第5回制度検討特別委員会における主な発言

第一次試験・技術士補 

●第一次試験の免除をどのように考えるのかということから議論を開始した方がよい。それによって、技術士補の位置付け、活用方法を考えたらよい。

●昭和58年技術士法改正前は、工学系大学等を卒業して、実務経験を経て、本試験(法改正後の第二次試験)を受験できる制度だった。当時の法改正によって、予備試験(同、第一次試験)に合格することが、第二次試験の受験要件からはずれてしまった。

●工学系大学等を卒業する等、ある一定の教育を受けてきた者については、学歴要件を適用して、第一次試験を免除すべき。

●工学系大学等を卒業しなくても、工業高校を卒業して技術士になる道は残すべき。

●プロフェッショナル・エンジニアの資格に向かうプロセスについて、大卒であることが必要か、工学系の大卒者に対して第一次試験を免除することが適当かを考えないといけない。

●米国の場合、ABETの認定した大学の課程を修了しないとFE試験(技術士第一次試験に相当)の受験資格が得られない。国際的通用性を考慮すると、日本においても、例えばJABEEの認定制度のスキームは必要になるだろう。

●JABEEの認定した大学等課程の修了生は、なぜ第一次試験を免除されるのか、明確に整理しなければならない。その上で、第一次試験とは何かを整理する必要がある。

●第一次試験は、ある程度の大学等卒業レベルに達しているかどうかを確認するという位置付けに整理することはあり得るだろう。

●(第一次試験は20技術部門ごとに行われている現状について)技術部門を問わず、「一つの」(部門共通の)試験にすることが適当ではないか。

●制度上、第一次試験と第二次試験の技術部門が同一でなくてもよいため、第一次試験を抜本的に変えた方がよい。

●第一次試験の技術部門をもう少し大くくりにした方がよい。

●高齢になって技術士になろうとすると、第一次試験が一番難しくて、技術士資格を取得できない。

総合技術監理部門(「総監」) 

●総監を運用上20専門技術部門+1のままとするか、21技術部門の一つとするか、まずこの位置付けを決めることが重要だ。

●日本学術会議が提言した総合工学は、知の統合、いろいろな分野を統合して総合工学にしていくことが基本的な考え方だった。また、どの工学分野を勉強したとしても、共通して学ばなければいけないこと、例えばシステム工学といったものは従来は明確に表に出して教育してこなかったが、どの技術者になっても総合工学の基盤、工学基礎は必要な工学的知識だと考える。

●工学全体を俯瞰(ふかん)しながらマネジメントする能力を持った人材教育は、大学教育の中で徐々に進んできている。JABEEにおいても「工学一般」を新領域と呼んでおり、このようなプログラムが増えてきている。

●日本学術会議が提言した総合工学分野と、「工学一般」「基礎工学」はレベルの差があるのではないか。

●総合工学分野が活用される部門になるだろうか。

●総合工学を一つの分野(部門)として独立させて、若い技術者からマネジメント能力に特化した教育を行っていくのであれば、「総合技術監理」を適切な名称へ変更した方がよい。

●総監の位置付けがやはり曖昧、不明確である。その位置付けを整理していけば、内容を追加することでよいのか、全く異なった部門を作った方がよいのか、議論が進展すると思う。

●将来的には総合工学部門の設置を目指すとしても、過渡的には、総監であっても今までと異なった内容を追加した試験を行う。既に総監部門の技術士は、CPDを通して追加内容の研さんを積んでもらうことなども考えられる。

●総合工学を一つの分野(部門)にするという考えは、第一次試験の技術部門の大くくり化の流れと反対の方向に行ってしまうことになりはしないか。

●第一次試験の改定の中で、総監、総合工学をどうするか、ふさわしい制度設計を考えるべきであって、現在の状況で、総合工学部門のような新しい部門を作るのは無理があるだろう。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー) 

●(第5回特別委員会配付資料6について)まずこれらの資質能力(キーワード、カテゴリー)で網羅されているといえるか。そうであれば、次にカテゴリーごとに詳細に検討する。さらにこれらを試験でどのようにはかっていくのかという議論になるだろう。

●これらのカテゴリーは全部ないといけないことは合意すると思うが、その水準の高さ、深さを、資格取得時にどのようにはかるのかという認識を共通して持っておくことが必要だ。これらの水準があまり高すぎてはいけないと思う。

●海外における業務に携わる際は、語学力だけでなく、多様性の理解、異文化の理解も必要ではないか。

●造られたものをどのようにメンテナンスしていくのか、災害等が発生したときにどのように解決の方向を示して、国民の皆さんと議論してコーディネートしていけるかという能力が大きく求められている。

●技術者キャリア形成スキーム(コアスキーム)とコンピテンシーを合致するような制度設計が必要だ。

CPD  

●日本技術士会においてCPDの認定会員の条件のハードルが非常に高い。技術士登録していながら、CPD認定会員は1,000人弱でないか。

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科学技術・学術政策局人材政策課

(科学技術・学術政策局人材政策課)