航空機等からの先端リモートセンシング技術（SAR等）を用いた地表面変動の把握技術の開発

平成20年度年次報告

課題番号：0101

（1）実施機関名：

独立行政法人情報通信研究機構

（2）研究課題（または観測項目）名：

航空機等からの先端リモートセンシング技術（SAR等）を用いた地表面変動の把握技術の開発

（3）最も関連の深い建議の項目：

3．（4）宇宙技術等の利用の高度化

（4）その他関連する建議の項目：

（5）本課題の平成16年度からの5ヵ年の到達目標と、それに対する平成20年度実施計画の位置付け：

高分解能3次元映像レーダによる地球環境計測・予測技術の研究の一課題として、地表面変動を把握する技術として、幅広い応用分野の開拓も視野に入れた データ公開と航空機SARを用いた研究公募による観測実験を進めているとともに、より高度な技術開発を目指して、インターフェロメトリ技術を用いた高精度 の地表面計測手法の開発を進めている。また、各種の応用分野のニーズに沿った新たな計測技術の検討を進めている。こうした中で、地震予知のための観測研究 に必要な要素技術の開発を進めるとともに、国内の幅広い領域での観測を実施し、データの蓄積及び公開を進める。

（6）平成20年度実施計画の概要：

平成18、19年度に引き続き、新規の航空機SARの開発を進めるとともに、航空に搭載するための改修を実施する。その後、秋までに試験飛行を実施する。

（7）平成20年度成果の概要：

新規の航空機SARの開発を進め、航空機搭載のシステム主要部が完成した。試験飛行を実施し、目標の性能（分解能30cm）が達成されていることを確認した。
完成した航空機SARの概観（航空機搭載状態）を図1および図2に示す。また、試験飛行により得られた高分解能画像の一例を図3に示す。

図1新航空機SAR（Pi‐SAR2）を搭載した航空機

図2　航空機SARのアンテナ部

 

図3　新航空機SAR（Pi‐SAR2）の試験観測によって得られた中部国際空港の様子。駐機中の航空機の詳細がわかる。右下は、これまでのレーダ（Pi‐SAR）で得られた同型の航空機の画像。

（8）平成20年度の成果に関連の深いもので、平成20年度に公表された主な成果物（論文・報告書等）：

Matsuoka, Umehara, Nadai, Kobayashi, and Uratsuka, “Development of the High Performance Airborne SAR System （Pi‐SAR2）”, IEEE‐GRSS JAPAN chapter, Tokyo, Sept． 2008．

松岡,梅原,灘井,小林,浦塚,「高性能航空機SARシステム（Pi‐SAR2）の開発」, 第45回　日本リモートセンシング学会講演会,北海道情報大学, 2008／12．

（9）本課題の5ヵ年の成果の概要：

平成16年度から17年度にかけては、1．5mの分解能の航空機SARによる実証実験を中心に観測を実施した。平成16年に発生した新潟県中越地震では、地震発生3日後に観測を行い、土砂崩れ、土砂ダム等の状況を広範囲に把握することができた。一方で主要なライフライン等の状況の把握には分解能的な限界があり、平成18年度からは、1m以下の分解能を目標として新規の航空機SARの開発を開始した。20年度には、その基本的な機能と性能の確認を行った。

（10）実施機関の参加者氏名または部署等名：

電磁波計測研究センター電波計測グループ
他機関との共同研究の有無：無

（11）公開時にホームページに掲載する問い合わせ先：

部署等名：総合企画部広報室
電話：042‐327‐5322
e‐mail：publicity@nict.go.jp
URL：http://www.nict.go.jp/