課題番号:1810
京都大学防災研究所
地震波干渉法による構造変化の検出手法の開発
2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
(3)地震発生先行・破壊過程と火山噴火過程
(3‐1)地震発生先行過程
ア.観測データによる先行現象の評価
新規研究
本計画では、地震波干渉法を応用して、地震波形連続記録の雑微動部分の自己相関関数(ACF)の監視による地殻構造の時間変化の検出手法を確立し、大地震前後の地殻構造変化の有無の検出や、もしもそのような現象が存在する場合にはその原因を明らかにすることを目的とした研究を行う。
これまでの先行研究により、2点間の雑微動のCCFはそれらの観測点間での擬似反射記録と解釈されることが示されており、これの応用で1点の雑微動のACFは当該観測点直下の擬似反射記録であると解釈されることから1観測点の雑微動のACFからその観測点下の構造が推定できるとされている。
そのため,本計画では,(1)ACFが地下構造のどのような情報を持っているかの検証と、(2)ACFに地震の前後で変化が認められる場合にはその原因を探る、ことの2点を目標とする。
(1)のためには、まず、すでに予備的な解析により,ACFの形状が時間的に安定していることが判明している微小地震定常観測点や,その中でも地震前後でACFの形状が変化することが検出されている微小地震定常観測点を数点選び,周囲に高密度の臨時高感度地震観測アレイを設置して観測を行う。このデータを用い、雑微動部分の観測点間CCFや各点のACFを求めて比較考察することにより,ACFの持つ情報の評価を試みる。これにより、単独観測点のACFにより地殻構造を求める手法の有効性の評価を行う。その結果を援用して、(2)のテーマである,ACFが安定している点や地震に伴いそれが変化する観測点での地震波速度構造の推定法の検討とその評価、さらには構造の時間変動要因の特定等を試みる.後者に関しては、構造の時間変化は応力・歪状態の変化に起因することが先行研究により示唆されていることから、応力・歪等にかかわる別種の観測量から得られる指標との比較検討も併せて行う。
大見士朗、加藤護、平原和朗、3人,共同研究無
部署等名:京都大学防災研究所地震防災研究部門
電話:0774‐38‐4236
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URL:
研究開発局地震・防災研究課
-- 登録:平成24年08月 --