基盤的地震・火山観測網の整備・維持及び超大容量の地震・火山観測データの効率的流通システムの構築

課題番号3004

(1)実施機関名:

独立行政法人防災科学技術研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

基盤的地震・火山観測網の整備・維持及び超大容量の地震・火山観測データの効率的流通システムの構築

(3)関連の深い建議の項目:

4.(2)ア.観測基盤の整備
4.(2)ウ.観測・解析技術の開発

(4)その他関連する建議の項目:

1.(4)ア.構造共通モデルの構築
4.(2)イ.地震・火山現象のデータベースとデータ流通

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 基盤的地震観測網(高感度地震観測網、広帯域地震観測網、強震観測網等)については、安定的な運用を実現している。また、平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震により被災した観測網の本格的な復旧をおこない、ほぼ震災前の機能を取り戻すに至った。また、平成23年度より開始した日本海溝海底地震津波観測網の整備に関しては、平成25年度までに全ルートの観測ノード・ケーブルの作成、房総沖ルートのケーブル敷設を完了するなど着実に進捗している。火山の観測については、既存の火山観測施設や平成21年度から整備してきた基盤的火山観測網と合わせると、平成24年度は計11火山での地震や地殻変動の連続観測を継続している。
 地震・火山観測データを用いた解析結果等については、政府の地震火山関連委員会等関係機関へ速やかに提供されている。このように維持・運用されている基盤的地震観測網によって取得された良質な観測データは、「地震に関する観測データの流通、保存及び公開についての協定」(平成16年3月31日)に基づき、気象庁、大学等の関係機関の間でネットワーク等を介し流通し、関係機関における研究、その他の業務の遂行や我が国の地震調査研究の発展に貢献している。
 既存の火山観測施設や基盤的火山観測網により得られた良質な観測データは、「今後の大学等における火山観測研究の当面の進め方について」(平成20年12月、科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会)に基づき、全国の大学が運用する火山観測網のデータとの共有化を進め、大学等の火山防災の基礎研究の振興や気象庁の監視業務の推進、さらには地方防災行政の関係機関の情報共有化に貢献している。

(7)本課題の5か年の到達目標:

 日本列島周辺で発生する地震現象の予測精度を向上させるためには、現在発生している現象を適確に把握し、モデル構築等に有効な観測データを提供することが不可欠である。より詳細な微小地震活動は、全てのモデルの基礎データとなり得るものである。したがって、地震調査研究推進本部の地震調査研究に関する総合基本施策及び調査観測計画を踏まえて、日本全国で均質なデータを得るための基盤的地震観測施設(高感度地震観測網、広帯域地震観測網、強震観測網等)の安定的な運用に努めるとともに、既存の観測施設の維持管理及び必要な更新を行う。また、東北地方太平洋沖地震を受けて構築が進められている日本海溝海底地震津波観測網の整備を行う。整備後には、陸域の基盤的地震観測網とともに、日本海溝海底地震津波観測網等を運用することにより、津波の早期検出・予測に資するデータを提供する。
 また、「今後の大学等における火山観測研究の当面の進め方について」(平成20年12月、科学技術・学術審議会測地学分科会火山部会)に基づき、重点的に強化すべき火山について観測施設の整備・運用を推進する。これにより得られた観測データについては、全国の大学が運用する火山観測網のデータとの共有化を進める。
 地震・火山観測網により得られたデータは蓄積し、波形データベースを構築する。またモニタリングの結果などをもとに、地震波速度構造をはじめとする「日本列島標準モデル」を構築する。地震・火山観測データを用いた解析結果等については、発災時を含め関係機関へ速やかに提供する。
 なお、防災科学技術研究所の中期目標は平成27年度末までなので、それ以降の目標については見直す可能性がある。

(8)本課題の5か年計画の概要:

 防災科学技術研究所は、陸域の基盤的地震観測網について安定的な運用を継続するとともに、日本海溝海底地震津波観測網の整備を行う。高感度地震観測網等の陸域の基盤的地震観測網や海域における日本海溝海底地震津波観測網等を運用することにより、良質な地震等の観測データの取得・流通を図り、関係機関における研究、その他の業務の遂行や我が国の地震調査研究の発展に貢献する。特に、日本海溝海底地震津波観測網等のデータを活用した津波の早期検出・予測に資するデータを提供する。
 既存の火山観測施設や基盤的火山観測網を含め、重点的に観測を強化すべき火山について観測施設の整備・運用を行う。これにより得られる観測データについては、全国の大学が運用する観測網のデータとの共有化を進め、大学等の火山防災の基礎研究の振興や気象庁の監視業務の推進、さらには地方防災行政の関係機関の情報共有化に貢献する。
 地震・火山観測網により得られたデータは定常的に蓄積し、波形データベースを構築する。また、モニタリングの結果などをもとに地震波速度構造をはじめとする「日本列島標準モデル」を構築する。地震・火山観測データを用いた解析結果等については、発災時を含め地震調査委員会等の関係機関へ速やかに提供する。
 なお、防災科学技術研究所の中期計画は平成27年度末までなので、それ以降の計画については見直す可能性がある。

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

防災科学技術研究所
観測・予測研究領域
地震・火山防災研究ユニット

他機関との共同研究の有無:無

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:防災科学技術研究所 アウトリーチ・国際研究推進センター
電話:029-856-1611
e-mail:toiawase@bosai.go.jp
URL:http://www.bosai.go.jp/index.html

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:松原 誠
所属:観測・予測研究領域地震・火山防災研究ユニット

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --