課題番号1914
京都大学防災研究所
桜島火山におけるマグマ活動発展過程の研究-地域との連携
3.(5)地震・火山噴火の災害軽減のための情報の高度化
1.(5)ア.マグマ噴火を主体とする火山
2.(4)事象系統樹の高度化による火山噴火予測
3.(4)地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化
桜島火山噴火
新規研究
本研究では,桜島火山をモデルケースとして,地方自治体の防災担当者,一般住民,報道機関など様々な層を対象に,これまでの火山噴火予知研究の成果を知ってもらうためのセミナーを定期的に開催する.そのうえで,これまでの予知研究の成果を,自治体の地域防災計画や住民の防災意識へ反映することの可能性を検討するとともに,よりよい地域防災計画策定や危機的状況における住民行動の改善のためにはどのような研究成果や火山活動に関する情報が必要であるか,予知研究の要求調査を行う.さらに,火山現象理解のための研究や噴火規模の即時評価の研究の成果を年次ごとに公表し,防災対策の視点から研究の仕分けを行う,また,必要とされる研究項目を推進するため,フィードバックをかける.
本課題は、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」事業に基づいた計画である。年2回のセミナーと検討会を実施し,火山噴火予知研究の成果を地域における防災対策等に反映すことを検討する.検討項目は以下の通りである.
[1]避難計画における火山噴火予知研究成果の活用
[2]様々な噴火シナリオに基づく避難計画の多様化の研究
[3]現状の避難計画の問題点と予知研究による解決の可否の検討
[4]火山噴火による経済への影響評価とBCPや個人の生活支援策への予知研究成果(噴火活動推移)の活用
平成26年度はこれまでの火山噴火予知研究成果をレビューするセミナーを開催するとともに,その成果の現状の避難計画を含めた防災対策にどのように活用できるかを検討する.
平成27年度は噴火事象系統図にリストアップされる個々の噴火の規模と様式について,前駆活動及び火山噴火推移の事象の発現に沿った避難計画策定の可能性について検討する.
平成28年度は火山噴火予知研究から想定される今後の噴火活動に対する現状の防災対策の問題点と予知研究によってその問題が解決可能であるかどうかを検討する.さらに,どのような予知情報が必要であるかを明らかにしていき,予知研究の課題としての解決策を探る.
平成29年度は噴火活動の推移予測と事業継続,生活継続の問題について検討する.
平成30年度は以上の検討を踏まえ,火山噴火予知研究からみた地域防災計画や支援策などへの提言を取りまとめる.
井口正人,中道治久,多々納裕一
他機関との共同研究の有無:有
北海道大学大学院理学研究科(大島弘光,中川光弘),秋田大学工学資源学部(筒井智樹),東北大学理学研究科(西村太志),東京大学地震研究所(大久保修平),東京大学大学院理学系研究科(森俊哉),東京工業大学火山流体研究センター(野上健治),常葉大学環境防災学部(嶋野岳人),京都大学大学院理学研究科(鍵山恒臣),九州大学大学院理学研究院(清水洋),鹿児島大学理学部(宮町宏樹,中尾茂,八木原寛),鹿児島大学地域防災教育研究センター(眞木雅之)
部署等名:京都大学防災研究所火山活動研究センター
電話:099-293-2058
e-mail:
URL:http://www.svo.dpri.kyoto-u.ac.jp/default.html
氏名:井口正人
所属:京都大学防災研究所
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --