精密制御震源システムの標準化と、ボアホール・海域への設置に関する研究

課題番号1705

(1)実施機関名:

名古屋大学

(2)研究課題(または観測項目)名:

精密制御震源システムの標準化と、ボアホール・海域への設置に関する研究

(3)関連の深い建議の項目:

 4.(2)ウ.観測・解析技術の開発

(4)その他関連する建議の項目:

1(3)ア.プレート境界地震
1(3)ウ.内陸地震と火山噴火
2(2)ア.プレート境界滑りの時空間発展

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

 現在、南海トラフの巨大地震域である東海地域,桜島火山に精密制御震源を設置してモニタリングを継続しており、それらの装置の高度化および南海トラフの海域への設置と想定した開発研究である。

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 精密に制御されたアクロス震源装置は、現在の仕様においてはほぼ完成の域に達し、少しのトレーニングで誰にでも利用可能なシステムとなった。また桜島では2012年9月より連続観測を継続しており、(Yamaoka et al. submitted)、遠隔地にもかかわらず夏期の雷による停電による停止を除き、現時点まで連続運転を行うことができている。これは、装置のモニターに加え,インターネットを通じた遠隔制御が可能となっているからである。

(7)本課題の5か年の到達目標:

 上記の研究成果の概要において利用したアクロス震源装置の仕様を基本的に見直した第二世代のアクロス震源装置をすでに製作した。本研究では、[1]第二世代アクロス震源の性能検証に加え、[2]海底掘削孔内震源の開発を行う。
 第二世代アクロス震源装置は、様々な発生力の要求に対応できる柔軟性、故障への対応等メンテナンス性、地盤への設置の迅速性の3点を向上させることをめざしている。本課題ではこの3点についての性能向上の検証を行い、最終的には比較的低い運用コスト(科研費の基盤B程度)で誰にでも利用できることをめざす。また海底掘削孔内に設置するための震源については、5か年中に陸上のボアホール内で運用できる震源装置の開発をめざす。

(8)本課題の5か年計画の概要:

○平成26年度:[1]第二世代震源装置については、前年度(平成25年度)中に試験運転実施場所を確定し、平成26年度に設置工事を行う。また本体および周囲に加速度計を設置し、本体の振動および地盤との相互作用を解析する。[2]海底掘削孔内震源の開発については、前年度までに作成していたプロトタイプの動作試験を引き続き行う.
○平成27年度:[1]第二世代震源装置については、長期連続運転試験を行い、耐久性について検証する。[2]海底掘削孔内震源については、平成26年度は、プロトタイプを改良し、ボアホールに設置する1つ手前の装置を製作する。直径の大型化および長さを1m程度に長くすることにより、おもり落下による発生力を大きくする。
○平成28年度:[1]第二世代震源装置については、長期連続運転試験を継続するとともに、耐久性の課題であるベアリングを確認し、場合によってはベアリングの設計変更を行う。[2]海底掘削孔内震源については、前年度の大型化装置の動作実験を行い問題点を洗い出すとともに改良を行う.
○平成29年度:[1]第二世代震源装置については、長期連続運転試験を継続する。この年度以降は、実際の観測に用いることも想定する。[2]海底掘削孔内震源については、孔内に設置するための設計・製作を行う.
○平成30年度:[1]第二世代震源装置については、長期連続運転試験を継続する。[2]海底掘削孔内震源の開発については、前年度までの試験結果を基に、孔内に設置して動作試験を実施する.

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

名古屋大学環境学研究科 山岡耕春、前田裕太
名古屋大学全学技術センター
他機関との共同研究の有無:有
海洋研究開発機構(荒木英一郎)・東京大学地震研究所(渡辺俊樹)・静岡大学理学部(生田領野)

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名: 名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センター
電話: 052-789-3046
e-mail:
URL:  http://www.seis.nagoya-u.ac.jp/

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名: 山岡 耕春
所属: 名古屋大学大学院環境学研究科附属地震火山研究センター


 

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --