地形地殻変動観測

課題番号6006

(1)実施機関名:

国土地理院

(2)研究課題(または観測項目)名:

 地形地殻変動観測

(3)関連の深い建議の項目:

4(2)ア.観測基盤の整備

(4)その他関連する建議の項目:

なし

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連

東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、首都直下地震、桜島火山噴火

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 全国25箇所の験潮場と2箇所の潮位観測所で潮位連続観測を実施した。また、30秒潮位データ等の各種観測結果をホームページで公開した。平成23年東北地方太平洋沖地震に際しては、潮位データを即座に気象庁に転送し、津波等の予測や終息等の防災情報の発信に活用された。
 御前崎地中地殻活動観測施設において、ひずみ・傾斜の連続観測を実施した。また、御前崎長距離水管傾斜計観測施設及び御前崎地殻活動観測場切山観測点に設置されている長距離水管傾斜計にて傾斜の連続観測を実施した。

(地殻監視課)

 平成21年度から平成25年度までの5年間において、御前崎周辺で年4回(H25年度は3回)の繰り返し観測(延べ1,529キロメートルの水準測量)を実施したほか、牡鹿、さいたま、千葉、房総、神奈川、三浦東、相模、中越、伊豆、駿河、遠州、紀伊、室戸及び足摺地域において水準測量(延べ7,095キロメートル)を実施した。また、火山周辺域の草津白根山及び浅間山(水準、GPS、相対重力)、富士山(水準)、伊豆大島(水準、相対重力)、桜島(水準、相対重力)において測量を行うとともに、10か所に設置のGNSS火山変動リモート観測装置(REGMOS)及び1か所に設置の自動測距・測角装置による連測観測を実施した。

(機動観測課)

 2004年の浅間山噴火活動において、数回にわたって航空機搭載SAR(Xバンド及びKuバンド)により噴煙下の火口の地形を定期的に観測し、光学センサでは計測できない噴煙下での火口等の地形変化を時系列で把握することができた。
 2011年の霧島山(新燃岳)の噴火について航空機搭載SAR(Xバンド)による観測を行い、火口等の地形を把握することができた。

(地図情報技術開発室)

(7)本課題の5か年の到達目標:

 日本列島全域の地殻活動のモニタリングシステムの高度化に寄与するため、潮位連続観測を継続すると共に、観測システムの更新やデータの共有化を進める。
 地殻変動連続観測を着実に継続して実施することを通じて、東海地域の地殻活動のモニタリングシステムの高度化を更に推進することを目指す。

(地殻監視課)

 基本測量に関する長期計画の施策を基本に、大規模地震対策特別措置法に基づく「地震防災対策強化地域」など、南海トラフ地震、首都直下地震等が想定される地域を対象として、定期的に水準測量を実施し信頼性のある高精度の地殻上下変動量データを取得する。
 火山性の地殻変動を詳細に捉えるため、GNSS火山変動リモート観測装置(REGMOS)及び自動測距・測角装置による連続観測を実施し、火山活動が活発化した地域においては、水準、GNSS、重力、地磁気測量による機動観測を実施し、火山観測体制の強化を図る。

(機動観測課)

 航空機SARを利用して、活動的な火山における火口等の地形測量を実施し、形状の情報を蓄積する。

(地図情報技術開発室) 

(8)本課題の5か年計画の概要:

 全国25験潮場での潮位連続観測を引き続き実施するとともに、GNSS連続観測点のデータを用いて験潮場の地盤上下変動等を補正し、絶対潮位データを作成することで日本周辺の海面変動トレンドの定量的な評価を行い、これらの験潮場の観測データをホームページ等で公開していく。また、潮位データの共有化を進め、津波等の発生時における予測や終息等の防災情報の発信への活用を図る。
 御前崎及び切山においてひずみ計、水管傾斜計、地震計等の地殻変動連続観測を引き続き実施し、地殻変動の監視を行う。得られたデータは、地震予知連絡会、地震防災対策強化地域判定会等の会議に適宜報告する。
 以上は、国土地理院経費のうち地理空間情報整備・活用等推進費および災害情報整備推進費に基づいた計画である。

(地殻監視課)

 「地震防災対策強化地域」など、南海トラフ地震、首都直下地震等が想定される地域の水準路線2,089キロメートルを対象に、平成26年度においては1,751キロメートルの水準測量を実施し、平成27年度以降においては対象となる水準路線を中心に定常的な観測を実施する。
 火山周辺域では、引き続きREGMOS及び自動測距・測角装置による連続観測、GNSS測量、水準測量、重力測量等による観測を実施し、平成26年度においては十勝岳(水準)、樽前山(水準、GNSS)において測量を実施する。
 以上は、国土地理院経費のうち災害情報整備等推進費に基づいた計画である。

(機動観測課)

 全国の活動的な火山を航空機SARによって観測を実施し、火口付近の地形を明らかにして、地形情報をアーカイブする。また、活発な噴火活動によって災害が発生した際には、地形変化を明らかにする。
 平成26年度においては、桜島の航空機SARによる観測を実施し、地形解析を行う。

(地図情報技術開発室) 

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

測地観測センター 地殻監視課
測地部 機動観測課
基本図情報部 地図情報技術開発室

他機関との共同研究の有無:無

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:地理地殻活動研究センター 研究管理課
電話:029-864-5954
e-mail:eiss@gsi.go.jp
URL:http://www.gsi.go.jp/

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:畑中 雄樹矢来博司
所属:地理地殻活動研究センター 地殻変動研究室

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --