課題番号1403
東京大学大学院理学系研究科
噴火推移モニタリングのための火山ガス観測装置の開発
4.(2)ウ.観測・解析技術の開発
1.(5)ア.マグマ噴火を主体とする火山
1.(5)イ.熱水系の卓越する火山
2.(4)事象系統図の高度化による火山噴火予測
二酸化硫黄放出率の自動観測システムの開発および桜島火山、浅間火山、諏訪之瀬島火山にて長期運用。
火山噴火予測においては、噴火が開始したのち、噴火活動がどのように推移していくかを予測することも非常に重要な課題であり、活動の活発化や静穏化を見極めることは、防災・減災計画を検討して行くうえで不可欠である。火山ガス放出率、特に二酸化硫黄放出率は、地下にあるマグマの量や挙動を反映して変動するパラメータであり、その増減の推移を監視し、他の観測データと合わせて評価することは噴火活動の推移の理解に多大な貢献が可能である。一方、噴火に対応して、二酸化硫黄放出率を観測できる観測者の数は限られており、噴火開始後に、高い頻度で噴火推移をモニタリングし続けることができないのが現状である。このような状態を打開するため、噴火発生に対応して、迅速に観測態勢を立ち上げられるようなモニタリングシステムの開発や火山ガス測定の経験がなくてもガス放出率測定を容易にできるような観測装置の開発をすることで、噴火後の火山活動推移の火山ガスモニタリングを可能にすることが目標である。
本研究計画では、低価格CCDカメラを使用した二酸化硫黄可視化モニタリング装置、ポータブルなガス放出率自動測定装置および簡易型トラバース測定装置の開発、そして、これらの装置のフィールドテストおよび噴火可能性のある火山周辺での事前調査が主な内容となる。各年度の概要は以下のとおりである。
平成26年度:二酸化硫黄可視化モニタリング装置と簡易型トラバース測定装置の設計・開発をおこない試作機のテストを実施する。
平成27年度:上記2装置の開発を継続する。浅間山火山、桜島火山、阿蘇火山などでテスト観測を実施する。後半からは、ポータブルガス放出率自動測定装置の設計・開発に入る。
平成28年度、平成29年度:ポータブルガス放出率自動測定装置の開発を継続するとともに、これまで開発した装置のフィールドテストを実施しつつ、装置の問題点などを修正して行く。1-2ヶ月単位で、複数の火山で試験測定を行うとともに、噴火が生じた際の装置設置場所などの事前調査をいくつかの火山で実施する。
平成30年度:平成28、29年度の内容を継続するとともに、一般ユーザーでも設置から稼動まで行えるように最終的な改良やマニュアルを作成する。
※なお、5ヵ年中に噴火が発生した場合、その時点でできるだけの対応をする。
東京大学大学院理学系研究科 森 俊哉、 角森史昭
他機関との共同研究の有無:無
部署等名: 東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
電話: 03-5841-4649
e-mail:mori@eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
URL:http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
氏名: 森 俊哉
所属: 東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --