平成18年度年次報告

（1）実施機関名

東京大学地震研究所

（2）研究課題（または観測項目）名

高温高圧下における水−岩石系の物性と破壊・摩擦特性

（3）最も関連の深い建議の項目

• 1（4）イ．地殻・上部マントルの物質・物性と摩擦・破壊構成則パラメータ

（4）その他関連する建議の項目

• 1（4）ア．摩擦・破壊提唱の物理・化学的素過程

（5）本課題の平成16年度からの5ヵ年の到達目標と，それに対する平成18年度実施計画の位置付け

• （a）（蛇紋岩の観測可能物性）
  　沈み込みプレート境界における蛇紋岩のマッピングを目指して，その観測可能物性（地震波速度および減衰，電気伝導度）を，鉱物組成，変形状態，圧力，温度の関数として明らかにすることが到達目標である．18年度実施計画は，17年度に引き続き端成分であるアンチゴライトの弾性波速度および電気伝導度，磁鉄鉱の電気伝導度の解明に取り組む，また変形組織と弾性波速度および電気伝導度との関係を明らかにする．
• （b）（蛇紋岩の変形特性）
  　地震発生領域における「水」の存在については,低周波地震や電磁気学的観測事実からさまざまに推測されているが，その実体についての物質科学的な理解は遅れている．そこで高温高圧変形実験に基づき、（1）下部地殻における地殻変形と岩石-水の有効物性，（2）破壊・摩擦挙動に対する水の影響の観点から研究を推進する．平成18年度は前年度にひきつづき、高温でH₂O（水）を放出する瑪瑙と蛇紋岩を用いた実験を行なう．
• （c）（高温高圧下での弾性波速度測定）
  　地震活動・地殻活動の解明にとって，地下深部における水の発生と挙動を定量的に議論する事は必須の課題である．本研究では，沈み込み帯構成岩石の弾性波速度と減衰係数（Q値）を高温高圧下で含水量の関数として決定し，その結果から地殻・上部マントルの地震波速度構造とQ値構造を定量的に解釈し，低速度層・低Q値層の含水量を求める．そこで含水量をコントロールした地殻・上部マントル岩石について，弾性波速度ならびに減衰係数（Q値）を温度，圧力，含水量の関数として決定する．脱水反応による速度とQ値の変化にも着目する．すでに導入した大型大容量シリンダーおよび温度コントローラを用い，18年度は発生圧力・温度領域の拡張を図り，より高温高圧での信号の取り出しを試みる．また予算が許せば，我々の測定手法にとって最も適切なバッファーロッドである白金棒を導入したい．
• （d）（断層内流体流動）
  　断層内を流動する間隙流体の移動過程と、その流体移動にともなう断層面の接触状態との時間的・空間的相互関係を明らかにすることで、大地震の発生源と考えられるアスペリティの概念モデルを物質科学的アプローチから明らかにする．平成18年度においては、これまでに開発した実験装置を用いて、模擬断層でのせん断変位にともなう流体流動の変化を明らかにする．さらには、アスペリティに相当すると考えられるき裂接触部分の溶解／沈積過程のよる化学的変化過程を明らかにすることにより、フィールド観測の結果から地震発生域として示唆されているアスペリティの概念モデルを物質科学的に明らかにする．
• （e）（高速摩擦特性）
  　断層物質や岩石試料について、高速摩擦試験機や高圧変形・透水試験機を用いた摩擦実験や、変形・透水実験を行なうことで、高速、あるいは高圧などの条件における断層の摩擦特性、透水性などの性質を明らかにすることを目的とした研究を行なう．18年度は特に、中速―高速すべり速度領域での断層物質や岩石試料の摩擦特性を明らかにするための実験研究をすすめる．／地殻流体状態方程式実験装置の高精度化、および摩擦発熱を含んだ摩擦構成則を明らかにすること．
• （f）（広帯域AE計測）
  　室内における三軸圧縮試験において，震源核とその周囲で発生するAEの特徴を抽出し，震源核の性状を明らかにすることを目標とする．AEの活動度と波形の特徴などを総合的に解釈するために，広帯域センサーを用いたAE計測を破壊過程を制御しておこなわれる三軸圧縮試験時に実施することが必要である．平成17年度において決定された試験のコンフィグレーションに従い，計測を実施する．計測に必要なプログラムの作成，第一次本試験の実施，予備解析を実施する初期成果獲得期間として位置づける．
• （g）（岩石の破壊にともなう発光現象）
  　岩石破壊に伴う発光現象を光学的、電磁気学的、鉱物学的な観点から解析し、その機構を明らかにする．発光特性の理解のために平成18年度は単成分系の工業材料の破壊発光の検討を特に分光の可能性に重点を置いて行う．
• （h）（高温高圧下における岩石-水破壊反応過程）
  　平成17年度では，平成16年度の天然における計測結果に基づいて，50度程度までの破壊反応実験を行う．5カ年で300度50MPa（メガパスカル）の環境下での破壊反応を様々な岩石-水系で実施する．常温常圧下の研究はすでに行ったので，17年度では温度を上昇させた実験を行う．
• （i）（組織形成過程の直視観察と動的物理過程のリンク）
  　カリ長石-雲母-水系における変形時の脱水-組織形成過程を検討する．震源域において重要な系の検討と位置づけている

（6）平成18年度実施計画の概要

• （a）（蛇紋岩の観測可能物性）
  　（1）端成分であるアンチゴライトの多結晶体試料を製作し，その弾性波速度，電気伝導度を測定する．（2）磁鉄鉱の単結晶および合成多結晶体の電気伝導度測定を行い，電気伝導度の温度依存性を明らかにする．（3）蛇紋岩試料の組織解析を行い伸張・回転など変形を特徴づけるパラメータおよび磁鉄鉱の分布形態を明らかにし，弾性波速度，電気伝導度と関係づける．東大震研では，岩石変形過程における様々な力学的・電磁気的パラメータの測定を開始する．
• （b）（蛇紋岩の変形特性）
  　沈み込みスラブおよびマントルウェッジを構成するカンラン岩は、様々な程度に蛇紋岩化しているので、そのレオロジーを正確に決定することにより、沈み込み帯のアスペリティーの力学特性やスラブ内地震の発生過程の理解に貢献できると考えられる．東大理と静岡大理のグループでは、800MPa（メガパスカル）以上の高圧条件における蛇紋岩（アンチゴライト）の変形実験をさらに進め、歪速度やアニール時間などのパラメータを様々に変えることによって、脆性−延性転移付近の力学的挙動を詳細に明らかにする．また、蛇紋岩や反応物質（オリビンタルク）の組織を光学顕微鏡や走査電子顕微鏡（SEM）、後方電子散乱像（EBSP）で観察し、流動・破壊のメカニズムを探る．
• （c）（高温高圧下での弾性波速度測定）
  　18年度は，大容量シリンダーおよび温度コントローラによる発生圧力・温度領域の拡張を図り，より高温高圧での測定を試みる．また，正確な測定のために必要な測定系も整備し，アセンブリ内におけるヒータや試料のサイズ・形状等について，精密測定によりふさわしい条件を見い出す．また予算が許せば，我々の測定手法にとって最適なバッファーロッドである白金棒を導入したい．
• （d）（断層内流体流動）
  　開発した封圧下における模擬断層内流体流動実験装置を使用して、封圧下において模擬断層のせん断すべりをともなった透水実験をおこなう．透水試験結果と断層面形状測定結果とに基づいた流動シミュレーションを実施し、断層すべりにともなう流体流動、ならびに断層の接触状態を明らかにする．さらに、封圧下における模擬断層の熱水流動実験を実施し、熱水流動にともなう溶解／沈積に起因する模擬断層内の開口／閉塞状態を明らかにし、断層面同士の接触部分の変化過程を解明する．
• （e）（高速摩擦特性）
  　高速、高圧下における断層の摩擦特性、透水性などの性質を明らかにすることを目的とした研究を行なう．17年度に引続き、ロータリー式摩擦試験機を用いて断層岩や岩石試料などについて、1秒あたり0.1ミリメートル程度の中速域から1秒あたり1メートル程度の摩擦熔融を伴うような高速域における岩石の摩擦特性を明らかにするための研究をすすめる．／ガス圧式変形試験機の圧力釜内にセットして使用するミニピストン・シリンダー式地殻流体実験装置の高精度化に関しては、熱電対をサンプル流体を封入するミニシリンダー内に直接挿入すること、およびミニピストンの運動を圧力釜の外に導くことによって、温度と体積の変化を高精度で測定できるように改良する．摩擦発熱を含んだ摩擦構成則に関しては、特に台湾chelungpu断層で実施されたTCDPのコア試料を分析し、地震学的に求められた集集地震のすべり挙動と併せて検討すること．また、Flash meltingの過程を固着すべり実験から明らかにすること．
• （f）（広帯域AE計測）
  　平成16年度に導入された，500kHz（キロヘルツ），1MHz（メガヘルツ），2MHz（メガヘルツ）に中心周波数を持つ各広帯域センサーを平成17年度に製作・動作確認された圧盤に封入することにより，広帯域センサーを用いたAE計測を破壊過程を制御しておこなわれる三軸圧縮試験時に実施する．計測に必要なプログラムの作成をおこなった後，稲田花崗岩試料を用いた第一次三軸圧縮試験を実施し，AE信号の記録状況の確認および予備解析をおこなう．
• （g）（岩石の破壊にともなう発光現象）
  　これまでの研究成果から発光の強さは構成鉱物の分極の効果に強く依存することが示唆される．この考え方を検証するために単成分系の工業材料を用いた実験を行い破壊発光の機構の理解を深める．これと並行して分光装置を用い、短時間でかつ弱い発光を効率的に解析する手法の開発に継続して勤める．
• （h）（高温高圧下における岩石-水破壊反応過程）
  　水素ガスの生成は，珪酸塩鉱物の新生破壊表面の表面積と線形の関係にあることが見いだされているので，鉱物毎の水素発生能力は常温常圧下では定数として記述できる．しかし，水素発生能力の温度依存性の有無はよくわかっていないので，今年度は50度までの範囲で水素発生能力を検討し，同時に他のガスも併せて検討する．
• （i）（組織形成過程の直視観察と動的物理過程のリンク）
  　日高変成帯，野島断層，車籠埔断層などの野外断層の検討によって，断層の中軸には，層状珪酸塩鉱物が卓越することが確認されている．いずれも長石類の粒径および量比の減少を伴っていることから，カリ長石-雲母-水の反応が断層の軟化をもたらし，また顕著な流動組織を形成するのに大きな役割を果たしているように見える．これらの岩石の組織形成過程と反応過程を同時に調べるため，今年度は，100度，常圧での組織形成と反応過程を理解するよう，実験装置をチューニングする．

（7）平成18年度成果の概要

　蛇紋岩の観測可能物性（a），蛇紋岩の脱水軟化（b），模擬断層のせん断すべりにともなう流体流動とアスペリティ分布（d），摩擦熔融（e），発光現象（f），高温高圧下における岩石-水破壊反応過程（h）に関する研究などが進められた．

• （a）（蛇紋岩の観測可能物性）
  　安定領域が低温であるため，物性測定に適するアンチゴライト多結晶体の合成は困難であると判断した．アンチゴライト結晶粒子の配向が強い蛇紋岩を使用し，多方向での物性測定から物性をテンソルとして求めることを目指した．（1）常温封圧下で18面体に整形した蛇紋岩試料の弾性波速度を測定し，試料の全弾性定数を決定した．アンチゴライトを含む高温型蛇紋岩が低温型に比べて，高速，低ポアソン比であることを確かめた．また，圧力1GPa（ギガパスカル），常温〜600度でP波速度を測定し，a軸に平行な方向が直交する方向に比べて著しく高速であること，温度依存性がa軸方向では小さいことを明らかにした（図1）．（2）磁鉄鉱の合成多結晶体の電気伝導度測定を行い，電気伝導度の温度依存性を明らかにした．単結晶の物性との比較から結晶粒界の伝導が支配的な伝導メカニズムであることがわかった．（3）蛇紋岩中で支配的な電気伝導経路となる磁鉄鉱の分布を調べた．主として，低温型では分散的，高温型では脈状であることが分かった．これは，蛇紋岩化の際に存在した流体の動きを示唆するものと考えている（富山大理）．
• （b）（蛇紋岩の変形特性）
  　「水」が沈み込み帯の岩石の力学的性質に及ぼす影響を調べるため、高封圧（800MPa（メガパスカル））下における蛇紋岩と石英岩（メノウ）の変形実験を行なった．高温型蛇紋岩（アンチゴライト）はこの圧力下で、650度前後で脱水反応を起こし、オリビンとタルクに分解する．遅い歪速度では脱水軟化が起こり、定常的なクリープ挙動がみられたが、速い歪速度では剪断帯の形成とともに歪硬化を起こすなどの興味深い結果が得られた．メノウの変形実験では、歪エネルギーに駆動される再結晶による結晶方位の選択配向がみられた．東大理では、より高圧（〜2GPa（ギガパスカル））を達成できる変形試験機を新たに設計製作中であり、18年度は装置本体が完成した（東大理，静岡大理）．
• （c）（高温高圧下での弾性波速度測定）
  　試料および白金棒と白金円筒を組み込んだ試料アセンブリを新たに設計・製作した．花崗岩試料について白金棒のバッファーロッドを用い，常温高圧下で縦波速度を測定した．さらに昇温し650度，0.5GPa（ギガパスカル）の高温高圧まで縦波速度を測定した．これによって，花崗岩試料の縦波速度の温度・圧力変化のデータを得た（大阪大理）．
• （d）（断層内流体流動）
  　封圧5MPa（メガパスカル）において、およそ0.001ミリメートルパーセカンドの断層変位速度で模擬断層（花崗岩モードき裂）にせん断すべりを発生させると同時に透水性を測定する模擬断層透水実験を実施した．その結果、急激な荷重の解放をともなう地震性すべりが生じ、透水性が急増した．さらに、実験後の破面観察を実施し、破面上に褐色に変色した部位が存在することを見出した．これは、特定の部位において鉱物の変色を生じうる摩擦熱が生じたことを示唆する．また、生成モードの異なるき裂に対して透水試験を実施するとともに、透水シミュレーションを組み合わせることで、垂直応力100MPa（メガパスカル）までの条件において透水性やき裂内流動の違いを明らかにした（東北大環境科学）．
• （e）（高速摩擦特性）
  　ロータリー式摩擦試験機を用いた中すべり速度領域の実験において，トルク計測部に軸力干渉の問題があることが判明したため，軸力の影響を受けないトルクセンサーを開発し，試験機に組み込んだ．これを用いて，外径40ミリメートルの斑レイ岩試料について，1秒あたり0.035〜35ミリメートルの速度レンジでの摩擦実験を行い，定常摩擦の速度依存性を調べるための実験を行った．予察的ではあるが，1MPa（メガパスカル）程度以下の低垂直応力条件下の実験では，大きな負の速度依存性が現れる1秒あたり100ミリメートルを超える高速域の手前に，僅かに速度依存性が正の領域が存在する可能性が明らかになりつつある（京大理）．／地殻流体状態方程式の実験装置を改良し、実験精度を高めた．（純水：圧力50〜200MPa（メガパスカル）、常温〜500度で、体積の誤差1パーセント以下、H₂O（水）10mol（モル）パーセントCO₂（二酸化炭素）：圧力50〜200MPa（メガパスカル）、常温〜300度で、体積の誤差3パーセント以下、H₂O（水）20mol（モル）パーセントCO₂（二酸化炭素）：圧力50〜200MPa（メガパスカル）、常温〜300度で、体積の誤差4パーセント以下）．四万十帯と台湾Chelungpu断層からのシュードタキライトの分析を行った．特にChelungpu断層のシュードタキライト（TCDP hole-B）の溶融度は極めて低く、elastohydrodynamic lubricationが作動したかもしれない浅部の直下では、摩擦発熱による低溶融層がすべりを抑制したかもしれない．この他、固着すべり実験を実施し、数十ミクロンのすべりの後にflash meltingすること、生成されるガウジ自身がすべり距離とほぼ等しいアスペリティーとなり、flash meltingを促進することを明らかにした．また、模擬ガウジを挟んだ固着すべり実験を実施し、リーデルシアがガウジとプレカット面と交わる付近で固着すべりの核が生成されるらしいことを突き止めた（東北大理）．
• （f）（広帯域AE計測）
  　平成16〜17年度に設計された，封圧の影響を受けないようにセンサーが封入できる圧盤の性能向上のために，信号取り出し部に改良を加え，また，ノイズ低減のためにセンサーシールド部を圧盤本体から絶縁させた．稲田花崗岩試料を用いて封圧80MPa（メガパスカル）常温下で三軸圧縮試験を実施し，記録されたAE信号の振幅と卓越周期に正の相関が見られることを示した．このことは，AEの規模と卓越周期の関係が定性的に自然地震と同じであることを示唆されるとともに，広帯域センサーが機能していることが明らかにされた（立命館大）．
• （g）（岩石の破壊にともなう発光現象）
  　破壊発光実験に特化した専用プレス装置を設置し調整・試用を行った．実験環境の移動に伴い、十分な実験時間が取れなかったが、単成分系の工業材料の破壊では、岩石破壊よりもより強い発光が得られることを確認した．圧電に伴う分極と破壊発光の機構の関係の理解、短時間でかつ弱い発光を効率的に分光する手法の開発には次年度以降継続して勤める（京大人間・環境）．
• （h）（高温高圧下における岩石-水破壊反応過程）
  　本年度は（i）より（h）を重点的に実施した．フロースルー型の破壊反応実験機の要である流体接触部分を不活性なセラミクスへ変更し，本体への装着を完了した．昇温用のヒーターを設計し，本体の試料アッセンブル部分への取り付けを可能にした．200MPa（メガパスカル）まで加圧できる油圧ユニットを接続し，上記の各部品を装着後に圧力リーク試験及び昇温試験を行った．また，フロースルー型の破壊反応実験と比較検討するため，Kameda et al.,［2004a］，［2004b］と同様の遠心式ボールミルを用いた密閉型の破壊反応実験を跡津川断層の宮川コアを用いて行った．その結果，断層破砕帯の断層コアへのメタンガス濃集の吸着仮説とダメージゾーン部分からの破壊放出仮説を得た．この成果は，今後フロースルー型の破壊反応実験機において行われる「放出-吸着プロセスの検証」のための重要な基礎実験と考えられる（東大理）．

（8）平成18年度の成果に関連の深いもので，平成18年度に公表された主な成果物（論文・報告書等）

• Watanabe, T. H. Kasami and S. Ohshima, Compressional and shear wave velocities of serpentinitzed peridotites up to 200 MPa, Earth Planets Space, in press.
• 清水以知子，構造地質学における実験技術．構造地質，49，1-4，2006．
• 熊澤峰夫・清水以知子，日本における固体圧変形実験装置の開発と研究の系譜．構造地質，49，5-14，2006．
• 清水以知子・道林克禎・渡辺悠太・増田俊明・熊澤峰夫，固体圧変形実験装置MK65Sの設計と性能：内部摩擦の評価．構造地質，49，15-26，2006．
• Michibayashi, K. and Murakami, M., 2007. Development of a shear band cleavage as a result of strain partitioning. Journal of Structural Geology, in press.
• Michibayashi, K., Abe, N., Okamoto, A., Satsukawa, T., Michikura, K., 2006. Seismic anisotropy in the uppermost mantle, back-arc region of the northeast Japan arc: petrophysical analyses of Ichinomegata peridotite xenoliths. Geophysical Research Letters, 33, L10312, doi:10.1029/2006GL025812.
• Michibayashi, K., Ina, T. and Kanagawa, K., 2006. The effect of dynamic recrystallization on olivine fabric and seismic anisotropy: Insights from a ductile shear zone in the Oman ophiolite. Earth and Planetary Science Letters, 244, 695-708.
• Okamoto, A. and Michibayashi, K., 2006. Misorientations of garnet aggregate within a vein: Implications for timescale of vein formation during metamorphism. Journal of Metamorphic Geology, 24, 353-366. doi:10.1111/j.1525-1314.2006.00642.x
• 道林克禎，2006．かんらん岩の構造解析と地球内部のレオロジー．日本レオロジー学会誌，34，291-300．
• 佐藤博樹（2006）大容量シリンダーを用いた高温高圧下における岩石-水系の速度とQ値の精密測定，基盤研究（C）（2）研究成果報告書，163pp．
• Kanazawa, H., K. Ito, H. Sato, M. Kumatoriya, K. Miyazaki, S. Uehara, K.Kuzawa, N. Kawame, T. Kitazawa, O. Tamada and H. Takei (2007) Synthesis of large homogeneous Mn-doped forsterite single crystals, J. Crystal Growth, in print.
• 渡邉則昭，平野伸夫，玉川哲也，手塚和彦，土屋範芳，封圧下透水実験に基づいたき裂型油ガス貯留層の生産性予測に関する基礎的研究．［石油技術協会誌，71（2）,（2006），217-226］
• 石瀬康浩，狩野真吾，関根孝太郎，土屋範芳，中部領家帯に分布する領家花崗岩類の巨視き裂構造と弾性波伝播速度との関係．［資源と素材，122（2），（2006），56-64］
• 原淳子，土屋範芳，熱水流通試験に基づく変質岩石の固-液界面構造の評価．［日本地熱学会誌，28（1），（2006），95-106］
• Nemoto, K., H. Oka, N. Watanabe, N. Hirano, and N. Tsuchiya (2006), Evaluation of fluid flow path in a single fracture undergoing normal stress and shear offset, [WATER DYANMICS: 3rd International Workshop on Water Dynamics, AIP Conf. Proc., vol. 833, edited by K. Tohji et al., 156-161, AIP, New York.]
• Nemoto, K., N. Watanabe, H. Oka, N. Hirano, and N. Tsuchiya (2007), Experimental and numerical evaluation of anisotropy of fluid flow affected by aperture distribution of sheared rock fracture under normal stress, Water Resour. Res., submitted.
• Watanabe, N., Hirano, N. and Tsuchiya, N. (2007) Determination of aperture structure and fluid flow in a rock fracture by a high-resolution numerical modeling on the basis of a flow-through experiment under confining pressure. Water Resour. Res., submitted.
• Sakuma, H., Otsuki, K. and Kurihara, K., 2006, Viscosity and lubricity of aqueous NaCl solution confined between mica surfaces studied by shear resonance measurement. Phys. Review Lett., 96, 046104, DOI:10.1103/PhysRevLett.96.046104.
• Mukoyoshi, H., Sakaguchi, A., Otsuki, K., Hirono, T., and Soh, W., 2006, Co-seismic frictional melting along an out-of-sequence thrust in the Shimannto accretionary complex: Inplications on the tsunamigenic potential of splay faults in modern subduction zones. EPSL, 245, 330-343.
• 内田良始・大槻憲四郎，2006，臨界点近傍での地殻流体P-V-T連続測定装置の開発．構造地質研究会誌，構造地質，49，41-48．
• Hirono, T., Ikehara, M., Otsuki, K., Mishima, T., Sakaguchi, M., Soh, W., Omori, M., Kin. W., Yeh, E. C., Tanikawa., W., and Wang, C. Y., 2006, Evidence of frictional melting within disk-shaped black materials discovered from the Taiwan Chelungpu fault system. GRL, 2006GL027329R.

（9）実施機関の参加者氏名または部署等名

吉田真吾・中谷正生

（10）問い合わせ先

• 部署等名：東大地震研究所
• 電話：03-5841-5814
• E-mail：shingo@eri.u-tokyo.ac.jp
• URL：http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/YOSHIDA-LAB/index.html
  （※吉田研究室ホームページへリンク）