桜島火山におけるマグマ活動発展過程の研究-火山灰拡散即時予測

課題番号1913

(1)実施機関名:

京都大学防災研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

桜島火山におけるマグマ活動発展過程の研究-火山灰拡散即時予測

(3)関連の深い建議の項目:

3.(4)地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化

(4)その他関連する建議の項目:

1.(5)ア.マグマ噴火を主体とする火山
3.(5)地震・火山噴火の災害軽減のための情報の高度化

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

桜島火山噴火

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

新規研究

(7)本課題の4か年の到達目標:

 火山噴火により多量の火山灰が噴煙として大気中を上昇し、浮遊拡散するとともに、火山周辺に多量に降下する。浮遊火山灰は航空機の運航に障害を与え、最悪の場合はジェットエンジンを停止させる。また、降下火山灰は、農林水産業被害、健康被害、地上交通網の停止と噴火活動静穏化後も繰り返される泥流等の土砂災害を引き起こす。本研究では、レーダー、ライダー観測やGNSSを用いて火山灰浮遊推定量をする技術を開発するとともに、シミュレーションを用いて大気中を浮遊拡散する火山灰粒子密度分布と降下する火山灰の堆積分布を予測する。レーダー観測で得られる大気中の噴煙イメージは、噴火して噴煙柱が成長した結果であるので、さらに即時性を高めるために、地盤変動量、噴火微動振幅を用いた火山灰噴出率をリアルタイムで把握する手法とそれに基づくシミュレーション技術を開発する。

(8)本課題の5か年計画の概要:

 本課題は、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」事業に基づいた計画であり、以下の5つのテーマに沿って研究を行う。
[1]降下火山灰のリアルタイム観測および大気中火山灰粒子密度のその場観測による把握
[2]レーダーおよびライダー観測による噴煙高度等の外形情報の把握、噴煙柱形成、移流・拡散過程の把握およびGNSSによる搬送位相遅延量を用いた大気中火山灰粒子密度のリアルタイム推定手法開発
[3] 火山灰量の地上および大気中実測との照合によるリモートセンシング観測に基づく火山灰量の推定
[4]シミュレーションによる火山灰拡散範囲と粒子密度および降下火山灰堆積量の予測と観測データと予測値の照合による拡散シミュレーションの高度化
[5]地盤変動、地震観測データに基づく、火山灰噴出率と噴煙高度のリアルタイム評価手法の開発と拡散シミュレーションのさらなる即時化
 平成26年度はレーダー観測により噴煙柱の形成、移流・拡散過程の把握する。また、GNSSによる搬送位相遅延量を用いて大気中火山灰分布をリアルタイムで把握できる手法を開発する。降下火山灰のリアルタイム観測および大気中火山灰粒子密度のその場観測による火山灰粒径分布を明らかにする。
 平成27年度はライダー観測も含めて、降下および浮遊火山灰量の実測値との照合によってリモートセンシング観測に基づく火山灰量の推定方法を確立する。
 平成28年度はシミュレーションに基づいて火山灰拡散範囲と粒子密度および降下火山灰堆積量の予測し、観測データと予測値の照合によって拡散シミュレーションのパラメータのチューニングおよびシミュレーション論理の改良を行う。
 平成29年度は地盤変動、地震観測データに基づいて、火山灰噴出率と噴煙高度のリアルタイム評価手法を開発し、拡散シミュレーションのさらなる即時化を図る。
 平成30年度は上記の[1]~[5]の結果を検討して最良の即時予測システムを構築する。

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

井口正人、吉谷純一、中道治久、味喜大介

他機関との共同研究の有無:有
鹿児島大学地域防災教育研究センター 眞木雅之
防災科学技術研究所 藤田英輔
東北大学理学研究科 太田雄策、小園誠史
気象研究所 高木朗充
気象協会 桃谷辰也

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:京都大学防災研究所火山活動研究センター
電話:099-293-2058
e-mail:
URL:http://www.svo.dpri.kyoto-u.ac.jp/default.html

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:井口正人
所属:京都大学防災研究所

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --