地震部会/火山部会 地震及び火山噴火予知観測研究に関する次期計画検討委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成19年9月13日(木曜日) 10時~12時

2.場所

丸の内仲通ビル 地下1階 K2会議室

3.出席者

委員

 石原、長谷川
臨時委員
 鵜川、浦塚、清水、富樫、平田、藤井、堀、村上
専門委員
 大島、中田、西澤、日野、山岡、吉田

文部科学省

 増子地震・防災研究課長、橋本地震調査管理官、本藏科学官、加藤学術調査官、永田地震火山専門官、他関係官

オブザーバー

 干場〔気象庁〕、堀〔海洋研究開発機構〕、小泉〔産業技術総合研究所〕

4.議事録

(1)議事運営等について

 資料1‐1、1‐2、参考資料1に基づき、平田主査より主査代理として清水委員が指名された後、本委員会における公開の手続きについて、事務局より説明があり、測地学分科会決定を準用することが決定された。なお、委員会に作業部会を設置する場合は、審議を円滑に実施するため非公開とし、議事概要を公開することが決定された。

(2)次期計画の策定について

 資料2‐1、2‐2、3、参考資料2に基づき、測地学分科会におけるこれまでの審議及び作業結果等について事務局より説明があった。続いて、地震部会及び火山部会として実施したアンケート調査について、各実施機関より説明の後、意見交換を行った。
 主な意見は以下のとおり。

【村上委員】
 「観測」という言葉を名称に含めて欲しい。地震予知においても火山噴火予知においても、観測については計画の柱となる。

【大島委員】
 緊急地震速報が、地方のテレビ局で地震予知の成果として報道された。現状で、何ができるのかが望まれている。自治体の防災担当者に「役に立たない学問はいらない」と言われたが、地震予知も火山噴火予知も、30年以上やってきており、一緒になったことで、名称を単に合わせるだけでなく、どこまでできるのか具体的な到達点が分かる名称にすべきである。

【石原委員】
 5年間のロードマップを見せなければいけないのではないか。実施機関がそれぞれ行うべき業務と研究を明確にすべきである。地震と火山では体制が異なる。それらを踏まえ、名称及び構成について考えなければならない。

【鵜川委員】
 「研究」を名称に付けると、火山噴火予知については、「研究」にシフトしたのだという印象を受ける。

【平田主査】
 次期計画は、研究計画ではなく、予知をするための業務も含めた計画であるとのご発言である。私の理解では、地震に関しては研究計画である。地震予知計画は、学術研究的な部分を支えるもので、観測業務については別のフレームがあるが、火山については、観測業務も予知計画に含むとのことである。

【西澤委員】
 推本と地震予知の違いはないかと聞かれた場合、学術研究メインであるのが地震予知で、業務的な部分が推本であると説明してきたが、計画の名称も含め、推本との区別が明確になるよう考えなければならない。

【平田委員】
 次期計画は、研究は当然含まれるが、予知をするところまでデザインした計画にするのか、予知する部分は別の機関がするので、それを支える学術研究を担うのか、計画の姿勢については共通認識を持たなければならない。「観測」と「研究」を並列に扱う計画にするか、「業務的」な部分について、どこまで踏み込むか、推本等関係の組織との関係等、これの観点は重要であるため、次回の検討委員会までにご意見を考えていただければと思う。
 次に、骨子(案)について議論したい。今の議論で、観測と研究について、先生方が区別して考えておられることが分かった。

【中田委員】
 火山噴火予知計画の場合は、観測研究強化すなわち社会的要請に応える部分が1.にあり、基礎研究が2.にあった。骨子(案)もそのような順番になっている。地震は、逆に基礎研究からシミュレーションへという流れである。社会から予知計画が求められていることを考えるとき、1章に社会に対して何ができるかということを持ってくる方がよい。社会的な国家プロジェクトであるので、我々が何を社会に提言できるか、どのような予測のデータを出せるかということを1 章で述べるべき。2章でそれを実行するための観測と基礎研究、3章でそれに必要な観測・実験技術の開発、この計画を推進するための体制を4章で書くという形がいいのではないかと考える。ただし、1章で我々が訴えようとすることが見えるかどうかは今後の議論。

【平田主査】
 地震の計画は、基礎研究による現象の理解が最初にあり、次に理解に基づく予測を行うことを述べ、技術開発及び体制が続いている。その構成が変わっている。大きな方向転換がある。地震関係からは、元に戻すべきとの意見も聞かれた。

【本藏科学官】
 「地震予知のための新たな観測研究計画」になる前は火山噴火予知計画に近い形で、観測・モニタリングがまずあった。その後大きな見直しがあり、全体の見通しをどうするかを考え、地震予知の戦略を描き、それに沿うように新計画は作られた。その戦略では、予測モデルを作るためにもデータ同化が必要であり、観測は依然として重要だがメインではない。本質は、地震の見直しのときに議論された戦略はどこにあるのか。次期計画において、地震と火山を一本化する戦略はどこにあるのか。その中でどう作っていくかであって、順序は大きな問題ではない。大きな変換であるので、本質的な議論が必要。

【平田主査】
 なぜ地震と火山が一本化したかについては、最初にすべき議論。

【石原委員】
 昭和49年に火山噴火予知計画が開始されたときの基本的な考え方は、火山噴火に至る地下のマグマの挙動の理解が予知に繋がるというものだった。何を目的にするかを考えることで、何を一緒にすべきかが見えてくるのではないか。

【清水主査代理】
 モニタリングを最初に持ってきたのは、社会に対する説明責任と、統合したときにメリットとして限られた資源を有効活用してモニタリングするということが一番見えるようにである。それを実現するための基礎研究が続き、直前過程の部分は異なるのでできなかったが、その中でも共同でできるところは一緒にした。しかし、その意図はアンケート結果をみると伝わっていないようだ。火山については、従来の項目立てとはかなり異なっているので、どの項目で課題を提出すればよいか悩んだと思われるものがあった。小項目については、更なる検討が必要である。

【本藏科学官】
 総合モデルを作るために、現状、見通しはどうで、どのような道筋で目標に至るのかを明確にすべきである。1章と2章が分離しているので、整理して欲しい。

【小泉オブザーバー】
 第7次地震予知計画から地震予知のための新たな観測研究計画に変わるとき、大きく方針を変えるということで、原則や哲学に関して長期間の議論を行った。地震予知研究と火山噴火予知研究が一緒になるということも、大きな方針変更だが、来年6月までに新建議をまとめる必要があり、長期間にわたって議論をする時間はないため、様々な意見を取り入れながら同時並行的に計画を作成していくしかない。地震と火山を合わせることについても、一挙に完全に融合した計画を作ることはできないのだから、できる部分から合わせていくという方針でよいのではないか。8月9日の地震部会・火山部会合同会議で深尾分科会長が、外部から見たら、地震予知研究と火山噴火予知研究は、今一緒になるしかないとおっしゃっていたが、その通りだと思う。

【山岡委員】
 4つの大項目の構成については、概ね了承が得られたと思うが、中項目以下の構成について、原案を作るに当たって修正意見が出てくることが考えられるが、どのように対応すればよいか。

【平田主査】
 作業部会で構成についても議論していただきたい。

【干場オブザーバー】
 気象研究所が平成21年度に独立行政法人となる方向で現在動いている。今までは、気象研究所は気象庁として計画に記載されていたが、次期計画からは書き分けたほうが良いと考える。

【平田主査】
 それでは原案の段階から、気象庁と気象研究所はそれぞれについて記述することとする。

 今後の検討の進め方として、地震・火山それぞれ作業部会を設置して検討を行うこと、地震作業部会の主査は平田委員が、火山作業部会の主査は清水委員が務めることが了承された。また、平田主査より原案の分担について案が示され、了承された。
 平田主査より、外部評価報告書より、関係学協会に協力を求めるべきとの言及があったことから、地震学会・火山学会・測地学会に対しアンケート調査を本委員会として実施してはどうかとの提案があり、了承された。

(3)その他

 事務局より、アンケート調査結果については、メールにて送付する旨連絡があり、今後の日程について下記の通り連絡があった。

  • 地震作業部会(第1回)9月28日(金曜日)13時~17時
  • 地震作業部会(第2回)10月12日(金曜日)13時~17時
  • 火山作業部会(第1回)9月26日(水曜日)13時~17時
  • 火山作業部会(第2回)10月12日(金曜日)13時~17時
  • 次期計画検討委員会(第2回)10月22日(月曜日)10時~17時

以上

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)