東北沖地震後の地殻活動予測のための構造モデル構築

課題番号:1445

(1)実施機関名:

東京大学地震研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

東北沖地震後の地殻活動予測のための構造モデル構築

(3)研究執行の形態

1.新規に研究課題を立ち上げる
2.従来ある研究課題の研究計画に修正を加えて実施する
(現研究課題番号:)

(3)もっとも関連の深い建議の項目

5 超巨大地震に関する当面実施すべき観測研究の推進

(1)超巨大地震とそれに起因する現象の解明のための観測研究
ウ.超巨大地震に誘発された内陸地震や火山活動等の解明

(4)その他関連する建議の項目:

見直し前の建議の項目番号

2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進

(2)地震・火山噴火に至る準備過程
(2-1)地震準備過程
 ウ.ひずみ集中帯の成因と内陸地震発生の準備過程

2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進

(1)日本列島及び周辺域の長期・広域の地震・火山現象
 オ.地震発生サイクルと長期地殻ひずみ

(5)これまでの関連する研究成果(または観測実績)の概要(もしも継続課題ならば):

活断層については、全国規模のマッピングを行ってきた。また、構造探査を通じて活断層の深部形状について直接的なデータを取得し、形状モデルを作成してきた。プレート形状・地殻構造については、制御震源・自然地震を用いた構造探査によって明らかにしてきた。詳細な重力探査を行い、重力データを収集してきた。室内実験によって岩石の高温・高圧下でのP波S波の弾性波速度の同時計測を行ってきた。こうした、数値実験でモデル化必要な構造的な諸元については、充分な実績がある。

(6)本課題の平成25年度までの到達目標:

東北地方太平洋沖地震のような巨大地震は、内陸の応力状態にも大きな影響を与えている。こうした応力変化が引き起こす内陸地震の発生を予測するために、内陸震源断層の位置・形状をモデル化する。

(7)本課題の計画の概要:

 東北太平洋沖地震は、日本列島の地殻変動や応力状態に大きな変化を引き起こした。超巨大地震は、マントルウェッジにまでおよぶ広範囲、かつ長期間にわたる非弾性的な地殻変形を引き起こし、その変形による応力再配分によって?新たな被害地震の発生の原因となる可能性がある。これらの地殻活動を定量的に理解し、プレート境界・地殻内の断層などにどのような影響を受けるかを見積もることは、緊急の課題である。本研究ではこれらのために、プレート形状・内陸活断層の深部形状・岩石物性の最新の知見を統合し、数値実験可能なモデルの構築を行う。数値実験の結果は、GPSによる地殻変動や発震機構解などと比較可能であり、かつ想定した断層面における応力変化がより高い精度で推定可能となる。そこで、変動地形・地質・重力・地震活動のデータを総合して、東日本・関東・中部日本の主要断層形状モデルを作成する。制御震源・地震波トモグラフィーの結果をもとに、地殻・リソスフェアーの三次元構造モデルを作成する。弾性係数の他に、岩石物性の室内実験の結果などを用いて、構成岩石モデル・粘性係数についての推定もモデルに組み入れる。初期的な三次元有限要素法モデルにより、基本的な数値実験を行う。また、得られたモデルを使用して、東北沖地震後の地殻変動・応力変化を求め、実際のデータと比較しながら、構造モデルの改良を進める。

(8)実施機関の参加者氏名または部署等名:

東京大学地震研究所 佐藤比呂志・岩崎貴哉・平田直・石山達也
他機関:東北大学大学院理学研究科 今泉俊文
横浜国立大学 石川正弘
中部大学 工藤健
帝京平成大学 伊藤谷生
京都大学大学院理学研究科 堤浩之
防災科学技術研究所 武田哲也・松原誠
新潟大学大学院理学研究科 豊島剛志
岩手大学工学部 越谷信
宮崎大学教育文化学部 山北聡、
南カリフォルニア大学 David Okaya, Thorsten Becker
パデュー大学 Andy Freed

他機関との共同研究の有無:有

(9)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署名等:東京大学地震研究所 地震予知研究センター
電話:03-5841-5737 e-mail:satow@eri.u-tokyo.ac.jp
e-mail:satow@eri.u-tokyo.ac.jp

(10)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:佐藤比呂志
所属:東京大学地震研究所 地震予知研究センター
電話:03-5841-5737
Fax:03-5689-7234
e-mail:satow@eri.u-tokyo.ac.jp

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成25年04月 --