課題番号1522
東京大学地震研究所
光技術を利用した大深度ボアホール用地震地殻変動観測装置の開発
4.(2)ウ.観測・解析技術の開発
1.(3)ア. プレート境界地震
「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」において、レーザー技術を利用した大深度ボアホール内における広帯域地震計測・傾斜計測法の開発を行い、ボアホールで使用できるサイズの広帯域地震計および傾斜計が開発された。変位センサーとしてレーザー干渉計を用いたものを製作し、所期の高い検出性能を確認した。また、レーザー干渉計の高温試験を実施し、少なくとも290℃までの高温環境下で使用可能であることがわかった。高温対応可能な一式の装置をボアホール観測に用いて実証することが今後必要である。
断層すべりや応力場など地殻内で起こっている現象を観測結果に基づき定量的に理解するためには、地下深部や断層近傍における観測手法の確立が不可欠である。地下深部の高温環境においても動作し、地殻活動にともなう地動変位を正確にとらえることのできる方法として、「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」では光技術を利用した広帯域地震計・傾斜計の開発を行った。この技術を高度化し、ボアホール内での試験観測を通じて、大深度における地殻活動の観測技術を確立し、地震の予測を行うための基礎観測データを提供する。
「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」で開発された地震計・傾斜計に歪計・温度計を加え、5年程度の期間で光ベースの大深度ボアホール用地震地殻変動観測装置の開発を行う。
平成26年度においては、現状の高温対応地震計・傾斜計をボアホール型に改良する。
平成27年度においては、ボアホール型地震計・傾斜計の高温試験および試験観測を実施する。
平成28年度においては、さらに光ファイバー式温度計・歪計を組み込む。
平成29年度においては、上記を統合し、光ベースの大深度ボアホール用観測装置を試作する。
平成30年度においては、既存の大深度ボアホールを利用し、観測を実施する(1年程度)。
新谷昌人、高森昭光
他機関との共同研究の有無:有
海洋研究開発機構 荒木英一郎ほか1名、宇宙科学研究所 白石浩章ほか1名、東北大学 中沢正隆ほか2名
部署等名:東京大学地震研究所
電話:03-5841-5712
e-mail:yotikikaku@eri.u-tokyo.ac.jp
URL:
氏名:新谷昌人
所属:東京大学地震研究所
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --