課題番号5008
(独)産業技術総合研究所
高分解能地殻応力場の解明と造構造場の研究
2.(2)イ.地殻ひずみ・応力の変動
1.(3)ウ.内陸地震と火山噴火
2.(1)地震発生長期評価手法の高度化
3.(3)地震・火山噴火の災害誘因の事前評価手法の高度化
振幅値を利用した発震機構解推定により、糸魚川―静岡構造線活断層帯全域に渡る応力場の解明を行った。
可能な限り小さな地震まで解析に含めることで、高い空間分解能を有する地殻応力図を整備する。さらにこの応力図をもとに、地形・地質情報や地震学的情報も含めて地震発生場の地域性とそのテクトニックな意味を解釈し、将来発生する地震の最大規模や発生様式を評価するための地図(地震テクトニックマップ)を作成する。関東地域の25km以浅をケーススタディとして試作を行う。
平成26年度と平成27年度では、Hi-netの整備以後蓄積されている定常観測網のデータ解析を進め、関東地域の25km以浅における応力場を明らかにする。地震データが不足している地域では臨時観測を実施し、地震データの蓄積と解析を行う。可能な限り小さな地震まで解析に使えるようにするため、ノイズに強い地震検出法、隣接地震の複合処理による発震機構解推定法などの手法開発に取り組む。また、活断層の3次元地下構造を推定するため、関東平野における既存の地下構造探査データに対して最新の処理法を用いた再解析を実施する。地震テクトニックマップの有効性と限界を確認するため、過去に発生した地震の震源域の応力状態と本震の規模や発生様式との関係を調査する。
平成28年度は引き続き前年度までの解析を行い、地殻応力図を取りまとめる。地震活動が不活発な領域は地殻変動データ、地形地質情報、数値シミュレーション結果などを吟味して補間を行い、応力情報の空白域を無くすことを目指す。応力場のメッシュサイズはデータ量に依存するが、マグニチュード6後半の中規模地震であっても最大規模や発生様式の評価に繋げられるよう、最低限10kmを目指す。深さ方向にもデータの状況に応じてメッシュを配置する。結果は地殻応力場データベース(https://gbank。gsj。jp/crstress/)において公開する。
平成29年度は前年度までの解析で推定した地殻応力図や3次元地下構造の結果に加え、活断層分布や重力異常図などの地形・地質情報、b値や地震波速度構造などの地震学的情報等も考慮して地震発生場の地域性とそのテクトニックな意味を解釈し、将来発生する地震の最大規模や発生様式を評価するための地図(地震テクトニックマップ)を完成させる。
平成30年度では、地震テクトニックマップを基に、数値シミュレーションを併用した最大規模評価や活動性評価手法を提案する。
活断層・火山研究部門 地震テクトニクス研究グループ
他機関との共同研究の有無:無
部署等名:活断層・火山研究部門 地震テクトニクス研究グループ
電話:029-861-3691
e-mail:
URL:https://unit.aist.go.jp/ievg/group/seismotec/index.html
氏名:今西和俊
所属:活断層・火山研究部門 地震テクトニクス研究グループ
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成26年07月 --