東海・東南海・南海プレート境界域における地殻変動モデルに関する研究

平成20年度年次報告

課題番号：6025

（1）実施機関名：

　国土地理院

（2）研究課題（または観測項目）名：

　東海・東南海・南海プレート境界域における地殻変動モデルに関する研究

（3）最も関連の深い建議の項目：

　2．（2）ウ．東南海・南海地域

（4）その他関連する建議の項目：

　1．（2）ア．プレート境界域における歪・応力集中機構
　2．（2）イ．東海地域
　3．（1）海底諸観測技術の開発と高度化
　3．（4）宇宙技術等の利用の高度化

（5）本課題の平成16年度からの5ヵ年の到達目標と、それに対する平成20年度実施計画の位置付け：

　GPSおよびSARの観測結果について統合した解析により、南海トラフ周辺におけるプレート境界域の状態の時間的変化の解明を行う。また、海底地殻変動データの取得・解析への反映を試みる。

（6）平成20年度実施計画の概要：

　対象領域にさらに2点のGPS観測点を増設する。GEONETおよびGPS地殻変動観測点の測地観測データ、水準測量のデータまたはSARの観測結果について統合した解析を実施する。

（7）平成20年度成果の概要：

　計画通り、対象領域に2点のGPS観測点を増設した。GPS連続観測点データにより、東海地域のスロースリップのモニタリングを継続した。しかし、対象領域の面的地殻変動分布を把握するために行う予定だったSAR干渉解析は、時間的制約から実施できなかった。そのため、GEONETとの統合解析には至らなかった。

（8）平成20年度の成果に関連の深いもので、平成20年度に公表された主な成果物（論文・報告書等）：

（9）本課題の5ヵ年の成果の概要：

　東海･東南海地域における地殻変動の把握能力の向上を目的として、GPS観測点を16点増設した。
　2004年9月の紀伊半島南東沖の地震による余効的地殻変動の解析を実施し、震源断層周辺の余効すべりについて検討を行った。また、東海地域のスロースリップについて詳細に検討した結果、当初の浜名湖周辺でのすべりが沈静化し、その周囲ですべりが生じていると推定された。
　なお、SAR干渉解析についてはC‐bandのSARデータを用いて紀伊半島･室戸岬周辺の解析を実施した。しかし、地形の影響のため得られた変動データは平野部や海岸線付近に限られ、GEONETとの統合解析には至らなかった。

（10）実施機関の参加者氏名または部署等名：

　地理地殻活動研究センター　地殻変動研究室・宇宙測地研究室
　他機関との共同研究の有無：無

（11）公開時にホームページに掲載する問い合わせ先：

　部署等名：地理地殻活動研究センター　研究管理課
　電話：029‐864‐5954
　e‐mail：eiss@gsi.go.jp
　URL：http://www.gsi.go.jp