1(5)地震動・津波等の事前予測・即時予測

「地震動・津波等の事前予測・即時予測」計画推進部会長 香川敬生(鳥取大学大学院工学研究科)
副部会長 関口春子(京都大学防災研究所)

1.はじめに

 地震,火山噴火に伴う地震動,津波,地滑り,山体崩壊,火山灰や溶岩の噴出などの災害誘因を,その発生前に高精度に評価しておくことは,これらの災害対策に資するために重要である。また,各種観測データの利用法や解析手法を開発,高度化し,地震・火山噴火発生直後に高精度かつ即時的に災害誘因の規模を予測して情報伝達することは,災害及び2次災害の軽減にきわめて有効である。そのため本テーマでは,本計画で得られる地震発生や火山噴火の理解や構造モデルなど最新の研究成果を利用して,地震動・津波等の事前予測・即時予測を通じた災害軽減に資する研究を行う。同時に,事前予測・即時予測結果を効果的に社会に還元するため,防災工学や社会科学との連携,及び防災に関する現業での活用を指向して研究を進める。

2.平成27年度の成果概要

(1)地震・火山噴火の災害誘因の事前評価手法の高度化

ア.地震動の事前評価

(震源モデルの高度化)
 2014年11月22日22時8分に長野県北部の北安曇郡白馬村付近で発生した地震(MJMA6.7)の震源過程を,強震波形を用いたマルチタイムウィンドウ線形波形インバージョン解析によって求めた(図1)。破壊開始点から約5km北のやや深いところに滑り量の大きな領域(最大滑り量は1.9m)が推定されたが,これは各機関によるモーメントテンソル解のセントロイドが北側深部に推定されていることとも整合する。また,地表に近いところでも0.3~0.5 m程度の滑りがあり,その場所は,地表地震断層が観察された領域に対応し,求められた滑り量も同程度であった。全体の地震モーメントは3.29×1018 Nm,断層面積は260 km2,平均滑り量は0.45 m,アスペリティサイズは 36 km2と求まり,これらの値は宮腰・他(2015)で提案されている最新のスケーリング関係式と整合的であった。2015年4月25日に起きたネパールGorkha地震(Gorkha earthquake, Mw7.8)では,震源域直上のカトマンズ盆地内で強震記録が得られているが,最大加速度,最大速度ともに,経験的な地震波距離減衰式から導かれる値に比べ小さい値が観測された。震源特性の特異性の有無を調べるため,同規模の17地震と有限断層モデルの震源時間関数を比較したところ,Gorkha地震の震源時間関数はスムースで,周期10秒程度以下の震源スペクトルが平均よりも標準偏差幅程度小さいことがわかった。震源スペクトルレベルは震源断層全体の地震動生成レベルに対応するため,Gorkha地震の震源域強震動が同規模の地震に比べ小さかったことは,震源特性に起因するものと考えることができる(京都大学防災研究所[課題番号:1903],浅野・岩田,2015;Iwata, 2015)。

(地下構造モデルの高度化)
 2015年5月30日に小笠原諸島西方沖の太平洋スラブ深部で深発地震が発生した。気象庁により求められた震源の深さ(682 km)は,この周辺で起きる深発地震の等深度面より50 km程度深い,太平洋スラブの下面付近となったが,震源が陸域から離れているため深さ決定精度に誤差が大きい可能性があり,スラブ内で起きた地震か,スラブ外(スラブ下面付近)で起きた地震かについて議論が分かれていた。観測地震波形には深さ500 km以深の地震にのみ見られる特徴が見られ,観測地震動分布には比較的同心円状に近い「異常震域」が見られるなど,過去の深さ400km前後の太平洋スラブ内深発地震とは違う様相が見られた。地震波形の特徴から震源の位置(深さ)を確認するために,3次元差分法に基づく地震波伝播シミュレーションを実施した。気象庁決定の深さに震源を置いた場合,計算された地動速度分布は強震観測網で記録された速度分布と良く整合し,関東〜東北に広がる「緩やかな」異常震域を良く再現した。また,前弧側観測点で記録された,低周波数先駆波と高周波数S波の後続相は,それぞれLow-QマントルとHigh-Qスラブを伝わり到達した波であることも確認できた。これにより,本地震がスラブ外(スラブ下面)で起きた地震である可能性が高いことが裏付けられた(東京大学地震研究所[課題番号:1516])。
 南海トラフ地震の影響を受ける大阪堆積盆地の地下構造モデルについて,中小地震の観測波形をターゲットとした地震動シミュレーションによる検証を行った。盆地北西部に位置する尼崎観測点(関西地震観測研究協議会)では,多くの地震で,直達S波の後,水平動に卓越する孤立的な後続波群が約4秒間隔で繰り返し現れる。この後続波群は震動卓越方向が変化し波群間隔も少しずつ変化するが,その変化の様子が震源方位によっても系統的に変化することがわかった。このような地震動をターゲットに既往の3次元大阪堆積盆地地下構造モデルを用いて差分法による2Hzまでの地震動シミュレーション行った結果,後続波群は地表と堆積層/地震基盤の境界の間の多重反射S波であること,基盤の3次元的な形状の影響によって2波目,3波目の震動卓越方向が変化すること,震源方位によって波の伝播経路が変わるため変化の仕方も変わることがわかった。また,大阪堆積盆地における2013年淡路島の地震の地震動シミュレーションと,その結果に基づく堆積層Q値設定方法の検討を継続して実施し,最も観測記録を説明するようなQ値パラメータを得た。さらに,現状の地下構造モデルでは地震動を十分には再現できていない箇所を把握し,今後の高度化のための知見を得た(京都大学防災研究所[課題番号:1911],田中・他,2015;Asano et al., 2016)。
 立川断層を横切る測線で,昨年度実施した表層地盤の微動探査,表面波探査及び地震観測のデータ分析を実施し,表層地盤の不均質性が地震動に及ぼす影響について議論した。微動アレイ探査データのSPAC解析で得られた位相速度と,表面波探査で得られたレイリー波位相速度には,断層が存在すると考えられている位置で大きな変化が見られ,地下構造の急変が示された。特に,西側で位相速度がより低周波数で小さな値となり,低速度の表層の厚さが変化していると考えられる。微動のH/Vも同じ位置での地盤構造の急変を示した。また,断層のごく近傍では,異なる種類の探査で得られた地盤構造モデルの間の差が大きいが,これは地下構造急変の影響と考えられる。地震観測は,同側線で,30地点/600 mの高密度で,約1ヶ月間実施された。茨城県南西部の地震(深さ45 km,M4.0)の観測波形では,断層の東側に比べ西側で高周波数成分が卓越し,後続位相も複雑になっていること,断層のやや西側の位置で最大値が局所的に大きくなり,断層から十分に離れると両側での振幅が同程度になる様子が見られた。微動探査で推定された地盤モデルを単純化して作られたモデルで地震波伝播の2次元計算を実施したところ,断層の不均質部分で表面波が生じ,表層のS波速度が小さい断層の西側で,後続位相がより顕著になる様子が示された。また,地盤増幅に及ぼす表層地盤の影響に関する検討例を増やすために,追加観測として茨城県日立市で微動探査,表面波探査,地震観測を実施した(拠点間連携研究[課題番号:2954],津野・他,2015;清田・他,2015;Tsuno et al.,2015)。

(強震動評価の高度化)
 南海トラフ沿いの地震では,緩やかに沈み込むフィリピン海プレートと厚い付加体での表面波の強い増幅と陸地に向けたガイド効果,そして関東平野では急峻な形状の基盤上面による表面波の強い増幅が考えられ,長周期地震動が強く生成することが考えられる。南海トラフ沿いの地震で生じる長周期地震動の特性を,2011年東北地方太平洋沖地震との比較から明らかにすることを目的として,東北地方太平洋沖地震の震源モデル(Lee et al., 2012)を南海トラフ沿い(駿河湾〜足摺岬の沖合)に置いた「仮想M9巨大地震」により長周期地震動評価を行った(図2)。文部科学省の長周期地震動評価モデル(JIVSM)による堆積層,地殻・マントル,及びプレートモデルを設定し,周波数0.5 Hz以下(周期2秒以下)の地震波伝播を差分法により計算した。東北地方太平洋沖地震と南海トラフ「仮想M9巨大地震」からの震源距離がほぼ等しい都心地点(K-NET新宿観測点)の周期6〜10秒の速度応答において,東北地方太平洋沖地震時の2倍程度の大きな長周期地震動が起きることを確認した。
 南海トラフ地震を対象に,震源モデルの破壊伝播速度の変動(ゆらぎ)による,長周期地震波に生じる破壊のDirectivity効果への影響を調べた。断層破壊速度が一様な場合には,Directivity効果が大きく,破壊進行方向で長周期地震動の増幅が大きくなり,例えば震源が南海トラフの西端にあり断層破壊が関東方向に進行する場合と,逆に東側の震源を起点に関東から遠ざかる方向に進行する場合では,都心の地震波速度応答スペクトルで見て10倍以上の差が生じることがわかった。これに対して,標準偏差5%のランダムな速度変化を与えた場合は,Directivity効果が弱まり,速度応答レベルの差が2倍程度にまで狭まることが確認できた。
 スラブ内に発達する互層状態の不均質構造(ラミナ構造)では,高周波数地震動がラミナの間で強い前方散乱を起こすために,スラブ内に閉じ込められるように遠地まで伝わり,異常震域を作り出すことが知られている。したがって,スラブ内地震の高周波数地震動の予測には,スラブの不均質構造の特性とその起源を調べることが重要である。太平洋上のいろいろな伝播経路に沿って,海洋リソスフェアを伝播すると考えられている高周波数地震波Po/So波の現れ方を調べると,プレート年代の古い北西側(日本側)ではPo/So波が強く,海嶺に近くプレート年代が新しい東側(北・南アメリカ側)では弱い傾向が確認できた。すなわち,年代が古い厚いプレートほど高周波数地震動の散乱が強いことが考えられる。2次元差分法シミュレーションでも,海洋リソスフェアの厚さに比例してPo/So波の長いコーダが強く生成することが確認された。また,スラブ内の短波長不均質構造は,海洋プレートが海嶺で生成される過程で既に形作られているが,プレート移動に伴ってプレート下面に不均質なアセノスフェアが付加し,不均質層の厚さがプレート年代とともに増すこと,不均質性の強度はリソスフェア下面付近で強く,浅部では弱いことが考えられる。
 九州南端から台湾北東にかけて位置する南西諸島において,地下構造の理解,及び,将来的な大地震の発生と被害の予測に資するため,地震波の減衰トモグラフィを開始し,3次元地震波減衰構造の暫定結果を得た。沈み込むスラブ内は低減衰,一方,マントルウェッジ,前弧側の地殻内,沖縄トラフ内部,火山フロントに高減衰領域が存在するという特徴が確認できた(東京大学地震研究所[課題番号:1516],Kennett and Furumura, 2015;Takemura et al., 2015;Shito et al., 2015;Kennett and Furumura, 2016)。

イ.地震動による構造物被害の事前評価

 十万・百万のオーダーの建築建物や交通・ライフライン等の大規模社会基盤施設を有する都市に対して,巨大地震がもたらす災害・被害の評価のため,理学・工学・社会科学の各分野で培われた数値解析手法が適用できるような都市全体の解析モデルを構築し,実際に,巨大地震がもたらす災害・被害予測を行うことを目的とした研究を進めている。仙台・新潟・東京・甲府・神戸・高松・高知・福岡を対象とした統合地震シミュレーション(Integrated Earthquake Simulation, IES)プログラムを,それぞれ,東北大学・新潟大学・東京工業大学・山梨大学・神戸大学・香川大学・高知工科大学・九州大学に移植し,各大学で都市モデルの拡張や,想定地震シナリオによる災害・被害予測を実施した(拠点間連携研究[課題番号:2977],Ichimura et al., 2015;Fujita et al., 2015;Melgar et al.,2015)。
 琵琶湖疎水の耐震性に関する課題抽出と耐震対策に資するため,琵琶湖疏水に影響を及ぼすことが危惧される地震とその発生頻度,強震動及び地表地震断層による被害の想定を取りまとめた(拠点間連携研究[課題番号:2961])。

ウ.地震による地滑りの事前評価

 地震によって火山地域で発生した地滑りの代表的な事例で,かつ,従来の調査が十分でなかった1949年今市地震による降下火砕物の崩壊性地滑りの調査を行い,16個の深層崩壊性地滑り,141個の浅い崩壊性地滑りが発生していたことを確認した。この地震以前に40個の深層崩壊性地滑りがあったことも確認した(図3)。これらの地滑りの滑り面の層準を火山灰層序学的に特定した。これらの土層は自然含水量が高いため,地震によって地滑り変動現象が発生すると,滑り面付近に高い過剰間隙水圧が発生し,高速長距離地滑りになりやすいことがわかった。また,1923年関東地震によって発生した震生湖地滑りは,神奈川から東京南西部に広く分布する東京軽石層に滑り面が形成されたことがわかった。これら火山地域の地滑りの調査から,降下火砕物の地震による崩壊性地滑りは1度の大地震ですべて発生するのではなく,繰り返す地震によって何度も発生すること,そして,滑り面が形成された特定の層及びその上の地層と同じ地層の分布地域が,将来的にも危険地域であることが示唆された。
 昨年度,観測網を展開した多様な地滑り地において,強震計や間隙水圧などの観測項目を拡充し,連続データの取得をおこなった。また,地形図判読や既存ボーリングデータの活用,現地踏査によって,都市部の潜在的な地震リスクである谷埋め盛土の詳細な空間分布を明らかにした。取得したデータに基づき,それぞれの地滑り地,谷埋め盛土の地震動応答特性を調べた。谷埋め盛土では,観測された震源の位置や規模が異なる全ての地震に対して,5Hz前後及び20-25 Hzの周波数帯において上下動の顕著な増幅がみられた。これは,盛土内の地下水面や旧河川の沖積層底部といった大きな地震波速度不連続面におけるS波からP波へ変換した波が原因として考えられた。また,山地の地滑り地のうち,川下地滑りにおいては,尾根の走向と直交する方向の震動が増幅され,尾根の幅のスケールに応じて増幅される周波数が異なる可能性が示唆された。深層崩壊の滑り残りブロック(赤谷)においては,4年前の深層崩壊で解放されたブロックの位置した方向に大きく増幅されたことがわかった。一方,海岸地滑り(厚岸)においては,地滑りブロックの主な活動誘因は雨による間隙水圧の上昇であり,最大速度 0.5 cm/s 程度の地震動では,地震動と地滑りブロックの変動との間に明瞭な相関は認められなかった(京都大学防災研究所[課題番号:1912],Chigira et al., 2015;Doi and Kamai, 2015;Matsuura et al., 2015;土井・他,2015;土井・釜井,2015)。

エ.火山灰や溶岩噴出の事前評価

 日々の気象場の変化が大規模噴火時の降灰予測に与える影響を点検し,降灰ハザードマップの改良等の研究に活用するため,富士山宝永噴火及び桜島大正噴火を想定した降灰シミュレーション計算を毎日,その日の気象場に基づいて実行し,計算結果を蓄積している(気象庁[課題番号:7010],新堀・他,2015)。

(2)地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化

ア.地震動の即時予測

 地震動の即時予測の新たな方法として,震源とマグニチュードの推定を介さず,リアルタイムの揺れの実況値から直接揺れの伝播を予測する方法の開発を進めている。この方法は,現在の緊急地震速報で取られている,震源とマグニチュードを決定し,震源を設定して震度の空間分布を推定する方法に比べ,安定した予測が可能になる。昨年度までにその有効性を示してきたが,地震波速度及び減衰の不均質構造をとり入れることによりさらに早い段階で精度よく予測できることを確認した(図4)。また,強震入力時の海底地震計の挙動とその対策や,地震動の伝播方向をリアルタイムで推定することの考察を進めた(気象庁[課題番号:7008],Hoshiba and Aoki, 2015)。
 上記研究のように揺れの実況分布から揺れの伝播を予測するには,観測点密度が重要なため,気象庁観測点よりも高密度で配置されている自治体震度計の利活用を目指した検討を行っている。鳥取県内の自治体震度計を対象に,県の防災業務に支障を及ぼさずに,情報ハイウェイを介してリアルタイム震度と最大加速度値を1秒パケットで送信するようシステムを改良し,その動作試験を実施した。また,震度値のリアルタイム補正に供する震度観測点のサイト増幅特性を高精度化するため,平成27年10月及び12月の鳥取県中部を震源とする群発地震(最大マグニチュード4.3)の記録を用いて,昨年度,常時微動及び既往地震観測記録により推定した地盤震動特性との比較検討をおこなった。さらに,震度計観測点における震度情報から震度の観測を実施していない周辺地点の震度を予測することを想定し,鳥取市,智頭町及び湯梨浜町で,常時微動を用いた地盤震動特性の稠密把握及び地下構造モデルの構築を実施した。常時微動では十分な精度が確保できない深部の地盤境界のモデル化については,震度計観測点における観測記録のレシーバ関数解析による検討を始めた(鳥取大学[課題番号:2001],野口・他, 2015)。
 地震動即時予測高度化に向けて地殻の短波長不均質構造推定の研究を実施した。輻射伝達理論基づくMultiple Lapse Time Window法を用いて,九州地方の地殻における散乱減衰と内部減衰とを定量的に分離推定した結果,散乱減衰及び内部減衰は強い水平不均質を示し,特に火山体周辺で散乱減衰及び内部減衰が大きいことが明らかになった。推定された散乱減衰及び内部減衰の不均質構造を使用して,モンテカルロシミュレーションによる地震動エネルギーの伝播の予測を行い,観測地震記録と比較したところ,均質な散乱減衰及び内部減衰を仮定した時よりも実際の地震動エネルギーをより良く再現することが確かめられた(公募研究[課題番号:2935],Hoshiba and Aoki, 2015)。

イ.津波の即時予測

 プレート境界地震の震源域直上の津波観測網のデータを用いて,地震の震源過程や波源を推定せず,直接観測波形データから津波数値計算を行う即時津波数値計算手法の開発を継続した。現在設置が進められている日本海溝・千島海溝沿いのケーブル式津波観測網(S-Net)(防災科学技術研究所)と同程度の観測点間隔の観測網で,昨年度開発した計算手法によりどの程度の計算が可能であるかを数値実験により明らかにした(図5)。東北地方の沖合で海溝型巨大地震(Mw8.7)が発生したと仮定してまず通常の方法で疑似津波波形を生成し,次にS-Net同様の観測点配置における疑似津波観測波形を用いて,直接,即時津波数値計算を実施したところ,おおよその津波の面的分布と津波波形の長周期成分を再現できることがわかり,S-Netの観測点配置でも十分,即時津波予測に使用できることが示された(北海道大学[課題番号:1005],Gusman and Tanioka,2015 ;谷岡,2015)。
 高速サンプリング高分解能の自己浮上式海底水圧計を用いて,昨年度,房総沖で観測した近地地震に伴う海底圧力データについて周波数解析を行った結果,既存のノイズ除去手法を適用することで適切に高周波成分を除去できることが確認できた。また,波源推定に基づく津波即時予測手法について,経験ベイズ法等に基づいて予測精度をリアルタイムに評価する指標の開発を進めた。さらに,津波の成長過程を含めた全期間の振幅時間変化を説明するため,津波エネルギーの伝達過程を基に組み立てられた数理モデルを用いた検討を行った(気象庁[課題番号:7011],平田・他,2015)。
 津波が電磁場を誘導することが近年の観測から明らかになっている。陸上の磁場観測で津波生成磁場を検知し即時予測に資するため,様々な原因による地球磁場変化の中から津波生成磁場を効果的に検出することを目指した研究を行っている。また,津波生成磁場の検知を目的として,高知県馬路村において地磁気観測を行っている。2011年東北地方太平洋沖地震の際父島において津波到達の約20分前に地磁気のZ成分に観測された磁場変動について,津波が海水中に誘導した電流系により発生したものと考えて磁場変化の数値シミュレーションを行い,観測値をほぼ説明できることを示した。また,本州などにおいても津波到達前の磁場変化が検出可能かどうかについて,シミュレーションを用いて検証した(気象庁[課題番号:7007],Tatehata et al., 2015)。

ウ.地殻変動のリアルタイムモニタと震源断層の即時推定

 GNSSデータを用いて1日以下の地殻変動場を捉える手段の一つに,キネマティックGNSS解析があるが,その一解析手法であるキネマティック精密単独測位 (キネマティックPPP) における対流圏遅延に起因する誤差を低減するための研究開発を継続実施した。キネマティックPPP解析で対流圏遅延に関する未知パラメータの推定に使用するハイパーパラメータ値をより精度良く決めるため,天頂湿潤大気遅延量とその勾配量を,観測点毎に,座標時系列の擾乱がもっとも小さくなる (標準偏差がもっとも小さくなる) ようにグリッドサーチで探索した。さらに,全GEONET観測点に共通する最適プロセスノイズパラメータの組み合わせを,得られる座標時系列の標準偏差が最小となる頻度がもっとも高くなるよう選択した。このようにして得られた最適なプロセスノイズパラメータによるキネマティックPPP解析の結果は,通常用いられているプロセスノイズパラメータによる解析結果に比べ,座標時系列のノイズレベルが水平成分の標準偏差で5.2〜6.9%, 上下成分の標準偏差で20.8%低減することが確認できた。また,昨年度に開発した精密可動台のプロトタイプ機を用いたリアルタイム・キネマティックGNSS時系列の精度評価を行った(図6)。あらかじめ10 Hzサンプリングで設定した動きをGNSSアンテナに与え,それを,JAXAが提供するMADOCA暦を用いたリアルタイム精密単独測位(リアルタイムPPP) (RTKLIB ver. 2.4.2) で解析した結果,比較的短い時間スケール (10分以下程度)において10 mm以下の精度で動きを再現できる一方,長周期成分の残差が確認され,それが標準偏差の違いとして現れていることが確認された。さらに,火山活動の変化に伴って観測される山体変形の準実時間での把握のために,桜島火山にある京都大学防災研究所及び東北大学のGNSS観測点において,噴火等のイベントが起きていない平常時のノイズレベルを調査した。各観測点と全GPS衛星間の位相残差の平均値は約1.5 cm程度となった(東北大学[課題番号1209],平田,2016;Ohta and Iguchi, 2015;太田,印刷中)。
 GEONETリアルタイム解析システムの観測点を日本全国に拡張するため,昨年度に開発した,地殻内地震・スラブ内地震については矩形断層モデルを,プレート境界についてはプレート境界面上の滑り分布を即時推定する手法の調整を行った。矩形断層モデル推定に非線形インバージョンを用いているため,観測データが増加すると計算時間が飛躍的に増加するが,計算時間を抑えるため,震源位置からの距離と変位量に応じて観測点を間引く手法を導入した。プレート境界面上の滑り分布モデルの推定には,あらかじめ日本周辺のプレート境界面を6つに分割し,震源位置に応じて適切なプレート境界面モデルが選択されるよう調整を行った(国土地理院[課題番号:6004],川元・他,2015;Kawamoto et al., 2015;川元・他,2016;川元,2016)。
 地震直後に規模や断層の広がりを推定する手法として,GNSS データを用いた解析手法の開発を継続して実施し,事例解析を追加して適正な解が得られる条件を明確化した。また,地震に関わる地殻変動観測手法として,ALOS/PALSAR データを使った差分干渉解析を行った結果,紀伊半島南端付近の沿岸地域において年間3cm 程度の面的な地殻変動を検出した。さらに,地震波形データを用いた,震源位置,地震規模等の即時推定に関して,震源距離や地震規模に応じた様々な手法を検討・開発している。地震の規模を推定する手法の一つとして,単独観測点からの規模推定法について検討したところ,強震動継続時間と最大変位振幅を用いることで,津波を引き起こす可能性のある地震の発生を把握することが可能であることを確認した。遠地実体波を用いた震源過程解析において,各種事前設定パラメータの最適化を行うことで,ほぼ自動的な解析を可能にした。そして,その手法をマグニチュードが8を超えるクラスの世界の地震に対して適用し,多くの場合適正に解が得られることを確認した。自動震源決定手法として,パーティクルフィルターに基づく震源決定手法,パターンマッチを用いたイベント検出法について評価試験を行い,内陸地震の震源決定において十分な性能があることが確認され,更に沖合の地震についても多くの地震の震源決定が可能であることが確認された(気象庁[課題番号:7009],Katsumata, 2015;溜渕・他,2016)。

エ.火山灰や溶岩噴出の即時予測

 2009年以降,ブルカノ式噴火の発生頻度がきわめて高い桜島火山を対象に,噴火に伴う噴煙の早期検知と粒子密度の推定を目的とした地上観測(GNSS,XバンドMPレーダー,ライダー)と即時予測手法の開発を実施した。GNSSを用いた噴煙柱モニタリングシステムの構築に向けて,GNSS解析時の位相残差とその信号強度であるSN比データを比較したところ,これらのデータには水蒸気や火山灰にそれぞれ特有の異なる物性が現れている可能性が明らかになった。噴煙粒子の形状と落下速度の関係を明らかにすることを目的として,桜島で採取した噴煙粒子のサンプルを,防災科学技術研究所の大型降雨実験施設内で自由落下させ,地上に設置した2次元ビデオディスドロメータにより測定することで落下速度,形状,落下姿勢などの噴煙パラメータを求めた。落下速度は形状と落下姿勢に依存することが確かめられた。レーダーにより観測された反射因子の時空間分布から火山灰の量的に把握することを目指して,噴煙高度が5000 mに達した2013年8月18日の桜島爆発のレーダー画像を解析し,降灰量と比較することにより,反射因子の時間積算と地上時間降灰量との間の経験的関係式を得た。2013年の桜島噴火事例を対象に国土交通省の垂水Xバンドマルチパラメータレーダーの観測データを解析した(図7)。降雨と噴煙が共存する貴重な事例で両者の偏波レーダーパラメータを比較したところ,反射因子には大きな違いが認められなかったが,比偏波間位相差(KDP)に大きな違いが見られ,KDPが降雨と噴煙を区別するための有力なパラメータの一つであるという示唆が得られた。ライダーは,光を使用するので爆発時の噴煙の表面しか計測することはできないが,極めて微量な火山灰粒子を検出可能なことから航空機の航路における火山灰検知に有用である。桜島島内の二カ所にライダー装置を設置して微小火山灰粒子の検出実験を行ったところ,火山灰のみならず,微弱な火山ガス放出時において火山ガスが冷却されて形成された水滴及び硫酸ミストを検出することができた。微小粒子は距離約2kmまで追跡可能であった。散乱強度は火口から離れるにつれて低下しており,散乱強度から微小粒子の濃度が推定可能なことが示された。水平及び垂直偏波の強度の比から微小粒子の形状に依存する偏光解消度(粒子が球形であれば0で,扁平になるにつれて増加)が評価されるが,火口上の水滴及び硫酸ミストの偏光解消度は0.1以下,一方,火山灰の偏光解消度は0.4~0.45となり,明らかな差が見られた(京都大学防災研究所[課題番号:1913],Iguchi, 2016;Maki et al., 2016;Oishi et al., 2016)。
 2015年5月29日口永良部島噴火噴煙について,気象庁レーダー観測網データ,ひまわり画像を解析した。レーダーエコー頂高度は海抜約10kmに達し,噴煙の移流高度は約8km,噴出物総量は66万~110万トンと推定された。
 西之島火山については,気象庁観測船啓風丸船上からSO2放出量観測を行い,2015年6月は約900トン/日,2015年10月は約400トン/日と求められた。衛星に搭載された光学センサーの画像による西之島の噴煙活動(放熱率)の評価と,光学センサーやSARデータを用いて抽出した溶岩流出活動の調査から,新島が確認され,約2年経過した2015年10月時点で,その活動は噴火当初とほぼ同じ水準で推移もしくは低下していることがわかった。また,ALOS-2/PALSAR-2の強度画像を用いて,陸域拡大の時間変化について解析し,陸域の拡大速度が一定ではないこと,主火口の位置が期間を通して移動していないことがわかった。また,過去の様々な火山における噴火事例に基づき,降灰予測の検証や予測手法の改良を行った(気象庁[課題番号:7010],Ishimoto et al., 2016 ;気象研究所,2016a,b)。
 火山灰の降灰予測シミュレーションに使用する数値モデルには,実際の噴火データを用いた検証が必要であり,広範囲における堆積粒子の質量や粒度分布を多くの点で収集することが重要である。そこで,実際に噴火が起こった際,研究者に限らず,広く一般の人に写真を撮影してもらい多くの情報を集めることを念頭に,火山灰の画像データを解析し,噴出量や粒度分布を迅速に計算できるシステムの開発を行っている。活発な活動を行う桜島の降灰の画像データと,実験室で人工的に降灰の状況を再現し取得した画像データを用いて,火山灰の単位面積当たりの質量や粒度と画像から得られる情報の関係を調べたところ,粒度がわかっていれば,降下した火山灰の画像解析から火山灰の単位堆積当たりの重量を写真画像から推測できる可能性があるという示唆が得られた(拠点間連携研究[課題番号:2958])。

3.これまでの課題と今後の展望

 研究計画の2年目として,それぞれの研究課題において既往研究成果の高度化が進み,また新たな取組に関して成果が蓄積されており,地震・火山噴火の災害誘因の事前評価や即時推定における実用化に近づきつつある。実用化に向け,残る課題を追求するため,以下を当面の方針として次年度以降の検討を行う。

(1)地震・火山噴火の災害誘因の事前評価手法の高度化

 震源モデルの高度化については,2011年東北地方太平洋沖地震のプレート境界巨大地震の周期別強震動生成過程についての検討を継続し,また,期間中に発生した被害地震等の震源モデリングを行う。今年度までに構築されてきた広帯域震源モデルの設定方法に基づいて,既往のイベントに対してのモデル化を行い,地震動シミュレーションを行って方法の妥当性検証に着手する。
 地下構造モデルの高度化に関して,関東平野や大阪盆地等において,地震観測データ解析による盆地構造の応答特性の抽出や,差分法等数値シミュレーションによる地下構造モデルの評価を行い,南海トラフ地震等の巨大地震による長周期地震動の予測の高度化につなげる。必要に応じて強震観測を行い,地盤応答特性把握のための記録の取得に努める。また,地殻・マントルに存在する長波長〜短波長の不均質構造の分布と,これが地震動の伝播と散乱に与える効果を評価する。地殻・マントルのマルチスケール不均質構造モデルを構築し,広帯域の地震動シミュレーションの実現をはかる。関東平野の3次元地下構造(堆積層構造)を考慮して,周辺で起きる地震の理論波形(グリーン関数)を計算してデータベース化し,GRID-MT(Tsuruoka et.al, 2008)リアルタイムモーメントテンソルインバージョンに適用して震源要素を推定するシステムを構築する。今年度に予備的な地震波減衰トモグラフィを実施した南西諸島について,領域全体のシームレスな減衰トモグラフィを実施する。
 地震時地滑りの事前評価に関して,火山地域で地震によって発生する地滑り発生場の地質・地形的特徴を取りまとめ,ハザードマップ作成の考え方を構築する。特に降下火砕物の崩壊性地滑りは甚大な被害を引き起こすため,そのハザードマップの試案を作成する。西南日本外帯の既往巨大地震で発生した非火山地域における地滑り(深層崩壊)を中心として地質・地形調査を行い,それらの構造的原因を特定する。地滑り地における多項目の観測を継続,発展させ,地震時の地下水と地震波の地盤内部での挙動を明らかにする。また,地震時地滑り現象の発生ポテンシャル評価に向けて,地形や地滑りブロックの形状を考慮した地震波動シミュレーションをおこない,地滑り地内の地震動増幅特性の再現を試みる。

(2)地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化

 地震動の即時予測について,揺れの伝播を予測する手法の,実データへの適用を進め,未解決の問題を検討するとともに,減衰構造や速度構造の精緻化,長周期へ適用するための調整により予測モデルの改良を行う。新たに得られた地盤増幅特性や,新たに展開されつつある海域観測網からのデータに対しても適用を図る。鳥取県地域において自治体震度計からのデータを取り込んだ即時予測システムを作り込み,過去の地震観測記録を使ってシステムの運用チェックをおこなう。また,各震度観測点のサイト増幅特性の調査結果に基づき,各サイトの震度増分に関する予測パラメータの精度向上を図る。
 津波の即時予測については,津波観測波形から直接津波数値計算を行う方法の開発を継続しながら,日本海孔海底地震津波観測網(防災科学技術研究所)のうち設置が完了した海底圧力計のデータを利用して,さらに津波浸水範囲予測手法の開発を行う。また,沖合の海底津波観測データの解析等に基づき,地震発生直後の高周波ノイズが津波成分抽出に与える影響を評価し,必要に応じてリアルタイムに津波成分のみを抽出するための技術開発を行う。一方,観測津波波形の逆解析に基づく津波の即時予測手法システムについて,多点の沖合津波観測データの活用の有効性を検討し,必要に応じて手法の改良を行う。スロー地震の震源時間関数の特徴や,地滑りによる地震波の励起と津波の発生に関しても調査を進める。さらに,津波生成磁場の検知を目指し,高知県馬路村で地磁気観測を継続する。得られた地磁気データと国土地理院の室戸観測点との磁場のベクトル差を求め,津波生成磁場の検出可能性について調査する。津波生成磁場の数値シミュレーションも継続する。
 地殻変動データの利活用については,数日から1日以下程度の時定数を持つ地殻変動場を精密に捉えるためのGNSS解析の高精度化に係る研究開発を引き続き進める。特に対流圏遅延に関する未知パラメータの推定時に使用するハイパーパラメータの最適値の探索とその影響評価を網羅的に進める。また精密可動台を用いた可動試験をより長時間データに対して適用し,精度評価を進める。また,こうした結果に基づいて地殻変動を自動検知・推定するアルゴリズム(RAPiD)の高精度化を進める。さらに火山活動の変化に伴って観測される山体変形を準実時間で確実に把握し,その変動源の時空間変化を推定する技術開発を継続する。
 震源の即時推定についても継続して手法の開発を行い,特に,波形相関情報を取り入れた改良を試みる。
 火山灰や溶岩噴出の即時予測について,XバンドMPレーダー及びKuバンド高速スキャンレーダー観測,ライダー観測,ビデオカメラ観測,大気中における火山灰粒子密度のその場測定,及び地上における連続測定を実施し,観測事例を増やすことにより,より定量的な議論に向けてデータを蓄積する。また,上記観測データに加え,気象レーダーや衛星データも利用し,噴煙推定手法や火山灰移流拡散シミュレーションの改良を行う。

成果リスト

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