平成18年度年次報告

（1）実施機関名

気象庁地震火山部

（2）研究課題（または観測項目）名

発震機構の自動処理

（3）最も関連の深い建議の項目

• 2．（2）ア．日本列島域

（4）その他関連する建議の項目

なし

（5）本課題の平成16年度からの5ヵ年の到達目標と、それに対する平成18年度実施計画の位置付け

• 5ヶ年の到達目標
  　自動処理技術を元にした発震機構（初動発震機構解、CMT解）決定の速度向上・精度向上
• 平成18年度実施計画の位置付け
  　主に既存の技術・観測データの導入による速度向上・精度向上。

（6）平成18年度実施計画の概要

• 定常的な一元化初動発震機構処理業務への自動処理の導入による決定能力の向上
  　通常のルーチン的な初動発震機構決定作業に初動極性の自動検測処理を導入した。今後は、初動極性の自動検測の精度向上を図ることで検測作業をより一層効率化して処理能力を向上させ、現在の観測網の能力を最大限に発揮できるようにする。また、初動発震機構解の決定精度の評価手法の検討を進め、より高度な地震活動の把握に活用できるようにする。
• F-netの導入促進によるCMT解の決定時間の短縮・精度向上
  　現在の自動CMT決定は気象庁の津波地震早期検知網の広帯域地震計（STS-2型、20点）をベースに運用されている。これにF-netの広帯域地震計（STS-2型、STS-1型約80点）を本格的に導入し、地震の発生場所、規模等に対応して最適の観測点配置を選ぶことによってCMT解決定までの時間の短縮や決定精度の向上を図る。現在は、津波地震早期検知網20点をベースにして開発された観測点選別手法を運用しているが、新たに、津波地震早期検知網F-netの約100点をベースにした観測点選別手法の開発を継続する。

（7）平成18年度成果の概要

• 定常的な一元化初動発震機構処理業務への自動処理の導入による決定能力の向上
  　初動極性の自動検測の精度向上に向けて、人の目が通った通常処理と自動処理の結果の比較を行った。また、初動解の決定精度の評価基準の改良に関して、解のとりうる範囲をP波の放射パターンの相関係数の大小で表す手法を開発し、実データに適用した。
• F-netの導入促進によるCMT解の決定時間の短縮・精度向上
  　津波地震早期検知網F-netの約100点をベースにした観測点選別手法の開発を継続している。現在、過去に日本周辺で発生した地震に適用することにより手法の妥当性・有効性の評価を行っている。また、津波地震等の長周期成分が卓越する地震に対応するため、従来のSTS-2型地震計による波形に比べてより長周期成分を有するF-netのSTS-1型地震計の波形を用いた自動CMT解析の試験運用（自動起動、解析結果の収集）を継続している。

（8）平成18年度の成果に関連の深いもので、平成18年度に公表された主な成果物（論文・報告書等）

なし

（9）実施機関の参加者氏名または部署等名

気象庁地震火山部地震予知情報課　発震機構係

（10）問い合わせ先

• 部署等名：気象庁地震火山部管理課　地震調査連絡係
• 電話：03-3212-8341（内線4514）
• E-mail：jmajishin_kanrika@met.kishou.go.jp
• URL：http://www.jma.go.jp
  （※気象庁ホームページへリンク）