課題番号:4005
独立行政法人海洋研究開発機構
総合海底観測ネットワークシステムの技術開発
3(1)ウ.海底実時間システム
1(1)ウ.東海・東南海・南海地域
3(1)ア.海底地殻変動観測技術
平成5年度に設置した相模湾初島沖観測ステーションをはじめ、高知県室戸岬沖及び北海道釧路・十勝沖「海底地震総合観測システム」の運用を継続し、気象庁をはじめとする各機関へのリアルタイム観測データの配信や、一般へのデータ提供を行うとともに、平成18年度には愛知県豊橋沖観測システムを設置し、これら観測システムを基盤とする各種観測装置等の研究開発を進めてきた。これらの成果は平成18年度に開始した現在進行中の紀伊半島沖観測ネットワークである「地震・津波観測監視システム」DONET
(Dense Oceanfloor Network System for Earthquakes and Tsunamis)にも活用されている。
連続観測においては、平成18年4月21日、伊豆半島東方沖を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生し、これに伴う乱泥流が観測された。観測ステーションに当初から搭載されていた各種センサとともに、これらの観測装置により地震ならびに乱泥流に起因すると考えられる各種の深海環境変動が検出された。また、平成18年11月15日と平成19年1月13日に千島列島東方で発生した地震では、地震に伴う津波を、海岸の験潮所より約20分早く釧路・十勝沖システムで検出しており、津波早期警報発信等に利用可能であることを確認している。
既存の海底観測システムの継続運用と海底ケーブルシステム高電圧化に関する開発
ケーブルで結んだ多数のセンサーから構成されるリアルタイム総合海底観測システムに関する研究開発及びそれらの運用を行う。これにより、プレート境界における地震、津波、地殻変動を海底において、継続的に観測することを可能とする。
引き続き、相模湾初島沖観測ステーションをはじめ、海底地震総合観測システム(1号機:高知県室戸岬沖・2号機:北海道釧路・十勝沖)、豊橋沖ケーブル先端に接続した海底観測ステーションの運用を継続し、長期連続観測を実施する。平成18年度に開始した「地震・津波観測監視システム(DONET)構築」については、平成21年度中の一部運用開始、平成22年度の本格運用開始を目指している。
また、新たな地震・津波観測監視システム構築に向けた研究開発を実施する。現在構築中の地震・津波観測監視システムは中電圧(3000V)であるため、ケーブル長は300km、観測点数は40観測点が限度である。より拡張性があり、特に広域に展開するにはシステムの高電圧化が必要である。高電圧化によって、観測網展開後に観測網を拡張することが可能となれば、計画当初に設定する海域の外に必要に応じて新たな観測拠点を構築し、さらにそれを中心に観測点を展開できる。そこでここでは、システムの高電圧化に関する下記の技術開発を行う。新たな地震・津波観測監視システム構築の開発を進め、紀伊水道沖の海域に平成25年度中の構築開始を検討している。
地震津波・防災研究プロジェクト
他機関との共同研究の有無:有
気象庁地震火山部
部署等名:独立行政法人海洋研究開発機構 経営企画室企画課
電話:046‐867‐9204
e‐mail:egashirat@jamstec.go.jp
URL:http://www.jamstec.go.jp
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成24年08月 --