測地学分科会(第37回)・地震火山部会(第28回)合同会議 議事録

1.日時

平成29年9月4日(月曜日)13時00分~15時51分

2.場所

文部科学省 15F特別会議室

3.議題

  1. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成28年度年次報告【成果の概要】について
  2. 地震火山観測研究における年次基礎データ調査について
  3. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成29年度年次報告【機関別】について
  4. 「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の外部評価報告について
  5. 次期観測研究計画の検討について

4.出席者

委員

(委員)鈴木、平田
(臨時委員)市原、榎原、加藤(照)、上垣内、久家、小平、清水、棚田、中田、松澤、石川、尾崎、加藤(尚)、関口(渉)、仲西、森田、山元
(専門委員)井口、関口(春)、寺川、宮澤、森岡、山中

文部科学省

大山審議官、竹内地震・防災研究課長、松室防災科学技術推進室長、中村地震調査管理官、浦谷地震火山専門官、三浦科学官、鶴岡学術調査官

オブザーバー

灘井

5.議事録

[委員の出欠状況など]

・委員の交代:中村臨時委員に代わり尾崎友亮臨時委員が就任。
・委員の出欠状況:小原臨時委員、田村臨時委員、西村臨時委員、矢来臨時委員、三宅専門委員が欠席。久保田臨時委員の代理として情報通信研究機構の灘井主任研究員がオブザーバー参加。
・事務局の異動:白間竜一郎大臣官房審議官(研究開発局担当)に代わり大山真未審議官が着任。谷広太前地震・防災研究課長に代わり竹内英課長が着任。

[議事1.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成28年度年次報告【成果の概要】について]

【平田分科会長】  それでは、議題に入ります。
 議題1、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成28年度年次報告【成果の概要】について、事務局から御説明をお願いいたします。
【浦谷地震火山専門官】  まず、参考資料1をごらんいただければと思います。
 前回第27回の地震火山部会で平成28年度の【成果の概要】の作成方針に関して御議論していただきました。専門家以外の方々でも興味のある方に関して、どういう計画、また、どういう成果があったかといったことを分かりやすく、また、具体的な成果が分かるように取りまとめるということにつきましては、例年どおりでございます。また、平成28年度の成果の特出しといたしまして、平成28年熊本地震をトピックスとして扱っております。これらの取りまとめに関しましては、地震・火山噴火予知研究協議会の御協力を頂きまして、取りまとめ委員として前回の地震火山部会で選出いただきました宮澤委員、市原委員、また、学術調査官を含めた事務局で取りまとめました。
 資料に関しましては、資料1-1が【成果の概要】の本文及び用語集になります。こちらにつきましては、委員の皆様に事前に送付させていただきました。修正意見については特になかったんですけれども、事前送付させていただいたものから少しだけ文言等の修正をしております。
 資料1-2は参考資料になりますが、こちらについては、本日は特に御審議いただく予定ではございません。御審議いただく際の参考にしていただければと思います。最終的にはホームページに掲載するとともに、冊子化して関係者にお配りしたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、本日は、資料1-1の【成果の概要】(案)となってございますが、これを御審議いただいて、部会としてまとめていきたいと思います。
 それでは、取りまとめをお願いいたしました宮澤委員と市原委員に内容についての御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
【宮澤専門委員】  前回部会において取りまとめ委員を仰せつかりいたしました宮澤です。前回の会議から今までの間に、市原委員と私が中心となって【成果の概要】の案を作成しました。本案の作成に関しては、先ほど御説明がありましたように、地震・火山噴火予知研究協議会の全面的なバックアップを頂いております。そのほか、ここにおられる方々を含め多くの研究者の方々による御努力により、本案が作成されました。
 それでは、中身に入っていきたいと思います。資料1-1のまず表紙をめくっていただいたところに目次があります。この目次を使いまして、大体中身がどのようになっているかを説明したいと思います。
 「はじめに」がありまして、その次、先ほど御説明があったとおり、トピックスとして「平成28年(2016年)熊本地震に関する研究成果」が述べられております。それから、3番目の「平成28年度の成果の概要」についてです。これについては、建議の大項目に沿って、それぞれ3-1から3-4まで研究成果が報告されております。3-5に関しては、特に建議で項目立てをさているわけではありませんが、優先度の高い地震・火山噴火に位置付けられている内容について説明されております。4番目に「まとめ」があり、その後に図とその説明があります。そして最後に用語解説が付いております。それ以降の「参考資料」についてはあくまで参考資料という扱いですので、今回はこの上の分まで、「はじめに」から「まとめ」、それと用語解説について審議いただきたいと思います。
 それでは、1ページ目、「はじめに」ですが、ここでは現計画についての概要が述べられており、2ページ目の最後の方には、平成28年度の成果について分かりやすくその成果を報告する、それをまとめたのがこの【成果の概要】であるということが述べられております。
 続きまして、3ページからが実際の成果の中身になっております。
 まず、2ですが、「平成28年(2016年)熊本地震に関する研究成果」ということで、その成果が3ページほどにわたって報告されております。御存じのとおり、平成28年度に熊本地震が発生しました。本計画は、災害誘因の予測に基づき災害の軽減に貢献することを目指している計画です。このような目的を持った本計画において、この熊本地震の発生というのは極めて重要な意味を持っているため、熊本地震に関する研究成果をトピックスとして取り上げております。
 その中身ですけれども、2-1、2-2、2-3と3つのサブセクションに分けておりますが、それぞれ「地震現象・構造に関する研究」、それから「阿蘇山との関連」、それから2-3では「災害および災害予測に関する研究」というふうに分けております。
 これから説明する内容ですけれども、全てを説明していくととても時間が足りませんので、後ろの方に図の付いている研究成果について主に説明していきたいと思います。それは熊本地震のこのトピックスに限らず、後の方で説明いたします研究結果についても同様です。
 まず2-1ですが、第1段落目には、熊本地震を引き起こした断層についての説明があります。その図がページでいくと20ページです。「熊本地震の断層」という題で、図1、宇宙測地技術により求められた2016年熊本地震の断層というものがあります。これは、図1をお見せしながら説明しますと、上の図が衛星によって捉えられた熊本地震に伴う地表の変動というものになります。そういった観測に基づき断層のジオメトリーを推定したということになります。その形状を3次元的にお見せしたのが、その図1の下の図になります。
 続きまして、本文の3ページに戻りますと、第2段落では、地震活動に関する研究成果が報告されています。それに対応する図が21ページの図2になります。上の図に関しては、熊本地震の前震が発生してから本震が――本震と申し上げますのはMj7.3の地震ですが、その本震が発生するまでの地震活動を緑色、本震が発生してから後の地震活動を青色で示しておりますが、それらの地震活動がどのように分布していたかというものを示しております。上の左側には、少し斜めの方向から見た地震活動の3次元的な震源分布というものを示しております。また、本文中の先ほどの3ページの下の段の方になりますけれども、前震活動が発生してから本震が発生するまでの間の地震活動の変化というものを図示しております。前震活動が発生して、その前震活動は徐々に徐々にその発生範囲を広げて、M7.3の本震の震源近くまでその活動が広がっていったということが分かりました。
 2-2の「阿蘇山との関連」については、市原委員からお願いします。
【市原臨時委員】  例年の【成果の概要】では、トピックスとして地震と火山それぞれのイベントを取り上げていたんですけれど、今回は熊本地震ということで、その中での火山の活動ということで、2-2.「阿蘇山との関連」を設けました。
 ここでは、まず第1段落目で、熊本地震より前に2014年から始まっていました阿蘇山の活動の推移について、一連の現象を書いております。その中で熊本地震が起こって、その直後に起こった小規模の噴火と2016年10月8日に生じました規模の大きな噴火について述べています。
 また、研究だけではなくて、熊本地震によって阿蘇山の観測網自体が大きな被害を受けました。その復旧に当たり、本計画の参加研究者を中心とするグループで復旧活動を進め、10月8日の大きな噴火の前兆過程が捉えられたということが述べられています。
 また、地震と火山の相互作用ということで、図3の研究成果が紹介されています。図3をごらんください。22ページにあります。これは、熊本地震によって引き起こされた応力場の中で、阿蘇山のマグマ溜まり、いろんな地殻変動等の観測から推定されています位置に半径1キロの球形のマグマ溜まりを仮定して、そこでどのような差応力が生じるかというのを計算した結果です。この図、上の方では、熊本市とか益城町、草千里といった一般の方でもスケール感が分かるような形で図を作り、また、下の図は非常に苦労されたんですけれど、熊本地震による断層の応力場を示している面とマグマ溜まりの位置の面が違うために、ちょっと色合いを変えて表示しております。
 以上です。
【宮澤専門委員】  続きまして、2-3.「災害および災害予測に関する研究」です。
 この中では、その第2段落目に図4が紹介されておりますが、図4は23ページにあります。リアルタイムGNSS解析システムによる熊本地震の震源断層モデル準リアルタイム推定ということです。いわゆるREGARDと呼ばれるシステムでして、上の図を見ていただくと、横軸が時間で、縦軸が変位になっており、地震が発生して地震の波が観測されて、その後、永久変位が観測されておりますが、それぞれの時刻のタイミングで、この熊本地震の断層がどのようになっているかを逐次推測・推定した結果になっております。290秒のところが第4報で、その後、最終報というのが右側に少し大きめに描かれていますが、地震発生から約5分程度でその熊本地震の断層というものが即時に推定されたという成果になっております。
 それから、この2-3に関しては、4ページの下の方からありますけれども、熊本地震に関するシンポジウムというのを、研究者だけではなくて一般の方々向けに行ったことも報告しております。
 続いて、3.「平成28年度の成果の概要」の方に移っていきます。ここからは、建議の大項目あるいは中項目、小項目に沿ってそれぞれ成果というものが述べられておりますが、先ほど申し上げたとおり、全て紹介するにはちょっと時間が足りませんので、図があるところに関してのみ、この場では御説明いたします。
 3-1の(1)、片仮名でイと書かれている「考古データの収集・集成と分析」については、24ページに図5があります。図5に関しては、真ん中左側にあるとおり、考古資料に基づく地震痕跡というものがありますが、それが大体いつぐらいに地震があったかということが分かる調査結果です。それと、文献資料に基づく被害地震というのはまた別にありまして、それらを照合させて、歴史地震の実像解明につなげようという研究です。そういったことに関して研究成果が上げられました。
 1枚めくっていただいて本文の6ページですが、次に(2)「低頻度大規模地震・火山現象の解明」、ア.「史料、考古データ、地質データ及び近代的観測データに基づく低頻度大規模地震・火山現象の解明」ということで、第1段落目に図6が紹介されております。図6は25ページにあります。海岸段丘の年代を再評価・再調査して、元禄型関東地震の履歴を再評価したというものです。右上の図にありますように、それぞれの段丘が形成された年代について、これまでよりやや新しくなったということが分かり、また、その再来期間等に関しても再評価されました。
 飛びまして、次は同じ(2)のイ.「プレート境界巨大地震」についてです。ここについては図のある成果が2つ報告されております。図7と図8の2つです。それぞれ26ページ、27ページにあります。
 まず、図7ですが、2011年東北地方太平洋沖地震後の地殻変動についてで、宮城県沖から岩手県沖南部においては、西向きの水平変動というものが海域で観測されておりますが、これは粘弾性緩和による影響であると考えられます。一方で、福島県沖から茨城県沖、やや南部の方ですけれども、そちらではプレート境界面上での余効滑りに起因すると考えられる東向きの変位が観測されているということです。
 続きまして図8ですが、こちらでは南海トラフプレート境界の滑り欠損分布をまとめたということになります。昨年度の報告では南海トラフの海底地殻変動というものを捉えたという報告になっておりますが、その観測結果を用いて、今度は滑り欠損分布を推定したということになります。上の図で赤いところがプレート間の滑り欠損の大きい領域となっております。それらが過去の南海トラフ巨大地震の発生時の大きな滑り域と対応しているのではないかという結果になっております。
 続いて、本文中に戻っていただきまして、7ページの(3)「地震・火山噴火の発生場の解明」、ウ.「内陸地震と火山噴火」について説明いたしますが、これは28ページの図9にあります。2011年東北地方太平洋沖地震に伴う余効変動解析するに当たって、モデル計算と観測値とを比較しました。地下構造において粘性率の分布をある程度仮定して、実際に観測をどれだけ説明できるかということを目指した研究です。フィギュアキャプションに書かれているとおり、仮定した粘性構造、あるいは蛇紋岩低粘性帯を考慮することで、観測結果をモデルがよく説明できるという結果を得ております。
 続きまして8ページになりますけれども、「地震現象のモデル化」で、イの「断層滑りと破壊の物理モデルの構築」というところに図10という研究成果があります。そもそも地震の発生に関しては流体が非常に強く関与しているという示唆がこれまでの研究でありますが、そういった流体の存在に関して、透水と不透水層の境界の形成というのを明らかにしていこうという研究です。これは実験を用いた研究成果でして、図では縦軸が深さになっておりますが、それは温度に対応すると考えていただくと、350度の温度付近で急激な溶解による流体貯留スポットが形成されたというのが図10の(b)にあります。その更に下の方の400度前後のところ、ちょうど赤い線が引かれているところだと思っていただいて結構ですけれども、そこではシリカの急激な沈殿によって不透水層が形成されていまして、(c)の葛根田地域の地下構造と比較することで対応させております。
 (5)については、市原委員からお願いします。
【市原臨時委員】  「火山現象のモデル化」に関しましては、引用されている図は今年度はありません。全体の流れについて説明します。
 「火山現象のモデル化」は、「マグマ噴火を主体とする火山」と「熱水系の卓越する火山」、この2つに大きく分かれています。
 「マグマ噴火を主体とする火山」に関しましては、まず、1段落目で桜島に関する研究成果が紹介されています。桜島に関しましては、最近、噴火がやや減少しつつあるんですけれど、それまでの高頻度で発生していましたブルカノ式噴火に関する多項目観測のデータ解析を更に進めたということです。また、2015年の8月15日に発生しましたマグマ貫入イベントに関する現象についても、そのダイクの貫入過程について理解が進みました。そのほか、伊豆大島、霧島、西之島の研究成果が紹介されています。
 「熱水系の卓越する火山」に関しましては、幾つかの火山での比較研究という形で研究が進められています。十勝岳の消磁に関する研究が1段落目で述べられています。草津白根に関しましては、観測のほか、熱流体の数値計算を行い、火山ガスの地下からの供給が火口湖の熱水とどのように相互作用しているかというようなことについて推定が行われました。そのほか、御嶽山、口永良部島、箱根大涌谷について研究成果が紹介されています。
【宮澤専門委員】  続きまして、10ページの3-2.「地震・火山現象の予測のための研究」、これは建議の大項目の2番目に相当します。(1)は「地震発生長期評価手法の高度化」ということで、シミュレーションに関する研究等が行われました。
 (2)は「モニタリングによる地震活動予測」ということで、それぞれ、ア.「プレート境界滑りの時空間発展」、イ.「地殻ひずみ・応力の変動」、ウ.「地震活動評価に基づく地震発生予測・検証実験」が行われました。
 図があるのは、12ページになりますが、(3)「先行現象に基づく地震活動予測」ということで、(3)の一番下の段落になります。それが30ページの図11です。巨大地震に先行する電離層の電子数密度変化ということです。これまでの研究で、巨大地震、つまりMwが8.2より大きい地震の先行現象として、1時間程度先行して発生すると言われている電離層全電子数、いわゆるTECですけれども、その変化というものがありますが、それを複数の地震について調べた結果です。図11で描かれているのは、2015年のチリ沖イヤペル地震(Mw8.3)の発生直前のTECの3次元的な分布を示しております。低い高度のところには正の異常が見えて、高い高度のところには負の異常が生じていることが分かったことが報告されております。
 続きまして、(4)については、市原委員お願いします。
【市原臨時委員】  (4)「事象系統樹の高度化による火山噴火予測」ということに関しまして、まず、事象系統樹を作るための地質学的な調査が更に進められたことと、ファクトを並べるという形での事象系統樹の作成が進められています。また、分岐現象、分岐というのは一つのキーワードになっているんですけれど、事象系統樹の中で異なるプロセスが分かれるような現象が何であるか、その本質的な理解というのが研究計画に含まれています。それに関する研究も進められました。そのほか、グローバルな巨大地震と噴火のカタログを統計的に解析しまして、地震の後に火山噴火が増加するという、既に知られてはいることなんですけれど、それを最近のより確度の高いデータを使いまして解析した結果、大きな地震の後には数年間にわたって火山噴火が約50%増加しているという結果が得られています。
 この事象系統樹のためには、できる限り噴火の事例、その推移のデータが必要になります。そのために、衛星を利用した火山の広域のモニタリングのシステムが作られています。これは図12に紹介されている研究計画です。31ページにあります。長年にわたって開発されてきたこの火山衛星監視システムなんですけれど、今年度の特記する改良としましては、高頻度の「ひまわり」のデータを自動的にダウンロードして、その解析を行うということで、火山噴火現象の推移がより詳細に分かるようになりました。またさらに、幾つかの高分解能で熱赤外映像が送られてくる他の衛星のデータと併せまして、噴火がどういうふうになったかということが明らかになりました。具体的には、これはインドネシアのラウン火山、2015年の噴火の例ですけれど、以上のデータを併せまして、溶岩噴出とか爆発とか減衰の過程というのが明らかになりました。この研究は、後で技術の開発のところでも引用されています。
【宮澤専門委員】  続きまして、13ページの3-3.「地震・火山噴火の災害誘因予測のための研究」です。これも建議の大項目の3番目に対応いたします。ほかの研究項目に比べると、より社会科学との連携が強い研究の成果がここでは報告されております。
 (1)「地震・火山噴火の災害事例の研究」ということで、過去の歴史地震等の調査等が行われたことが記されております。
 (2)については、市原委員お願いします。
【市原臨時委員】  (2)も図で示されている研究成果です。図13、32ページにあります。これは、桜島の大正噴火規模の噴火を想定して、どのくらい避難に掛かるかというのをシミュレーションした結果です。そのまま全住民が避難する場合には50時間掛かるということを基本にしまして、避難意向、広域の避難の意思を持つ住民の数をアンケート調査したり、あと、風向きによる降灰によってそれぞれどのくらいの住民の人が避難しなきゃいけないかということも考慮してシミュレーションをし直しました。さらに、そうやって人数とか領域が減ることだけではなくて、事前に避難準備情報等を出すことによって避難時間が大きく短縮されるというような結果が得られています。
【宮澤専門委員】  続きまして、(3)「地震・火山噴火の災害誘因の事前評価手法の高度化です。本文では14ページになりますけれども、図は33ページに図14が紹介されております。図14ですが、南海トラフ巨大地震による高知県での地震被害リスクを示した図です。実際に地震被害リスクを評価するためには様々なプロセスがありまして、まず、震源がどのような震源か、また、地震動がどのようなものか、地盤増幅率がどうであるか、構造被害がどうであるか、建物損失についての予測はどうであるか、また、最終的には人的被害がどうなるかというものについて、様々なモデルがありますが、そのモデルの組み合わせによって最終的なリスク評価の不確実性というものは変化してきます。こういったモデルの不確実性を全て考慮することでリスク評価を行い、リスク評価の不確実性の評価を行ったという研究結果になります。図14については、高知県の場合について棟死亡率のばらつきと、平均値を表示しております。
 続きまして、(4)「地震・火山噴火の災害誘因の即時予測手法の高度化」です。緊急地震速報の予測の高度化という報告がありまして、それが34ページの図15になります。不均質減衰構造の導入による地震動即時予測の精度向上ということで、タイトルにありますように、不均質な構造を考えて即時予測手法の高度化を図った研究成果です。図15の一番上には地震波の減衰、これは内部減衰ですけれども、そういった減衰構造がどのようになっているかということと、あと散乱ですが、散乱の強いところ、弱いところがどのようになっているかという、そういった構造のモデルを使って地震動即時予測を行ったということです。真ん中の図の一番左が、実際に熊本地震の本震が発生したときのある時刻の震度の実況値を表しております。そこから10秒後の震度を予測したのが真ん中の図になっております。その10秒後の実際の震度の分布というのは更に一番右の図になっておりまして、それらを比較するとよく合っているということです。一番下に、単に均質な構造を用いて予測した場合と、今回の不均質な構造を用いて予測した場合の誤差というものを示しておりますが、均質な構造のみを仮定した場合に比べて、不均質な構造を考慮すると、その予測誤差というものは約10%程度減少して、精度向上が見られたという報告になっております。
 さらに、(5)の「地震・火山噴火の災害軽減のための情報の高度化」ということについても成果が上げられております。
 続きまして、同じく15ページの3-4.「研究をするための体制の整備」についてです。これも建議の大項目の4番目に該当しますが、先ほどと違って少しそれぞれの中のサブセクションの構成が変わっております。まず、「研究基盤の開発・整備」についてですけれども、「地震・火山現象のデータベースとデータ流通」というものがあります。また、「観測・解析技術の開発」ということに関しても、地震・火山ともに成果が上げられております。まず、35ページの図16について説明いたしますが、日本海溝海底地震津波観測網(S-net)の整備についての報告になっております。平成28年度には、35ページの図16の左側にある通り海溝軸外側の敷設工事を実施しました。実際にデータ配信も気象庁へ行われ始めまして、右下の図にあるような地震波形や水圧波形が記録されたということになっております。
 それから、火山についても報告がありますので、市原委員お願いします。もう一度、図12の説明の必要ありますか。
【市原臨時委員】  はい。先ほど御紹介しましたように、図12を再びここで引用しています。ここで、先ほど述べたことプラス、このシステムは一般公開用のウエブシステムも開発が進められていまして、今年度中に公開の見通しと聞いております。
【宮澤専門委員】  16ページに移っておりますが、「社会との共通理解の醸成と災害教育」ということで、熊本地震のときにも少し触れましたが、熊本地震シンポジウムというものを一般に公開して行いました。
 続きまして、「国際共同研究・国際協力」ということについても成果は上げられております。
 次、3-5.「優先度の高い地震・火山噴火」ですが、これは実際に建議には項目立てされておりませんが、建議の中に、優先的に取り組む項目として、東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、首都直下地震、桜島火山噴火というものが例として4つ挙げられております。東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、桜島火山噴火については、すでにこれ以前にたくさん説明したとおり成果がありますので、割愛しますが、首都直下地震についてほとんど触れられていなかったので、ここで簡単に触れますと、首都直下地震の研究については、災害誘因予測に必要な観測網の維持が行われて、データもたくさんとられました。こういった機器によって観測されたデータと地震災害に関する史料と比較することで、過去に甚大な被害をもたらした首都直下で発生した大きな地震の地震像が明らかになる可能性が出てきました。
 最後、4.「まとめ」ですが、2ページにわたって書かれております。
 段落が2つに分かれておりますが、最初の段落については、平成28年度には熊本地震が発生したということがまとめとして書かれております。また、同じく平成28年の4月1日、三重県南東沖でM6.5の地震が発生したということが書かれています。これは研究成果としてここに入れるかどうか、トピックスとして取り上げるかどうかも議論しましたが、結果的にほとんど本文中に書いておりません。この地震は、実際にほとんど被害を及ぼさなかったわけですが、震源が昭和の東南海地震、南海地震の震源近くにあるということと、最近、南海トラフでは大きな地震が発生していなかった、そういった場所で発生したことから、非常に大きな注目を集めておりました。そして、この地震についても研究成果が徐々に上がりつつあるということの報告をしております。この段落のまとめとしては、災害誘因に関しての理解を深めるためには、災害誘因発生後や発生中の現状把握力の向上と継続的なデータの収集が必要であるということと、さらに、災害軽減に資するための観測システムとして、地震発生後の津波検知などのための海域観測網や、火山衛星監視システムなどの整備・維持も不可欠であるといった、観測網の維持と、あと実際にデータを収集するということの重要性をここでまとめております。
 次の段落については、本計画から新しくなったこととして、工学あるいは人文・社会科学分野の研究者との連携というものが書かれています。その連携によって既に幾つか成果が上がってきておりますので、引き続きこの連携を強化していく必要はあるということでまとめております。
 それから、説明をしておりませんでしたが、19ページに【成果の概要】の概念図というものがあります。これは平成28年度に限りませんが、本計画の概念図というものが記されており、下半分には、平成28年度の成果について、それぞれの全体像に対して主要な成果というものを吹き出しで書いております。吹き出しの中には、簡単にそれぞれの研究の題目と、あと詳しく記された内容についてのページと図の番号が記されております。
 図の後には、36ページからは用語解説が付けられております。
 以上です。
【平田分科会長】  ありがとうございました。宮澤委員、市原委員には大変な御苦労をしてここまでまとめていただきまして、ありがとうございます。
 それでは、頂いた、これは案ではございますけれども、きょう審議をして、これで主査預かりで事務局がまとめるということになりますので、集まって議論するのはきょうが最後ですから、重要なことは漏れなく頂きたいと思います。とはいっても、そんな物すごく時間があるわけではないので、ちょっとビハインドしていますけど、30分ぐらいはまだありますので。
 まず、事実関係というか、全体のことについて、御意見があればお願いしたいと思います。ここにはほとんど専門家ばっかりというか、全部専門家ですから、自分の専門のところは本当に専門的な見地から御意見を頂いて、自分の専門でないところは一般の人になったつもりで、これで分かるのかという観点から見ていただくということが重要です。それで、最初にかなり何度も強調されていることは、この28年度年次報告【成果の概要】は、難解な学術用語をなるべく避け、平易な文章で学術成果を記述することを心掛けたと言っておりまして、一生懸命努力していただいたことは認めるんですが、依然としてなかなか難解なことが多々ありますので、そういう観点からも、私の専門からはこの言葉では分からんという人がいたら、是非。
 皆さん考えている間、私、しゃべっているので、何か思い付いた人はどうぞ御発言ください。じゃあ、時間がもったいないですから、考えていてください。
 ちょっと事務局というか、宮澤さんに質問ですが、21ページの図2の3次元的な地震の分布の絵なんですけど、これは、一応、私、地震の専門家として見ると、こういう絵は普通はなくて、できれば地表面に上にふたして色付けるか何かしてくれないと、これ、かなりシュールな感じがして、一体何を見ているか分からなくて、だから、一番簡単な修正方法は、4本柱が立っているものの間を結んでひし形にして、できればそっちに茶色か何かの色を付けて、下の方は深いところはどこまであるか分からないんだから、ここで切らない方がいいかなという気はますけど。最低限、上に線を引くぐらい。これ、私、今、時間つぶしているだけですから、本質的なことじゃないです。
 皆さん、本質的なことを言ってください。はい、中田さん、どうぞ。
【中田臨時委員】  地震研究所、中田です。ちょっと専門的なことになりますけど、市原さんがまとめられた部分で、2-2の4ページの阿蘇山の噴火ですね。1段落目の終わりの方に、「規模の大きな爆発的噴火が発生し、一連の噴火活動が終了した」って書いてあるんですけど、これ、取りまとめの時点では「終了した」というのは多分言い過ぎだろうと思うので、「終了したものと考えられる」とか、そういう形の方がよいと思います。それから、「爆発的噴火」というのもそれまで全然使ってないので、これはただ「規模の大きな噴火が発生した」でいいのではないかという気がします。多分この頃はまだGPSの膨らみでマグマ溜まりの膨張が続いていたとは思いますので、そういう具合の方がいいのではないかという気がします。
 それからもう一つ、ついでに「爆発的」という噴火のことで、9ページの西之島がありますけど、9ページの下から2段落目の最後のところに「爆発的な噴火が生じなかったと推察された」。推察されたのはいいいんですけど、この場合の「爆発的な噴火」は、実際にはストロンボリとかブルカノ式噴火は起きているので、ここは、「溶岩流出を中心とする噴火が生じた」ぐらいにした方がいいと思います。
【平田分科会長】  済みません、9ページの下から何行目ぐらい?
【中田臨時委員】  下から6行目。
【平田分科会長】  6行目、はい。
【中田臨時委員】  「爆発的な噴火が生じなかった」とありますけど、これは「溶岩流出を主とする噴火が生じたと推察された」がいいと思います。
【平田分科会長】  もし市原さん、何かコメントあれば。
【市原臨時委員】  いえ、御意見のとおり修正いたします。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 ほかにございますか。はい、どうぞ。
【関口(春)専門委員】  関口です。
 最初の2-1か、その前の2の頭のところでいいかもしれないんですけれども、熊本地震に関する成果というか、一般的なことになっちゃうかもしれないんですが、震度7を2回受けた地域が出たということとか、余震が非常に多い地震だったということを、この地震に関しては述べるべきかなと思いました。
 これに関しては以上です。
【平田分科会長】  宮澤さん、どうですか。
【宮澤専門委員】  御指摘ありがとうございます。特に震度7を2回受けたということについては、観測史上初めてのことであります。実は熊本地震の成果に関しても全てこのトピックスに入れようかと思ったのですが、なかなかそうもいかないところがありまして、例えば今の震度7を2回記録したということに関して、済みません、どこかに書いてあるのですが、今ちょっと探しているところですが、例えばそちらの方に書いてあった内容を熊本地震の最初のところに移し替えることで対応できるかと思います。
 それから、余震活動についても、熊本地震の地震活動についての研究成果というものが同じくこの本文中に記されております。それも実はトピックスとして2の方に取り上げようと思いましたが、全体的なバランスを考えますと、地震活動の詳細については3の本文中に入れておいた方がいいと判断していました。しかし、最初に指摘された震度7を2回記録したことについては非常にインパクトが大きく、重要なことだと思うので、トピックスの最初の方に移動しようかと考えております。ありがとうございます。
【平田分科会長】  恐らく【成果の概要】の作り方として、それぞれの研究成果が、きょうは議論しない資料1-2の参考資料があって、それを基にして作っていったので、研究のグループはもう既に震度7が2回あったということは研究するまでもなく当たり前なので、どこにも取り上げられていなかったから、あんまり明示的にはなってない可能性はあります。ただ、御指摘のように、これを分かりやすくするという観点から、最初に熊本地震を取り上げていただいたのであれば、その地震を一言でどういう特徴があったというのはあった方が読者には親切だと思いますので、ちょっとその辺は御配慮ください。だから、2-1の前の「熊本地震に関する研究成果」というところの辺りにさらっと書くことはできるんじゃないかと思います。
 ほかにございますか。はい、鈴木さん。
【鈴木分科会長代理】  非常に細かいことなんですけど、図14の中の「人的被害(棟死亡率)」と書いてございますが、「棟死亡率」という言葉は余りポピュラーではないような気がするんですけど、もう少し説明をどこかで付け加えていただければと思いました。
 以上です。
【平田分科会長】  ありがとうございます。そもそもどういう意味なんですか、これ。
【宮澤専門委員】  御指摘いただいた33ページの図14の「棟死亡率」ですが、確かにそれほどポピュラーではないと思います。ただ、ここで実は棟死亡率というものを図の説明の中で定義しておりまして、その図14のフィギュアキャプションの3行目にありますが、2行目から書いておりますが、ここで「棟死亡率とは木造2階建て建物の被害程度に応じて推定される棟ごとの死亡者数の割合を示す」ということになっております。ですので、ここでは「棟死亡率」という言葉を定義して使わずに、別の言葉に置き換えた方が確かにいいと思いますので、担当者とちょっと調整して代替を考えたいと思います。
【鈴木分科会長代理】  図の中に「棟死亡率」というのが大きく書いてものですから、ちょっと分かりづらくなるのではないかなと思いました。変更いただければ。
【宮澤専門委員】  はい、ありがとうございます。御指摘ありがとうございます。
【平田分科会長】  本文にもありますよ、これ。
【鈴木分科会長代理】  あります、あります。
【平田分科会長】  14ページのこの図14を引用するところの文章の中に、やっぱりここでも何げなく出てくるので、もしこれを出すんなら、星付けて用語解説に。
【鈴木分科会長代理】  星は付いている。
【平田分科会長】  あ、星は付いているんですか。分かりやすくという観点でちょっと御検討ください。
【加藤(照)臨時委員】  済みません、よろしいでしょうか。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【加藤(照)臨時委員】  地震研の加藤ですが、半分専門家的、半分一般からのコメントということになりますけど、図4ですね、国土地理院のリアルタイムGNSS測位で断層の即時推定をやっているという図があるんですが、まず、非常に細かいことですけど、説明を見ると、赤矩形とか青矢印とか書いてあるのでカラーなのかと思うんですが、白黒になっているので、これ、元はカラーなんでしょうかね。それは御確認をお願いしたいというのと、もう一つは、この図で、次第に右横ずれになっていくのは分かるということらしいんですが、この図を見ただけではほとんどその経過は分からないように思うんですけれども、どこをどう見ればそう見えるのかというのがよく分かりませんよね。特に、この熊本、長陽の波形を見ると、大体100秒ぐらいのところでもう震動的波形はなくなっているんだけれども、そこではまだ最終回に収束してなくて、その後のずっと平坦なところでなぜどんどん変わっていくのかというのもちょっと分からないので、もうちょっと分かりやすい図を作っていただけるといいなという感想なんですが、いかがでしょうか。
【宮澤専門委員】  まず、最初に御指摘されたとおり、この図はカラーです。それで、カラーの図になりますと第1報から第3報の中でも断層の走向というものが赤色で描かれておりまして、ちょっと今の資料1-1の中では分かりにくいのですが、本来の断層の走向とは違うコンジュゲートな方向を向いているということが分かるはずです。
【加藤(照)臨時委員】  この線か。
【宮澤専門委員】  さらに、学術的な内容で御指摘を受けた、例えば100秒から後ろとかほとんどフラットになっていて、なぜ最終報に至るまでにいろいろ変化があって収束していったかについては、本日、矢来委員は欠席なんでしたっけ。
【加藤(照)臨時委員】  じゃあ、そのようにコメントをお伝えいただければと思います。
【宮澤専門委員】  はい、分かりました。ありがとうございます。いずれにしましても、分かりにくいという御指摘を踏まえまして、図等をもう少し分かりやすいように作り直したいと思います。ありがとうございます。
【平田分科会長】  ほかに御意見ございますか。
【松澤臨時委員】  東北大の松澤ですけれども、26ページの図7で緑矢印と黒矢印があるんですが、これ、もともとは海上保安庁さんと東北大のデータだと思うんですけど、特にキャプションに書かれてないので、色は統一した方がいいんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょう。
【宮澤専門委員】  今御指摘いただいたとおり、東北大学と海上保安庁の観測値で色を分けております。当初、この報告書を書いたときに、なるべく機関の名前がオープンにならないようにしました。一つ一つ機関の名前を書いてもいいのですけれども、もともとこの【成果の概要】を書く目的は一般の方に分かりやすく書くということで、それぞれの機関の名前が分からないようにという方針で、途中で削除した経緯があります。そういった面でいうと、全て同じ色で描かれていた方が分かりやすいかと思いました。ありがとうございます。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【井口専門委員】  京都大学の井口です。
 用語の問題なんですけど、「LiDAR」という言葉が、アルファベットで使われているところと、それから片仮名で使われているところがあって、6ページの「LiDAR、DEM」と、それから14ページの一番下の段落ですけれども、これは多分、レーザー技術を使っているということでいえば同じものだと思いますので、用語はアルファベット「LiDAR」しか書いてないんですけれども、用語はこれでいいとは思うんですが、どちらかに統一しておく必要があるんじゃないかなと思いますけれども。
【市原臨時委員】  御指摘ごもっともです。後で確認して統一いたします。
【平田分科会長】  どっちにあれするの。
【市原臨時委員】  アルファベットの方がいいかと思いますが、どうでしょう。
【井口専門委員】  アルファベットでいいと思いますが。用語集の方はむしろ、大気のやつを使っている後の片仮名「ライダー」の方に近いような説明になっていますけれども、アルファベットでいいと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございます。じゃあ、済みませんけれども、片仮名の「ライダー」って書いてあるところは、アルファベットの略称に変更してください。
 これ、全体的なことなんですけれども、括弧をして4桁の数字があって括弧閉じるというのは、これは多分課題番号だと思うんですが、これはこの報告書の中のどこかに課題の一覧表というのが付くんですか。
【宮澤専門委員】  この資料1-1の3ページの上の欄外に少し書いておりますけれども、ここで今御指摘いただいた鍵括弧で数字4桁書かれていたその数字は各課題番号に確かに対応しておりますが、これはこの【成果の概要】(案)の内容をチェックするときに非常に役に立つと思って、つまり、もともとの各課題の報告書に立ち戻って、その中身が正しく分かりやすく書かれているかどうかを確認する意味で付けておりますので、本日ここでこの【成果の概要】(案)を認めていただいた後に、この鍵括弧は全て削除する予定でおります。
【平田分科会長】  はい、分かりました。
 はい、どうぞ。
【小平臨時委員】  全体的なことなんですけど、図に引用元のリファレンス等が全然入ってないんですけど、これはそもそもそういう方針なんでしょうか。
【宮澤専門委員】  これまでの【成果の概要】の作成の中においては、もともと例えばオリジナルの論文等があって、そこから図を持ってきたりしておりますが、その図は予め改編しております。改編されたものであるからオリジナルのものを引用しなければならないというのは我々学術界における当然のルールだと思いますけれども、ここで集めている図というのは、全くのオリジナルの図を集めて、ここで図を作り直しているというスタンスに基づいてやっておりますので、この【成果の概要】の中では一つ一つの研究成果というものは引用しておりません。ただし、もちろん研究者向けの、本日審議いたしませんけれども、参考資料の方とか、あるいは【機関別】の成果等の方には、全ての図についてその図がどこから引用されたかというのは明示的に書かれておりますので、私はそれで対応できるのかなと思いますけれども、もしどうしてもこの図に関してはそういったもともとの引用元の文献等を引く必要があるという御意見がありましたら、それに従いたいと思います。
【小平臨時委員】  特に私個人的にはこだわりはないので、これまでの経緯とか皆さんのお考えで統一していただければいいと思うんですけど、そもそも成果の定義は何かというところで、学術的に考えると、成果とは論文だと思ってしまう人がいるとすると、それが改編したとはいえ何も引用してないというのは、それは正しい使い方なのかなというのは多少疑問ではありますけど、これまでの経緯とか文化があると思いますので、その辺はあえて強くは主張しませんが、皆さんの方向性に従うようにします。
【平田分科会長】  それは、この資料1-1と資料1-2というのが基本的にセットになって公表されます。それで、1-2は基本的に専門家が読むことを前提としているので、全て図にはちゃんとオリジナルの絵でない限り引用されているし、それから、各項目の後には文献が載っています。それで、文献になっているものについては本文で引用されているし、文献になってなくてもこの報告書がオリジナルな報告であるという位置付けですので、専門家がこの28年の成果を引用するときには、基本的に1-2の方を見ていただくということになる。で、1-2は専門家が読めば分かるように書いてあって、一般の人が読んで分からなくてもいいという立場なので、専門家が議論していただいて、しかも、この各計画推進部会の部会長と副部会長の名前もクレジットに書いてあるので、そこに問い合わせをすれば分かると。一方、この【成果の概要】の方は、最初に宮澤さんが言ったように、一般の人が興味のある方が読めば分かるというようなことなので、それぞれの学術的な出どころは特には明示してないと。ただ、ともかく全体として平成28年度のこの観測研究計画の成果としては分かりやすいという、パンフレットみたいな位置付けになっております。でいいですよね。だから、それについてそうじゃない方がいいという考えがあれば、28年度は今更ちょっと無理ですけれども、次のというか、あるいは次の計画のときのまとめ方について少し検討したらよろしいかなと思います。当然、自己点検をするときには文献のリストが全部載っていて、それの根拠になるのは資料1-2の方の文献になっていると思います。
 もう時間が大分なくなってきましたが、この頂いている資料の絵は、これはまだ直るというか、作業途中なんですかね。というのは、文字がはっきり見えない図とか結構あるんですが、これは単なるコピーの問題で、例えば19ページなんか一番肝心な一番上の丸1、丸2、丸3の丸3なんかは、私の目には見えないんですけれども、これはたまたまこれを印刷するときに使った絵がこうなっているだけで、最終的に出てくるものはもっとクリアになっていると理解してよろしいですか。そうじゃなかったら、今ここで文句を言いますけど。
【浦谷地震火山専門官】  済みません、事務局からですけれども、この絵自体は、昨年度の【成果の概要】のところにも引用されているものでございまして、印刷上、ここは昨年度も特に問題ないところでしたので、これは印刷の問題かと思います。実際に冊子にするときには、これは多分問題ないと思います。
【宮澤専門委員】  補足いたしますと、今回の資料1-1を作るに当たって、ここに示されている図というものは、オリジナルはほとんどベクトル形式のファイルです。それをPNGとかJPEGに1回落としてワードファイルに張り付けていますので、相当解像度は落としております。それはもちろんファイルサイズを軽減するという意味で行ったので、事務局で実際に印刷に回されるときには、オリジナルのベクトル形式のファイルを使っていただければ、今御指摘いただいたような心配はないかと思います。
【平田分科会長】  あ、そう。はい、分かりました。じゃあ、それはお任せいたしますので。デザインというか、色については特に気にしなくて。
【鈴木分科会長代理】  済みません。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【鈴木分科会長代理】  図3の質問なんですけど、上の写真では断層線が3本見えるんですが、下の断面を見ると4枚見えるのはなぜなんでしょうか。矢印が描いてあるのと描いてない、何か鉛直方向に1枚見えるんですけど、これは上には出てきてないということですか。済みません、素人質問です。
【市原臨時委員】  念のため確認しますけれど、下の図を見ていただくと、濃い赤が3本あって、4枚目のやつって点線になっていて、地表面に出た断層だけが上に書かれていると理解しています。
【鈴木分科会長代理】  あ、分かりました。矢印の描いてある、この寝ているやつは出てないんですね。
【市原臨時委員】  そうみたいです。
【鈴木分科会長代理】  はい、分かりました。失礼しました。ちょっと点線が見づらい。
【棚田臨時委員】  済みません、私も。この図3でいうと、断面のこの絵みたいなの、あるじゃないですか。これは何を示すのかよく分からないんですけど。
【市原臨時委員】  ここは、作る段階でもどう見せたらいいのか大分議論したんですけれど、熊本地震の断層による応力変化が大きく見えている面と、マグマ溜まりがある面というのは、同じ面にないんですね。で、このハッチを付けているこの部分というのはマグマ溜まりと違う面にあるので、それを表現しようと思ってちょっとこう……。
【棚田臨時委員】  苦労したわけですね。
【市原臨時委員】  暗い色にしています。
【平田分科会長】  御苦労された人には申し訳ないんですけど、はっきり言って、これ、分からないですよ。裸の王様みたいなので私が言っちゃいますけど、棚田さんが言ってくれたので言いやすくなりましたが。いや、今の市原さんの御説明で差応力が大きくなった面というけど、熊本地震によって大きくなった、これは3次元的に何か地下の様子を表しているんですか。応力の分布、差応力の分布を何か表しているような理解で。
【市原臨時委員】  この図のメーンは、「マグマ溜まり」と書いてある丸い部分を見ていただきたくて、そこの差応力分布というのがこのレジェンド、カラーバーで描かれているものです。で、ちょっとこっち向きにある赤い部分というのが3.5メガパスカルに相当するところで。
【平田分科会長】  この山みたいな?
【市原臨時委員】  これは、参考までに……そうですね……。これはマグマ溜まりの応力計算だけをしたわけではなくて、断層を入れて地下の3次元の応力変化プラス液体の入った球体のある境界条件で解いた結果、このメーンに見せたいマグマ溜まりの表面での差応力分布というのが計算として表れています。この図で表現したいのは、そのマグマ溜まり表面上の差応力分布ということプラス、その計算が断層を考慮した応力場の計算から得られたものであるというようなことを示したかったんですけれども、ほかに何かよい表現方法があれば御指摘いただければ。
【平田分科会長】  ちょっとここでどういうふうにするかは申し上げられないんですけれども、この上の方は分かります。地図を3次元的に見た地形というのは分かって、その下にマグマ溜まりがあるというところまでは何となく分かって、断層のことも断層のことを知っているからやっと分かるけど、その背景にある山みたいのはちょっと私には分からないので、もう少し分かるようにするか、極端に言えば、分かりやすくしたと言われている山脈みたいなのはなくてもいいんじゃないかという気はするけれども。分かる人います? 山本先生とか分かります? これ見て何だか。ここにいるのは少なくともかなり専門家に近い人がいて、分からないというのは、一般の人には全く分からないと思います。
 済みません、大体これに使える時間はだんだん限られてきましたが、非常に難しいことを分かりやすく説明するのは非常に難しいので、大変御苦労されているのは知っての上で申し上げましたが、ほかに。
 ここで、大筋でよければ皆さんにお認めいただいて、きょう……。
【寺川専門委員】  済みません、よろしいでしょうか。
【平田分科会長】  はい。
【寺川専門委員】  名古屋大の寺川と申します。
 8ページの(4)の上のところになるんですけれども、御嶽山の成果について、(4)のすぐ上の段落なんですけど、ここに書かれていることが山頂直下の火山性地震の解析と、その山の回りのテクトニックな地震の解析の結果が混在されて書かれていて、それが大変誤解を招くと思うので、そこを分けていただきたいと思うんですが。
【平田分科会長】  例えば?
【寺川専門委員】  例えば、「2014年噴火以降の2015年1~2月、10~11月、2016年1~9月頃に、火山活動に関連した応力場変動があった可能性」というのは、これは山頂直下の話で、その後の「間隙流体圧が静水圧状態を10-30MPa程度上回る」というのは、これは周辺の群発地震の解析の結果なので、これは山の圧力の変化ではないので、そこら辺は誤解がないように分けた方がいいかと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございました。そうすると、宮澤さん、ちょっと検討していただきますが、できれば寺川さんから案を宮澤さんに御提案いただきたいと思います。
【寺川専門委員】  はい、分かりました。
【平田分科会長】  きょう御発言できなかった方は、具体的に自分の御専門のところで、ちょっと誤解される可能性があるから、一言、二言、入れたり削った方がいいと、こういうことがございましたら、是非事務局に御連絡ください。それで、それを、申し訳ありませんけど、宮澤さんと市原さんにまたちょっと検討していただくということになると思います。ここでみんなで議論した方がいいということがあれば、是非御発言ください。大丈夫でしょうかね。
 これも、新しい方にはちょっと分からないことと思うんですが、概要なんだから、本文と絵を、ちゃんと引用されている近くに絵を持ってくる方が読みやすいかなという考えもあって、私はその方がいいかなと思ったんですけれども、これを最初に作られた人たちの意図は、基本的に絵だけをぱらぱらっと見ておくと全貌が分かるというふうにしたいので、絵は絵でまとめたと、そういう経緯があります。だからグラビアみたいな感じになっています。最初はその方針でやっていたからそうなっていたんですけど、だんだんこれ、単に普通に本文で引用する絵に近付いてくると少し最初の意図がずれてくるかなという気もするんですが、これを大幅に変えるのもちょっと現時点では難しいと思うので、これは是非次回のときには検討した方がいいと思います。つまり、この絵だけを見て本当に分かるようにするには、この建議の項目立てのどこに対応するかということがもっとはっきり分かった方がいいんですけれども、本文は引用されているところがどこか分からないと、これは計画の中のどこかというのはあんまりよく分からなくて、結局は、順番に読んでいって、図1とか図2とか出てきたときに見るというスタイルになっているので、だけど、今更変えろとは言いませんが、ちょっとそれは記憶に残してください、次のときに。
 きょうは森田さんはいないかな。あ、いる。森田さんに言われて、そういうふうに分かったんですけど。
【森田臨時委員】  あ、そうですか。じゃあ、今のことに関連してなんですけど、徐々に絵が難しくなってきましたね。非常に論文に載せるような絵に近くなってきたということを、多分、分科会長はおっしゃりたかったんだろうと。例えば29ページの図10なんか見てみますと、真ん中の(b)の色使いの色なんていうのは、これ、見えないので、印刷が悪くて見えないんだと思うんですけど、これ、普通の人が見て、すぐ何を言いたいのか分かるのかなという気がします。それだったら、何かもう大きく、こんな分布せずに、貯留層というのをもっと無地で描く方がいいような気がしました。ということで、多分、図をより精緻に難しくし過ぎたせいだろうと思います。それは来年度から少し簡単にした方がいいんじゃないかと思いました。
 以上です。
【平田分科会長】  そうなんだよな、これな。これ、何だ、開口量って書いてあるんですかね。まあ、言うは易く、行うは難しで、難しいですが。もともとある図を使ってなるべく分かりやすくしていると思いますが、これだけ理解するのも大変ですけれども、せめて字が見えないことのないように、はっきりしてください。それと、出てくる概念はそもそも難しいので、難しいですが。
 大分時間が過ぎましたので、この場で御発言する必要があると思われることをお持ちの方は是非。よろしいですかね。井口先生、いいですか。
【井口専門委員】  はい。
【平田分科会長】  それでは、全体としてはここで御了解を得たということにしたいと思いますが、細かい点については事務局の方に御意見を頂きたいと思います。後で言うかもしれないけど、どのくらいのタイムスケジュール?
【浦谷地震火山専門官】  本日申し上げられなかった御意見につきましては、済みませんが、1週間程度で御意見を頂ければと思います。本日の資料1-1につきましては、後ほど電子ファイルでまた皆様に御送付させていただきますので、修正意見がございましたら、その電子ファイルを修正していただいて、1週間後、9月11日頃までにお願い申し上げます。特に用語集につきましては、それぞれの委員の皆様の御専門に近いところの用語をもう一度御確認いただきまして、修正意見がありましたらよろしくお願いいたします。それから、頂いた御意見を基に、部会長、また取りまとめ委員と御相談して作業したいと思います。皆様にもまた御協力をお願いすることもあるかもしれませんけれども、その際はよろしくお願いいたします。
【平田分科会長】  ありがとうございます。意見はなるべく具体的に、この文章をこれに変えた方がいいとか、この図はこっちの方がいいですよというのを送っていただくと、事務局がスムーズに作業できます。事務局がと言っても、宮澤さんと市原さんに振っていきますから、文句言うだけではなくて、具体的に是非お願いします。これまで大変御苦労をお掛けしましたので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 じゃ、これで議題1は終わりということで、その後の事務局からのフォローも今頂きましたので、議題1を終わります。

[議事2.地震火山観測研究における年次基礎データ調査について]

【平田分科会長】  それでは、大分時間が過ぎてしまいました。今度は、議題2の地震火山観測研究における年次基礎データ調査について、事務局から御説明ください。
【浦谷地震火山専門官】  資料2をごらんください。
 毎年、地震・火山研究分野の予算、また人員の調査を行っておりまして、これらは連続したデータとして推移を見るために、実施機関に御協力いただいて取りまとめております。
 平成26年度からは、地震学・火山学を専門としない関連分野の方にも計画に参加していただいておりまして、これら関連分野から関わっていただく方にも調査を実施しております。
 また、平成26年度からは、地震・火山の分野別に調査を実施させていただいておりますし、また、火山分野では火山の観測点の維持・管理にも携わって、火山噴火現象の解明・火山噴火予測研究を実施している研究者数についての調査も実施しております。
 また、平成28年度からは、関連分野につきまして、それぞれの分野の研究者数についての調査も実施しております。
 3ページ目が実際に作業をお願いするときの依頼先になりますけれども、依頼先に関しましては実際に作業をする上で変更になることもございますが、そこは御了承ください。また、依頼先の変更がございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
 昨年度実施した内容につきましては、参考資料2をごらんいただければと思います。
 この後ですけれども、今週中には各機関の方に依頼をさせていただきまして、3週間程度で御提出いただく予定でございます。ですので、9月末ぐらいを締切りにさせていただく予定でございます。おそらく明日か明後日には作業を依頼することになるかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【平田分科会長】  ありがとうございました。これは大変な作業なんですけれども、基本的に各機関の事務にやっていただく作業で、去年までやったところはそれにちょっと足せばいいけれども、新しく参加したところなどは結構大変ですが、これは新しいということはないですね。何年かもうやっていますから、変化したところだけを追加していただければいいと思います。
 何かこの件に関して御質問ありますか。はい、どうぞ。
【松澤臨時委員】  1ページ目の一番下のところなんですけど、「研究者数についても調査する」というと内数に読めてしまうので、上と同じように、「研究者数についての調査も行う」の方が多分正しいんだと思うんですけど。
【平田分科会長】  どれを? 資料2の……。
【松澤臨時委員】  資料2の1ページの一番下ですね。観測点の維持に関わっている「研究者数についても調査する」というと、それが中に含まれている人も含むというふうに読めてしまって、それは当然だろうと思ってしまうので。これは、あえてそういう研究者数についての調査も行うということですよね。
【平田分科会長】  そうですね。
【松澤臨時委員】  これは、上に書いてあることはそうなんですけど、ここだけ読むとちょっと。「についての調査も行う」の方がいいと思います、上と合わせて。
【平田分科会長】  御指摘の点は、この火山の研究者という全体の中で、観測点の維持・管理に云々をやっている人はそのうち何人かということも調査されるというような、だけど、その調査項目というのはあるんですよね、きっと。これだけで行くわけじゃないよね、きっと。
【浦谷地震火山専門官】  済みません、参考資料2のところに、シートは付けておりませんが、実際にはシートが全部で7つございまして、それに数値を記入していただきます。実際にどういったものかというのは、今回お配りいたしました外部評価報告書の参考資料6のところにも、実際どういった調査がなされて、どういった数字であるかが分かるようになっております。
【平田分科会長】  松澤委員、いいですか。一番重要なのは、このシート7がどうなっているか……。
【松澤臨時委員】  いいんです。ほか見れば分かるんですけど、ここだけ見るとちょっと違和感があったので、上と表現を合わせた方がいいなと思っただけです。
【平田分科会長】  じゃあ、事務局、今の趣旨でちょっと直してください。
【浦谷地震火山専門官】  はい、分かりました。
【平田分科会長】  それでは、これについて特にほかに御質問がなければ、これについては終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

[議事3.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成29年度年次報告【機関別】について]

【平田分科会長】  それでは次に、議題3です。議題3は、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の平成29年度年次報告【機関別】について、事務局から御説明をお願いいたします。
【浦谷地震火山専門官】  資料は3-1と3-2になります。
 例年どおり、各機関に、オンライン入力システムを用いまして、平成29年度の【成果の概要】について報告していただきたいと思います。
 依頼の方ですけれども、年明けの1月下旬から2月上旬頃を目途に依頼をさせていただきます。
 日程の案につきましては、資料3-1の下の方にございますけれども、2月の中旬から2月の下旬頃を締切りとさせていただこうと思います。来年度につきましては、4月から5月の地震火山部会で【機関別】の取りまとめ、また、7月から8月の地震火山部会で【成果の概要】の取りまとめということを考えております。
 事務局からは以上でございます。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 加藤さんから何から特にありますか。加藤さんというか、予知協企画部。
【加藤(尚)臨時委員】  シンポジウムの日程は、確定はしてないですけれども、案は決まっているはずですが、ちょっといつだったか覚えてないです。済みません。
【平田分科会長】  私のメモでは、3月5、6ですけれども。
【加藤(尚)臨時委員】  多分それで、会場は予約がまだなので。
【平田分科会長】  あ、そうですか。
【加藤(尚)臨時委員】  予定はあるんですけれども、その頃になると思います。
【平田分科会長】  はい。じゃあ、一応3月5、6を第1候補と思って日程を確保してください。
 では、このオンライン入力というのは、前からいる方は御存じと思いますけれども、今年度、29年度の研究成果を年度末までにというんだけれども、2月の下旬までに入力していただいて、それを基にして3月の上旬、今のところは5、6に成果報告シンポジウムというのを開きます。例えばプログラムを作ったりとか、研究成果の重要なものは何かというのを理解するためには、是非、本当の3月の末ではないんですけど、2月の末までに入力をしていただく必要があります。で、シンポジウムをしたのを受けて、各【機関別】の年次報告の取りまとめを始めて、7月、8月にきょうやったようなことを29年度版をやるということになっています。
 この件に関して、御質問、御意見ございますか。7月、8月というのは、今年度よりちょっと早めにするということですね。じゃあ、よろしくお願いいたします。
 じゃ、これについても、特段御意見がないようですので、事務局の取りまとめ案のとおりに進めたいと思います。ありがとうございました。

[議事4.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の外部評価報告について]

【平田分科会長】  それでは、議題の4番目入ります。議題の4番目は、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の外部評価報告について、事務局から御説明ください。
【浦谷地震火山専門官】  資料は4になります。
 資料4のまず17ページ目を開いていただければと思いますけれども、平成29年4月3日に研究開発局長決定で外部評価委員会が発足しまして、第1回を4月11日に開催して、7月13日までに3回開催いたしまして、報告書を取りまとめました。
 本外部評価は、平成30年度に終了いたします現行計画ですけれども、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」について、外部の有識者による第三者評価を行い、次期観測研究計画に向けて「今後の計画の在り方」に関する意見・提言の取りまとめを行いました。
 外部評価委員につきましては、19ページ目にございますけれども、主査の田中先生をはじめとしまして12名の方で実施いたしましたが、広い分野の方に委員になっていただきまして、御意見を頂いております。
 20ページ目には審議経過も記載しております。
 審議内容につきまして簡単に御説明いたします。資料4の4ページ目からが「総評」ということになりますので、こちらを御説明させていただきます。
 4ページ目の「評価結果」でございますけれども、現行計画は、それまでの地震・火山噴火の予知に基づいて災害の軽減に貢献するという方針を転換して、地震・火山噴火の発生予測とともに、それらが引き起こす災害誘因の予測の研究も行い、それらの成果を活用することにより災害の軽減に貢献するということを目標として推進されております。
 現行計画では、地震・火山現象の解明に向けた基礎的知見を生み出しておりまして、着実に進捗している。また、社会的波及効果が期待できる研究成果が現れており、地震・火山噴火の発生予測だけでなく、災害誘因の発生・推移も予測し、災害の軽減に貢献する方向へ方針転換したことは適切であったと判断できると評価いただきました。
 今後の観測研究計画においても、現行計画の考え方を更に推し進めるべきであるとの評価を頂いております。
 また、理学以外の分野との連携が着実に進み、史料などに基づく研究や拠点間連携共同研究の実施など、新たな試みが具体的に展開しており、災害科学の一歩を踏み出したと言えると評価いただきました。
 また、工学や人文・社会科学の研究者との連携を一層強め、災害誘因の予測研究について更に進展させることが望まれるとの評価を頂いております。
 一方、計画全体としまして、災害の軽減に貢献することを意識した研究の推進が十分とは言えず、今後は、その視点をより明確にするべきであると評価いただきました。
 また、地震・火山噴火現象を解明することで災害の軽減にどのように貢献するのか、そのために今どのような過程にあり、いつ頃それが利活用できそうかの見通し等について示す必要があるとの評価を頂いております。
 また、研究成果を国民や行政機関が的確に理解し、防災力を高めていくために活用されるよう、研究成果を社会に対して適切に発信することが求められるとの評価を頂いております。
 続きまして、5ページ目に行っていただきまして、外部評価委員の方から改善すべき点も頂いております。5ページ目の下の方に5つポチがございますけれども、災害の軽減に貢献することを意識した研究の一層の推進であるとか、理学、工学、人文・社会科学の研究者間のより一層の連携強化、また、研究目標と目標に対する達成度の明確化、社会や他分野の研究者が本計画に求めるニーズの把握、ニーズに合致した研究の推進、火山の観測研究を安定して実施する体制の整備といったことを改善すべき点として御指摘いただいております。
 その上で、5ページ目の一番下の丸でございますけれども、外部評価委員から、今後は、本報告書の評価結果を十分に踏まえて、現行の観測研究計画をより一層推進していく必要がある。その際、地震調査研究推進本部との連携をより一層強めることが望まれる。本報告書の趣旨が理解され、次期観測研究計画が着実に研究成果を生み出して、社会に大きく貢献することを期待すると御提言を頂いております。
 11ページ目以降には、次期観測研究計画に向けての、具体的に「今後の計画の在り方に関する意見・提言」を頂いております。
 簡単ではございますが、事務局からは以上でございます。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 三浦科学官から何か補足の説明はございますか。
【三浦科学官】  特にございません。
【平田分科会長】  鶴岡調査官。
【鶴岡学術調査官】  外部評価委員の議論を聞いていて非常に感じたことは、我々、この研究に関しては理学的研究であって基礎的研究であるということは、委員の皆さんも大変理解していたんですけれども、この指摘にあるように、災害の軽減に貢献することを意識したというところと、あと、社会実装あるいは研究がどの程度達成しているのか、その辺を非常に議論されていたのがすごく印象に残りました。
 以上です。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 この外部評価は、最初に御説明があったように、測地学分科会とかそういうところではなくて、研究開発局として、文科省として、この研究計画に対する第三者評価を行ったということですので、この内容について我々がとやかく言うことはありません。文科省が設置した委員会が外部の人の意見をまとめたということですので、我々としては、どういうふうに評価されているかということを客観的に知るための重要な資料だと思います。で、この外部評価を受けるに当たっては、自己点検をするためにレビューと言っているものをしまして、それの基になっているのが、きょうも審議していただいた毎年の成果でございますので、毎年まとめていたものを5年に一遍ずつ自己点検のレビューをして、その報告書を外部の委員の方に検討していただいた成果がここにありますので、これは、次の議題かもしれませんが、次期の計画を立てるための非常に重要な御指摘をたくさん頂いていると思います。
 議論はしませんが、何か感想とかもしあれば御発言ください。森田さん、前科学官として御苦労された。
【森田臨時委員】  そうですね、さっと見たところ、きょう初めて見たのでよく読んではいないんですが、火山の研究体制について随分世の中の人が心配していただいているというのは、ここにも書かれているとおりでございます。火山を研究している者として、応援していただいているというのは非常に有り難いことだとは思いますが、実際、問題がなかなか解決していかないというところで随分悩んでいるというところもございます。
 以上です。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、この報告書、皆さんも読んでいただいて、建議に基づいた観測研究の成果がどういうふうに評価されたかということを理解した上で、今後の研究を進めていきたいと思います。どうもありがとうございました。じゃ、これは御報告を頂いたということです。

 [議事5.次期観測研究計画の検討について]

 それで、議題の5に行きますが、議題の5は、この外部評価も頂いて、そういったことをよく理解した上で次期の計画について検討する必要があります。
 議題の5は、次期観測研究計画の検討についてです。次期の観測研究計画に関する基本的な考え方や方針について、これから意見交換をしたいと思います。基本的な考え方を検討した上で、次期の観測計画を策定するための具体的な手続として委員会の設置について検討し、議論を進めていきたいと思います。まず、事務局で資料5-1について整理、今後の方針について案を整理していただいておりますので、それも踏まえて議論をしていきたいと思います。
 資料5-1をごらんください。これは事務局から御説明は頂かなくていいのかな。
【浦谷地震火山専門官】  資料5-1は、次期の観測研究計画に関する方針を検討する上で、外部評価報告で頂いた御提言・御意見を箇条書きにしたものでございまして、これを踏まえて、可能な限りこれを取り入れて、今後、次期観測研究計画を検討していくための方針を検討するための資料でございます。これらを踏まえて、本日は、基本的考え方とか方針とか、意見交換を行っていただければと思っておりまして、測地学分科会・地震火山部会で頂きました御意見を踏まえまして、先ほども平田分科会長からもございましたが、次期の観測研究計画検討を行う委員会を設置して、そこで引き続き検討していくということを考えております。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、資料5-1というのは資料4の外部評価のエッセンスをまとめたというふうに御理解ください。ですが、多岐にわたって御意見を頂いているものですので、これ、読み方によっていろいろ変わっちゃいますので、ここで少し議論をしていきたいと思います。
 資料5-1をごらんください。ここに書いてあることを読みます。
 地震・火山噴火の発生予測とともに、それらが引き起こす災害誘因の予測の研究も行い、それらの成果を活用することにより災害の軽減に貢献することを目標とする観測研究は継続すべきであるということを外部評価で頂きました。その上で、外部評価委員から指摘のあった下記の事項について可能な限り取り入れることを検討する必要があります。
 まず、災害の軽減に貢献することを意識した研究を一層推進すること。
 2番目、理学、工学、人文・社会科学の研究者間のより一層の連携を強化すること。
 研究目標と目標に対する達成度を明確化すること。
 社会や他分野の研究者が本計画に求めるニーズの把握をするとともにニーズに合致した研究を推進すること。
 火山の観測研究を安定して実施する体制を整備すること。
 というふうに方針の案がまとめられております。
 これは、次の計画を作るためのエッセンスというか、重要な、忘れてはならない項目ということで引き継がれていきますので、ここで、もうちょっとこういう言い方ではない方がいいとか、あるいは加えたらいいとか、この項目は特に要らないという御意見があれば、ここで少し議論をしたいと思います。全体に対して御意見ありますか。はい、どうぞ。
【三浦科学官】  先ほど突然振られまして答えにならなかったんですが、済みません。
 この資料5-1の指摘事項の第1番目なんですけれども、「災害の軽減に貢献することを意識した研究を一層推進すること」とありますが、これ、あくまでもそのベースには理学研究が必要である。つまり、地震発生ですとか火山噴火のメカニズムなり、そういったものをきっちりと理学的に研究した上で、それを災害の軽減に貢献するという意味合いであるというのが、外部評価委員会の議論の中でそういうことがなされています。ですので、この文言だけ見ると、災害軽減だけをすればいいというように誤解されるのではないかとちょっと心配になったんですが、そうではなくて、それはあくまでも理学がベースであるということであることを御留意いただきたいというところをコメントさせていただきたいと思います。
【平田分科会長】  科学官、ありがとうございました。そのとおりだと思います。現行計画も、研究としては3つの大きな柱があって、地震・火山現象の理解の研究と、それから地震・火山現象の予測の研究と、3番目として災害の誘因となるものの予測をする。その3番目の柱として災害誘因の研究をするということが災害の軽減を意識した研究になっているということで、研究全体として災害の軽減に貢献する計画になっているということです。だから、地震発生や火山噴火そのものを理解する研究というのは重要であるというのは、この計画を作ったときの最初の意識でしたから、理解するときに、一々災害の軽減に貢献するということは――一々ってちょっと語弊があっては……。言い直します。それは、最終的な目標はそうであるということはもちろん強く意識する必要がありますけれども、理学の研究そのものは重要な研究分野であると、そういうことには変わりはないと思います。ですので、これは、観測研究計画全体として見たときに災害の軽減に貢献するものであるというふうに読んでいいというのが、今、科学官のおっしゃったことだと思いますが。でも、ここで勝手に解釈をしてしまってはいけないので、外部評価委員が指摘したことは素直に読まなければいけないので、その辺は根本的なことですので、少し御意見を頂いた方がいいと思います。
 次期の計画を作るとしたときに、次期の計画の全体としての出口というか、アウトプットはどこに対してするかといったときに、非常に学術的な基礎研究を一部でするわけですが、それと災害の軽減に貢献するという道筋が示されている必要があります。それをどうやって実現するかというのは結構難しいことだと思いますが、1つには、この外部評価書の5ページに書いてあるんですが、5ページの一番下のところに、「現行計画に対する評価」の1つ上の文章のところで、少なくとも地震については、ここのところに書いてあるのは、「地震調査研究推進本部との連携をより一層強めることが望まれる。本報告書の趣旨が理解され、」云々と書いてありますけれども、社会に研究の成果が生かされることの一つの重要な要素は、地震については、地震調査研究推進本部にこの基礎的な研究の成果が生かされるということが災害の軽減に貢献することだと私は読みました。これは火山についてはないので、資料5-1の一番最後に「火山の観測研究を安定して」云々というところとセットで考える必要がありますけれども。
 私ばっかりしゃべってはしようがないので。はい、松澤さん。
【松澤臨時委員】  なかなか結構大変なことが一杯書かれていると思うんですけど、下から2番目の「社会や他分野の研究者が本計画に求めるニーズの把握をするとともにニーズに合致した研究を推進すること」というのが、計画を策定していく中でパブリックコメントを求めて、それで修正していくという意味なのか、あるいは、毎年毎年、成果に対してパブリックコメントを求めて、それで軌道修正をしていけという意味なのか、どちらなんでしょうか。
【平田分科会長】  いや、特に具体的には書いてないですから、どちらということもないと思います。
 それとあとは、例えば熊本の地震に関連しては、この観測研究計画の中でも、熊本でいろいろ調査をしたりとか一般の方と議論する場を作ったりとかということをやっていますから、そこで地震の研究に対する一般の方のニーズというのを把握すると。なので、研究の進め方というか、研究を実施する段階でもこういったニーズを把握するメカニズムをちゃんと作るということが必要かなと。それには、理学や工学の研究者だけではなくて、人文・社会科学の知識は非常に有効で、熊本に関するパンフレットを作ったと思いますけど、非常によくできたものが。それで、社会や他の分野の研究者がどういうことを期待しているか、ニーズがどこにあるかということは分かるかなと思います。ですから、ああいったことをより積極的にする方向があるかなと思います。
【三浦科学官】  よろしいでしょうか。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【三浦科学官】  今の松澤委員の御質問に関しまして、関連する項目としまして、先ほどの資料4の12ページに外部評価委員会の中での議論を受けて一応記載があります。12ページの上から2つ目の白丸ですが、社会や他分野の研究者が本計画に求めるニーズを把握することが必要である。また、本計画で進める各課題がニーズと合致しているか、遺漏はないか、食い違いが生じていないかについて検証する必要がある」という指摘があります。ただ、これ、定期的にやるとか、そういう具体的なところまで踏み込んだ議論はなくて、計画全体の中でそういう仕組みを作っておく必要があるだろうと、そういうことを受けての指摘だと理解しております。
 以上です。
【松澤臨時委員】  既に成果報告会は随分変わってきていますけど、例えば成果報告会にそういう機能を持たせるとか、そういうことも考えられるわけですね。
【三浦科学官】  そうですね。
【榎原臨時委員】  私、ちょっと他分野、人文の方ですからあれですが、ここの文章、若干違和感があって、社会が本計画に求めるニーズというのは分かるんですけれども、私は人文の方から加わっておりますが、これは、本計画が人文の方に対して何を求めているかというニーズに対応するのが私の立場だと思っているので、他分野の研究者がどういうニーズがあるのかというのは若干違和感があるんですけれども。連携ではなくて、他の分野の研究者がどういうニーズを求めているか把握する必要というのは、どういう意味で書かれているのかがいま一つ分からないところがあります。
【平田分科会長】  それは、事務局か、科学官と調査官はこの会議に大体出ていたので、何かありましたらお答えください。
【浦谷地震火山専門官】  「他分野」とここで記載しておりますのは、この地震火山観測研究計画に参画されていない方ということかと思います。実際に、この地震火山観測研究計画に加わっていただいております他分野の、また周辺分野の方ということではないと思っております。
【榎原臨時委員】  それでしたら了解できます。分かります。
【三浦科学官】  それについては、2項目目に既に御参加いただいている「人文・社会科学を含めた研究者間のより一層の連携を強化する」ということで、御理解いただければと思います。
【榎原臨時委員】  はい。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【小平臨時委員】  平田委員長が言われたことをまた繰り返して聞いてしまうというか、確認なんですけれど、地震本部との連携というのはここに書かれて、いつも書かれていますし、地震本部の文書の方でも建議と連携と書かれていると。それに対して、平田委員長、1つ踏み込まれたというか、詳しい説明を今、口頭で言ってくれて、何となくその瞬間は分かった気になったんですけど、もう忘れてしまったので、今おっしゃったようなことをどこかで文章にもう少し踏み込んだ形で残していただかないと、多分、皆さん、連携すると言われてもどうしていいのかなという、両方からそういう思いが残ってしまいそうなので、今おっしゃられたことをこの基本的考え方か分かりませんけど、もう少し踏み込んだ形で、どちらのアウトプットをどう利用するとか、そういう書き方で整理していただくと、これから両方でレビュー等新しいものを作っていくときに非常にやりやすいと思うんですけれど、可能でしょうか。
【平田分科会長】  さっき発言したのは私の個人的な考えも結構入っているので、余りよく整理されてないところがある。というのは、これは測地学分科会と、それから地震本部と両方で協議しなければならないことです。ただ――ただというか、幸いなことに、今、我々は次期の観測研究計画をどういうふうにするかという議論を始めているところで、地震本部の方でも現行の総合基本施策のレビューを進行中で、それが終われば次の総合基本施策の策定を検討すると、そういうフェーズになっています。それで、測地学分科会の審議は始まりが1年先行しているので、むしろここの議論の中で次期の研究計画を作る段階で、この観測研究計画のアウトプットが地震本部の何に役に立つかというようなことをもう少し明確に議論していただければ、それを参考に、一方で地震本部の方で次期の基本施策を検討するところでまた議論して、キャッチボールすることができる可能性があります。これは10年に一遍しかできないので、ちょうど今のタイミングはいいかなと思います。
 それで、もともとというか、このでき方が大分違うので、制度が、一方では科学技術・学術審議会の建議というものであり、一方では地震本部の基本施策ということなので、作ったときにはそれほど整合的にはなってなかったんですけれども、実際には非常に多くの研究者が両方の計画に関係しているというところもあるので、やはりそれぞれの役割を明確化する必要があると思います。特に総合基本施策は3回目というか、10年ごとの計画の2回目が終わろうとしているところで、基本的に今後どういった研究を進める必要があるかということについても考えなければならないところで、一方、この測地学分科会で議論していることは、かなり長期的な10年とか20年とか先に初めて実用化できるようなことも含めて非常に基礎的な研究を進めているところです。だから、それをうまく連携するということは重要なことなので、連携の中身をどうするかというのは今後やっていかなければいけないということで、今、大分開いて言いましたから、これが議事録に残ればある程度証拠に残ると思います。
 ただし、これは難しいのは、火山については仕組みが大分違うので、火山については、文科省が次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトということを始められていますので、そことの連携というのをどうするかというのはまず当面の重要なことで、それ以上のことはちょっと私からはなかなか言えませんが、鈴木委員から何かございますか。
【鈴木分科会長代理】  いえ、特に。
【平田分科会長】  事務局というか、課長から何か、そういう方針でいいんでしょうかという。
【竹内地震・防災研究課長】  そういう方針といいますか、今、平田先生のおっしゃったような形で地震本部との連携を図るというのは、これは不可欠なことかなと思うんです。あとは、どのように連携を図るかというところを分科会長がおっしゃったような形で、測地学分科会の先生方と、それから地震本部と意見を交換しながら、今後、こちらも委員会を作って議論していくわけですし、新総合基本施策の方も、今後、委員会を作って、その中で具体的な連携施策はしっかり議論する必要があると思っております。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。はい、井口委員。
【井口専門委員】  資料5-1の3番目に「研究目標と目標に対する達成度を明確化すること」と書いてあるんですけど、これ、至極当然のように読めるんですが、実はこの外部評価の方では現行計画に対して以下のような改善すべき点が指摘されて、この中で、現行計画に対しては達成度の明確化というのは、それはそのとおりだと思うんですね。なぜなら、今の報告書というのは、要するに、目標がどこにあって、今どれぐらい達成できたかということを報告書の中に何も書いていないので、それはこういう指摘があって当然だと思うんですね。ところが、次の計画の方針において達成度を明確化するというのは、達成度は、要するにある途中のどれだけ達成できたかということなので、「達成度の明確化」というのは何か物すごく違和感があるんですけど。「目標の明確化」であれば分かるんですけど、「達成度の明確化」というのは一体何のことを言っているのかちょっとよく分からないんですが。
【浦谷地震火山専門官】  今の関連するところは外部評価報告書の12ページの一番上の丸にあるところでございますけれども、ちょっと読ませていただきますと、2行目からでございますかね。「地震・火山噴火現象の何を解明しようとしているのか、それが解明されれば災害の軽減にどのように貢献するのか、そのためにいまどのような過程にあり、いつ頃それが利活用できそうかの見通し等について示す必要がある」と。それを、「計画の策定段階で計画実施期間中に何をどこまで達成するかという『目標』をできるだけ明確に設定」してほしいというのがまずございまして、「以後、その目標に対してどこまで達成できたかも明確化することが望ましい」といった御意見が外部評価委員からございまして、今実施している地震火山観測研究が災害の軽減にどのように貢献していくかといったことと、そこを最終ゴールとして、今、どのような過程にあって、それが利活用できるのがいつかといった見通しを示していただきたいというのと、今後5年間でどこまでそこに向けて達成するかといったことを明確化してほしいという、そういった御意見がありましたので、「達成度の明確化」というのは、この5年間で最終ゴールに向けてどこまで達成するかといった目標を明確化してほしいというのがまずあり、実施期間中にどこまで達成できたかを明確にしてほしいということでした。
 ということでよろしいでしょうか。
【井口専門委員】  意味が分かりました。多分、現計画を作るときも問題になった、要するにロードマップとマイルストーンを明確にしろと、そういう意味ですよね、これ。
【平田分科会長】  多分、工学などはそういうことが結構はっきりとできるけれども、理学はなかなか曖昧にしていたのを、もうちょっとはっきりしてということです。
【井口専門委員】  いや、それはそれで分かるんですけど、これ、「達成度」と言って「達成度を明確に」と言うと、達成度というのは、要するに目標に対する達成度、評価の問題であるので、外部評価報告書で「達成度を明確にしなさい」と言うんだったら僕は分かるんだけれども、次の目標で「達成度」と言われたときに、それは要するに言葉としてちょっと理解できなかったということです。
【平田分科会長】  どういう言葉だったらいいですか、例えば。「達成度」じゃなくて。
【井口専門委員】  やっぱり「ロードマップ」と「マイルストーン」じゃないですかね。
【石川臨時委員】  済みません、よろしいですか。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【石川臨時委員】  済みません、今、資料5-1にまとめられている項目というのは、資料4の5ページの下から2つ目の丸の指摘項目をそのまま書いているだけだと思うんですけれども、その1つ上の丸にも結構重要なことが書いてあって、「直ちに災害軽減に資する研究のみならず、大きなブレークスルーが期待される基礎研究を計画の中に適正に位置付ける」という、これ、先ほど三浦科学官もおっしゃっていた基礎研究が大事だという話と、それを適正に位置付けるためにも、この計画全体として「災害軽減に至る研究課題の発展フローやボトルネックを明示的に整理していくことが求められる」ということが書いてあって、これは正に、今、井口委員から話のあったようなロードマップといったところの話だと思います。この部分も「求められる」という書き方で外部評価委員からの指摘事項なので、この辺りのところも資料5-1に盛り込んでもらえると、もうちょっと分かりやすくなるのかなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【久家臨時委員】  同じようなことなんですが、この資料5-1を拝見していると、外部評価の5ページの下のところをコピペしているのが非常に目立つような形になっていると思うんですよ。でも、実際には、資料5-1は次期計画に関する方針ということですから、これまでの計画でよかったこと等もきちんと残していかないと、ここを直せというところだけ強調していると、逆に最後の計画の方針が間違ったというのは言い過ぎかもしれませんけど、適切な方向に流れていかないように思うんですね。今、御指摘があって、5ページ目の下から2つ目の丸だけではなくて、その上も重要だというお話がありましたけれども、私なんかでも、4ページの「総評」の最初に書かれている、地震や火山噴火の発生の基本過程を科学的に理解して、それを防災・減災につなげていくという、そこが非常に非常に重要になっているので、その方針をきちんと明示するということも必要になってくるのではないかと思います。ですので、言いたいことは、資料5-1のこの中でコピペされている改善すべき点だけが強調されるというのではなく、もう少し広い形で外部評価の意図していることを入れるべきではないかと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございました。ごもっともですね。むしろ、だったら、この4ページから5ページの「総評」の全体を要約したというか、それを少し次の方針にするというのがいいのかもしれませんね。ちょっと科学官と調査官で御検討いただけますか。変えることはできませんが、外部評価で頂いた趣旨を生かして、これをまた全部コピペするわけにはいきませんので、次の検討の方針ですから、これまでやってきたことで継続すべきことと、それから少し軌道修正しなければいけないことなどもまとめた形で方針を作れば、次期の計画の検討委員会で議論する出発点になるかなと思います。事務局、いいですか、それで。
【浦谷地震火山専門官】  はい、この資料5-1というのは、あくまでも次期観測研究計画の方針を検討するために、外部評価委員からの指摘事項のところだけを抜粋したものでございまして、外部評価報告で頂いたことのポイントといいますか、そういったことはやはり4ページ目から5ページ目の内容になるかと思いますので、そこをちょっとまとめる形にして、次期の観測研究計画の1回目の資料としたいと思います。
【平田分科会長】  はい、どうぞ。
【石川臨時委員】  済みません、実は4ページ目、5ページ目だけではなくて……。ちょっと今、気になったのは、11ページ目の下から2段落目のところの「今後は」というところから先に、「地震・火山現象の解明と予測に関する理学的研究を重要項目と位置付けて引き続き発展させるべきである」という、これも、先ほど話があった基礎研究は重要であるということについてここに明示的にはっきりと書いてありますので、こういった重要な文言についても拾ってもらえれば有り難いかなと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、だんだん時間がなくなってきましたが、今の方針について議論をしていただきましたが、いろんな御意見を頂きましたけれども、簡単に言うと、もう少しこの外部評価で頂いた意見の中で拾う必要のあるところもあるという御指摘で、それについては、基礎研究を重視してきたというこれまでの方針を続けるということも、是非次の方針に加える必要があるというようなこともありました。改善すべき悪いことだけではなくて、やり続けるところも重要であるということがあります。
 今頂いた考えを基にして、私と事務局の方で、科学官、調査官などとも御相談させていただいて整理して、もう一度、皆さんにお戻しして、御意見を頂きたいと思います。余りまとまっていませんが、そういう方向で進めてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【平田分科会長】  特に御異論がないようですので、こういう方向で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、内容については今の方向で進めるということで、基本的には、今の基本的な考え方を確認して、それを具体化する方法について御提案したいと思います。つまり、次期の観測研究計画の策定を検討する委員会を地震火山部会の下に設置するという方向を御提案させていただきたいと思いますが、設置してもよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【平田分科会長】  御異議がないと認めますので、次期の観測研究計画の策定の委員会を設置する方向で進めたいと思います。
 それでは、事務局の方からちょっと御説明を。
【浦谷地震火山専門官】  資料5-2をごらんいただければと思います。
 ただいま平田測地学分科会長から御発言いただきましたが、次期観測研究計画の原案を作成するために、地震火山部会の下に次期観測研究計画検討委員会を設置して検討を進めたいと思っております。
 委員につきましては、部会長より指名させていただきます。
 委員会の主査につきましても、部会長より指名させていただきます。
 内容について特に問題なければ、この資料5-2につきまして第1回目の委員会開催のときに資料とさせて頂こうと思います。
【平田分科会長】  いやいや、それは、今、御意見を頂いたんだから、それを修正して、もう一度、委員の皆さんにはお返しして、それを集約した形で次回の新しい委員会には提案するということですね。
【浦谷地震火山専門官】  はい。
 次の資料5-3ですけれども、次期の観測研究計画検討委員会の進め方について(案)でございます。
 目的につきましては、自己点検評価、また外部評価を受けて、その趣旨を踏まえた新しい観測研究計画の原案を作成するといったことを目的としております。
 検討方法ですけれども、原案につきましては、次期観測研究計画検討委員会で作成して、また、その原案につきましては、地震火山部会、また測地学分科会にも御審議いただこうと考えております。
 今後の検討の進め方でございますけれども、10月中に第1回目の次期観測研究計画検討委員会を開催いたしまして、来年度の7月から8月頃を目途に次期観測研究計画の建議に向けて進めていきたいと思っております。平成30年5月頃までに中間取りまとめをするために6回程度開催いたしまして中間の取りまとめをいたしまして、その後、一般からの意見公募を実施して、7月から8月頃に建議をするといったスケジュールを現在考えております。
 事務局からは以上でございます。
【平田分科会長】  今は事務局から進め方について(案)が示されましたので、ここで御審議いただいて、次の計画を作ることについて最終的に審議して決める必要があります。たたき台は、今、事務局から示されましたから、資料5-2は設置して、その委員会がいつ頃までのスケジュールで何をするかということが資料5-3にまとめられています。これについて御意見を頂きたいと思います。これも基本的には前回のを基にして作っておりますので、妥当なスケジュール感だとは思いますが、例えば資料5-2には、部会長が委員を指名しますが、誰を指名するかというのは、委員、臨時委員、専門委員を検討委員会の委員として指名しますが、9番目として「主査が認めるときは、委員会に属さない委員及び臨時委員、専門委員、関係行政機関の職員、その他の関係者に委員会への出席を要請し、その意見を聴くことができる」ということが入っています。だから、必要に応じて専門家に来ていただいて議論をするということも、この委員会ではできるというふうになっています。こういう方法について御意見があれば、是非御発言ください。はい、どうぞ。
【石川臨時委員】  資料5-3の一番下のところに「一般からの意見公募実施」というのが書いてあるんですけれども、先ほどの資料5-1の議論のところで、他分野からのニーズを把握するのが重要だという話があったので、一般の方だけではなくて、ここで指摘されたような他分野からの意見を聴くために、関連学会に依頼を出すというようなこともあるのか、お聞きしたいんですけれども。
【浦谷地震火山専門官】  関連学会につきましても、骨子ができた段階あるいは中間取りまとめの段階かもしれないんですけれども、意見公募ということも考えたいと思います。
【平田分科会長】  これまでも関連の学協会には御意見をいただいています。そのときに、関連のですから、もちろん日本地震学会、日本火山学会には御意見を頂いていますけれども、その範囲をどこまでにするかというのは少し検討する必要があると思います。それはどこで決めればいいのかな。これは地震火山部会で決めるんですか。それとも文科省が決めるのかな。
【浦谷地震火山専門官】  それは、次期観測研究計画検討委員会で決めることになると思います。
【平田分科会長】  あ、検討委員会が自分で必要と思えば、そういった意見を。
【浦谷地震火山専門官】  はい。この次期観測研究計画検討委員会で原案について作成いたしますので、そこでその点についても決めていただければと思います。
【平田分科会長】  ここにははっきり書いてないんですけれども、これまでの例でいうと、実は、検討委員会が全体の骨子と称して柱立てを幾つか決めた段階で、それについて具体的な提案を各学協会とか、それから主だった研究機関に提示して、提案を受け付けます。アンケート調査と称することなんですけれども。骨子といってもかなり細かい柱立てというか、研究計画の項目を作った上で、それについて具体的に各機関はどういうことをやるかということを提案いただくというのが、それがこの一般からの意見公募というものの中で実際にはやられています。だから、これは全く白紙で次の研究計画どうしたらいいですよということを求めるのではなくて、次はこういう方針でやって、ある程度中身の方向性が決まった段階で、じゃあ具体的に5年間でこの期間は何をやるかということを提案していただくような、そういうアンケートをやっています。だから、それでどういうアンケートをするかとか意見を聴取するかということは次期観測研究計画検討委員会にお任せしてやるということがここで言っていることですが、もちろん測地学分科会・地震火山部会からもそういう意見を言うことはできますので、中間の報告があったところで検討委員会に対して質問することはできると思います。
 前例をよく知っている方はいいと思うんですけれども、初めて参画した方でこれでいいかって不安に思う方がいたら、是非御発言ください。
【加藤(照)臨時委員】  一つの情報提供ですけど、他分野からの意見を聴くということの一つの可能性として、日本学術会議、東日本大震災をきっかけとして防災学術連携体というのができました。これは地震・火山だけではないんですけれども、基本的には地震が主でして、それこそ理学、工学、人文・社会、30以上の学会が参加していますので、そういうところに投げるというのも一つのやり方ではないかと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございました。
 はい、どうぞ。
【森岡専門委員】  松山大から来ております。私、心理学が専門なんですが、人文・社会系の研究者の森岡と申します。
 このような調査をするときに、計画についての意見を求めるだけではなくて、デルファイ式のように、自分はこれからこんなふうな研究をしようとしているので、こんなふうな情報があると助かるみたいな、ニーズ調査の項目も少し足されるといいのかなと思います。そうすると、その結果を踏まえて、今度こういう分野も増強したらいいなんていう議論にもなってきますので、指摘事項にも応えることになるかなと思います。無論、今おっしゃられた日本学術会議の方の人たちでも結構なんですけれども、人文・社会系ではこんなことをやろうとしていて、こういうものが支援されると。例えばリスクコミュニケーションをやろうとしているので、こういうことが出せるのか、技術的に可能なのか、どこまでいっているのかなんていうのを知りたいなんていうことを、素人意見でもいいから集めることが役に立つのかなと思います。
 済みません、人文・社会系なので発言させていただきました。
【平田分科会長】  ありがとうございました。事務局の方から何かございますか。
【竹内地震・防災研究課長】  関連学会と連携に向けて意見を聴く際にはそういうニーズという面を踏まえて聴くということで、次期観測研究計画検討委員会にも連絡してやっていきたいと思います。
【平田分科会長】  ありがとうございました。次期観測研究計画検討委員会は、恐らくこれまでも年度の成果報告をまとめるときにやっていたように、地震・火山噴火予知研究協議会がシンポジウムなどを複数回開催して、そこでの議論を参考にしていただけると思っております。ここにははっきり書いてないんですが、次期観測研究計画検討委員会を作るとだけ決めたわけですけれども、検討委員会の中では全国の研究者で新たに人文・社会系の研究者も参画していただいていますので、そういう社会科学的な手法を用いたニーズの調査をするということも1つ重要なことかなと思いますので、検討委員会には是非そういう方向も考えていただけるように伝えたいと思います。
【森田臨時委員】  ちょっといいですか。
【平田分科会長】  はい。
【森田臨時委員】  部会長、ちょっと誤解されているようなので、スケジュールを少し確認した方がいいんじゃないかと。研究計画を作るときに他分野からの意見を聴いたりするのは、この5月から6月ではありません。もっと前です。で、その段階でいろんな意見を聴きながら、実際、各機関がどういうことを次の研究計画として目指しているのかというものを取り入れて、次の研究計画の中間報告をまとめると。で、中間報告に対して、この一般からというのは正にパブリックコメントですね。これは広く聴くものです。だから、2段階そういう調査があると。で、その時期違っているということをここで確認したいと思います。
【平田分科会長】  分かりました。
【竹内地震・防災研究課長】  今、森田先生おっしゃるとおりで、途中段階で関係学会等の意見を聴いた上で建議の検討を進めるわけですけれども、ただ、パブリックコメントも最後の段階で実施すべきであるので、これは最後の本当に一般にさらすという意味です。そういう意味で、途中段階の関連学会に意見を聴く際において、今、御意見いただきました学術会議の防災学術連携体とおっしゃいましたですか、そこについても意見を聴くことで検討したいと思います。
【平田分科会長】  森田委員、ありがとうございました。ちょっと私、勘違いして、言い方を間違えました。この5-3の今後の進め方のところの29年度の10月中というところに第1回の次期の観測研究計画検討委員会が開かれて、そこでは次期観測研究に関して地震・火山噴火予知研究協議会を中心に検討された次期観測研究計画のたたき台を基に討議をすると言っておりまして、だから、既に地震・火山噴火予知研究協議会では検討を始められています。ここでいろんな方の意見を聴くということで、今御指摘いただいたように、他分野の研究者のニーズなども調査していただくというのをもうすぐにでも、10月ってもう来月ですから、始めないと。で、今年の後半にこういったものを精力的にやっていただいて、30年の5月、6月の方は、もうほぼできたというか、中間報告のパブリックコメントを頂くというか、できたものに意見を頂くということになると思いますが、その前の段階でも十分に調査して意見を集めるという必要があると思います。ありがとうございました。
 それに関連するんですけれども、いろんな資料を見ると分かると思うんですが、この観測研究計画はどこがやっているかということがはっきりと書いてあります、実施参加機関というのが。例えばどれがいいかな。この緑の冊子のところにやっている人が誰かというのが書いてあったはずだな。ないか。
【三浦科学官】  23ページ。
【平田分科会長】  23ページですか。あ、23ページの一覧表。これもいいけど、建議参加機関というのがどこかに。レビューに書いて……。
【竹内地震・防災研究課長】  レビューの186ページ。
【平田分科会長】  この厚いファイルの中のピンク色の冊子の186ページ、あ、そうですね。このファイルの中のピンク色の冊子ですね。丸2の「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究」の実施状況等のレビュー報告書、平成29年1月というものの186ページに、観測研究計画実施機関として、総務省、文科省、経産省、国交省、都道府県というふうに書いてあります。この機関がこの観測研究計画に参画していると、そう位置付けて、お金はこの機関にいろいろなルートで措置されています。文科省系は、地震研究所、東京大学経由で国立大学法人はここに配分される。ですので、この研究計画は、個人の参加ももちろんあるんですけれども、多くはこういう機関が参加して進めるという形態をとっています。これはどうしてかというと、例えば定年になって教授が辞めてしまったらこの研究が終わってしまうということでは困るので、機関として責任を持って少なくとも5年間はやるという建前というか、そういう精神でやっていますので、この計画を始めるときにどの機関が参加するかということを決める必要があります。これは地震火山部会か測地学分科会で毎回決めていますけれども、多分、次の新規の観測研究計画が始まるときに、どの機関がやりますよと。それはどういうことでやるかというと、その機関が何をするかというのをそれぞれに提案していただいて、それをこの地震火山部会で審議をして、合理的であると思えばこの計画を認めると言って、その計画を1つでも出しているところが参加機関になるわけです。つまり、これは誰かが決めた計画をやる人が参加するというだけではなくて、計画を作る段階からこの参加機関に意見を言っていただくということが重要なプロセスです。それをこの10月から始めようとしているので、最後にパブリックコメントが出た段階で参加するという人もいるかもしれませんけど、多くは、その全体の構成などを決めるところから具体的に提案をしていただくということをやらなければいけません。
 それで、この検討委員会というのは6回開くって書いてありましたけれども、何度も開催する理由は、そういう提案を受け付けるという段階で、アンケート調査というんですけれども、まず現行の計画に参加している機関に対して、次もやりますかというような計画研究を出していただくことを求めると同時に、今は参加してないけれども、次期計画ではこういう分野について是非参加する必要があるということを自薦する人もいれば、他薦する人もいるということで、広く次の計画に参加する人を募るフェーズができます。これは、昔から言われているのは、この計画は何か既得権益をずっと守っている集団がいて、次々とエンドレスにやっていくというのはけしからんということをさんざん言われて、あるときから考えを少し修正して、この計画に参加すること自体を公募するということも始めるということです。ですけれども、今の次の計画は全く白紙からあるわけではなくて、現行計画とそのレビューと外部評価を頂いて、きょう審議していただいたような方針に基づいて次の計画を決めていきますから、それに賛同して、具体的な計画をお持ちで、5年間は責任を持って実施していただけるという方が参加するということになっていきます。結構これは複雑なプロセスなので、非常に緻密にやっていかないと計画が落ちてしまったりするので、それの一つの方法として、今、御提案になったような調査を次期の計画検討委員会ではやっていく、あるいは地震・火山噴火予知研究協議会の方でもそういったことをやっていただくということが必要かなと思います。
 ちょっと余計なことも言いましたが、そういうわけで、誰がこれに参加するかということも含めて次の検討委員会では議論をしていただく必要があると思います。それも、そういう方向でいいかどうかは、きょうここで皆さんの御了解を得る必要があります。ずっと知っている人は大体分かると思うんですけれども、知らない人は、一体どうやって次は誰がやるのかというのが決まるかというのはかなり難しいんですが、何か御意見ございますか。
 それで、時々出てくる地震・火山噴火予知研究協議会というのは、測地学分科会とは独立な組織ですが、これは研究者の組織している委員会で、少なくとも今の研究計画を実施している全ての観測あるいは業務機関、研究機関、教育機関が参加している協議会です。ですので、当然、次の計画を作るに当たって、今参加してないけれども、必要な人たちにそこに参加して議論していただくということは、強く期待しておりますので、誰に言ったらいいか分からないけど、例えば加藤委員には、よろしく御検討ください。
 また、きょう御参加の委員の皆さんで、こういった分野がまだこの計画には入っていないけれども、是非参加していただく必要があるという御意見をお持ちの方は、基本的には事務局の方に御意見を頂いて、次期の検討委員会の議論に反映していただくようにしたいと思います。
 さて、大体時間ですが、次期観測研究計画の検討委員会を作るということで御了解を頂きましたが、その内容について、今、議論しているようなことをするということで、資料5-3に基づいて検討委員会を進めさせていただくという件で、何か注意すべきことがあれば是非御発言ください。森田委員、何か。
【森田臨時委員】  特にございません。私は、この前の、5年前の建議を作る前に相当逆風が吹いているときを経験しましたので、今回の外部評価は非常に優しいなという感無量の気持ちで、今、読ませていただいております。
【平田分科会長】  でも、今回は方針を少し変えて災害の軽減に貢献するためにということで歩み始めましたが、これは最初の5年だから甘く優しくやってくれたけど、次の5年、同じことを言い続けても駄目で、やっぱりちゃんとした成果を出す必要があるかなと思いますので、きょういろいろ御意見を頂いたことを踏まえて、次の観測研究計画でどういう方が参加するかということも含めて検討していただきたいと思っております。
 よろしいでしょうか。静かになっちゃいましたけど。例えですけれども、きょう、榎原委員にも参画していただきましたが、榎原委員の東京大学史料編纂所というのは今期の計画から正式に参加していただいた機関ですので、そのほかにも幾つか今期は特に人文・社会系では参加いただいていますけれども、まだまだ必要なところがあるということであれば、是非検討する必要があると思います。だから、そういうことも含めて次期検討委員会では議論をしていただきたいと思っております。
 では、大分議論をいたしましたので、方向性としては御異議がないということで進めさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、事務局からお願いします。
【浦谷地震火山専門官】  平田測地学分科会長、ありがとうございました。また、委員の皆様につきましても、長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。
 最後に連絡事項でございますけれども、本日、席上に配付いたしました外部評価報告書ですね、緑の冊子は、お持ち帰りいただければと思います。
 なお、本日の資料、また、外部評価報告書につきましても、机上の封筒に入れて残していただければ、後ほど事務局より送付させていただきます。
 諸手当の請求に関して確認いただく紙も、御確認、御記入の上、机上に残していただければ、事務局が回収いたします。
 以上でございます。
【平田分科会長】  ありがとうございました。これで終了いたします。


―― 了 ――

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