地震部会 観測研究計画推進委員会(第12回) 議事要旨

1.日時

平成18年10月23日(月曜日) 13時30分~20時10分

2.場所

三菱ビル 地下1階 M6会議室

3.出席者

委員

長谷川
臨時委員
 堀
専門委員
 平田、金沢、松澤、山岡、今給黎、干場、渡辺

文部科学省

 加藤学術調査官、他関係官

オブザーバー

 堀(海洋研究開発機構)
 桑原(産業技術総合研究所)

4.議事要旨

(1)地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)の実施状況等に関するレビューについて

 10月3日に開催された前回観測研究計画推進委員会における意見及び委員会後にメール等で寄せられた意見を踏まえ、担当委員が修正を行ったレビュー草案について、審議を行った。主な意見は下記の通り。

事務局
 関係各機関より提出してもらったレビュー資料フォーマット2の中に、平成16年度及び平成17年度に当該課題を実施しているにもかかわらず、提出漏れ等のために各年度に本委員会で取りまとめを行っている年次報告に掲載されていないものがあった。これについて、当該機関より、課題番号を付与し、参考資料(2)‐2研究課題一覧(機関別)へ追加して欲しい旨の要望が出ているため、ご審議を頂きたい。

委員
 実質的に平成16年度または平成17年度から始まったものであるので、特に問題ないと思う。

事務局
 後日、事務局で確認を行い、新たな課題番号を割り振った上で連絡させて頂く。その際には、確認に協力願いたい。

「全般的な事項」

委員
 全般的な事項に対する意見について質問だが、地震が発生した年の記述方法はどうしたら良いか。気象庁ではどうしているか教えて欲しい。

委員
 基本的に元号で記述している。国の機関で用いるのは元号ではないか。

委員
 西暦を用いた方が、地震の間隔等が分かりやすい。例年、本委員会で年次報告を取りまとめているが、それに倣って地震が発生した年については、基本的には西暦で記載し元号を括弧書きで記述すれば良いのではないか。その他の部分については、元号で記述する。

委員
 マグニチュードの記載方法についてもまちまちである。可能であれば統一した方が良い。

委員
 初出の箇所で「マグニチュード(M)」として、以降は「M」とすれば良い。

「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」

委員
 1ページ「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の目的については、主査及び事務局から提案のあったとおり、項目全体の目的を記述した後に、各小項目の目的を1段落位ずつ記載することにしたい。

委員
 1.(2)の実施状況については、分量的に大変多いので、他の項目と体裁が異なるが、小見出しを設けて、ある一定の単位ごとに区切って記載した。

委員
 4ページの「○(丸)大地震やゆっくり滑りと地下構造との関係の解明に向けた観測研究」の6行目は、「南海地震震源域」という修文で良いか。

オブザーバー
 特に問題ないと思う。ただし、掘削を行うのは「南海地震震源域」ではなく、「東南海地震震源域」である。

委員
 その次の一文についてだが、本計画と文部科学省の委託事業との整理はできているか。この場合だと、本計画と委託事業の目的が同じであるので、委託事業で実施したことをこの部分に記述したという理解で良いか。確認をお願いしたい。

委員
 8ページの6行目「さらに、複雑な断層帯の破壊電波を動的破壊シミュレーションで検討した」という部分については、物理学的なモデルという側面もあるので、次の小見出しの「地震発生サイクルとその揺らぎを作り出す物理学的モデルの構築」という部分の一番最後に持っていった方が良い。

委員
 また、同じく8ページの8~9行目の「北アナトリア断層系1943~1944年地震断層及び中国富薀断層系1931年地震断層において」という部分が分かりづらい。

委員
 「富薀」という言葉も、ローマ字を括弧書きにし、読み方が分かるようにした方が良い。

事務局
 8ページ5行目の「松田(1990)による『起震断層』の考え方」は、論文からの引用と言うことで良いか。突然出てくるので、多少説明を入れた方が良いと思う。

委員
 「松田(1990)による従来の『起震断層』の考え方」ではどうか。

事務局
 8ページの22行目の「南カリフォルニアに適用し」という部分に関して、南カリフォルニアの何に適用したのかが分からない。「南カリフォルニアの地震活動に適用し」ではどうか。

委員
 同じページの21行目の「多重応力変化と速度状態依存摩擦構成則を考慮した」という部分は削除しても良い。

委員
 6ページには、「地磁気地電流(MT)観測」という言葉が多々出てくるが、この書き方についてはどうするか。「地磁気地電流」というのは、本委員会で年次報告を取りまとめる際に専門家以外の人へも分かりやすくするために使っている用語であるので、専門家には違和感があるのかもしれない。

委員
 初出の箇所については、草案に記載してあるとおり、「地磁気地電流(MT)観測」とし、以降は「MT観測」で良いのではないか。

委員
 4ページの下から3行目「○ゆっくり滑りや深部低周波微動と大地震の関係」という部分について、何と何の関係についてなのかが良く分からない。一つ前の小見出しについても同様である。

委員
 「ゆっくり滑り・深部低周波微動と大地震の関係」とすれば分かりやすくなる。

委員
 5ページの下から10行目の大学の合同観測の部分については、2004年度(平成16年度)からの5か年の計画であり、まだ実施途中であるので、「実施した」ではなく「実施している」にする。

委員
 5ページの「イ.内陸地震発生域の不均質構造と歪・応力集中機構」の7行目の「合同総合地殻構造探査」という部分は、各大学が合同で総合地殻構造探査を実施したということで良いか。

委員
 内容をまとめ過ぎてかえって分かりづらくなってしまった。御指摘のとおり「合同で総合地殻構造探査を実施した」と修正したい。

委員
 2ページ目の「1.(4)地震発生の素過程」の目的の4~6行目「モデルに含まれる摩擦・破壊構成則~比抵抗などから推定する。」という部分については、ここで推定する訳ではないので「推定する手法を開発する」というような表現に改めた方が良い。

委員
 同じく2ページの「ア.日本列島及び周辺域のプレート運動」の4行目のVLBIの説明書きが間違っている。正しくは、「超長基線電波干渉計」ではないか。

委員
 3ページの15行目に「ポアソン比の推定を行った」という部分があるが、正しくは、「ポアソン比の分布の推定を行った」である。

委員
 同じページの12行目の「バネ・ダッシュポット・スライダー要素によるモデルを用いて」という部分は、事細かに記述しすぎではないか。

委員
 草案を作成する段階でも、「単純な要素モデル」にするか迷った箇所である。

委員
 年次報告のとおり「粘弾性モデル」とすれば良い。

委員
 9ページの下から11行目の「深部掘削に向けた準備を行った。」という部分は必要か。十分な成果が認められなければ、実施状況にも記述しなくても良いと思う。

委員
 全般的なことであるが、「震源核」と「破壊核」の使い分けはどうなっているか。建議では、「震源核」という言葉を使っている。

オブザーバー
 統一すれば、どちらでも問題ないのではないか。建議に合わせて「震源核」とするのが良いと思う。

委員
 9ページの10行目の「破壊・摩擦構成則」についても、他の部分では「摩擦・破壊構成則」という使い方をしているので合わせた方が良い。

委員
 9ページの冒頭の「強震動伝播計算を高度化するために」という部分については、強震動が伝播するという表現は違和感がある。

委員
 「高精度の波動伝播と強震動シミュレーションの実用化のために」と修文すれば良い。

委員
 同じく9ページの冒頭の「ベクトル化・並列化による大規模強震動計算を可能にした」という部分については、「ベクトル・並列スーパーコンピュータに適応した大規模高速計算コードを開発した」と修文頂きたい。

事務局
 8ページの下から6行目の「発震機構」という部分について、他の箇所との並びを合わせて、「発震機構解」とする必要はないか。

委員
 建議では「発震機構」となっている。現在の文脈のままだと、「発震機構解」ではおかしい。担当委員に検討をお願いしたい。

委員
 また、同じく8ページの下から11行目の「アスペリティ分布を作る」という表現には違和感がある。「アスペリティ分布を得る」という方が良いのではないか。

委員
 8ページの下から5行目については、目的についても触れておかないと分からないのではないか。

オブザーバー
 断層滑りによる発熱を計るために実施したものである。成果については、今後出てくるものと思われる。

委員
 この部分では、「断層滑りによる発熱を計るために」として、目的にも触れておいて欲しい。

委員
 「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の実施状況の全般についてだが、「1.(1)、1.(2)」と「1.(3)、1.(4)」で担当委員が異なるため、文の構成の仕方が異なっている。例えば、「1.(3)、1.(4)」については、各パラグラフの冒頭が「~のため」と目的が記述されているが、「1.(1)、1.(2)」については、目的に当たる部分が、小見出しにされている。

委員
 現時点では、違っていても良いと思うが、最終的に記述方法を調整する必要があろう。各担当委員同士で検討して欲しい。

オブザーバー
 実施状況の機関名については、略称で記述した方が良いのではないか。略称を使った方が読みやすい気がする。

委員
 検討する。報告書の分量を削減する必要があればそうすることもあるのかもしれない。

委員
 10ページの「イ.列島規模のプレート内の構造と変形」の11~13行目に、低周波微動震源域でのVP/VSに関する記述があるが、11ページの23~24行目にも同じ内容の記述があり重複している。

委員
 この部分については、建議においても1.(1)イと1.(2)アのどちらの項目でも出てくる。

委員
 建議に記述されているからといって、同じ内容を2回繰り返すのもどうかと思うので、修文した方が良い。

委員
 10ページの6行目の「沈み込むプレートの形状が明らかになってきた」という部分については、どの程度なのかを明示した方が、分かりやすくなるのではないか。

委員
 同じく10ページの24行目の「その地域では剛性率が低い可能性が示された」という部分については、3ページの14~15行目に実施状況としてポアソン比の記述があるので、成果についても剛性率ではなくポアソン比を用いる。

委員
 10ページの下から4~3行目「このことはアスペリティ・モデルの正しさを示すと同時に」という部分については、少し飛躍があると思う。

委員
 「アスペリティモデルから予測される」くらいの表現に修文する。

オブザーバー
 11ページの7~8行目の「プレート境界が折れ曲がっているところが、プレート境界地震のセグメント境界となっている」という部分については、深さ方向の話か。これを、セグメント境界と言っても良いものか。

委員
 プレート境界と言った場合、普通は横方向を想像するのではないか。検討して欲しい。

委員
 11ページの10~11行目の「破砕された海洋地殻が沈み込み」については、沈み込んだ海洋地殻が沈み込んでいるということを言いたいのか。この表現だと運動をイメージしてしまう。どちらが結果で、どちらが原因かが分かりにくい。検討して欲しい。

委員
 11~12ページの「1.(2)イ.内陸地震発生域の不均質構造と歪・応力集中機構」については、分量が多いのでコンパクトにまとめる。

委員
 前にも意見があったが、12ページの23行目の「バネ・ダッシュポット・スライダー要素モデル」については、「粘弾性モデル」とする。

委員
 12ページの10行目に「この余震域の端付近」とあるが、前の行を見ると「余震域北端と南端付近」となっており、「この」がどちらを指しているのかが分からない。おそらく両方の端を指していると思うので、「この」を取れば良い。

委員
 11ページの下から1~2行目の「この跡津川の結果はそのモデルの正しさを支持している。」という部分は省略しすぎである。「この跡津川断層での解析の結果は」などのように省略せずに記述する。また、「モデルの正しさを支持」ではなく、「モデルを支持」である。

委員
 11ページの下から5行目の部分は、「アスペリティ」という表現で良いか。建議では、プレート境界のことを想定しており、通常時には固着しており、地震時に大きな滑りを引き起こす領域」と定義している。内陸地震のこの部分でいきなりアスペリティという言葉を用いても良いか。

委員
 アスペリティという言葉を使わないで記述しても、結局このような表現になってしまう。とりあえずは、このままで良いと思う。

委員
 13ページの「1.(3)エ.地震発生サイクル」の8~11行目について、1978年の宮城県沖地震で三つのアスペリティが同時に破壊されたことが記述されており、それに続いて1930年代に数年の間隔で順繰りにアスペリティが破壊されたことが記述されているが、順序が逆の方が文章のつながり的に良いのではないか。つまり「1930年代に順繰りに破壊されたアスペリティが、1978年には同時に破壊された」とした方が、次の文章の「時には非常に広域に連動破壊する可能性があることを示している」という部分にすんなりとつながっていくと思う。

委員
 同じく「1.(3)エ.地震発生サイクル」の17行目の「過去に繰り返し、数百年間隔で」という部分については、「数百年~千年程度の間隔で」の方が良いと思う。

委員
 13ページの「1.(3)ア.断層面上の不均質性」の成果の第2パラグラフについては、あまりにも唐突であるので、このパラグラフの後半部分を「実際の強震動記録より小さくなるなど長周期地震波形から求められた震源モデルを短周期の強震動評価に用いる場合の新たな課題が提起された。」と修文して欲しい。

委員
 14ページの2行目について、「地球シミュレータの」という部分については、内容的に同じで初出の箇所である9ページの2行目に移動させる。

事務局
 14ページの12~14行目の蛇紋岩の変形実験の箇所について、「地震発生領域に対応する高温高圧下(800Mpa(メガパスカル)、700度)」といきなり記述すると、非常に不自然である。この部分は、やや深発地震に関する部分であると思うので、「摩擦・破壊特性に大きな影響を与えると見られる」という部分は、「やや深発地震の発生機構に関係していると考えられる」と修文する。

委員
 その次の13行目の「高温高圧下(800MPa(メガパスカル)、700度)」という部分は、ここまで詳細に書く必要はあるか。他の部分との並びを考えると、詳細な数字については削っても良いと思う。

事務局
 14ページの27行目の「石英等の鉱物や滑り面と電磁放射との関係が解明されつつある」という部分について、鉱物と電磁放射の関係というのは分かるが、滑り面と電磁放射の関係がよく分からない。

委員
 この部分については、分かりやすく修文するようにしたい。

事務局
 14ページの下から9行目の「プレート境界に存在し、摩擦特性に大きな影響を及ぼしている」という部分については、温度などが摩擦特性に影響を及ぼしているというのであれば分からなくもないが、蛇紋岩が摩擦特性に影響を及ぼしているというのは不自然な感じがする。「プレート境界の摩擦特性に大きな影響を及ぼしている」とした方が良い。

事務局
 14ページの下から5行目の「様々な蛇紋石化の程度の多くの試料について系統的に明らかにした。」という部分は何を明らかにしたのかが不明確ではないか。何を明らかにしたのかを明示して修文した方が良い。

委員
 同じ箇所で「蛇紋石化」という部分があるが、他の多くの部分では「蛇紋岩」という言葉を使っている。蛇紋岩とした方が良いか。

委員
 鉱物としての蛇紋石を表しているのかもしれないが、内容的に間違っていないのであれば、基本的に統一した方が良い。

オブザーバー
 15ページの第2パラグラフでは、プレートの構造のことが記述されておりプレート境界の統合的なモデルの話かと思えば、次には内陸の応力集中の話が記述されている。

委員
 断層に対する応力の集中と広域の応力場がなぜ内陸に集中しているのかという2つの観点がある。修文するようにしたい。

委員
 15ページの24行目に「地震性領域」という言葉がいきなり出てくるが、地震性の変形がある領域と、地震が発生する領域を対比させて「地震性領域」と使っていると思うが、分かりにくい。

事務局
 「固着域」くらいの表現で良いだろう。

委員
 この部分については、「1.(2)地震発生に至る準備・直前過程における地殻活動」と重複している領域があり、この項目から削除したつもりだったが、今後の展望には残っていたようである。この部分については削除することにする。

委員
 同じく15ページの下から8行目の「プレート内地震」と、下から7行目の「プレート内部の地震活動」について整理が必要だと思う。

委員
 16ページの3行目及び5行目の「バリア」という言葉は、可能であれば日本語にした方が良いのではないか。

委員
 同じく16ページの12行目に「中越地震震源域」と記述があるが、「新潟県中越地震震源域」と略さずに記載する。

委員
 17行目の「歪変化として明瞭にとらえた例は」という部分は、「歪計で明瞭にとらえた例は」とした方が良い。

委員
 27行目の「広域に連動破壊ことも」という部分は、「広域に連動破壊することも」の間違いである。

委員
 16ページの下から7行目の「GPS波形データ等」という部分は、波形という言葉を使うと、専門家は電波を想像する可能性がある。「GPS変位データ等」とした方が良い。

委員
 17ページの9行目の「複数のパラメータの同時測定」というのはどのようなものか。

委員
 温度と歪のことである。

委員
 「パラメータ」という言葉についても、「物理量」とした方が良い。

事務局
 11行目の「規模依存(スケーリング)則を意識した研究も着実に進展した。」という部分については、成果に記載されていないため「研究も始められた」くらいの表現でどうか。

「2.地殻活動の予測シミュレーションとモニタリングのための観測研究の推進」

委員
 18ページの「2.1.目的」の15~16行目に「その他特定の地域と区別して実施状況及びその成果をレビューする。」という表現があるが、当該項目の目的を記述するはずの場所に「レビューする」という文章はおかしいと思う。

委員
 「その他特定の地域と区別して実施する」で良い。

委員
 21ページの22行目の「約10年周期で」という部分については、「約8年周期で」という表現の方が正確である。

委員
 同じく21ページの25~26行目については、全般的な事項に対する意見でも話が出たが、西暦で記述し元号を括弧書きで記述する。

オブザーバー
 22ページの下から6行目~7行目の「取りまとめ、過去の地震前後における地下水変化事例のデータベース化を進めるとともに、データ転送の」という部分については、内容的に「2.(3)地殻活動情報総合データベースの開発」に記述した方が良いと思うので移動して頂きたい。

委員
 具体的な修文については、「取りまとめる一方、データ転送の」で良い。

委員
 実施状況の書き方についてだが、「2.(2)イ.東海地域」と「2.(2)エ.その他特定の地域」について、「大地震の発生が予測されている」という書き出しの表現が同じである。「2.(2)ウ.東南海・南海地域」についても表現を合わせた方が良いか。

委員
 東海と東南海・南海及びその他特定の地域については、場所ごとに文章を書かなければならないので統一しても意味がない。

委員
 合わせる必要はないだろう。「イ.東海地域」と「ウ.東南海・官界地域」については、この表現ではなくて良いと思う。ただ、「エ.その他特定の地域」だけについては、どうしてその地域について記述されているかを、分かるようにするためにこの表現が必要だと思う。

委員
 「エ.その他特定の地域」には伊豆地方も含まれるが、大地震の発生が予測されているという表現で良いか。

委員
 建議に合わせて「大地震の発生が想定されている」で良い。

委員
 24ページの下から8行目に「特定観測地域/重点地域」という表現があるが、「及び」とした方が、良いと思う。

委員
 先程、意見が出たが、25ページの8行目に、22ページで削除した地下水変化のデータベースの内容を追加する。具体的には「活断層データべースや地震に伴う地下水変化のデータベースを作成し」とすれば良いのではないか。

委員
 31ページの今後の展望の記述方法については、全体をまとめたパラグラフに続いて、二つの小見出しを設けた。小見出しについては、本来であれば「シミュレーション」と「モニタリング」と「データベース」と三つに分けて設けるべきであるが、「モニタリング」と「データベース」については密接に関連しており文章を二つに分けるのは難しかったため、これらを一つにまとめた。

委員
 「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」についても書き方を変えた方が良いか。

委員
 可能であれば統一した方が良い。ただし、「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」については、各項目の独立性が強いため本項目と同じようにするのは、難しいのではないか。

オブザーバー
 31ページの下から4行目で「断層構成則」という言葉が使われているが、「摩擦・破壊構成則」と同じことなのではないか。

委員
 他との並びを考え、「摩擦・破壊構成則」とすれば良いと思う。

委員
 32ページの下から5行目の「海底GPS観測」というのは、他の箇所では別な表現を使っていたかと思う。

オブザーバー
 また、同じく32ページの5行目の「東南海地震の想定震源域」という言葉については、余り使われていない表現ではないか。

委員
 これについては、中央防災会議で使われているものである。

「3.新たな観測・実験技術の開発」

委員
 机上配付の「3.新たな観測実験技術の開発」について、2ページの10~11行目について関係各機関からレビュー資料の提出が無かったが、実施状況等はどうなっているのか。

委員
 これらについては、様々な要因で十分に実施できていないため、レビュー資料の提出が無かった。

委員
 2ページ目の14~16行目の気象庁の記述については、これで良いか。

委員
 正直なところ芳しい成果があがっているわけではない。具体的な表現については、持ち帰り検討したい。

委員
 「3.(1)海底諸観測技術の開発と高度化」の実施状況には、建議に特に記載があるわけではないが、海洋研究開発機構の三陸沖海底ボアホールについての記述を盛り込もうと思っている。これは重要な事項なので是非記述したいと思っているが、どうしたら良いか。

委員
 「3.(2)ボアホールによる地下深部計測技術の開発と高度化」の項目で、建議には「産業技術総合研究所等は、ボアホール計測による局所的地殻変動と広域地殻変動との関係の解明に努めるほか、地下水位の影響を見積もることによって、GPS測位精度の向上を図る」という部分があるがこの部分についても課題の提出がない。確認して連絡を頂きたい。

委員
 3ページの26~27行目の防災科学技術研究所の記述についてだが、よく分からなかったのでとりあえず「超長周期」で全てまとめている。また、どのような経費で実施したのか。

委員
 文部科学省からの委託事業と運営費交付金で実施しているので、この記述で良いのではないか。

委員
 4ページの「3.(3)地下構造と状態変化をモニターするための技術の開発と高度化」に関して、レビュー資料を見ても気象庁及び海洋研究開発機構の課題がないがどうしたら良いか。

委員
 気象庁の部分については、「2.(2)イ.東海地域」の部分で記述している。可能であればこの項目でも記述して頂きたい。

委員
 海洋研究開発機構の部分についても、「1.(2)ア.プレート境界域における歪・応力集中機構」で記述されている。こちらについても、可能であれば追加して頂ければありがたい。

委員
 また、同じく4ページの23~26行目に関して、気象庁の課題が見つからなかった。

委員
 この部分については、「2.(2)イ.東海地域」に記述がある。課題番号7008として提出しているが、本項目との関連では「その他関連する建議の項目」となっている。

委員
 この項目でも、簡単に取り上げるようにする。

委員
 同じく4ページの28行目についても、課題が見あたらなかった。

委員
 この部分についても、様々な事情で実施していない。

委員
 「3.(4)宇宙技術等の利用の高度化」の5ページの4行目について、「数ミリメートル程度の地球物理学的信号」とあるが具体的にはどの適度なのか。また、このパラグラフ全体についても確認をお願いしたい。

委員
 「5ミリメートル程度の地球物理学的信号」として頂きたい。パラグラフ全体についても持ち帰り確認する。

委員
 5ページの11行目からのパラグラフについても、もし問題があれば、後日でかまわないので、確認頂ければありがたい。

委員
 6ページの7行目のGPS‐音響測距結合方式の繰り返し観測精度については、2~5センチメートルという理解で良いか。

委員
 統計的には条件の良い時で2センチメートルであるので、2~5センチメートルで問題ない。

委員
 同じく6ページの28~29行目について、ALOSの運用を開始した旨の記述があるが、これについては計画策定時にはもう少し早く運用が開始される予定であったが、その後打ち上げが遅れたために、運用開始には至っていない。

委員
 また、6ページの19行目については、先程も話があった海洋研究開発機構の三陸沖海底ボアホール観測の成果を記述する。

「4.計画推進のための体制の整備」

委員
 34ページの「4.(1)計画を一層効果的に推進する体制の整備」については、本委員会で毎年取りまとめを行っている年次報告についての記述が追加されている。この年次報告の話については、「4.(7)研究成果の社会への効果的伝達」にも記述があるので、各担当委員において必要に応じて調整して頂きたい。

委員
 35ページの2行目については、本計画の成果が、ただ単に地震活動の評価のみならず、地震調査研究に関する政策決定の際の重要な資料となっているということを盛り込んだ。後日でかまわないので各自検討をお願いしたい。

委員
 同じく35ページの「3.(4)人材の養成と確保」の3~4行目については、主語が気象庁になっているが、必ずしも気象庁だけの事項ではないので「各機関は」と修文した方が良い。

委員
 38ページの最終行については、「本計画を通じて、組織的に実施することが必要である」という一文を追加した。現在でも、年次報告の成果発表シンポジウムなど各機関が連携して実施している事例はあるが、必ずしも十分ではないと思う。例えば、地震調査研究推進本部の地震セミナー等で本計画についても、取り上げてもらうという方法もあるのではないか。

委員
 建築研究所に次期計画から加わってもらってはどうかという話があったが、本項目と関係するのではないか。

委員
 今回のレビューには記載がないが、国土交通省の建築研究所に次期計画から参加してもらってはどうかと思っている。そのためには、次期計画策定時に議論をしていく必要がある。

委員
 建築研究所は、JICA(ジャイカ)やODAの枠組みを上手く活用している。そのような枠組みを用い、相手国と共同で研究を推進している。

委員
 今後引き続き検討していく必要がある。

「1.前書き」

委員
 平田委員から机上配付された「1.前書き」の1ページの25行目「過去のプレート境界地震の発生を再現」となっているが、「過去のプレート境界地震の発生系列の特徴を再現」とした方が良い。

委員
 この前書きでは、「一般的に地震発生直前に警報を出せる精度で地震予知を行う、いわゆる予知の実用化は現時点でも困難である」と記述されているが、東海地震の予知の話には触れていない。

委員
 東海地震の予知については、この部分では記述しなかったが、総括的評価の部分で詳しく記述している。前書きの部分でも、もう少し詳しく記述すべきだろうか。前回のレビューに比べると、あっさりと記述している。

委員
 この部分については、地震予知が社会に対し役に立ってきた部分、つまりこれまでの予知計画の成果が記述されていないので、盛り込んでも良いと思う。

委員
 あくまでも前書きなので、記述しなくても良いと思う。仮に記述するにしても簡単にということになるであろう。

「2.第2次新計画の基本的考え方」

委員
 平田委員からの「2.基本的な考え方」について、前書きの部分でも話があったが、予知の実用化についての表現をどうするか。

委員
 東海地震にまで踏み込んで記述するのはどうかと思う。実際、本計画では東海地震を中心にした課題というのは少数であると思うが、東海地震について更に踏み込んで記述すれば、その少数部分がレビューの争点となってしまう。そのような部分で本格的に議論することになるのであれば、相当な覚悟が必要だと思う。記述については、もう少し慎重に検討した方が良いと思う。今までのレビューなどでは、東海地震については、余り触れないようにしてきたと思う。

オブザーバー
 この部分で言っている予知の実用化というのは、直前予知の実用化のことであると思うが、この予知研究から生み出される成果というものも、短期的に直前予知の実用化と直接結びつくものではないかもしれないが、ある意味予知の実用化なわけである。直前予知の実用化だけを目指してやっていると、「直前予知はできないけれど、成果は社会の役に立っている」と曖昧な物言いしかできない。実用化についても定義し直しても良いと思う。

委員
 そのことについては「地震予知計画」から「地震予知のための新たな観測研究計画」への過渡期に色々と検討されたが、結局は直前予知という目標を放棄することはできなかった。直前予知という究極の目標にたいしプロジェクトとして取り組みことにこの計画の意義があり、そうでないのであれば、科研費などの競争的資金で実施すれば良いということになってしまう。

オブザーバー
 直前予知を放棄する必要があると言っているわけではない。ただ、予測精度というものは漸進的に向上していくものであって、直前予知というものを警報の出せるほどの精度と定義してしまうと、それができないと予知ができないということになってしまう。例えば、将来、数日単位で地震発生を予測できるようになっても、警報は出せないから予知はできないということになってしまうのではないか。

委員
 確かに、第1次新計画においては、現在直前予知は基本的にできないということを強調しているが、第2次新計画の建議にかけては、その目標に向かって段階的に進んでいくという立場を強調している。

委員
 6月に開催された前回の地震部会では、「地震予知という最終目標に対して、現在どこまで進んでいるのか」という観点をもってレビューするように意見があったと思う。

委員
 そういったことを総括的評価の部分で記述していく必要がある。

オブザーバー
 宮城県沖地震については、まさに段階的に成果があがっている事例であると思うが、総括的評価では記述が抜けている。

委員
 「2.(1)地殻活動予測シミュレーションモデルの構築」では、記述していない。「2.(2)地殻活動モニタリングシステムの高度化」では、少しであるが記述があるので、この部分の分量を増やせば良いと思う。

オブザーバー
 宮城県沖地震については、地震予知を実践に近づけている成果なのでもう少し、記述方法を検討した方が良い。

委員
 総括的評価を作成した後に、もう一度各項目について見直した方が良いのかもしれない。そうでなければ、各項目に記述のあることが総括的評価で記述されていなかったり、各項目に記述のないことが総括的評価で記述されていたりと整合性が取れなくなる恐れがある。

委員
 前回のレビューでは、「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の一つとして、「(5)近年発生した地震に関する観測研究」という項目があった。今回は、この項目がなかったということもあって、宮城県沖地震の記述が分散してしまったという事情もある。今回についても作成した方が良いか。

委員
 前回レビューでは、「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の中で記述しているが、今回については、「4.計画推進のための体制の整備」の後ろに新たに項目を設けて記載すれば良いのではないか。

委員
 総括的評価の部分か、もしくは「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の前に新たに項目を設けて記述してはどうか。

委員
 総括的評価の2ページ目に第2次新計画の成果の社会への貢献として地震調査委員会での、2003年十勝沖地震、2005年宮城県沖の地震、2004年新潟県中越地震の評価の記述がある。この部分に対応したものを各論でも記述した方が良い。

委員
 つまり、まさに地震予知計画で目指しているストーリーの応用例を、実際の地震でどのように使われたかを記述する。

委員
 どこに記述するかは別として、とりあえず宮城県沖の地震については松澤委員に、十勝沖地震については山岡委員及び金田委員にお願いしたい。

委員
 総括的評価で記述するのが良いだろうか。

委員
 別の項目で記述した方が良いだろう。「1.地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究の推進」の前に新たに項目を設けるのが良い。分量については、各 1~2ページ程度とする。また、図については、これまでのレビューでは基本的には掲載しないということにしていたが、この部分についてはもし必要があれば図を掲載しても良いこととする。

事務局
 表題はどうすれば良いか。

委員
 とりあえず、前回レビュー時と同様に「近年発生した地震に関する観測研究」としておけば良い。正式な表題は後日検討することにしたい。

委員
 総括的評価については、11月16日の地震部会までに文章にするということで良いか。

事務局
 部会までに文章にできるのであれば是非お願いしたい。なお、もし間に合わなかった場合には、中途半端な案を提示するよりは、骨子という形で総括的意見の概略のみを部会に提示した方が良いと思う。地震部会に対しどのような形の案を提示するかは、総括的評価の作成状況を見ながら、主査及び部会長と相談して決めたいと思う。

 以上の議論を踏まえて、指摘があった箇所について、修正を加えたレビュー草案を、11月16日の地震部会において中間報告案として提示することとなった。

以上

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(研究開発局地震・防災研究課)