課題番号1911
京都大学防災研究所
プレート境界巨大地震等の広帯域強震動予測に関する研究
3.(3)地震・火山噴火災害誘因の事前評価手法の高度化
1.(3)ア.プレート境界地震
1.(3)ウ.内陸地震と火山噴火
南海トラフの巨大地震
(1813)プレート境界巨大地震による堆積盆地の広帯域強震動の予測に関する研究,a.地殻・地盤モデルの改良に関する研究と,b.プレート境界巨大地震に対する強震動予測に関する研究を進めてきた。前者においては全国一次地下構造モデル等を参照して,堆積盆地における長周期地震動の生成についての分析を進め,モデルの妥当性の検討を行った。後者においては,広帯域震源モデルを提案して,南海トラフの地震や房総沖地震を想定した強震動評価を行った。本研究では,これらの知見を踏まえてより信頼性の高い強震動予測を達成するための研究を進める。
プレート境界巨大地震や内陸地殻内地震等を対象として、広帯域強震動生成のための震源モデル、地殻構造モデルおよび大阪盆地等の堆積盆地構造モデルの高度化を行い、長周期地震動を含む広帯域強震動予測手法の構築を目指す。
地震災害誘因の事前評価としての広帯域強震動予測を行うために、震源モデル、震源から観測サイトまでの地殻・地盤速度構造モデルの高度化を進める。震源モデルに関しては、担当者らを含むグループがこれまで行ってきた広帯域の震源不均質モデルをベースに、研究課題「プレート境界巨大地震の広帯域震源過程に関する研究」の研究成果も導入する。地殻・地盤速度構造モデルの高度化は、全国一次地下構造モデルのような全国レベルのモデルを含む既往モデルに対して、そのモデルの妥当性の検証を進めることによって問題点を発見し、モデルの修正・高度化を行う。速度構造モデルの妥当性の検証には、各観測網によって得られている中規模地震の波形記録を活用した波形モデリングを行う。また、適切な観測記録が少ない地域においては、微動連続記録の地震波干渉法解析により観測点間グリーン関数を求め、地下構造モデルに基づく理論的グリーン関数と比較する。大阪盆地等の大規模堆積盆地において、地震動特性把握のための臨時の強震観測や微動観測を行い、速度構造のモデリングに利用する。南海トラフ等を震源域とするプレート境界巨大地震の震源域および大阪平野等での地震動評価を行う。
各年度の研究計画を以下に示す。
平成26年度 既往広帯域震源モデルの整理と問題点抽出
強震記録・連続地震記録等の収集、観測点グリーン関数構築,強震観測
平成27年度 広帯域震源モデル問題点の改良
地下構造モデル妥当性検証、強震観測
平成28年度 広帯域強震動予測手法プロトタイプ提案。既往地震による検証。
地下構造モデル妥当性検証継続・モデル改良、強震観測
平成29年度 広帯域強震動予測手法プロトタイプの問題点の改良
地下構造モデル妥当性検証・モデル改良継続、強震観測
平成30年度 広帯域強震動予測手法の提案
南海トラフ地震等の広帯域シミュレーション、強震観測
関口春子
岩田知孝
浅野公之
他機関との共同研究の有無:無
部署等名: 京都大学防災研究所社会防災研究部門(都市防災計画)
電話:0774-38-4286
e-mail:sekiguchi.haruko.6u@kyoto-u.ac.jp
URL:
氏名:関口春子
所属:京都大学防災研究所
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --