次世代の機動的海底地殻変動観測に向けた観測技術の高度化

課題番号:1431

(1)実施機関名:

東京大学地震研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

次世代の機動的海底地殻変動観測に向けた観測技術の高度化

(3)最も関連の深い建議の項目:

3.新たな観測技術の開発
(1)海底における観測技術の開発と高度化
イ. 海底地震観測技術

(4)その他関連する建議の項目:

2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
(1)日本列島及び周辺域の長期・広域の地震・火山現象
イ. 上部マントルとマグマの発生場

2.地震・火山現象解明のための観測研究の推進
(2)地震・火山噴火に至る準備過程
(2‐1)地震準備過程
ア.アスペリティの実体
イ.非地震性滑りの時空間変化とアスペリティの相互作用

(5)平成20年度までの関連する研究成果(または観測実績)の概要:

3.新たな観測・実験技術の開発
(1)海底諸観測の開発と高度化
 これまで海域での観測技術開発においては、長期観測型海底地震計、GPS‐音響測位システム、海底圧力計などを開発し、成果をあげてきた。具体例としては、地震観測のダイナミックレンジを拡大するため加速度計を併設した長期観測型の海底強震・高感度地震計を実用化したほか、長期海底地震観測の高度化のため先端的ネットワーク技術を導入した次世代ケーブル式海底観測システムの開発を進めた。

(6)本課題の5ヶ年の到達目標:

 地震予知研究において実際の地震発生の場・現象を捉えるためには、海域での地震観測研究は欠かせないが、現象を把握できる時間軸はおよそ数100秒まででしかない。現在計画されている高機能な海底ケーブル観測網では測地学的センサーを含み得るが、その観測領域は限られている。今後、測地学的時間軸まで時間的観測空白域を網羅し、空間的にもより広い領域で新たな知見を得るためには、機動的な海底地殻変動観測技術の新たな開発が必須である。これまで、海底における圧力観測としては、広帯域海底地震計に海底差圧計を組み込み、試験観測を行ってきた。これらより、本課題では、以下の2つについて、技術開発を行う。
(a)海底絶対圧センサーによる機動的な海底地震・圧力同時観測の技術開発。
(b)海底での傾斜観測を機動的観測として実現するための先端的技術開発。

(7)本課題の5ヵ年計画の概要:

 平成21年度においては、上記(a)については、機器設計、(b)については、仕様検討を行う。(a)については、地震・圧力同時観測を行うために、既存の広帯域海底地震計に圧力センサーを併設するために設計、機器開発を行う。(b)については、海底における傾斜観測の可能性を含めて、センサーの選定などの検討を進める。
 平成22年度においては、(a)の機器試作を開始し、(b)の機器設計を進める。
 平成23年度においては、(a)の試験観測を開始し、(b)の機器試作を開始する。
 平成24年度においては、(a)の試験観測を継続し問題点を解決する。(b)の試験観測を開始する。
 平成25年度においては、(b)の試験観測を継続し問題点を解決する。開発に関するとりまとめを行う。

(8)実施機関の参加者氏名または部署等名:

篠原雅尚・金沢敏彦・塩原 肇

他機関との共同研究の有無:
なし

(9)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先

部署等名:東京大学地震研究所 地震予知研究推進センター
電話:03‐5841‐5712
e‐mail:yotik@eri.u‐tokyo.ac.jp
URL:http://www.eri.u‐tokyo.ac.jp/index‐j.html

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)

-- 登録:平成22年02月 --