課題番号:3019
防災科学技術研究所
GPS解析手法の高度化
3(3)ア 宇宙測地技術利用の高度化
1(1)ア 日本列島域
1(1)ウ 東海・東南海・南海地域
JMAの全球気象数値モデルの客観解析値を用いて、6時間ごとのGPS観測点における気圧荷重変動を計算し、GPS解析プログラムにおいてこの気圧荷重変動を考慮するように改造を行った。この気圧荷重変形を考慮したときに、どの程度解析精度が向上するかを、GEONET及び防災科研GPS観測網を用いて評価を行った。
JMAのメソスケール数値気象モデル及び防災科研が開発している関東地域のCReSS稠密気象モデルを用いて、GPS測位精度の向上を試みた。2007年9月の台風接近・通過時の9日間の解析では、特に上下成分において、CReSSモデルから計算した大気伝播遅延量を補正すると、従来の解析手法より約25%の座標値再現性が図れることがわかった。
最新の気象数値モデル等を用いて、1日以内の準リアルタイムの大気伝播遅延補正を可能にするための手法を開発する。また、最新の全球気象数値モデルを用いて、全球的な気圧配置の変動に起因する地球の気圧荷重個変形を高精度で計算し、1日以内の準リアルタイムの気圧荷重変動補正を可能にするための手法を開発する。
平成21年度においては、JMAのメソスケールモデルを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気伝播遅延補正を行うためのプログラムの開発を行う。
平成22年度においては、実際の観測データを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気伝播遅延補正を行い、精度の評価を行う。
平成23年度においては、JMAのグローバルモデルを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気荷重変動補正を行うためのプログラムの開発を行う。
平成24年度においては、実際の観測データを用いて、1日以内の準リアルタイムで大気荷重変動補正を行い、精度の評価を行う。
平成25年度においては、JMA以外の気象モデルを用いた場合の精度の向上について検討するほか、東海地域等のGEONET観測網のルーチン的な解析に、本研究で開発した大気伝播遅延補正手法や大気荷重変動補正手法を組み込んで、実用化する。
島田 誠一
他機関との共同研究の有無:
情報通信研究機構 トーマス ホビガー・市川 隆一
部署等名:防災科学技術研究所 アウトリーチ・国際研究推進センター
電話:029‐851‐7611
e‐mail:toiawase@bosai.go.jp
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成24年08月 --