噴火予測システムの開発に関する研究

課題番号3003

 (1)実施機関名:

独立行政法人防災科学技術研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

噴火予測システムの開発に関する研究

(3)関連の深い建議の項目:

2.(4)事象系統樹の高度化による火山噴火予測

(4)その他関連する建議の項目:

4.(2)ウ.観測・解析技術の開発

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

基盤的火山観測網の火山、および、桜島等の国内外の活動的火山

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 火山活動の観測予測技術を高度化するため,基盤的火山観測網データの解析能力向上やリモートセンシングに関する技術開発を継続して進めた.また,多様な噴火現象のメカニズム解明を進めるためのシミュレーションを実施した. 
 噴火予測システムの高度化においては,基盤的火山観測網および関連観測機器の整備・増強を行うことにより,観測予測技術の向上を図るとともに,これらによって得られたデータの解析により,火山活動に伴う地震活動・地殻変動に関する知見を多数得た.具体例としては,硫黄島における2012年4月の異常隆起と地震活動の相関関係,変色域の出現,ミリオンダラーホールにおける水蒸気爆発と火山性微動の関連性を明らかにした.また,富士山等において相似地震を用いた地震波速度構造変化の自動検出システムの開発を行った.これらに基づき,噴火予測システムの基本形を確立した.

 噴火メカニズムの解明と噴火・災害予測シミュレーション技術開発では,地震と火山噴火の連動性の評価の例として,東北地方太平洋沖地震による火山への影響評価を有限要素法による静的・準静的・動的応力変化に関する評価を行った.また,噴火機構の解明のために火道流モデルを開発し,脱ガスの効果などによる噴火形態の遷移過程に対する理論的知見を得た.また,2011年霧島山新燃岳噴火のダイナミクスについて,地殻変動データの解析や岩石学的データの分析に基づき,噴火のメカニズムについて知見を得た.

(7)本課題の5か年の到達目標:

 火山の噴火様式や推移予測,火山活動分岐判断のため,基盤的火山観測網によるデータの解析,噴火予測システムの開発,数値シミュレーション技術の開発,及び国際火山データベースWOVOdatの運用により,火山活動分岐判断に資する研究を実施する

(8)本課題の5か年計画の概要:

 本課題は,防災科学技術研究所の中期計画に基づいたものである.

 平成26年度は,噴火予測システムの高度化において,群発火山性地震・微動の震源決定高速化・高精度化,火山性地震の分類,震源決定自動化(火山観測網リアルタイムデータ活用),WOVOdatのミラーサイト強化を行う.また,噴火メカニズムの解明と噴火・災害予測シミュレーション技術開発において,岩脈貫入シミュレーション,溶岩流シミュレーション,大規模カルデラ噴火評価,掘削コア試料の解析を通し,火山活動分岐判断に関する研究を行う.対象火山は,基盤的火山観測網を整備した火山や桜島などの国内外で活発な火山とする.

 平成27年度は,噴火予測システムの高度化において地震・地殻変動等データの総合的な異常判定に関する開発を行うとともに,シミュレーション技術を活用した噴火形態評価に関する研究を行う.

 平成28年度以降についても,防災科学技術研究所の次期中期計画に基づき,火山活動の観測予測技術開発に関する研究を行う.

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

独立行政法人防災科学技術研究所
観測・予測研究領域 地震・火山防災研究ユニット

他機関との共同研究の有無:無

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:防災科学技術研究所 アウトリーチ・国際研究推進センター
電話:029‐851‐7611
e-mail:toiawase@bosai.go.jp
URL:http://www.bosai.go.jp/index.html


(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:藤田英輔
所属:防災科学技術研究所 観測・予測研究領域 地震・火山防災研究ユニット

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --