精密に制御された地震波信号を連続的に発信する人工震源システム。
物質や温度などの物理量が流れによって移動する現象と拡散を同時に考慮したモデル。
観測データから,それを生じさせる原因となる現象や物質の性質等を推定する解析手法。
沈み込むプレートよりも上側に位置するプレートのこと。
衛星で取得される赤外画像。赤外画像は地球の地表面の温度によって変化する。
江戸の古地図のこと。ここでは,現在の地図と比較しやすい天保十四年(1843)に出版された「天保改正御江戸大絵図」を用いた。
陸地から離れた遠洋性の海域で堆積した粘土。
一時的に蓄えられた応力が減少(緩和)すること。
海底下の地殻。海底面からモホ面までの厚さは約6~10kmで,大陸地殻に比べて薄い。
空気や火山ガスからなる流体と火山砕屑物からなる固体が混合して,主に重力によって駆動されて高速で地表を流れ下る現象。
地下のマグマに溶けている揮発性成分が,圧力低下などにより発泡して地表に放出したもの。火山ガスの主成分は水蒸気であり,その他に,二酸化炭素,二酸化硫黄,硫化水素,塩化水素,フッ化水素,水素などの成分が含まれる。
火山弾,軽石,火山灰など,破砕されて火口から噴出される固形物の総称。
火山体またはそのごく近傍で発生し,震源の深さが10㎞程度よりも浅い地震。
火山地域に生じる泥流のこと。火口から泥状物質が噴出され流れ下るもの,火山噴出物が堆積し多量の降雨により流れ下るもの,積雪地域で噴火が起こり多量の氷雪が溶けるために生じるものなど,成因は複数考えられる。
粒径2mm以下の細かい破片からなる火山噴出物で固結していないもの。
島弧に沿う火山分布域の海溝寄りの縁のこと,このフロントよりも海溝側には現在活動している火山は存在しない。
火山で生じる振動波形のうち,地震には属さないものの総称。火山体内のマグマ,熱水,火山ガスなどの振動や移動によって生じると考えられている。
地質時代でいう第四紀後期(数十万年前~現在)に繰り返し地震を発生させ,地表近傍まで食い違いを生じさせてきた断層。今後も同様の地震を発生させると考えられる。
地下のマグマ溜まりから地表へ至るまでのマグマの上昇経路のこと。火道でのマグマの脱ガスや上昇の仕方が噴火の様式を左右する。
地球の固体部分を構成する大きな成層構造のうち,一番外側の層が地殻である。地殻の浅い部分を上部地殻,深い部分を下部地殻と呼ぶ。
NTTドコモが整備した環境センサーネットワークによって記録されている花粉データのこと。花粉以外にも,気温,湿度,風向風速,雨量,雷,紫外線を観測している。
輪郭が円形またはそれに近い火山性の大きな陥没地を形成する噴火様式。噴火規模は巨大噴火に分類される。
土や岩石中の粒子間のすきま(間隙)に入り込んだ水などの流体。この流体の圧力を間隙流体圧または間隙水圧という。
人工衛星や航空機などに搭載されたレーダーにより、同じ地点で撮影された時期の異なる2枚の画像の差をとる(干渉させる)ことにより地表面の変動を詳細に捉える手法。InSARとも呼ばれる。SARはSyntheticApertureRadar(合成開口レーダー)の略であり、大型アンテナと等価な高い分解能を実現したレーダーシステムである。
水を結晶構造中に含む鉱物が温度・圧力の上昇により分解して鉱物内の水を解放する現象のこと。
災害時にとるべき行動を,地図等を用いて図上(机上)で行う防災訓練のこと。
被害の発生確率を何らかの量の関数として表したもので,災害等に対する脆弱性の評価に用いる。
地理空間情報のうち,電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる測量の基準点,海岸線,公共施設の境界線,行政区画その他の国土交通省令で定めるものの位置情報(国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)であって電磁的方式により記録されたものをいう。
水平方向の圧縮力が作用している状態で,断層よりも上盤側(断層面の上側の地塊)が下盤側に対してのし上げるように斜め上へ運動する地震のこと。
被害を及ぼす強い揺れの地震波形を,振り切れることなく記録できる強震計で構成された観測網。これらの観測網のデータ等は,地震ハザード・被害リスク評価などに役立てられている。防災科学技術研究所のK-NET,KiK-netは全国規模の強震地震観測網であり,それぞれ約1,000,約700の観測点からなる。
被害を及ぼす様な強い揺れのこと。
地震の揺れの強さと震源からの距離との関係を式に表したもの。過去に発生した数多くの実際の地震のデータを統計的に処理して作成されている経験的な式である。
地震の発生直後に,各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し,可能な限り素早く知らせる情報のこと。
地震がある特定の場所に数多く集まっている状態,またはそのような地震の集合体のこと。
同じ場所で,繰り返し発生する地震のこと。発生の時間間隔はほぼ一定となることが多い。ここでは特に,地震波形が毎回ほぼ同一となることから,同じ場所で繰り返し発生していると推定された小さな繰り返し地震(小繰り返し地震)を指す。
本震や余震という区別がなく,ある期間に比較的狭い地域で集中的に発生する一連の地震活動。
圧力が低下する過程で結晶化が進むこと。
物体内部の応力の向きや大きさの空間的な分布の状態を応力場といい,その広域的な特徴のこと。
降雨による影響を補正すること。
主として周期約100秒から0.1秒までの地面の振動を観測できる周波数帯域の広い広帯域地震計で構成された地震観測網のこと。全国約80か所に設置されている。地震の発震機構解の推定や地下構造の推定,沈み込み帯で発生する超低周波地震,火山周辺で発生する長周期振動,火山性微動の解析等に用いられている。
国土に関する基礎的な空間データセット。
構造物が振動しやすい周期のこと。固有周期で構造物を揺らすと「共振」という現象が起きて,他の周期で揺らした場合に比べて大きく揺れるという特徴がある。
→噴火様式
火山ごとに,可能性のある複数の噴火現象の時間的推移を分岐させて作成した,噴火の推移を示す系統樹。
地震発生後,断層面の強度が回復するとともに,プレート運動などによる広域応力により再びひずみエネルギーが蓄積され,次の地震が発生するまでの一連の過程。
主要な活断層で発生する地震や海溝型地震を対象に,地震の規模や一定期間内に地震が発生する確率を予測したもの。
放射される地震波の特徴。
地震調査研究推進本部は行政施策に直結すべき地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし,これを政府として一元的に推進するため,地震防災対策特別措置法に基づき政府の特別の機関として1995年7月に総理府(現在の所管は文部科学省)に設置された。地震調査委員会は,地震調査研究推進本部の下に設置され,関係行政機関(気象庁,国土地理院など)や大学等の調査結果を収集,整理,分析し,これに基づき地震活動に関して総合的な評価を行う。
斜面の一部あるいは全部が地下水等の影響と重力によって移動する現象。
上部マントルの主要な構成鉱物であるかんらん石が水と反応することで蛇紋石に変化し,上部マントルの岩石が蛇紋岩となること。
地震は押す力(圧縮)と引く力(張力)の二組の直交する力によって引き起こされており,それの圧縮方向を表す。
重力の実測値とその緯度の標準重力の差のこと。たとえば,地下に高密度の岩石があると,重力値は標準重力値よりも大きくなり,低密度の岩石がある場合は小さくなる。これらに基づき重力値の測定から地下構造を推定することが可能である。
地震は押す力(圧縮)と引く力(張力)の二組の直交する力によって引き起こされており,それの張力方向を表す。
→非地震性滑り
→繰り返し地震
火山活動の活発化の際にマグマが地表へ近づくなどの原因で火山体内の温度が上昇することで,火山体の岩石の磁力が消去されること。
→上部地殻・下部地殻
深海底を掘削して海底下の地質資料と観測データを取得すること。巨大地震の発生メカニズムや海底資源の成因解明、過去の地球環境変動や地下生命圏の理解を目的とし、日米欧など世界26か国(2015年9月末時点)が参加する国際深海科学掘削計画(IODP)の下で、世界中の海洋底の掘削が行われている。
地震は震源域において断層面がすべることで生じるが,この滑り過程のことを震源過程という。
断層面上における滑り量の分布や滑り方向を表すモデルのこと。
岩石など多孔質物体における流体の流れやすさの指標のこと。
沈み込む海洋プレートの走向と平行に深さ30km程度で発生することが知られている低周波成分に富んだ波を長時間にわたって励起する自然現象。
マグマにより熱せられた熱水が急激に気化・膨張することで爆発的に噴出する噴火のこと。水蒸気と岩・火山灰が火口から激しく放出される。水蒸気爆発では噴出物にマグマは含まれないが,引き続いてマグマを含む噴火に移行することがある。
沈み込んだ海洋プレート(スラブ)内部で発生する地震。海溝軸の近くや,プレート境界地震が起こらないような深い場所で規模の大きな地震が起こる場合がある。
水平方向に引っ張り力が作用している状態で,断層面よりも上盤側(断層面の上側の地塊)が下盤側に対して斜め下へ滑り落ちるような運動をする地震のこと。
断層で地震が起こる場合には,断層全体が一度に動くとは限らず,幾つかの区分に分かれた振る舞いをすることがある。このように,断層運動する際にまとまった振る舞いをする区分をセグメントと呼び,それらの境界のことをセグメント境界と言う。
地球全体を対象とした気象の数値予測モデルのこと。
地震や火山噴火の発生前に震源域や火山の周辺で発生するさまざまな異常現象。土地の隆起・沈降,地震活動の変化,電磁気異常,地下水の変化などがある。前兆現象と呼ばれることもある。
国内で発生した地震の発生時刻と発生場所を記したリスト。
地球磁場の大きさ。磁場の観測量として,その長期的安定性が最も高い。磁気を帯びた鉱物の帯磁は,温度や応力によって変化するので,全磁力の変化は地下の温度,応力状態の変動を示唆する。
本震の近傍で本震発生前に起きる地震活動のこと。
岩石などにずれ変形を与えておこなう実験のこと。室内における地震の模擬的な実験として考えられている。
地震波形がとても良く似ている地震ペアーのこと。ほぼ同じ断層面で同じような滑りが起きたと考えられる。
表層地盤の影響で地震波が増幅される特性のこと。
宇宙線が大気中の原子核と反応して生成される二次宇宙線の一つで,地上に絶え間なく降り注いでいる素粒子。透過する物質の密度によって宇宙線ミューオンの減衰が異なることを利用して,X線の透視撮影のように地殻内部の密度分布を調べる試みがなされている。
断層運動が激しく起こると,断層面にある岩石が摩擦などによって破壊され粉々になって粘土状になることがあり,これをガウジという。ガウジが断層境界面に層状に存在する場合,これをガウジ層という。
断層に捕捉されている水などの流体。
断層運動を繰り返すことで形成された地形。
深さに対して温度が増加する割合のこと。
地震や火山噴火,及びそれを引き起こす地殻変動など,地殻内で発生する現象全般の総称。
地震時に連続的に現れる地表のずれのこと。
短周期成分がほとんど含まれず長周期成分に卓越する地震波を放射する地震のこと。ゆっくり滑りの発生にともなって生じることが観測されている。
津波があった場合に想定される浸水の区域及び水深。
津波によって浸水する範囲と水深を予測すること。
津波によって海底あるいは海岸の堆積物(砂泥や石など)が削り取られ,それが津波とともに陸上へ運ばれて別の場所に堆積したもの。
地震の発生直後に,沿岸部に到達する津波の高さを可能な限り素早く予測する技術。
海洋の底付近の水の流れ。
複雑な現象の高精度予測のために,数値シミュレーションの結果として得られる物理量が観測データをなるべく再現できるように,適切な初期値や境界値,各種パラメータを推定する手法。
地質学における固体地球の大規模な動き(運動)のこと。
GNSS連続観測点。
電波は大気中を伝搬するとき,空気の屈折で速度や経路が変化して遅延する。この大気による遅延を大気伝搬遅延という。伝搬速度は,気温や湿度など気象条件により変動する。
地下から上がってきたマグマが地表で固まることで形成された溶岩ドームが崩壊する現象。
土地利用・建築物の現況や都市施設・市街地整備の状況等を調査するもので,都市計画の基礎資料として活用される。
陸側プレート内の地殻浅部で発生する地震。
マグマから分離上昇した高温の火山ガスが地下で凝縮したり,地下水と接触したりして生じる熱水の分布・移動経路などを指す。
マントルや下部地殻などは,地震等によって外部から応力・歪みの変化が与えられると,短い時間の尺度では弾性体として振る舞い,一方,長い時間の尺度では粘性流体として振る舞う。粘性流体として変形することで,応力・弾性歪みを解放する過程のこと。
弾性体と粘性流体との中間的な性質をもつ構造モデルのこと。
断層面の向きと傾きに加えて,断層がどのように動いたかを表すもの。また,断層に働いていた力の状態を知る手がかりになる。地震波の放射パターンなどから求められる。
断層やプレート境界における,地震波を放出しないゆっくりとした滑り。その滑り量や滑り速度を指すこともある。
岩盤(プレート)などが変形する際の,変形の大きさをひずみと言う。単位長さ当たりの変位で定義される,変形の度合いを表す物理量。
地殻変動観測や地質学的調査から推定される地殻ひずみが大きい領域。新潟-神戸ひずみ集中帯など。
断層面に沿って主として水平方向にずれた断層。断層を挟んで他方の岩盤を見たときに,右向きにずれていれば右横ずれ断層,左向きにずれていれば左横ずれ断層という。
単位断面積,単位長さあたりの電気抵抗値。電気伝導度の逆数。
→噴火様式
→噴火様式
地球表面は,地殻と十分に冷却して固くなっている最上部マントルとを合わせた,厚さ100km程度の固い岩石の層で覆われている。この固い岩石の層は,いくつかのブロックに分割されている。それぞれの板状(球殻状)のブロックをプレートという。プレートとプレートが接する境界は,一般的に地震活動が活発である。
火山噴火は,火口から溶岩や火山ガスが急激に地表に放出される現象である。その過程として,地下深部で発生したマグマが,マントルや地殻内を上昇し,地殻浅部にマグマ溜まりとして蓄積される。さらに,内部の圧力が高まる等の理由で,マグマが地表へ移動し溶岩や火山ガスとして噴出する。このように噴火に至るまでの一連のプロセスを意味する。
噴火時にマグマが地表に噴出する場合,噴火の様子はマグマの性質や破砕の程度などによって異なり,いくつかのタイプに識別される。その異なる噴火の様子を噴火様式という。
・ハワイ式噴火
粘性(粘り気)の低い玄武岩質マグマによる爆発性の小さい噴火。火口からはマグマが川や噴水のように連続的に流れ出る。伊豆大島や三宅島などでよく見られる。
・ストロンボリ式噴火
比較的粘性の低い玄武岩質マグマによる間欠的な噴火。火口からは数分~数十分間隔でマグマのしぶき,半ば固結した溶岩片,火山弾などが吹き上げられる。
・ブルカノ式噴火
やや粘性の高いマグマによる爆発的な噴火。噴煙高度が10km近くに達することもある。爆発によって1m径のものが数kmも飛ばされることがある。火山弾はパン皮状のものが多く,火口底にあった古い岩塊も放出される。桜島や浅間山などでしばしば発生する。
・プリニー式噴火
粘性の高いマグマによる爆発的な噴火。一般的にブルカノ式噴火よりも規模が大きく,大量の軽石や火山灰が火口から空高く噴出され,噴煙高度は20kmから30kmにまで達する。しばしば規模の大きい火砕流が発生する。
主な断層から枝分かれして存在する断層。
地震時の強い揺れにより,地下水を含んだ砂の層が液状化現象を起こし,その上の地層を引き裂くように砂が上昇する現象。
活断層の累積変位の履歴から推定される長期的な変位速度。
地表の起伏を基にして長期的な地殻変動を推定する研究分野。
比較的大きな地震が発生すると,その近くで最初の地震より小さな地震が直後から続発する。この最初の大きな地震のことを本震,その後に続発する地震を余震という。本震発生後から1日程度までの余震の分布域は,本震で滑った領域(震源域)とおおむね一致する。
地震の規模の指標。地震によって解放されるエネルギーに相当する。
火山活動の源であるマグマが蓄積されているところ。火山やカルデラの直下にあると考えられているが,その正確な形状や内部構造は分かっていない。
岩石物質の高温溶融体。噴火によってマグマが地表に出たものを溶岩という。マグマが地下で結晶化したり,地殻物質を溶かし込んだりして,多様な組成のマグマができる(分化という)。マグマが上昇すると,マグマの中に溶解していた揮発性成分が気泡となる。火道での気泡の離脱の仕方により噴火の激しさが変化する。
マグマが直接関与した噴火のこと。
岩石の破壊強度や断層面上の摩擦を滑り変位や滑り速度などの関数として記述したもの。
断層面上の摩擦を滑り変位,滑り速度や時間などの関数で表わしたモデルで使用される変数のこと。
複数のローター(回転翼)を用いて無人飛行する小型のヘリコプターのこと。
マントルを構成する物質(岩石)は固体であるが,長い時間,強い力を受けると塑性変形を起こす。このため,マントルは長い時間をかけて,ゆっくりと対流運動を起こしていると考えられている。
宇宙線ミューオンを用いた地下の透過イメージング手法のこと。
地震モーメントの大きさから評価されるマグニチュード。比較的短い周期の地震波から簡便に決定できるマグニチュードは,大規模な地震でその値が飽和してしまうという問題があった。この問題を解消するためにモーメントマグニチュード(Mw)が導入された。
揺れの周期が数秒から十数秒というやや長い周期の成分を多く含んでいる震動のこと。
巨大地震の震源域から離れていて,巨大地震によって誘発されたと考えられる地震。
地震波を放射しない,断層面やプレート境界面でのゆっくりとした滑り。ここでは,継続時間が数か月以上のものを長期的ゆっくり滑り,それ以下のものを短期的ゆっくり滑りと呼ぶ。スロースリップ,スロースリップイベント(SSE)ともいう。
火山噴火時に火口から流出したマグマ物質。冷え固まって岩石となった後も「溶岩」と呼ばれる。
地震の後に震源域あるいはその周囲で発生するゆっくり滑り。その滑り量や滑り速度を指すこともある。
地震の後に震源域あるいはその周囲で生じる長期間に及ぶ地殻変動の総称。代表的な例としては,断層面上で発生する余効滑りや,マントルの粘性緩和などが挙げられる。
→本震,余震
複数の断層セグメントが連続的に破壊すること。
地震の規模別頻度分布はグーテンベルグ・リヒターの法則と呼ばれ,小さい地震ほど発生頻度が高く,大きな地震ほど低いという関係を示す。横軸にマグニチュード,縦軸に地震の累積個数の対数をとるとほぼ一直線で近似できるというもので,この直線の傾きがb値である。b値が大きいということは,大きな地震の数に比べて小さな地震の数の増え方がより大きいことを意味する。
2016年度に打ち上げ予定の気候変動観測衛星。
国土地理院が全国に展開しているGNSS連続観測網で,約1300点の観測点(電子基準点)から構成される。1秒ごとのGNSS観測データがほぼすべての観測点からリアルタイムでつくば市にある中央局に送信されている。
地理情報システムの略語のこと。地理的位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し,視覚的に表示し,時間や空間の面から分析できる技術である。
全球測位衛星システム(GlobalNavigationSatelliteSystem)の頭文字をとった略称。位置や時刻同期を目的とした電波を発射する衛星群及び地上の支援システム,並びに比較的簡単な受信機で電波を受信して自分の三次元的な地球上の位置を知る目的で使用する利用者群を総称して用いられる。アメリカ合衆国が構築したGPSは現在最も実用的なGNSSであるが,他にもロシアが運用中のGLONASSや,ヨーロッパ連合(EU)が構築中のGalileoなどのシステムがあり,これらを統合して利用することで精度や信頼性の向上が期待される。
リアルタイムに推定されるGNSS観測データ
海底における地殻変動を観測するための手法の一つ。海上の船舶やブイの位置をGPS(GNSS)によって精密に決定し,それらと海底に設置された基準点(観測点)との距離を,海中音波を用いて測定することにより,海底の基準点の位置を推定する。
地震ハザードステーション(J-SHIS)で使われている日本列島の地下構造モデルのこと。
一般には方向によって物性が異なることをいうが,ここでは地震波(S波)速度の異方性のこと。振動方向や伝播方向によって地震波の伝播速度が異なること。
火山爆発指数。火山砕屑物の量や噴煙高度,および,噴火挙動の特徴から決められる噴火の規模と爆発性の指標。最小は0で最大は8。
P波速度とS波速度の比のこと。岩石の種類や流体が含まれるかどうかによって値が変わる。
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成29年07月 --