地震に先行する大気中ラドン濃度変動に関する観測

課題番号1207

 

(1)実施機関名:

東北大学

(2)研究課題(または観測項目)名:

地震に先行する大気中ラドン濃度変動に関する観測

(3)関連の深い建議の項目:

2.(3)先行現象に基づく地震活動予測

(4)その他関連する建議の項目:

1.(3)地震・火山噴火発生場の解明
2.(2)モニタリングによる地震活動予測

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

東北地方太平洋沖地震

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 全国放射線施設で得られる大気中ラドン濃度変動から,巨大地震に伴う地殻変動をモニタリングすることを目的として,大気中ラドン濃度観測データの解析に基づいた予知研究を行った.神戸薬科大学での大気中ラドン濃度変動の観測から,兵庫県南部地震前に過去10年間のラドン濃度年周期を大きく上回る変動が見られた.また東北地方の放射線管理施設の大気中ラドン濃度データの解析からも,東北地方太平洋沖地震前に顕著な変動がみられた.地殻変動との比較から,これらは日本海溝で起こったプレート境界型地震の余効変動に同期している可能性が明らかになってきた.大気中ラドン濃度変動を用いて全国規模の放射線管理施設のモニタリングネットワークの構築を行っている.

(7)本課題の5か年の到達目標:

 大学及び研究機関の放射線管理施設のモニタリングネットワークによって,広域な大気中ラドン濃度変動をモニタリングすることができる.そこで,本研究では放射線管理施設が有する排気モニターを用いて,全国で大気中ラドン濃度の測定を行い,巨大地震前の地殻変動を大気中ラドン濃度変動からモニタリングすることを目的とする.広域での地殻変動モニタリングを行うために,全国規模の放射線管理施設のモニタリングネットワークの構築や観測データの解析に基づいた研究を行う.収集したデータの解析により大地震に先行するラドンガス放出と地殻変動の関連を明らかにし,地震・火山噴火の発生ポテンシャルの評価に資することを本研究の目的とする.

(8)本課題の5か年計画の概要:

  現在19施設の全国医薬系放射線管理施設が参画しており,これらの機関との共同研究においてデータ解析を進める.また更に地殻変動モニタリングに使用出来る放射線施設に協力を求めることで,全国をくまなくカバーすることの出来る全国放射線管理施設ネットワークの拡大を目指す.得られたデータを用いて,大気中ラドン濃度のデータを広範囲・長期間に収集・分析し,地震・火山噴火・ゆっくりすべり・地殻ひずみなどの活動と比較する.平成26年度は,これまでに得られている放射管理施設の大気中ラドン濃度変動データの解析を進める.また新たに全国の放射線管理施設で長期間の大気中ラドン濃度計測データを持つ協力機関を探し,ネットワーク拡大を行う.平成27年度以降は,引き続きデータ解析および協力施設からの収集を進めるとともに,地殻変動との比較を行い,大地震に先行するラドンガス放出と地殻変動の関連を明らかにしていく.

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

武藤 潤

他機関との共同研究の有無:有
神戸薬科大学 安岡由美
福島県立医科大学:本間好・鈴木俊幸

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:東北大学大学院理学研究科
電話:022-225-1950
e-mail:zisin-yoti@aob.gp.tohoku.ac.jp
URL:http://www.aob.gp.tohoku.ac.jp

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:長濱裕幸
所属:東北大学大学院理学研究科地学専攻

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --