宇宙測地技術による地殻変動監視

課題番号6008

(1) 実施機関名:

国土地理院

(2)研究課題(または観測項目)名:

宇宙測地技術による地殻変動監視

(3)関連の深い建議の項目:

4(2)ア.観測基盤の整備
4(6)国際共同研究・国際協力

(4)その他関連する建議の項目:

1(3)ウ.内陸地震と火山噴火
1(5)ア.マグマ噴火を主体とする火山
2(2)ア.プレート境界滑りの時空間発展

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連

東北地方太平洋沖地震、桜島火山噴火

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 平成23年5月まで運用された「だいち」のSARデータを使用して46地域の火山を対象に繰り返し干渉解析を実施し,硫黄島など火山性変動が大きい火山において地表の変動を把握した.また,東北地方太平洋沖地震を始めとする国内の4つの地震及び中国・青海省やハイチなど海外の11の地震によって生じた地殻変動を面的に把握した.
 平成21年度から平成25年度まで,国内VLBI観測をほぼ毎月1回,国際VLBI観測を毎週1~2回の割合で実施し,得られたデータを解析することで日本列島及び周辺地域のプレート運動の速さと方向を求めた.また,国内の VLBI観測局(つくば局H23,H25,新十津川局H22,父島局H21,H24)でVLBI-GNSSコロケーション測量を実施した.
 南太平洋地域及び東南アジア地域のGNSS連続観測点(9点)においてGNSS観測を実施し,得られた観測データ及び解析結果をWebで公開した。

(7)本課題の5か年の到達目標:

 合成開口レーダーを利用したSAR干渉解析により、活動的な火山の地殻変動を面的かつ高精度に監視し、火山活動や地震によって生じた地殻変動を把握する。また、地震発生の可能性の高い地域において、地殻変動分布を明らかにする。
 GNSS連続観測により、日本周辺のプレートの広域的な運動及びアジア太平洋地域の地殻変動を把握する。また、国際VLBI事業に参加して国際共同観測を定常的に実施することで、地殻変動やプレート運動監視の基準となるITRF座標系の構築等に貢献する。
 国連地球規模の地理空間情報管理に関するアジア太平洋地域委員会(UN-GGIM-AP)の下で実施されるGNSSキャンペーン観測に参加し、地殻変動監視の基準となるアジア太平洋地域の基準座標系(APREF)の構築に貢献する。また、APREF構築のために、アジア・オセアニアVLBIグループによる測地観測に関する事業に参画し、その成果をGNSSの結果と統合するための仕組みを構築する。

(8)本課題の5か年計画の概要:

 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)等を利用し、干渉SAR時系列解析など最新のSAR干渉解析手法により全国の地殻変動を高精度に捉える。活動的な火山地域、地震発生の高いプレート境界沿いやひずみ集中帯の地域において、地殻変動の面的分布を高精度に把握する。地震に伴う災害発生時は、緊急的なSAR干渉解析を実施し、その結果を迅速に提供することにより、災害復旧・復興に資する。
 アジア太平洋地域において、次世代のVLBI仕様に準拠した、アジア・オセアニアVLBIグループによる測地観測への石岡測地局の参画並びに、同地域におけるGNSS連続観測を安定的に実施することにより、プレートの広域的な運動及びアジア太平洋地域の地殻変動を高精度に把握するために必要な基準座標系の構築に貢献する。
 以上は、国土地理院経費のうち地理空間情報整備・活用等推進費および災害情報整備推進費に基づいた計画である。

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

測地部 宇宙測地課
地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室

他機関との共同研究の有無:無

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:地理地殻活動研究センター 研究管理課
電話:029-864-5954
e-mail:eiss@gsi.go.jp
URL:http://www.gsi.go.jp

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:矢来博司
所属:地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --