小型絶対重力計を用いた火山監視技術の開発

課題番号1506

(1)実施機関名:

東京大学地震研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

小型絶対重力計を用いた火山監視技術の開発

(3)関連の深い建議の項目:

1.(3)ウ.内陸地震と火山噴火
4.(2)ウ.観測・解析技術の開発

(4)その他関連する建議の項目:

1.(3)ア.プレート境界地震
4.(2)ア.観測基盤の整備

(5)優先度の高い地震・火山噴火との関連:

(6)平成25年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

 「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」において、マグマなど火山流体の移動を地表の重力変化によって検知するため、野外でも使用可能な省電力・堅牢・高精度な小型絶対重力計を開発した。精度を保ちつつ小型化するために、組み込み加速度計による補正やサイレントドロップ法を考案し、市販品の70%程度のサイズの小型絶対重力計プロトタイプを開発した。火山地帯を含む複数の観測点で性能評価を行い、既存の絶対重力計と同等の精度を確認した。小型化と精度については目標をほぼ達成した。野外における実用性についてはさらに検証が必要である。

(7)本課題の5か年の到達目標:

 マグマ噴火を主体とする火山において、その活動を予測するためにはマグマの動きを監視する技術が不可欠である。重力観測はマグマ移動に伴う密度変化に感度をもち、GPSなど地表変位の観測と相補的に地下深部の情報を引き出すことができる。これまで絶対重力計と相対重力計を組み合わせたハイブリッド重力観測により、火山活動に伴う重力変化が観測されているが、本課題では小型絶対重力計を用いて火口の近傍で精度の高い重力観測を行い、マグマ活動を監視する技術を開発する。

(8)本課題の5か年計画の概要:

 「地震及び火山噴火予知のための観測研究計画」で開発された小型プロトタイプ絶対重力計を用いた試験観測による実用性の向上と並行して、装置のさらなる小型化と火口近傍での観測技術開発をすすめる。重力以外の観測とも組み合わせ、5年程度の期間で絶対重力による火山監視技術を開発する。
平成26年度においては、小型プロトタイプによる試験観測、および光源の小型化を行う。
平成27年度においては、小型光源の組み込み、および小型落下機構の導入を行う。
平成28年度においては、新型プロトタイプ(小型光源・落下機構)による試験観測、および山体設置法の研究を行う。
平成29年度においては、新型プロトタイプの火山体における試験観測、およびデータ通信試験を行う。
平成30年度においては、火口近傍での観測実証試験(1年程度)を行う。

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

新谷昌人、高森昭光

他機関との共同研究の有無:有
国立天文台 田村良明、東北大学 中沢正隆ほか2名、京都大学 福田洋一ほか3名、極地研 土井浩一郎、産総研 名和一成

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:東京大学地震研究所
電話:03-5841-5712
e-mail:yotikikaku@eri.u-tokyo.ac.jp
URL:

(11)この研究課題(または観測項目)の連絡担当者

氏名:新谷昌人
所属:東京大学地震研究所

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成26年07月 --