GPS解析手法の高度化

平成20年度年次報告

課題番号:3014

(1)実施機関名:

 独立行政法人防災科学技術研究所

(2)研究課題(または観測項目)名:

 GPS解析手法の高度化

(3)最も関連の深い建議の項目:

 3.(4)宇宙技術等の利用の高度化

(4)その他関連する建議の項目:

 2.(2)イ.東海地域

(5)本課題の平成16年度からの5ヵ年の到達目標と、それに対する平成20年度実施計画の位置付け:

 5ヶ年の到達目標:気象数値モデル等を用いて、GPS測位精度の向上を図り、水平成分の再現性(1σ)を1mm未満に、上下成分の再現性を3mm未満にすることを目指す。
 平成20年度実施計画の位置付け:平成16年度から平成19年度の間に開発した、GPS観測データの大気伝播遅延補正を行うプログラム及び気圧荷重変動による地球の変形の影響を補正するプログラムを、長期間のGPS観測データに適応して評価を行い、GPS測位精度の再現性を確認する。

(6)平成20年度実施計画の概要:

 気象数値モデルの6時間毎の客観解析値を用いて、観測データの大気伝播遅延補正を行うプログラム及び気圧荷重変動による地球の変形の影響に起因する解析精度劣化を補正するプログラムを、東海・伊豆地域のGPS観測データに適用して評価を行い、GPS測位精度の再現性を確認する。

(7)平成20年度成果の概要:

 JMAメソスケール気象数値モデルの6時間毎の客観解析値を用いて、大気伝播遅延補正と気圧荷重変動を補正して,東海・伊豆地域のGPS観測データに適用して評価を行った。解析プログラムとしてGAMITプログラムを用いたが,GAMITプログラムで求める推定量は基本的に基線ベクトルなので,基線ベクトルの再現性向上の確認しかできない.その結果,大気伝播遅延補正及び気圧荷重変動ともに,顕著な解析精度の向上は見られなかった.解析精度の向上を確認するためには,単独精密測位(PPP)手法を用いた解析プログラムによる解析が適当であることがわかった。

(8)平成20年度の成果に関連の深いもので、平成20年度に公表された主な成果物(論文・報告書等):

 島田誠一,2008,伊豆半島・駿河湾西岸域の国土地理院と防災科研のGPS観測網による地殻変動の観測(2006年3月~2007年11月),地震予知連絡会報,79,184‐190.
 島田誠一,2008,伊豆半島・駿河湾西岸域の国土地理院と防災科研のGPS観測網による地殻変動の観測(2006年8月~2008年5月),地震予知連絡会報,79,221‐227.

(9)実施機関の参加者氏名または部署等名:

 島田誠一
 他機関との共同研究の有無:通信総合研究機構との共同研究有り

(10)公開時にホームページに掲載する問い合わせ先:

 部署等名:防災科学技術研究所 企画部広報普及課
 電話:029‐851‐7611
 FAX:029‐851‐1622
 e‐mail:toiawase@bosai.go.jp

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)