課題番号:9104
京都大学防災研究所
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に関する緊急研究
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2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
(3)地震発生先行・破壊過程と火山噴火過程
(3-2)地震破壊過程と強震動
ア.断層面の不均質性と動的破壊特性
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東北地方太平洋沖地震の破壊過程の推定のために,USArrayで観測されたデータを用いてバックプロジェクション解析を行う
東北地方太平洋沖地震の破壊過程の推定のために,USArrayで観測されたデータを用いてバックプロジェクション解析を行った(図).破壊伝播速度と方向から,高周波の地震波の発生源はふたつの部分に分けられる.まず1.0-1.5 km/sという比較的遅い破壊伝播速度をもち北西に伝播した.つぎに破壊は南西に進展し,最初1.5 km/sだった伝播速度が約3.0 km/sまで加速した.また,0.2-1.0 Hz のバンドパスフィルタおよび0.2 Hzのローパスフィルタを施した波形についても同様のバックプロジェクション解析をおこない,低周波数では海溝近くに発生源が求まった.低周波と高周波の地震波は断層の異なる場所から放射されたことを明瞭に示している.
Wang, D. and J. Mori, 2011, Frequency-dependent energy radiation and fault coupling for the 2010 Mw8.8 Maule, Chile, and 2011 Mw9.0 Tohoku, Japan, earthquakes, Geophys. Res. Lett., 38, L22308, doi:10.1029/2011GL049652.
なし
京都大学防災研究所 James Mori
他機関との共同研究の有無:無
部署等名:京都大学防災研究所地震予知研究センター
電話:0774-38-4205
氏名:James Mori
所属:京都大学防災研究所 地震防災研究部門
研究開発局地震・防災研究課