるかもしれません。これは無責任なことを言ってはいけないので、余り無責任なことを言うと国交省の方にしかられますけれども。
 そうすると、屋上屋というイメージではないんですけれども、それなりの評価をしてそれを活用するということは現実の中ではあり得るのではないのかというふうには思いますけれども。

【池田主査】 そうすると、奥野委員がおっしゃったのは、要するに例えば技術士の資格を持っていて、その後キャリアを積んでもう少しいろいろなことが広く見えるようになって、深みも深くなって、そういう人を総合技術監理みたいなものにしてはどうか。

【奥野委員】 イメージ的にはそんな感じです。ええ。

【池田主査】 イメージ的にはそういうことですよね。

【奥野委員】 ええ。技術士を大体35歳前後で受験していただいて、資格を取っていただくということであるならば、先ほどお話あったように、やはり50歳ぐらいがその次のステップとして何か評価を受けるステップとしてはあるのではないか。これがなければ会社で部長にしないとか、もちろんそういうことではないと思いますけれども、そういうものはあるのかという気はしますけれども。

【吉田委員】 奥野委員、国土交通省の関係だと思いますけれども、実は関東地方整備局はこの10月1日からRCCMと技術士の評点の差をなくしたんです。

【奥野委員】 一緒になったんですか。

【池田主査】 最近ね、ちょっと。

【吉田委員】 はい。なくしたんですよ。ただし何が求められたかというと、CPDのやっていますよという証明書を付けなさい、両方。点数は同じなんです。それはなぜか。なかなか聞けないんですけれども、私が推測するに、やはり技術士の数が足りないのではないか。つまり技術士は7万人とも8万人とも言われていますけれども、一体国土交通省が実施している公共事業の分野で働いている技術士の数というのはどのくらいいるかといったら極端に少ないと思うんです。ところが、RCCMはそのために設けられた認証資格で、10万人からいるわけです。

【奥野委員】 いえ、RCCMは今登録は2万数千です。

【吉田委員】 そうですか。

【奥野委員】 ええ。

【吉田委員】 そのくらいいるとしても多分技術士の数が少ないので、RCCMも同等にするという方向に行ったんだろうと思う。

【奥野委員】 もともとそういう発想でRCCMという資格を作ったといういきさつはありますね。だから差が付いていたんです。

【吉田委員】 そうです。いや、ほかは差が付いているんです。

【奥野委員】 関東以外はまだ差が付いているんです。

【吉田委員】 関東地方整備局だけがモデル的にこれをやり始めたんじゃないですか。

【池田主査】 モデルをやったんだ。

【吉田委員】 それを本省の方に聞くと、いやいや、モデル的にやっているだけで省として全体でやるつもりはないんだとおっしゃっていますけれども。一応日本技術士会の会長として聞いたんです、全国に広げるんですか。

【岩熊委員】 関東地整がやると。

【池田主査】 そうすると、総合技術監理というのは、例えばこの安全管理だとか単なる専門的なマネジメントの能力というよりも、技術者として経験を積んで、それをどういうふうに評価するかというような観点になってくるんでしょうか。そうすると、それをあかしとしてどうするかということが出てくるんだけれども。1つはCPDなんでしょうね。

【奥野委員】 それはあるでしょうね。

【池田主査】 技術士になって、それでCPDで研さんを積んでいただいて、いろいろな能力を身に付けて、それで例えば10年ぐらい働いたときに、では、それをどういうふうに評価していくかというような仕組みが考えられますか。そうすると総合技術監理を取るにはCPDが必須になってくるようになると怒られるか。

【岩熊委員】 科目の中に技術と書いてあるのですけれども、きっと問われるのは、こういったものは技術ではなくて経験とか考え方とかシステム構築とか、何かそういうものがきっと問われているのだと思います。

【池田主査】 そうですね。

【岩熊委員】 これは全部技術と書いてあります。

【池田主査】 当時の考え方はそうなんですよね。

【岩熊委員】 そうですよね。

【池田主査】 ええ。技術じゃないんじゃないか。

【岩熊委員】 だから、より深いこれに対する考え方とか経験とか、何かそういったものを問うような形であれば、少し普通の技術士とは違ってくるかという感じがします。

【池田主査】 そうですよね。

【中谷委員】 判断とか評価というような要素が入ってくると、少し上のランクということで。

【池田主査】 ところがね、このプロフェッショナル・コンピテンシーに評価とか何かいろいろちゃんと書いてあるんですよ。評価するとか、今委員がおっしゃったようなことが既に入っているんです。だから難しいなと思って。

【吉田委員】 この法律にも入っていますよ。技術士の資格というのは評価をやる。

【岸本委員】 そういう意味で試験をして与える資格として独立に置くというのはなかなか難しい。

【吉田委員】 難しい。

【岸本委員】 むしろ技術士の人たちのコミュニティーの中でシニアという形でリスペクトしていく仕組みの方がいいのかという。

【池田主査】 本来はそうした方がよかったかもしれない、今になってみると。だけれども、あるので。先生、そこはもう今1万2,300、もうやめたとは絶対言わないから、そうすると袋だたきに遭いますから。

【岸本委員】 それは分かりました。

【吉田委員】 その部門をやめるんだったら、どこと統合するんだと。例えばAPECではたしか経営工学。APECでは総合技術監理というのはないよね。経営工学か何かに入れているんですか。総合技術監理の部門。

【池田主査】 それも難しいでしょうね。

【吉田委員】 全く無視しているのかな。APECにもない。相手になっていないのかな、総合技術監理。

【池田主査】 総合技術監理を持っている人が、俺、経営かと言われないか。それはちょっと難しいような気がしますね。

【福山主査代理】 マネジメントなんですね。

【池田主査】 だから、総合。監理というからやはりそれに引きずられて安全管理とかそういうものがあるので。

【岩熊委員】 そうですね。技術についての。

【池田主査】 当時は監理の「監」の字を「監」にするかどうのこうのという議論をやったんですけれども。ちょっとここもこれがいいのかどうかという議論をした方がいいのかな。

【福山主査代理】 部門の数全体を機能率の少ない部門は統廃合していくという一連の動きを起こして、その動きの中で、では、この総合技術監理部門というのをどう位置付けていくかというような議論はできますよね。

【吉田委員】 これは非常に重要なポイントで、私ども日本技術士会として過去に何度となく技術部門の統廃合をやろうじゃないかとやったんですが、内部だけでは必ず現行に戻ってしまう。したがって、外的要因で、実はこういう審議会から多いのではないかと、だめだ、もう少し現在の産業構造に合わせて大くくりにしてくださいというようなものが来るとやりやすいのではないかと思う。

【池田主査】 それは、2回痛い目に遭いましたので。統合についてやったんですよ。一般論では賛成、各論は反対の大合唱が起こりましてね。

【吉田委員】 総論はみんなうんと言うんです。ところが、1つ1つやっていくと、ああでもないこうでもないで、結局1年かけてレポートが現行のままが一番いいです。

【池田主査】 だから、審議会でもやったんです。

【吉田委員】 審議会からどんと言ってくれれば、あとは日本技術士会が内部で検討しろと、結論を持ってこいと。

【池田主査】 技術士審議会の中で抵抗があるんです。審議会の中で2回やったんですけれども、これは随分もめました。

【吉田委員】 なるほど。大変なものなんですね。

【池田主査】 一旦できあがったものを改革するのは大変ですよ。

【福山主査代理】 1人でも部門受験希望者がいたら、その部門は残るんですか。

【奥野委員】 受験者の話ではなくて、部門はやはり既存の有資格者があるので。

【福山主査代理】 そうですね。

【奥野委員】 部門をなくすとなると、そちらの方が実は大きな問題があるのではないかと思います。

【吉田委員】 選択科目は今96。その中でやはりある本当に少数の受験者しかいないところはある基準を決めていただいて、その選択科目はどこかを統廃合するのでしょう。廃止するんじゃないですよね。

【池田主査】 両方ありました。

【吉田委員】 両方ある。

【奥野委員】 統合というのが現実問題としては多いと思いますけれども。それは今後の課題ですけれども。

【吉田委員】 だけど、日本技術士会からはたしか同会制度検討特別委員会から10ぐらい減らしてもいいのではないかという。

【岩熊委員】 そうですね。

【吉田委員】 報告はさせていただいたと認識していますけれども。

【池田主査】 その中でもやはり総合技術監理部門の役割は何かというのはここで議論しておかないといけないですよね。統廃合するしないに関わらずそれはやっておかないといけないので、少なくともこれをもう1回眺めてみると、やはり少し何か今の時代と違うという気がしますね。そこはこれからもう1回きちんと議論できる時間はありますか。

【松尾課長】 はい。

【福山主査代理】 これ、あれですかね。やめるやめないの議論をすると、既存の今まで走ってきたいろいろな流れがあるから、障害が出ますよね。追加する分は大丈夫なんですか。

【松尾課長】 追加って部門追加ですか。

【福山主査代理】 いやいや、部門追加ではない。ただ、先ほど少し出かかっているそれぞれの部門の中にミシュランを入れるとか入れないとかという議論をするのは法整備しないとだめなんですか。運用上できる。

【松尾課長】 運用上できる。

【福山主査代理】 それをやったことによって、吉田委員のおっしゃったのは、では、総合技術監理的な人の役割がきちんと会社の中で認められるようになるとか
なっていけばいいんですね。

【吉田委員】 ないと思いますね。総合技術監理部門を持っているから会社で評価するということはあり得ないと思います。

【福山主査代理】 ということはこれ要らないという部門ですね。

【吉田委員】 実は岩熊委員が言ったように、私も取っていないんです。必要ないと私は判断して私は取っていないんです。

【福山主査代理】 私は持っているんです。だから、それを活用しようとかそういう魂胆はないんですけれども。何を言われて取ったかというと、私に言われたのは、これは20の部門の上位にあるんだ。

【吉田委員】 だから、私は逆なんです。平成12年以降の技術士はこれを持っていないと一人前の技術士としてなかなか認めてもらえないというのでみんな取ったんです。私はずっと前ですから取らない。

【福山主査代理】 取らないと。

【吉田委員】 はい。

【福山主査代理】 ははあ。

【池田主査】 これから、例えば若くして取るような制度にしていくと、やはりその間の努力とかあるいは信頼度とか、その人の技術者として持っている能力の開発とか、そういうものを認めるようなあれになるんですか。

【松尾課長】 おっしゃるとおり、経験。

【池田主査】 それで何か仕事をするというよりもむしろ。

【松尾課長】 ええ。経験とか。

【池田主査】 そうすると、部門という言い方がいいのかどうかというところもありますよね。

【福山主査代理】 部門じゃないのかもしれませんね。

【中谷委員】 先ほど1つの目標として必要ではないかと言ったのは、済みません、私はこの総合技術監理部門というのは1つ上だということを前提にお話ししていたんですけれども、やはりもしも技術士になる年齢を下げるんだったら、もう1つ次の目標というものが必要ではないかと思います。

【池田主査】 目標とあかしですよね。

【中谷委員】 そうですね。あかしですね。ですから、CPDを受けて星を付けていくということも1つの目標だと思いますけれども。総合技術監理部門というものを消せないということであれば、ちょっと1つ上に上げてあげた方がよいかな。そうすると、今持っている人たちもそれであればという。

【福山主査代理】 でも、先生、先ほどの議論だと、上には乗せない、屋上屋だという意見もあるし。

【中谷委員】 はい。

【福山主査代理】 要は、21並列なんです、今。この21並列を総合技術監理なるものをそれぞれに割り振って、その中で何かするのか。それもやめて現行どおりにするのか。そのあたりの議論だったような気がするんですけれども。

【中谷委員】 部門ごとに1つ上ということを言ってはいけないんですか。

【福山主査代理】 そうみたいですね。部門内はいいんですけれども。

【奥野委員】 上と言うと語弊があるかもしれませんけれども、例えば総合技術監理部門を、何かある専門分野を取得して、そこからいろいろCPDですとか、あるいは業務経験とかそういうものを積みました。その段階である程度の評価をする試験をやるという仕組みに変えれば、おのずと総合技術監理部門を取る方は50歳近くなってしまうんです。

【松尾課長】 そういう運用をしてしまえばいいと思うんです。

【奥野委員】 そういう制度設計もあり得るかという気はします。

【福山主査代理】 基本的に総合技術監理部門はあるわけですね。中身が変わるということですね。

【奥野委員】 そうです。

【池田主査】 そう。そうだと思いますよ。

【福山主査代理】 それはありですね。そうすると、今は最初から総合技術監理に挑戦できる仕掛けになっているじゃないですか。

【奥野委員】 そうです。

【福山主査代理】 それはちょっと。

【奥野委員】 それはちょっと。

【池田主査】 変更するという。

【奥野委員】 イメージとしては変えるということに。

【中谷委員】 変更しないと。1桁ですか。

【池田主査】 それが1桁なので。

【松尾課長】 3人。

【池田主査】 3人? だから、それはほとんど。

【中谷委員】 3人?

【奥野委員】 ただ、今1万2,000人のかなりも方々も、例えば今年ある建設部門なら建設部門を取りました。二、三年後に。

【岩熊委員】 翌年とか。

【奥野委員】 総合技術監理部門を取るというケースが多いと思います。ですから、それをもう少し経験などをきちんと見るというのを。

【池田主査】 そうですね、まあ。

【福山主査代理】 済みません、もう一方、今総合技術監理を持っている人がいますよね。

【奥野委員】 それはもう。

【福山主査代理】 これはそのまま。つまりシャッフルする。

【奥野委員】 いや、オーケーにしないと。あるいは。

【吉田委員】 そのままですよ。

【池田主査】 既得権ですから。

【中谷委員】 現行は1つの技術士を取って、それで取っていく方がほとんどだと思うので。

【福山主査代理】 ほとんどだと思うんですね。

【中谷委員】 それはもう矛盾しないと思います。

【池田主査】 だから、技術者としての業務経歴とかキャリアとか、それとCPDを前提条件にしてこれを認定していくということでしょうか。

【福山主査代理】 そういう考え方はいい。

【池田主査】 そうすると、上だとか下だとかという話じゃない。

【福山主査代理】 そう、上下はもうないと思う。

【池田主査】 ないと。

【福山主査代理】 例えば、総合技術監理を受けるときに、いわゆる普通の技術士もそうですけれども、過去の経歴表を出しますよね。しかし、あれは出しているだけで、たくさん経歴がありますよね、少ないですよねという、そういう議論は余りないんですよね。だから、総合技術監理なるものを取ろうとしている人はある経歴を見る尺度があって、で、それに合致するとか、そういうことにすれば運用的にできるということですか。

【奥野委員】 そうですね。

【福山主査代理】 見る尺度があって、で、それに合致するとか、そういうことにすれば運用的にできるということですか。

【池田主査】 そうですね。

【吉田委員】 だから、技術者のキャリア形成の中に位置付けることはできるかもしれないですね。ある一定技術士を取って、それからCPDをやって業務経験、実績を積んで、それから総合技術監理を取ったら、自分のキャリア形成の中ではこうなりますねということは証明できますね。

【福山主査代理】 なりますね。

【吉田委員】 ただ、今同時に受けられるものだから。

【岩熊委員】 ただ、年齢によっては若くて技術士を取る方が同時に総合技術監理に受かりますか。

【奥野委員】 いや、受かるんじゃないですか。

【岩熊委員】 受かりますかね。

【吉田委員】 受かる方もいるけれども。

【池田主査】 今の試験制度だと多分受かるんです。


【吉田委員】 ちょっと待ってください。

【岩熊委員】 ただ、やはり答案の書き方が少し違いますので。

【日本技術士会】 平均年齢は46歳です。

【吉田委員】 やはり10歳ぐらいですか。

【福山主査代理】 5歳かそれぐらい上になるんですか。

【岩熊委員】 やはり技術士取ってから少し経験積んでから。

【奥野委員】 現実的にそうなってくるんですね。

【岩熊委員】 そうですね。だから翌年受かる人はある程度ベテランの方ではないかと思われます。

【吉田委員】 そうですね。ただ、やはりそれは少数で、すぐに取ってしまうという方もおられる。今聞いたように、一般的に言えば41歳がピークで、総合技術監理部門は46歳というので、やはり取ってからしばらく業務実績を積んでから受けているんですね、実態として。

【池田主査】 この中身を見ると、これで多分仕事はできないと思うんです。自分の根っこを持っていないと。だから、ほとんど人がこれだけというのは普通ないんですね、技術者の資格としては。だから、そういう3人だということになっているんだと思うんです。

【福山主査代理】 そうすると、この議論は総合技術監理の試験とか、位置付けとかそういうものを現行から見直す活動ということですか。

【松尾課長】 今の議論はそう。

【池田主査】 今の議論はそうですね。

【福山主査代理】 新たに何か作るとかそういうことではない。

【松尾課長】 そうですね。

【岸本委員】 それか総合技術監理は今の状態で凍結してしまって、新たなものを作っていく。

【福山主査代理】 新たなものを作るんですか。

【松尾課長】 というのもある。

【岸本委員】 両方ある。

【岩熊委員】 という案もありますということ。

【福山主査代理】 そうだよね。だから、そこを2つ分ける。

【池田主査】 それは難しいな。

【岸本委員】 総合監理技術部門はこれ以後は試験はありませんというような新たなところを作るか。今の人がそのままスライドというのは、内容を変えたらなかなか難しいのではないか。

【池田主査】 それは何かブーイングされる。だから。

【岸本委員】 持っている人にとっては必要がないわけですよね。

【池田主査】 これはもう持っている人は既得権としてやらざるを得ないんじゃないかな。

【福山主査代理】 そのままかな。

【岸本委員】 だからそれはそのままで、廃止するわけではなくて。

【池田主査】 廃止するわけじゃない。

【岸本委員】 新しく資格を取る人はもう生まれないというのでいいわけですね。

【池田主査】 だから、新しいのを作ったときには、そこには自動的にスライドしていけるようにしていかないといけないだろうね。

【福山主査代理】 新しい制度で取った人も総合技術監理でしょう。

【岸本委員】 同じ名前でやるかどうか。

【池田主査】 そうそう。

【福山主査代理】 先ほどの平成12年の前と後でも技術士じゃないですか。

【池田主査】 でも。

【松尾課長】 年度で区切るんですかね。

【岸本委員】 名前変えたらやはりそのままスライドというわけにいかないでしょうね。

【池田主査】 やはりこの委員会で議論しているように、キャリア形成の中で総合技術監理にしたんですけれども。

【福山主査代理】 それはありますね。

【池田主査】 そのイメージが上に動くというようなイメージだったので、やはり抵抗感があったので、そうではないと。やはり中心は当然普通の技術部門の技術士で、そこでこういう複合的な能力も問うし、それをやるんだけれども。だから、自分のキャリアの中で。

【松尾課長】 形成していく。

【池田主査】 形成していって、中でこういうものをどういうふうに位置付けていくかという議論にすれば。

【福山主査代理】 そうですね。上ではない。

 

【池田主査】 努力をすれば当然みんなが総合技術監理へ行かれるわけですから。

【福山主査代理】 ちょっと上を見過ぎましたね。

【池田主査】 そういう議論の方がいいか。説得できるかと思いますけれども。

【松尾課長】 本当にそういうイメージを作って、あとは業種間の資格とか、あとは企業内でどう生かしてくれるかとか、あと、国際的通用性をどうするかとか。

【池田主査】 そうですね。

【松尾課長】 そういったことでブラッシュアップしていかないと、何となく制度は作りましたけれども、そこはまた使いませんというような形で少し周りとうまく連携して、それで制度を変容させていくという。

【池田主査】 そうですね。

【福山主査代理】 例えば製造業の人も入ってほしいということがあって、日立も入ったんですけれども、そのときの論点は、技術士制度というのがこれまでの日本経済の発展とか技術発展に寄与していることは事実だけれども、環境がすごく大きな変化をしている中でミスマッチが出ているのではないだろうかということで、私たちは参画させていただいているんです。正直言って、私どもの会社で技術士を取っているからキャリアが上がっていく、会社のポジションが上がっていくという、そういうことにはなっていないんです。
 何かの形で、技術士制度というのをきちんとやれば、即ち、会社のポジショニングにおいてもきちんと役割が果たせるというような仕掛けになっていけば、製造業における技術士制度の活用とか、技術向上とかにはなると思うんです。現に吉田委員のところでは既に仕組みと技術士制度がすごくリンケージがとれているわけですよね。とれていない企業に対して、ではどうするかという働き掛けも何か要るような気がするんですけれども、運用面では。

【松尾課長】 むしろ私たちは制度をいじることが目的ではなくて、どう使ってもらうかということが重要です。だから、逆に使ってもらうような制度に、あるいは試験にしていかないといけないので。もしほかの資格があってそれを使っているのであれば、それと入れ子にするような技術士制度にしていくとか。むしろそういうのを少し考えていかないと。ガラパゴス状態の技術士制度を作ってもやはりあれなので。

【池田主査】 会社とかそういう組織の中での問題と、それからやはり技術者個人としてのあかしのものと私は2つあると思うんです。

【福山主査代理】 そうですね。確かにそうですね。

【池田主査】 総合技術監理で取っておられる方は多分そういうあかしの意味がものすごく多いのではないかという気がするんです。それでそれが1万何千人いらっしゃるということではないかと私は思っているんですけれども。それはやはり志としては非常に重要なので。

【松尾課長】 尊重して。

【池田主査】 受け止めておかないといけないですから。

【福山主査代理】 そうですね、確かに。技術士という1人の、技術者としての価値ですよね。

【松尾課長】 目標という。

【福山主査代理】 それをどうやって生かすかというのは会社とかいろいろなものがあるんでしょうね。

【池田主査】 ほかにはよろしいでしょうか。どうぞ。

【吉田委員】 やはり根本的に技術士の数を増やすということがなければ、活用してくれといっても、なかなか世の中、社会が受け入れないということで、やはり技術士の数を増やす、そういう制度設計をお願いしたいと思っていまして。ちょっとしか議論していないんですけれども、それには現行の試験制度でいいのかということがあるので、もし次回機会があれば、現行の試験制度の問題点を含めて議論させていただければと思っているんですけれども。

【池田主査】 変えたばかりですので、ちょっと結果を見てからの方がいいかと私は思うんですけれども。

【吉田委員】 ドラスチックに私は疑問を持っているところがあるんです。

【池田主査】 そうなんですか。

【吉田委員】 それは全員が第1次試験をする。本当に必要なのか。つまり、行政官ですとか、あるいは産業界で。

【池田主査】 ああ、そういうことね。

【吉田委員】 一生懸命やってきて、40歳ぐらいになって、あるいは45歳ぐらいになって、技術士を受けようかといったときに、第1次試験からやるのかと。こういう大学を出ている、こういう実績もあるというときに、果たして本当にそれでいいのかどうか。

【岸本委員】 第1次試験、第2次試験という言い方ではなくて、予備試験と本試験みたいな形にするとかような議論が以前ありましたので、そこを詰めた方がいいか。

【池田主査】 そこは国際的な要求が非常に強いので。

【吉田委員】 いや、その国際的な要求は実は、こんなことを言うと大変申し訳ないと思うんですが、試験制度に学歴要件を外したものだから、国際的にグラデュエイトも問題が、どうなの、同等性があるのという話になったんです。それで第1次試験を義務的にやります。これに合格すれば、あなたの大学卒業と、要するにエンジニアコース卒業と同じにしますよとやってしまったのが間違いだと私は見ているんです。
 だから、やはり大学のエンジニアリングコースを出ない方も技術士の資格を取るための試験制度として第1次試験からやっていくというのはいいと思うんですが。

【岸本委員】 JABEEがワシントンアコードに広げたときにまさにそのことを言われましたね。

【吉田委員】 それで現行を見ていると、JABEEの認定課程を卒業されて修習技術者になって、いわゆる技術士補になって、4年経験すれば技術士試験が受けられるのに、今年度でやっと1,000名が受けるんです、受験者。多分10万人ぐらい受験できる適格要件を持った方がおられるのに1,000人ぐらいしか受けていない。一体これは何だということなんですよね。

【池田主査】 私の認識は40代、50代の方が受けるのは第1次試験は大変だというよりも、やはり若い人がなぜ受けないかというところが私はメジャーな問題だろうと思うんです。ですから、そこが受けるように考える方が今後の議論として私はいいのではないかという気はしています。1,000人しか受けないのはなぜか。せっかくJABEEで資格があるのに。

【岸本委員】 先ほどのように35歳ぐらいに今ピークが来ていますので、まだそこまでJABEEの修了生がメジャーなところは来ていないので、もう少し。それで少しずつ増えてきていますよね。

【吉田委員】 そうですかね。

【岸本委員】 あと10年だと少し長いかもしれませんが、何年か待つとちょっと。

【池田主査】 JABEEが始まってもう10年ぐらいなんですか。

【岸本委員】 10年ぐらい。卒業生出て。

【池田主査】 最初は数は少ないけれども。

【吉田委員】 何年たちます?

【日本技術士会】 14年の最初に受けられ3校が認定されているので、10年ですね。

【岩熊委員】 まだですね。これからですね。

【池田主査】 まだだね。

【吉田委員】 しかし、母数として受験資格要件を満たしている方が10万人いて1,000人しか受けていないというのは何だということなんですよね。

【岸本委員】 修了生が10万人ぐらいなので、まだ4年たっていない学生たちもいますから。

【吉田委員】 いやいやもっと。

【日本技術士会】 18万人です。

【吉田委員】 18万人卒業した。

【松尾課長】 修了者。

【吉田委員】 これが問題で、日本技術士会としても委員会の中にJABEEコース、認定コースを持っている大学に出掛けていって、技術士制度というのは何か、技術士というのはこういう魅力ある資格です、是非学生に受けてくださいという運動もやっているんです。

【池田主査】 分かりました。それも大事な問題ですけれども、当面ちょっと総合技術監理の方が喫緊の課題なので、そちらの方を中心に議論させていただきたいと思います。
 それでは、そろそろ時間もまいりましたので、ありがとうございます。各委員から頂きました御意見等を事務局において取りまとめていただきまして、次回の制度検討特別委員会で議論を続けてまいりたいと思います。
 それでは、最後に事務局から何かありますでしょうか。

【小林係長】 はい。本日の会議の議事録につきましては、後日事務局より皆様にお送りいたしまして、内容を確認いただいて文科省のホームページに公開させていただきたいと思います。また、次回の制度検討特別委員会につきましては、既に御案内しておりますとおり、11月21日木曜日の午前10時より同じ会場で開催したいと思います。お願いいたします。

【池田主査】 どうもありがとうございました。それでは、本日の会議は終了いたします。どうもお疲れさまでした。どうもありがとうございました。


11時57分閉会

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

(科学技術・学術政策局人材政策課)