参考資料2 今後の火山観測体制について(案)

1.背景

・ 平成20年12月に測地学分科会火山部会で取りまとめた「今後の大学等における火山観測研究の当面の進め方について」の中で、「火山研究の更なる発展のためには、基盤的観測網の整備や大学の観測施設への支援とともに火山観測データの流通を促進する必要がある。この、教育研究と火山防災の双方に資することを目的として、今後、火山の観測データを気象庁及び防災科学技術研究所等のデータ流通設備を活用して、大学、研究機関及び気象庁等の間でリアルタイムに流通できるようなシステムを早急に検討する。検討に当たっては情報流通に伴う問題点等を検証して、情報の取り扱いルール等を取りまとめ、維持費用等の確保も考慮の上、現実に即した関係機関でのデータの共有と教育研究、防災等への活用の方策を検討する」とある。
・ また、平成26年11月に測地学分科会地震火山部会で取りまとめた「御嶽山の噴火を踏まえた火山観測研究の課題と対応について」の中で、「火山の観測データがリアルタイムで一元的に流通すれば、より多くの専門家による研究が可能となるため、データ流通を一層積極的に進め、研究機関の枠を超えた共同研究を一層推進する必要がある。これにより、火山の研究に携わる人材が増えることも期待できる」とある。

2.今後の検討 

・ 火山観測データの一元化を含む将来の火山観測体制に向けた総合的な討議を測地学分科会地震火山部会の枠組みで実施し、コンセンサスを図って頂くべく、今後、地震・火山噴火予知研究協議会で検討。
・ 地震・火山噴火予知研究協議会での総合的な討議と並行して、今年度から開始した、「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」においても、火山観測データの一元化に向けた技術的な検討を行うため、次世代火山研究推進事業に設置した火山研究運営委員会の下に火山観測データ流通WG(仮称)の設置を予定。
・ 火山観測データの流通・公開の仕組みについては、火山観測データ流通WGのほか、地震・火山噴火予知研究協議会でも総合的な討議の一環として検討に含まれる予定。今後、測地学分科会地震火山部会でも随時、それらについて報告を行うので、検討頂く。

3.火山観測データの一元化に向けた検討

・ 将来の火山観測体制に向けた総合的な討議を進める中で、火山観測データの一元化を進めていく必要がある。そのため、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトでも課題の1つとして設定した。
・ 火山観測データ一元化は、次世代火山研究・人材育成総合プロジェクトだけでなく、広く火山のコミュニティ全体で議論して頂く必要があると考えており、コミュニティ全体の合意を取りながら進めていくようにしていく。
・ 広くご意見を頂き、コミュニティ全体で協力し合いながら実現に向けて検討していきたい。

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研究開発局地震・防災研究課

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