海洋開発分科会(第64回) 議事録

1.日時

令和3年5月19日(水曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 分科会長の選任及び分科会長代理の指名について(非公開)
  2. 海洋開発分科会の議事運営について
  3. 海洋開発分科会における今後の検討の方向性について
  4. 海洋開発分科会における委員会の設置について
  5. 令和3年度の海洋開発分科会における評価の実施について
  6. その他

4.出席者

委員

藤井輝夫分科会長、小原分科会長代理、榎本委員、川合委員、河野委員、川辺委員、河村委員、窪川委員、後藤委員、阪口委員、田中委員、谷委員、中川委員、廣川委員、藤井徹生委員、前川委員、見延委員

文部科学省

三谷大臣政務官、松尾文部科学審議官、行松サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官、生川研究開発局長、長野大臣官房審議官、大土井海洋地球課長、戸谷深海地球探査企画官 ほか

5.議事録

【事務局】  それでは、お時間になりましたので、第64回科学技術・学術審議会海洋開発分科会を開会いたします。
 事務局、文部科学省海洋地球課の鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、皆様御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回、第11期として初めての海洋開発分科会でございます。
 最初に分科会長を委員互選にてお決めいただきます。それまでの間は事務局にて議事を進めさせていただきます。
 また、本日は委員皆様から御出席というお返事を頂いております。今まだ接続できていない方がいらっしゃいますけれども、現時点で多数の方に接続いただいておりますので会議は成立しております。
 まず、今期の分科会の最初の会議の開催に当たりまして、事務局を代表いたしまして担当局長の生川より御挨拶をさせていただきます。
【生川研究開発局長】  研究開発局長の生川でございます。委員の皆様におかれましては、本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 第11期科学技術・学術審議会海洋開発分科会の開催に当たりまして、事務局を代表し、一言御挨拶をさせていただきます。
 前期の分科会におきましては、第6期科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた提言や海洋科学技術関連施策の評価をおまとめいただくなど、精力的に御議論いただいたところであります。
 本年からは持続可能な開発のための国連海洋科学の10年がスタートしております。海洋の果たす役割の重要性が、我が国のみならず国際的な共通認識となっている中で、海洋国家日本として世界をリードするための研究開発を引き続き着実に推進していく必要があるというふうに考えております。
 また、今月、北極科学大臣会合をアジアで初めて我が国で開催し、持続可能な北極のための知識というものをテーマに議論を行い、共同声明を取りまとめたところであります。文部科学省としては、今後とも世界的にも関心の高まる北極域の研究開発を着実に推進するとともに、海洋科学技術のさらなる発展に向け取組を進めていきたいというふうに考えております。
 さらに本年3月には第6期の科学技術・イノベーション基本計画が閣議決定され、今年度はその1年目となります。また現行の第3期の海洋基本計画は策定から3年が経過することから、今後、次期基本計画策定に向けて議論が本格化していくことが想定されているところであります。
 委員の皆様におかれましては、このような状況も踏まえつつ、我が国がとるべき今後の海洋科学技術の在り方について活発に御議論いただければ有り難いというふうに考えております。
 委員各位の忌憚のない御議論をお願い申し上げまして、簡単ではございますが、冒頭の私からの御挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
【事務局】  それでは続きまして、第11期の海洋開発分科会委員に御就任された皆様を御紹介申し上げます。事前にお送りしたファイルのうち、1.議事次第・資料一式というファイルに資料をまとめておりますけれども、これの2枚目に資料1-1というものがございまして、こちらに名簿を記載させていただきました。当方で皆様のお名前を読み上げさせていただきます。
 小原一成委員、藤井輝夫委員、榎本浩之委員、川合美千代委員、河野真理子委員、川辺みどり委員、河村知彦委員、窪川かおる委員、後藤浩一委員、阪口秀委員、田中康夫委員、谷伸委員、中川八穂子委員、廣川満哉委員、藤井徹生委員、前川美湖委員、見延庄士郎委員。以上17名の委員の皆様に御就任いただいております。
 なお、小原委員、川合委員、河野委員、後藤委員、藤井徹生委員、前川委員におかれましては今期より新たに委員に御就任いただいております。
 以上が今期の海洋開発分科会の委員の皆様でございます。どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
 続きまして、事務局側の出席者を御紹介させていただきます。本日は後ほど三谷大臣政務官が参加いたします。
 現在は文部科学審議官の松尾、サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官の行松、研究開発局長の生川、大臣官房審議官(研究開発局担当)の長野、海洋地球課長の大土井のほか、海洋地球課の関係者が出席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただければと思います。事前にお送りさせていただきましたリンクからファイルをダウンロードいただければと思いますけれども、そこには2つファイルがございまして、1つが1.議事次第・資料一式というファイル、もう1つが2.参考資料というファイルでございます。
 そのうち議事次第のファイルを開いていただきますと、1枚目に本日の資料を列記させていただいております。議題に沿いまして、資料1から7までが一体にそのファイルにまとまっております。これらはPDFビューアーの左側にしおりのマークがあるかと思いますけれども、そのマークからそれぞれすぐにその資料に飛んで表示するということができますので、御活用いただければと思います。同様に参考資料1-1から3-4につきましても、参考資料のタイトルのファイルに1つにまとめております。
 これらのファイルにつきまして、もし不具合がございましたら事務局までお申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは続きまして、議題(1)といたしまして分科会長の選出及び分科会長代理の指名をお願いいたします。
 
議題(1) 分科会長の選任及び分科会長代理の指名について(非公開)
はじめに分科会長の選任及び分科会長代理の指名が海洋開発分科会運営規則第3条に従い非公開で行われた。科学技術・学術審議会令第5条第3項の規定に基づき、委員の互選により藤井輝夫委員が分科会長に選任され、また同令第5条第5項の規定に基づき、小原一成委員が分科会長代理に指名された。
 
議題(2) 海洋開発分科会の議事運営について
【藤井(輝)分科会長】  それでは、議題(2)の「海洋開発分科会の議事運営について」に入りたいと思います。
 では、事務局より御説明をお願いいたします。
【事務局】  それでは資料の2-1及び2-2につきまして御説明させていただきます。
 まず資料2-1を御覧いただければと思います。こちらは「科学技術・学術審議会海洋開発分科会運営規則(案)」でございます。今回一部改正がございますけれども、これは今後当面の間、本分科会もWeb会議で開催させていただく機会が多くなることが見込まれますので、Web開催に関する規定を整備するというものでございます。規定の内容につきましては、親審議会でございます科学技術・学術審議会運営規則と同様な内容になってございます。
 また、資料2-2でございますけれども、こちらは分科会の公開の手続の詳細について定めているものでございます。こちらも運営規則の改定に伴う条項の変更がございましたので、今回また決定ということとさせていただきますけれども、内容につきましては従前のとおりで変更はございません。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。
 このWeb会議などに対応したところを加えているということでありますが、よろしいですか。
【谷委員】  藤井分科会長、よろしいですか。
【藤井(輝)分科会長】  谷委員、お願いします。
【谷委員】  谷でございます。上の組織と同じ書きぶりだということですので、いじりようがないのかもしれませんが、改正の提案がございます。第7条ですけれども、これはWeb会議システムを利用して出席できるということになっているのですが、このご時世、できる・できないというよりも、分科会長がWebシステムを提供する責務を持っていてほしいというか、当然そういうWeb参加というのが利用できるよということにしていただいた方が良いのではないかなと思うのですけれども、上の組織と同じだということですから、余りこれ以上文句を言ってもしようがないのかもしれませんけれども、どうなのでしょう。これは分科会長が認めたときしか出席できないのか、あるいは私ども委員等が権利を持っているのか、どちらなのでしょう。
【藤井(輝)分科会長】  この点については考え方はいかがでしょう。
 つまり書きぶりとして、Web会議システムを分科会長が用意しなければならないという話なのかということですね。
【大土井海洋地球課長】  すみません。海洋地球課長でございます。先ほど谷先生がおっしゃったとおりで、上の書きぶりにそろえたものでございます。分科会の開催形式に当たりましては、一義的には分科会長が召致をし、その開催形式も御指定いただいて、いつ、こんな議題で議論しましょうという話をしていただくということでございますので、基本的には分科会長の求めに応じて、あるいは分科会長が指定をすれば、この形式でいきましょうと言うことが可能かなというふうに考えております。
【藤井(輝)分科会長】  そういう意味で、Webシステムを選択、委員の皆さんがWebシステムにしたいとおっしゃれば、それは分科会長がそれで良いでしょうと申し上げれば、それで良いという。
【大土井海洋地球課長】  はい。
【藤井(輝)分科会長】  そういう理解で良いですね。
【大土井海洋地球課長】  それでよろしゅうございます。
【藤井(輝)分科会長】  はい。運用上そういう形で、Webシステムが選択できるというふうな理解をしていただければよろしいかと思うのですが、いかがでございましょうか。
【谷委員】  ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  そのほかございますでしょうか。
 ですので、記載の仕方としてはこの形で、これは多分上位の会議と合わせているということだと思いますので、させていただいて、運用で今のようなことは分科会長の判断でさせていただくということでいかがでしょう。よろしいでしょうか。
 では、この案をもって当分科会の決定とさせていただきます。ありがとうございました。
 
議題(3) 海洋開発分科会における今後の検討の方向性について
【藤井(輝)分科会長】  それでは、次の議事に移りたいと思います。
 今日はまず、この11期の初回ということですので、第10期におけるこれまでの審議内容の振り返りをした後に、今後の検討の方向性について御審議いただきたいと考えておりますので、議題(3)海洋開発分科会における今後の検討の方向性についてということで、これもまずは事務局から御説明をお願いいたします。
【大土井海洋地球課長】  分科会長、申し訳ございません。今、政務官の三谷が到着いたしましたので、一言御挨拶をよろしゅうございますか。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。では、三谷大臣政務官がいらしていただいたようですので御挨拶いただきたいと思います。
 それでは、三谷政務官、よろしくお願いいたします。
【三谷大臣政務官】  よろしくお願いします。議論の途中で申し訳ありません。文部科学大臣政務官の三谷英弘でございます。遅れての参加となりまして、申し訳ありません。
 委員の皆様におかれましては、第11期の海洋開発分科会の議論に御参画いただきまして誠にありがとうございます。一言御挨拶をさせていただきます。
 本年から国連海洋科学の10年がスタートしました。海洋の重要性が改めて国際的に認識され、各国で取組が強化されています。我が国としても、海洋立国の基盤となる海洋科学を発展させていかなければなりません。
 また、先日、第3回北極科学大臣会合が東京で開催されました。北極域は、地球上に残された観測データの空白域です。我が国は共同議長として観測・研究の国際化と人材育成の重要性を柱とする共同声明を取りまとめることができました。
 今後、政府では第4期海洋基本計画の策定に向けた議論が加速してまいります。
 一方、先ほど申し上げましたとおり、海洋を取り巻く国際環境はどんどん変化をしております。
 委員の皆様におかれましては、我が国の海洋研究開発の在り方について、ぜひとも忌憚のない御意見を賜りますよう、お願い申し上げます。
 本当に御多忙の中、御協力いただきますこと、改めて御礼申し上げます。以上です。ありがとうございました。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、議事の方に戻らせていただいてよろしいでしょうか。
【大土井海洋地球課長】  お願いします。
【藤井(輝)分科会長】  はい。それでは議題(3)の部分の御説明をお願いいたします。
【大土井海洋地球課長】  改めまして、海洋地球課長の大土井でございます。今期よろしくお願いいたします。
 第11期における議論でございますが、第6期の科学技術・イノベーション基本計画、あるいはOcean Decadeに加えまして、先ほど分科会長からもありましたとおりで、第4期海洋基本計画に向けた議論という位置づけになってございます。その議論をいただくに当たりまして、第6期のイノベーション基本計画、その他当方でまとめた資料を説明させていただきまして、議論の背景というものと、あとはイメージを持っていただければと思ってございます。
 まず、お手元資料、資料3-1を御覧いただければと思います。通し番号でPDFの7ページ目にございます。第6期科学技術・イノベーション基本計画、3月に閣議決定したものでございますが、このうち海洋に関する、あるいは関連する主な記述をまとめたものでございます。
 冒頭、「第2章 Society 5.0 の実現に向けた科学技術・イノベーション政策」の「(3)レジリエントで安全・安心な社会の構築」の「具体的な取組」の中に「宇宙・海洋分野等の安全・安心への脅威への対応」というものが位置づけられております。宇宙分野や海洋分野を含むその他安全・安心への脅威に対し、国際的な連携体制を確保しつつ、研究開発や社会実装を実施するという内容でございます。
 続きまして、その下、⑥でございます。第6期の特徴といたしまして、経済安全保障的な観点が非常に多分に入っております。その部分を抜き出させてもらっております。⑥の1つ目の丸でございますが、研究活動の国際化、オープン化に伴い、利益相反、責務相反、科学技術情報等の流出等の懸念が顕在化しつつある状況を踏まえるという内容でございます。
 そのさらに下の方にございますが、「特に研究者が有すべき研究の健全性、公正性(研究インテグリティ)の自律的確保を支援すべく、国内外の研究コミュニティとも連携して」、政府としての対応方策を取りまとめるということになってございます。
 その次の丸でございますが、「重要技術の明確化、重視する技術分野への重点的な資源配分、適切な技術流出対策等を実施する」ということでございまして、海洋は宇宙・原子力に並びまして、当該分野に該当するものというふうに理解してございます。
 続きまして、8ページ目、次のページでございます。
 (6)の「様々な社会課題を解決するための研究開発・社会実装の推進と総合知の活用」というものでございます。①に総合知を活用した未来社会像とエビデンスに基づく国家戦略を策定せよということでございますが、この中に、宇宙、海洋、環境エネルギー、健康・医療等が入ってございます。これにつきましても国家戦略に基づき着実に研究開発等を推進するという位置づけになってございます。
 その下でございます。2番目としまして、「知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化」の中に、②、「研究DXを支えるインフラ整備と高付加価値な研究の加速」の中の「海洋・防災分野等についてもデータ駆動型研究の振興に向けた環境整備を図る」という内容でございます。
 続きまして、その下の方でございます。第3章各論になりますが、分野別戦略の推進というものでございます。2.の下にありますとおり、第5期基本計画におきましては応用分野に海洋が位置づけられておりました。これは今計画でも踏襲されておりまして、その下でございます。⑦、海洋という1つのセクションが立っております。「世界有数の広大な管轄海域を有する我が国は、領土・領海の保全と国民の安全を確保すべく海を守り、経済社会の存立・成長の基盤として海を生かし、貴重な人類の存立基盤として海を子孫に継承していくことが求められている」という内容でございます。
 次のページに行っていただきまして、そのため生態系の保全、エネルギー・鉱物資源確保、地球温暖化や海洋プラスチックごみ、地震・津波・火山等の脅威への対応、北極域の持続的な利活用、海洋産業の競争力強化などに向けて業務を行う、政策を振興するということでございます。
 その下にございますとおり、このため第6期基本計画中は「海洋基本計画」に基づきまして各種施策をやります。その中でも海洋観測は海洋科学技術の最重要基盤でありまして、MDAの能力強化、カーボンニュートラル実現に向けた海洋環境の把握能力を高めるため、氷海域、深海部、海底下を含む海洋の調査・観測技術の向上を目指して、研究船のほか、ROVやAUV、海底光ファイバーケーブル、無人観測艇等の観測技術の開発を進める。その下の行にデータ・計算共用基盤の構築・強化による観測データの徹底的な活用を図る。海洋観測のInternet of Laboratoryの実現により、海洋分野におけるデータ駆動型研究を推進するというふうなことが書いてございます。
 以上が海洋に関する部分でございますが、続きまして、資料の3-2でございます。これはもう1つ、第6期の基本計画の大きな特徴といたしまして、人文・社会科学の「知」と自然科学の「知」の融合による「総合知」による政策の振興というものが位置づけられております。その部分をまとめたものでございます。
 10ページ目、第2章、一番下のところでございますが、「総合知」を活用して、カーボンニュートラルの実現に向けた国民一人ひとりの取組の重要性に係る国民理解の醸成や脱炭素型への行動変容の促進を図る等書きぶりがございます。人文・社会科学系を融合した「総合知」は今後の大きなテーマになりますので、これにつきましても後ほど御覧いただければと思います。
 以上が第6期の基本計画の概要でございます。そういったものをもとにしまして、あるいは前期、第10期の先生方の御意見を踏まえまして、今回、第11期の論点のたたき台としてつくったものが資料3-3でございます。
 こちらは、冒頭に先ほどのOcean Decade、第6期基本計画及び第4期海洋基本計画の策定に向けた議論として、論点として以下のものをイメージしてございます。まず横断的事項としまして今後の海洋科学技術分野での優先事項は何か、産学融合・連携の推進のために必要な事項は何かといたしまして、個別事項として①から⑤までまとめております。
 ①でございます。広大な海洋を効果的・効率的に観測・把握するために、国内外の機関との連携を含め、どのような観測体制を構築するべきか、あるいは海洋に関するデータ、これは宇宙も含みます、それの収集・整理・共用をいかにして行うか、その上で海洋におけるデータ駆動型研究を進めるために、どのような取組が必要かというのが①でございます。
 ②でございます。現政権、日本政府全体として気候変動への対応としてカーボンニュートラルへの貢献の実現を加速しているところでございますが、これに向けて海洋科学技術分野としてどのようにカーボンニュートラルに貢献できるか、すべきかという内容でございます。
 ③でございます。レジリエントで安全・安心な社会の構築に資する海洋科学技術でございます。1つ目のポツに防災・減災にどのように貢献するべきか、2つ目のポツに海底資源探査・海底地形調査等を促進するためにどのような研究開発を進めるべきか、最後のポツに総合的な安全保障の観点から、海洋科学技術分野において観測データや研究開発成果等の適切な管理について特に留意するべきは何かという内容でございます。
 ④でございます。海洋生命科学でございます。多様な海洋生態系の理解の深化、あるいはその持続可能な利用・保全のために、どのような取組をするべきか、というものを考えております。
 続きまして、⑤でございます。総合知あるいは市民参加型の海洋科学技術の在り方としまして、どのような取組が期待され、あるいはこれらによってどのような成果が期待できるかと、あるいはそのためにどのような政策として仕組みが必要かという内容を書かせてもらっております。ただ、これにつきましては事務局であらかじめ作った、ただのたたき台でございますので、ぜひ先生方におかれましてはこれにとらわれず、この分科会で議論すべき事項について御発言いただければと思います。
 なお、15ページの2.当面の審議スケジュールを書かせてもらっております。本日分科会を開催いただきまして、適宜その後、委員会における検討を経まして、来年2月くらいに次の分科会で、その委員会からの検討結果の報告を頂ければと思っております。その上で令和4年5月くらいに向け、何かしらの重要事項にして取りまとめをいただき、第4期の海洋基本計画の方に打ち込んでいきたいというふうに考えております。すみません。雑駁でございますが、以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  御説明ありがとうございました。それでは皆様から御質問・御意見を頂ければと思いますが、まず、本日はこの第11期の初回ということもありますので、できるだけ皆様全員から御発言いただきたいと考えておりますので、どなたからでも結構ですので御意見を頂ければと思います。
 それで、今、観点としてはここに、資料3-3で挙がっていたような観点での論点でよろしいかということと、これに例えばまだ不足しているところがあれば追加するのか、あるいはそれぞれの論点の中でもとりわけ重要なところがあれば、それをハイライトすべきではないかといったような御意見を頂ければと思います。
 それから全体を通しての議論の進め方についても御意見を頂戴できればと思います。
 どなたからでも結構ですので挙手ボタンを押していただければ、こちらから御指名したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず榎本委員、お願いいたします。
【榎本委員】  ありがとうございます。極地研究所の榎本です。
 このたたき台に書かれていることは全て重要なことだと思うのですが、その前にお話があった総合知ですとか、人文社会との結合というところで、私は北極関係のことをやっておりまして、先住民との自然科学と人文社会のデータの結合というのをよくやるのですけれども、自然科学の中ではFAIRと言いまして、見つけられて、アクセスできて、相互利用ができて、リユースできるという、FAIRという用語がありますけれども、そういった人文社会と一緒にやるときにはケアという、データに関する倫理、人文社会にかかってくると倫理関係のことを注意しないといけないということで、人文社会と一緒に研究するときにかなりいろいろと注意されることがあります。
 この中で、多分レジリエント、安全・安心な社会というところで、データの中にはそういったところに気を使う部分も、人文社会の倫理に気をつけて扱うべきところというものもきっと入っていまして、私は自然科学なので気づかないことが多いのですけれども、そういったところも入れ忘れないようにというところが必要かなと。
 特に総合知とか、市民参加というところでは、そういった人のところに届けられるデータに注意することがあるかなという気がしました。以上です。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。今のはここ、ELSIみたいなこともキーワードとしては入っているようですけども、これは第6期の基本計画の方かな。
【大土井海洋地球課長】  そうでございます。
【藤井(輝)分科会長】  データ倫理ですね。データのセキュリティということも含めてでしょうけれども、これは使用に当たっての倫理という、あるいはデータを取るに当たっての倫理と、いろいろな観点があると思いますけれども、そういったことまで含めて配慮すべきであると、そういう理解でよろしいでしょうか。
【榎本委員】  はい。現場へのコンタクトから利用まで。
【藤井(輝)分科会長】  はい、分かりました。ありがとうございます。
 それでは、次に阪口委員、お願いします。
【阪口委員】  阪口です。よろしくお願いいたします。
 私もさっきの⑤の市民参加型のところと人文社会・自然科学融合というところについて少し意見があるのですが、気候変動問題や災害問題というものも、いわゆる人文社会における経済問題に大きく影響する問題でありまして、なので②や③というものと⑤というものが分かれてやるのではなくて、気候変動問題に対する人文社会的な見地からの考え方をしっかり打ち出すことによって、気候変動問題が社会的にもより重要なことであると、他人事ではないということをやはり強くそろそろ出すべきだと考えますので、この、今たたき台だという大土井課長のお話がありましたけれども、②や③のところにこそ、人文社会と自然科学の融合、それから社会警鐘というものを打ち出すことも考えるべきではないかというのが私の意見です。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。今現状、⑤だけ分けて項目になっているというところだと思うのですけども、②とか③の部分においても当然そういう視点が必要になってくるという、そういう御指摘かと思います。その辺も少し今後論点を作っていく段階で考慮したいと思います。ありがとうございます。
 それでは続きまして、見延委員、お願いします。
【見延委員】  ありがとうございます。北海道大学の見延でございます。
 この資料3-3では、一番最初に国連海洋科学の10年を踏まえてと書いてあるのですけれども、まだ資料の作り方が余り踏まえているようになっていないと思うのですが、この辺りの国連海洋科学10年の踏まえ方というのは今後どのように検討していく予定でしょうか。
【藤井(輝)分科会長】  いかがでしょうか。どうぞ。お願いします。
【大土井海洋地球課長】  大土井でございます。おっしゃるとおりで、国連海洋科学の10年は、多分この個別事項全てに対してカバーされるべきものだと理解をしています。先ほどの人文社会、総合知もそうですが、資料の作りの関係で明示的に書いたものですが、横軸で国連海洋科学の10年もそうですし、先ほどの総合知もそうですし、全ての項目に本当はかかってくるべき話だろうというふうに理解をしておりますので、すみません。少し溶け込んでしまって明示的になっていないのは申し訳ないのですが、我々事務方としてはそういうふうな理解をしております。
【見延委員】  踏まえるということでしたら、国連海洋科学10年の例えば簡単なサマリーを、長い文章を書く場合は書いて、これはまだ項目立てですから必要ないと思いますが、最終バージョンでは何かサマリーがあってそれを踏まえてという形になるべきなのではないかなと、踏まえてということだと思います。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。それはそうですね。まとめていく段階で少し考慮したいと思います。
 すみません。私の個人的な意見をいろいろ述べていてはいけないのかもしれないですけれども、Ocean Decadeでも、例えば「Inspiring and Engaging Ocean」というのがあって、これはやはり今議論されているような総合知であるとか、市民参加であるとか、そうしたことまで含めて皆さんに自分事としてもらおうというふうな観点もあって、そういうものが入っていますので、まさにそれはそれで、それだけが独立しているのではなくて、先ほど阪口委員から御指摘があったような複数のことにというか、ほとんど全てのことに関係してくるということになると思いますので、その辺りを少しまとめる段階で考慮させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
 続きまして、それでは中川委員、お願いします。
【中川委員】  日立製作所の中川です。
 この①から⑤、全体に言えるかと思うのですけれども、やはりポイントとなるのは海洋に関する科学技術が、市民含め、やはり社会に対する影響が非常に大きくなっているということが、こういった科学技術の在り方で一番の、つまり社会課題が海洋関係の技術で解決できるものが多くなってきているというのが非常に重要なポイントかと思います。
 そこで、産学官連携というか、融合というのがこの一番上の方に、この資料で申しますと①の少し上、個別の前のところに「横断的事項」という、ここです。「産学官融合・連携・推進のために」どういう項目が必要なのかと、ここを議論することが一番重要なのではないかというふうに私は情報系のデジタルプラットフォームが専門の人間なので考えます。
 というのは、やはり海洋から得られるデータ、特に防災関係みたいに、例えば海底の地滑りとかで地震が発生しそうだとか、それを自治体にどう伝えて、市民の方にどう伝えて避難計画を立てていただくかみたいなところは、どうしても「官」と言っても自治体とか、市町村だとか、そういうところとの連携も必要になります。
 Society 5.0を支えるデジタルプラットフォームそのものがそういった性格を持つものでありますので、何を申し上げたいかと言いますと、具体にSociety 5.0を支えるデジタルプラットフォームのアーキテクチャーというのはIPA含めて議論されておりますし、また種々の団体、例えばデータ社会推進協議会という、新たにこの4月から一般社団法人で複数の協議会が1個になってスタートしていますが、その中でも学術連携委員会という会議体が形成されつつございます。まとめはNIIの武田先生なのですけれども、そういったところにここのMDA、海洋関係のデータもうまくSociety 5.0を支えるデジタルプラットフォームの中に何かしら連携する仕掛けを作り込むことによって、実際に、特に安全・安心、防災のところが関わってくるかと思うのですけれども、機動的に。もちろん、だからデータ駆動の研究というものも重要なのですけれども、研究だけではなくて社会に還元するためのそういったほかの団体との連携というのも進めていくべきではないか、具体的にどう進めるかというところの議論はかなり重要ではないかということが私の意見でございます。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 まさにそのデータ活用の、実際の活用の部分でしっかりほかの団体との連携も図っていきましょうということかと思います。
 では、続きまして河村委員、お願いします。
【河村委員】  ありがとうございます。東大大気海洋研究所の河村です。
 皆様が御発言いただいていることと基本的に方向性は同じだと思うのですけれども、この科学の出口ということで、もう少し明確に、例えば地域振興、地域社会の振興、日本では漁村ですけれども、あるいは東南アジアのような同じような海洋国家の中での海洋の利用と地域の振興というところをうたうというか、出口として明確に添えたらどうかなというふうに思います。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 この点もぜひ、そうですね。これもまさに総合知との関係でも重要なテーマになり得ると思いますので、これもぜひ検討をしていきたいと思います。
 それでは、続きまして窪川委員、お願いします。
【窪川委員】  窪川と申します。私も今までに皆様から出された意見と同じですが、もう少し加えさせていただきますと、今出ている(2)の最後のこの下です、④です。例えば「海洋生命科学の在り方」のところに「海洋生態系の理解」という言葉が入っていますが、恐らく海洋生命科学という分類よりも海洋生態系ということ自体が海洋の問題を直接具現化している、あるいは人間社会に関係する総合的な観点からの海洋生態系という理解になると思います。
 そうなりますと、この資料の上の方にあります横断的な、あるいは「総合知」ということを考えたときに、どういう横断的なものを入れていくかという言葉というか、項目と言いますか、そういうことも大変重要になってくると思います。
 それから海洋科学の10年、まさにタイムリーで、実際には第4期にスタートしているところでありますけれども、この10年でうたわれている内容をいかに盛り込むかということが重要で、と言いますのは、これの国連海洋科学の10年のもとになっておりますデータとしてGlobal Ocean Science Report 2020があります。それは各国、四十数か国の比較検討されたデータが出ていますが、その中に日本の強みであること、あるいは弱点等々があります。そういったことも加味してこの基本計画を考えていくということも必要ではないかと思います。
 ちなみにその中には沿岸系ですとか、ジェンダー問題ですとか、具体的なこともありますので、いろいろ検討材料になります。日本の強みもあり、それらを強調していくことは重要ではないかと思います。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、川辺委員、お願いいたします。
【川辺委員】  おはようございます。本日遅れて申し訳ありませんでした。東京海洋大学の川辺でございます。
 今いろいろな先生方の御意見をお伺いして、同じようになってしまうかなと思ったのですけれども、Decade for Ocean Scienceというものの趣旨というのが「社会のニーズに応える海洋科学」ということだったと思います。そのために2つキーワードがありまして、1つがTransformative、変革型、それからもう1つがParticipatoryという参加型、変革型・参加型というお話だったと思うのです。これをどういうふうに実現していくかということだと思うのです。
 こちらで論点例として5つ挙げていただいて、個別事項としてどれも非常に大事なことだとは思うのですけれども、少し何というか、構造化ができるのかなという気がいたします。社会のニーズに応えるための海洋科学と言いますと、やはりまずは④と⑤の海洋生命科学の在り方。今、窪川委員の方から、これは生命科学と言うよりも生態系にどういうふうにアプローチするかという、そういうことだという御意見を頂いているのですけれども、それから⑤の総合知とか、市民参加というもの、これをどういうふうにするかと、こういう大きな枠組みの中で①・②・③を考えていくのがよろしいのではないかと考えます。
 今、こういうふうに個別事項としてぽっぽっと挙げられてしまうと、何かそれぞれでやってしまいそうな気がするのですけれども、例えば今、社会のニーズとして非常に大きいのが②の気候変動への対応と③の防災ですかね。レジリエントな社会の構築と。この②と③というのも非常に密接に関わってはいるわけですけれども、これにどう応えるのかということで、④と⑤の枠組みの中でこれを対応すると、その中でこのデータの観測システム、それから共有の在り方というものを考えていくと、そういうような構造化もあったら良いのではないかというふうに考えました。以上です。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 そうですね。前の窪川委員の御指摘もありましたけれども、まさに少し横断的な事項というのがありますし、個別の項目に分けてしまうとそれぞれで議論になってしまうというところは少しあるかもしれませんので、その辺りは全体の構造が少し見えるように議論ができれば良いかなと思います。先ほどの阪口委員からもそういう御指摘もありましたので、そこは少し工夫をしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして前川委員、お願いします。
【前川委員】  ありがとうございます。このたび初参加となります。どうぞよろしくお願いいたします。資料を御準備いただきまして、ありがとうございました。幾つかコメントさせていただきたいと思います。
 全体に関わることかと思うのですけれども、海洋科学への予算的措置ということもやはり見ていく必要があるかなと思います。先ほど窪川委員からも言及がございましたユネスコのGlobal Ocean Science Reportによりますと、世界的に国の研究予算のうち海洋科学への配分は、1.7%と非常に低いというところで、我が国においてはどうなのだろうという、その定量的なエビデンスを持ってみて、今後どうやってそれを伸ばしていきたいのかというような観点も1つ重要かなと思います。
 それから先ほど来御指摘のある総合的な観点、社会のニーズ、ひいては世界のニーズに対応していくという研究・取組は非常に重要だと思います。そういった意味ではやはりSDGs的な観点、社会・経済・環境の目的を総合的に充足させていく、そういった視点も非常に重要かと思います。
 さらに申し上げると、SDGsは2030年までの計画で、あと10年しかないわけです。さらにその先をどうしていかなければいけないか。カーボンニュートラルについては2050年までの1つ目標が出ておりますので、少なくとも2050年くらいまでのロードマップを描いて、それを軸にして、これから何をしていかなければいけないかと、そういった長期的な視点も重要なのではないかと思います。
 あと、皆さんもおっしゃっておられる研究の出口についてなのですけれども、国内での出口はもちろんそうですし、やはり国際的な場での世界的な問題解決への応用、さらには現在いろいろと進んでおります国際的なルールメーキングへの貢献も大事ではないかと思います。
 今年は海洋関係者の間で海洋のスーパーイヤーだというふうに言われておりまして、本当は去年がそうだったのですけれども、コロナで様々な国際会議が延長になりまして、今年から国連海洋科学の10年も始まりましたし、国連の生態系回復の10年も今年からでございます。やはりとかく陸の話が中心になりますので、海洋生態系の回復も喫緊の課題ですので、そういったものにしっかりと位置づけて貢献をしていくと、そういったことも出口として非常に重要なのではないかと思います。
 そのスーパーイヤーのことを二、三申し上げますと、生物多様性条約の締約国会議もあれば、APECもあれば、気候変動枠組条約の締約国会議もあるということで、いろいろなチャンスがあるということです。BBNJもまた交渉が再開すると思いますので、そのBBNJの議論、例えばMPAの議論であるとか、EIAの議論に技術的な知見を持っている、日本は特に深海での海洋科学調査の経験を持っている国ですので、そういったところにしっかりインプットしていくというような視点も大事かと思います。
 最後になりますけれども、気候変動への対応で、とかく緩和の話が中心になって世界的にも適応への予算は公的予算も5%くらいしか配分されていないということでよく指摘をされますけれども、我が国においてもこの防災・減災に限らず、沿岸域の適応というものを総合的にどう捉えていくのかという視点が重要ではないかと思います。防災だけではなくて、いろいろなアセットが沿岸域に集中しているということを考えると、今後そういったものを移転する、あるいは建て替える、人の移動もあるかもしれない、そのときに社会にどうやって受容してもらうか、とにかくいろいろな問題を総合的に考えていかなければいけない局面に来ていると思いますので、その適応というキーワードで総合的に大きな目で考えていくことも必要ではないかと思います。すみません。長くなりました。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 続きまして、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】  ありがとうございます。日本郵船の田中でございます。皆さんよろしくお願いします。
 私どもまさに海洋を利用している産業という立場から、少しアカデミックな話から逸れるかもしれませんが、一言申し上げさせていただきたいと思います。私どももいろいろ船を動かしている上で船からデータを取っておりますけれども、今、日本の船会社3社全部で500隻から、ほぼリアルタイムのデータが届くような仕組みが、ShipDCという組織ができて、船の機械のデータなのですけれども、届くような仕組みになっております。
 一部水産とかで船が走っているところの海水温を利用するような動きも出てきておりますが、これは産業界の垣根を越えたデータ利用の例ですけれども、我々も機械の様子をいろいろデータで見れば見るほど、ますます今度はもう1つ自然環境、海洋の我々で言う波ですけれども、それをもっと知らなければいけないなというふうな思いで来ております。
 そういう面でいろいろなデータプラットフォーム間のデータのシェアリングのルールが大切だと思います。ShipsDCも業界60社くらい集まった組織なので、データシェアリングのルールをしっかり決めております。国際的にもヨーロッパ勢ともシェアリングのルールそのものも共通にしようという働きかけをやったりしているのですけれども、データプラットフォームを上手に使うにはそういうものも大事かなというふうに思います。
 それからもう1件、この委員会の中でも人材育成とか、オープンサイエンスというような文言がいろいろ出ておりまして、私どももデータをいろいろ取り蓄積されると、今度は船でもそうですけれども、あといろいろな海洋構造物でもそうだと思いますけれども、そういうものを造る前に十分シミュレーションをしたいというふうに思っています。シミュレーションする上で現実世界のデータは非常に重要なので、シミュレーションを専門で行う仕組みを向こう5年で海事業界として工学部系の大学の先生にぜひ入っていただき、整えようかというふうに思っております。
 先ほど御議論がありました人材育成の出口の1つとして、シミュレーション基盤を活用することでそういうDX系の優秀な人材を何とか産業の発展に役立てるような仕組みができないかというのも考えております。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 今のお話も前川委員のおっしゃったデータシェアリングなんかは、そういうルールメーキングに近いところはあると思いますし、それから海洋のDXとの関係での人材育成も含めたお話ということかと思います。
 それでは次に小原委員、お願いします。
【小原分科会長代理】  ありがとうございます。
 私の方からは個別事項のちょっと細かい部分になると思いますけれども、そこに出ている3番目のレジリエントで安全・安心な社会の構築という観点においては、当然ながら海域で発生する巨大地震に対する防災・減災というのは非常に重要な事項であるというふうに考えます。
 特に南海トラフの巨大地震の切迫性は年々高まってくるということで、これに備えるためには海底地殻変動の予測技術を高度化していくということが必要不可欠であるというふうに思います。
 その予測というのはフィジカル空間で取得されたデータと、それからサイバー空間でのAIによるシミュレーション等との融合によってなされるということだと思いますけれども、それを考えたときに現時点ではデータは徹底的に不足しているというふうな認識です。特に海底地殻変動においては、現在音響GNSSで測量をされているわけですけれども、その海底局の数であるとか、測量の頻度、これはかなり粗いというか、データの時空間的なカバレージというものは非常に乏しいという状況です。
 ですので、それを解決するためにはウェーブグライダーとか、AUV、また無人ヘリ、無人飛行機など無人省力化の観測技術などの開発というのは必要不可欠になってくるというふうに思います。そういった意味では3番目の項目というのは1番目の項目、川辺委員もおっしゃっていたような、やはり事項間の連携というものも非常に重要になってくるというふうに考えております。
 もちろん防災・減災に資するという意味では、阪口委員がおっしゃった、その3番と5番の連携というのも重要になってくると思いますので、そういう横断的にその事項を進めて検討していくという観点も重要なのかなと思いました。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 そうですね。いずれにしても多分データ活用を大幅に進めるというのは、1と3の連携ということになるのでしょうか。重要なのかなというふうに思います。
 それでは続きまして、川合委員、お願いいたします。
【川合委員】  初めまして。東京海洋大学の川合といいます。よろしくお願いします。
 社会全体で海洋開発の重要性というのを共有して、共に社会と科学が発展していくという時代になったのだなとすごく最近思うのですけれども、そのためには小・中・高あたりの海洋教育というものの充実がすごく大事ではないかなと思っておりまして、裾野を広げて、海洋科学技術の分科会がありますということも将来的な発展を考えると、教育の裾野を広げておくというのは非常に大事だと思うのです。ここを強みにすることで、日本という海に囲まれた国だからこそ、日本全体でそういった裾野を広げて、社会と科学の共同作業みたいなものがすごく発展して世界をリードできるのではないかなという思いがあります。
 ということで、海洋分科会でありますけれども、教育というところをもう少し入れてもよいのかなというふうに思いました。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 そういう意味ではそうですね。第6期の基本計画でも、そうした人材育成の観点というのは結構うたわれていまして、STEAM教育をはじめとして海洋の分野でもそうしたことにインプットというのはできますし、それが海洋教育の強化にもつながるということになればよろしいのかなと思います。ありがとうございます。
 続きまして、廣川委員、お願いいたします。
【廣川委員】  ありがとうございます。JOGMECの廣川でございます。よろしくお願いします。私の方から、これまで各委員が指摘されていることと重複するところはありますけれども、コメントさせていただきます。
 まず、その論点で挙げられています横断的な事項に係るところでございますけれども、ここにも挙げてありますように、国際社会という視点からやはりSDGsへの貢献と、これが1つのキーワードになるのではないかというふうに思います。
 それからもう1つは、先ほどほかの委員からもありましたように、産官学の連携というのが大事で、その意味での日本国内社会への還元というのがやっぱり出口議論として必要ではないかと思います。
 個別議論にはいろいろと個別のことが書かれてございますけども、落ちや、抜けがないようにという視点で少し整理されたらどうかと思います。国内社会への還元ということでは、やはり出口論としては海洋の産業利用というのは重要な視点だと思いますし、昨今ではやはりカーボンニュートラルへの社会の貢献というのがあると思います。こういったところで整理されるのが良いかと思います。
 あと個別にJOGMECの関係で、海底資源探査とか、海底地形調査、こういった調査のことしか書いてございませんけれども、もっと広く海洋の資源開発の在り方、そこでの科学技術の貢献という視点を入れられたらどうかと思います。カーボンニュートラルのところでは、やはり洋上風力発電というのが昨今急速に必要という社会のニーズもありますので、そういったところにどういった貢献をするかということも考えられたらどうかというふうに思います。私の方からは以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 そうですね。確かにカーボンニュートラルのところで少し洋上風力含めという議論はあってもよいのかもしれませんね。再生可能エネルギーということで、もう少し広く見ればということだと思いますが。
 ありがとうございます。それから、続きまして谷委員でしょうか。お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷でございます。
 資料を拝見しまして、横断的事項で今後の海洋科学技術分野での優先事項、それから海洋科学技術分野における何たらかんたら、こう書いてあるのですが、実はこれを見て非常に今残念でがっかりしています。
 なぜかと言いますと、私どものこの分科会はもともと海洋開発審議会というものであって、省庁再編で2001年から科学技術・学術審議会の1つの分科会になっているわけですけれども、もともとは今から60年前、昭和36年に海洋科学技術審議会として始まって、それが海洋開発審議会になって、いずれも総理府の、科学技術庁ではなくて総理府の本部にあった組織なのです。ですから海洋の科学とか技術とかということは発端ではあったのですけれども、海洋開発審議会になってからは科学とか技術とか関係なしに海洋開発を総合的に見るための審議会であったし、今もそうなのです。
 関連法令というのが参考資料の1-1、参考資料一式の中の1ページ目、御覧いただければと思いますけれども、その一番最初に文部科学省設置法というのがあり、第七条のところの第三号に「文部科学大臣又は関係各大臣の諮問に応じて海洋開発に関する総合的かつ基本的な事項を調査審議すること」と書いてございます。
 これは実はびっくりする話なのですけれども、測地学審議会というものがございまして、第四号に書いていますが、測地学及び政府機関における何たらかんたら、これはもともと文部省にあった審議会が科学技術・学術審議会の下に入ってきたわけです。だからこれは文部大臣にというのは分かるのですけれども、関係各大臣と書いていないのは分かるのですけれども、私どもの分科会というのは文科大臣だけではなくて関係各大臣の諮問に応じるという立ち位置にあって、海洋の科学技術だけを議論するところではないと思います。名前も海洋開発分科会ですから、さらに広く海洋開発に総合的に関係するような話題、そういう切り口でものを考えるべきではないかというふうに思います。
 ですので、入り口が違うのではないのかなというふうに思います。その旨意見を申し上げます。
 1から議論をして、日本はどうすべきかということを考えるときによく言われるのがSDGsに貢献するとか、Ocean Decadeに貢献するということを言われますけれども、これは話が反対で、私どもが一生懸命考えたら、こんなことをすべきだというのがいっぱい出てくる。それをよくよく見たら、国連でもっと立派な提案が出て、それがUN SDGsであり、UN Ocean Decadeであるのですけれども、したがって私どもが一生懸命考えた、さらにそれを昇華させたものはOcean Decadeであったりするわけです。
 ですので、Ocean Decadeに書いてあるからやるというよりは、私どもはいろいろやることを整理するときにOcean Decadeを参考にして日本として何をやるかということを考えるということかなと思います。Ocean Decadeのためにやるのではなくて、日本のためにやると当然にしてOcean Decadeにかなうという頭の整理だと思うのです。
 先ほど田中委員からShipDCの話とか出てまいりましたけれども、これは科学技術ではないと思われる方もおられるかもしれませんけれども、「海を知る」、Ocean Awareness、Ocean Domain Awarenessという観点から、非常に良いサジェスチョンを頂いたと思っております。産業界との連携が大事と思います。海洋の科学技術にとらわれているのではなくて、海洋をより総合的に見たときに、非常に良いセンサーである船というのが日本中・世界中に散らばっていて、それは漁船であったり商船であったりするわけですけれども、そういったものを使って、海洋はどうなっているのかということを学んで、それから海洋の危機を知るというような筋道だと思うのです。
 そういった意味で、先ほど田中委員は非常に良い提案をされたと思うのですけれども、今回の頂いたこの論点例の中で見てみますと、抜けているなと思うのは、例えば北極がメンションされていないとか、あるいは廃プラスチックがメンションされていないというところが気になります。これは私どもは意識しておかないといけない問題だと思うのですが、一番我が国のこの先10年20年30年の行く末にとって気になるのは気候変動であり、脱炭素と言われることです。それをどう実現するか、エネルギーの観点からは海洋エネルギーしか多分出口がないのだろうと思うのですけれども、そうすると海洋エネルギーを使うようにするために何をどうしたら良いのかということをいろいろな総合的な観点から考える必要があると思います。
 その意味で、(2)の②のカーボンニュートラルへの貢献というところですけれども、これは先ほど廣川委員から御指摘がございましたけれども、ここは大変に肝になるのではないかなというふうに思っております。
 最後に1点申し上げます。Ocean Domain Awareness、先ほど申し上げましたけれども、これのために何かすると言って海洋観測の強化とか言われていますけれども、それは片手落ちで、測ったものから「じゃあ、どうなんだ。何が起きているんだ」ということをアウェアする、今のODAの中にインテリジェンスの部分が抜けているのです。アウェアするために何をすべきか、どういう仕掛けが必要かということが議論されないといけないというふうに思っております。
 それともう1つ大事なことは、Ocean Domain Awarenessということから見えてくるものを通じて、国民にODAが大事だよということをアウェアしてもらう、Ocean Domain Awarenessの重要性のAwarenessを高めるということが私どもの役割かもしれないなというふうに思っております。以上です。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。そういう意味では、この分科会の位置づけの観点からも含めて御指摘を頂いたということで、確かにこれは抜けがないようにしておくことも必要ですし、先ほどお話がありましたOcean Decade、それからSDGsもそうですけれども、これはまさにそこに書いてあるからやるというよりは、SDGsあるいはOcean Decadeをある意味活用して、具体的な取組の追い風としてやるべきことをやると、そういう考え方でやるのがよろしいのかなと思います。
 それから今の抜けがないような形できちんと項目も、これはもう皆さんおっしゃっていただいていますけれども、整理してまいりたいと思います。
 それから、あとまだ御発言いただいていないのは河野委員も手が挙がっていますね。お願いします。
【河野委員】  ありがとうございます。今回から初めて出席させていただきますので、今、谷先生がおっしゃった、これまでの経緯といったものも大変勉強になりましたし、ほかの先生方の御発言もなるほどと思いながら伺わせていただきました。その上で3点だけ指摘させていただきたいと思うのですけれども、まず1つ目は、ここに書かれている①から⑤は、どちらかというと、やはり海だけに視点が行っている印象でございます。しかしながら陸と海の関係というのもどこかで視点に入れておかなければならないのではないかと思います。例えば海洋プラスチックごみの問題ですとか、海洋汚染の問題の場合、陸の活動が海に影響を与えていることがあります。社会への発信ということから考えますと、こうした点を少し何らかの形で扱うべきではないかというふうに考えます。
 2番目の点は、先ほど前川委員がおっしゃったことと共通するのかもしれませんが、日本の場合、これから先を考えていくときに、国際発信とか、国際貢献の在り方を考えていかなければならない。①から⑤までの内容ですと、日本の中でいかにうまくシステムを作るかといったような視点が強いように思われます。その成果をどのようにして国際発信をし、さらに国際貢献に結びつけるかということも、少し視点として入れてもよいのではないかと思います。これが第2点目でございます。
 それから最後、第3点目でございますけれども、産官学の融合ということを考えますと、日本の国際競争力を強化するために何が必要なのかということを何らかの形で考えなければいけないのではないかと考えます。海洋の問題は、ある意味で世界共通の問題です。基礎研究もすごく大事ですけれども、その基礎研究が産業発展に結びつくこともとても大事で、日本の技術がまだ国際競争力を持てていない分野についての取り組みも必要だと思います。①から⑤に関連する様々な研究の中で、その成果をどれだけ日本の国際競争力に結びつけられるのかということも、検討の対象としてどこかに入れておくべきではないかというふうに感じました。以上3点でございます。ありがとうございました。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 おおむね皆さん御発言いただきましたでしょうか。まだもう少し時間があると思うのですけれども、まだ御発言いただいていない方、あるいは少し言い足りなかったことがおありの方がいらっしゃいましたら、どうぞお願いします。
【大土井海洋地球課長】  事務局大土井でございます。すみません。私の説明が足りなかった部分がありまして、少しだけ補足ございます。
 資料の3-3の作りでございます。先生方にいろいろ御指摘いただいたとおりで、これは実はHowの部分と、What forの部分が入れ子になってございます。①の観測システムの在り方、データの共有の在り方と「総合知」、市民参加型というのはHowの部分の論点でございます。そのデータなりをどう使うかというのが②から④で、カーボンニュートラル、国土強靱化、あるいは生態系に対して、こういったキーワードでデータを日本として、あるいは人類として取るべきではないか、そんなふうな意図で作った資料でございます。
 その中で先ほど先生方がまさにおっしゃるとおりでございます。いかにそのデータを取っていくのか、それは宇宙と違って人類あるいは人間がなかなかアクセスしにくい部分は海、深いところはそうですが、漁船なり、客船なり、商船、いろいろ船が行きます。それに加えまして、ぜひ人材育成も含めて、各地域の近海・沿岸域、例えば高専の人たちに小さな観測機器を作ってもらって、漁船の方、漁協と協力をしてデータを取ってもらうというふうな取組もできるのではないかと。そこは総合知でもあり、地域振興でもあり、人材育成でもあるのです。そんな方向性の議論ができればというのが、我々事務局の希望でございます。
 その中で、それをやった上で気候変動、あるいはレジリエント、日本あるいは人類全体に向けてどういうふうな観測データが用いられ、それが人類にとってどうプラスになるのかといった方向性、その上で、じゃあ、当面何をするべきか、そんなふうな御議論をいただければうれしいと思って作った資料でございます。頂いていた面を踏まえまして、もう1回再整理をしまして、次回以降御議論いただければと思っております。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。今のような御説明に基づいて、ですからやはり少し構造が見えるように整理するということかと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。皆さんに一応1回ずつは御発言いただきましたでしょうか。おおむねよろしいでしょうか。
 少し時間はありますけれども、よろしければ次の議題に進んでまいりたいと思いますが、よろしいですか。今日は私も大分いろいろメモを取らせていただきましたけれども、非常に良い御指摘を頂いたと思いますので、今、大土井さんがおっしゃったように、事務局の方でまた整理いただいて、次回以降の議事に反映していきたいというふうに思っておりますので、今後の議論に今日の御意見は大分生かせるものが多いと思いますので、ぜひそのような形で進めさせていただければと思います。
 お二人がまだ御発言されていらっしゃらないようですけれども、いかがでしょう。先に進んでしまってよろしいでしょうか。指名するのもどうかというところもありますけれども、よろしいですかね。
【大土井海洋地球課長】  よろしいと思います。
【藤井(輝)分科会長】  では、進めさせていただきます。
 
議題(4) 海洋開発分科会における委員会の設置について
【藤井(輝)分科会長】  それでは、次の議題に進ませていただきます。次は議題(4)海洋開発分科会における委員会の設置についてということでございます。これは分科会に委員会を設置するということで、そのことについて御審議いただきたいと思います。
 今、例えばこの論点について御意見を頂きましたけれども、これについて御意見を頂戴したいということでございます。資料4を御覧いただいて、御説明を事務局からお願いします。
【事務局】  事務局でございます。資料4をお開きいただければと思います。こちら海洋開発分科会におきます委員会の設置の案でございます。
 下の規則にございますとおり、分科会、特定の事項を機動的に調査するために委員会を置くことができるということで、この規則を踏まえまして海洋開発分科会に以下の2つの委員会を置いてはどうかというふうに考えております。
 1つは、海洋科学技術委員会でございます。こちら海洋科学技術の在り方や推進方策について調査を行っていただくというのはどうかという案でございます。
 そして2つ目が海洋科学掘削委員会でございます。国際深海科学掘削計画(IODP)の推進も含めまして、海洋科学掘削の在り方や推進方策について調査を行っていただくというのはどうかというものでございます。
 こちらのイメージといたしましては、先ほど議題(3)で皆様から御審議いただきました論点のうち、海洋科学掘削に関しては非常に専門的な調査が必要になるということも想定されます。過去の分科会でも科学掘削の関係は別個に委員会を立てておりましたので、今回もそれにならい、掘削に関しては別に立てた上で、その他の論点に関しては、また皆様からの御意見を踏まえて整理・追加が必要なところはあるかと思いますけれども、先ほど皆様から御指摘いただいたとおり、非常に相互に密接した形で包括的に議論をしていくことが必要というふうに考えられますので、海洋科学技術委員会の方で広く調査をいただくというイメージでおります。
 なお、これらの委員会の委員の構成につきましては、今後分科会長にも御相談の上、決定できればというふうに考えておりまして、本日まずは委員会の設置について御審議いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 ただいまの御説明について御質問等はございますでしょうか。よろしいですか。ここでお決めいただきたいのは、この2つの委員会を設置するということでありますが。
【谷委員】  よろしいですか。
【藤井(輝)分科会長】  では、谷委員、お願いします。
【谷委員】  谷でございます。何かすごく違和感があるのですけれども、先ほど来ずっと御説明いただいてきた中身とか、御議論の中身、各委員からの御発言の中身に、海洋科学掘削というのは全然出てこなかった。非常に遠回しに言えばレジリエントな何とかというところに関係するのでしょう。あるいは気候変動に関係するのかもしれませんけれども、科学掘削が非常に重要であるという御指摘もなかったし、そもそも事務局の案の中にも、私が見落としていなければ出てこないと思うのです。
 この海洋科学掘削というのは非常に大きなイシューであったのですけれども、2年前でしたか、けりが着いたというか、一段落して今はお休み状態かなと思うのですけれども、これをなぜやらなければいかんのかというのがよく分かりません。それが1つ目の違和感。
 それから2つ目。各委員の御発言で、分科会長は既にメモを取られていると思いますけれども、いろいろと重要な論点が出ていまして、これはどこで議論するのだろうと思います。海洋の科学技術に関するところはよいのですけれども、そうではない、科学技術とは見えないようなところ、例えば産学官の連携とか、教育とか、いろいろとお話が出てきました。MDAもそうですけれども、そういったイシューというのは多分科学技術委員会のマターではないと思うのです。
 今日議論された中身について、特に重要なイシューについては、これは分科会長の御判断だと思いますけれども、委員会を立てるべきだと思いますので、この2つで良いとは思わない。もっと必要だし、一方でドリリングは要るのかなというふうに思います。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  それから、どうしましょう。取りあえずまず御質問を頂いてからにしましょうか。阪口委員からも手が挙がっています。
【阪口委員】  海洋政策研究所の阪口です。谷委員と似通った疑問を私も持ったのですけれども、そもそもが海洋科学掘削を、先ほどIODPの名前が出ていましたけれども、今後我が国が本気で推進をしていくのかということ自体の議論の前にこの委員会が再度設置されるということに対してはやや違和感があって、その是非についてもきちんと議論した上で委員会を設置するべきではないかということが1点と、それから、今、国際社会では海底を掘削することというのは大半の目的が化石燃料というか物質を、せっかく海底下にしっかり眠ってもらっている状況のものを出してしまうということで、海底掘削というものが非常に気候変動の問題に対して国際的な場では疑問視されています。
 なので、先ほどの1・2・3・4・5の2や3の問題と絡めて、やはりもう1度きちんと立ち直って考えるべきではないかと。もちろんマントルまで掘れば化石燃料など関係ないという考え方もあるのですが、それはやはり無視できないことでもありますし、我が国が本当に海洋掘削をやるのかということを1度立ち返って議論した上で、委員会を設置するかどうかということを考えるべきでありますし、あともう1点も私も全く同じことを考えたのですけれども、人文社会・知の融合ということを真剣に取り組むということでありますと、そっち、つまり科学技術ではない部分をしっかりと議論して、次につなげていくための委員会の場というものがあるべきではないかというふうに私も考えました。以上です。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 それから見延委員も手を挙げていらっしゃいますでしょうか。
【見延委員】  北海道大学の見延でございます。この2つの委員会の少しレベル感が違って、特にこのもともとの審議会が科学技術・学術審議会でございますので、学術以外は全て科学技術ということになるのかなと。その非常に広い科学技術、海洋の科学技術委員会というのと、一方は海洋科学掘削委員会という非常に狭い委員会を立てるということを、こういう体制で行っていくことの意味がよく分からなかったので、そこはどのようにお考えなのかというのを、これは事務局の方になるのかと思いますが、伺いたいなと思いました。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 はい。では、あと榎本委員から御質問を伺って、それで説明をということにしたいと思います。榎本委員、お願いします。
【榎本委員】  ありがとうございます。これは質問なのですけれども、こういった委員会は海洋開発分科会の中に作られて、どれくらいの期間活動するものかというのと、活動して解散、あとそのほかに既に終わっている、あるいはほかの分科会で活動されているものがあったら、お聞きしたかったのですけれども、先ほども人文社会との関わりというところで「総合知」という言葉がよく使われているのですが、「総合知」というものが何なのか、どこか別の分科会、あるいは別の委員会からそういったところの情報が出てくるものだったらよいのですけれども、そういった仕組みがこういった分科会形式の中にあるのかどうか、お聞きしたかったところです。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、ここまで御質問を頂きましたので、事務局から少し御説明をお願いできますでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。まず掘削の方でございますけれども、先ほど谷委員、そして阪口委員の方から御指摘を頂いたところでございます。谷委員の御指摘にもありましたとおり、掘削については2年前、南海トラフの掘削をJAMSTECの方で行い、それが一段落したところで、今後どういうふうに海洋科学掘削を推進していくか、「ちきゅう」を運用するJAMSTECの方でも検討しているところです。ただし、これは必ずしも推進ありきでということではないかとは思います。様々な状況を踏まえながら、メリット・デメリットなども踏まえて調査を行うということが必要ではないか、その上で今後どのような在り方が望ましいかということを国としても検討していくことが必要ではないか考えております。ですので、そうしたことを専門的な観点から調査いただくような形として、この委員会を設置してはどうかというふうに考えているものでございます。
 ですので、その委員会の報告につきましては、今後分科会の方でもぜひ御議論いただいて、国としてどのように海洋科学掘削の在り方を打ち出していくかというところも含めて、ぜひ御議論いただきたいと考えております。そうした意味でも専門的な調査がここでも必要ではないかということで、設置を提案させていただいたものでございます。
 また、海洋科学技術委員会の方につきましては、見延先生からも非常に広いのではないかというような御指摘を頂いたところでもあります。ただ、先ほど委員の先生方から様々な御指摘がありましたとおり、なかなか個別事項として論点を切り分けてしまうと、逆にそこの横断的なところを御審議いただくというところが難しいのではないかということもあります。そのため、この海洋科学技術委員会の方で、人文社会だとか、「総合知」なども含めまして調査いただくということを想定して御提案をさせていただいたものでございます。
 また榎本委員からのどれくらいの期間で委員会、議論をしていくのかというような御質問につきましては、先ほど議題(3)の方でスケジュール感をお示しさせていただきましたけれども、今後委員会を立てまして、その後、来年の2月頃に海洋開発分科会の方に、まず検討結果を御報告いただくということを考えておりまして、そこまでにまずは報告をおまとめいただくというようなことで考えております。
 設置期間に関しては必ずしもそこまでに限るものではなくて、この分科会の設置期間に合わせるような形ということも可能かとは思いますが、その辺りの期間に関しても分科会長とも御相談の上、決めていければというふうにも思います。
 また「総合知」など様々なインプットをどうしていくのかというようなことを榎本先生からも御質問を頂いたかと思いますけれども、それにつきましては、例えばこの委員会の中でも、これは委員長とも御相談になるのかなとは思うのですけれども、そうした観点で情報、取組等をインプットいただくような方にヒアリングを頂きながら、現在こうした取組、国内外でどういった状況にあるのかなどをヒアリングなどしながら、そうしたことも取り入れながら、委員会としての報告を取りまとめいただくというようなことは1つ考えられるのかなというふうに思います。
 御質問・コメントを頂いたことにつきましては以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 というふうな考え方だということでございますが、いかがでしょうか。
 掘削については、そういう意味で推進ありきではなくて、専門的な観点で調査をまず行った上で、大枠の議論は分科会でも議論をするといったことだということですね。
【事務局】  掘削の関係で、谷委員からの御指摘、先ほど論点のどこにあったのかという御指摘がございました。これは、論点3、防災・減災への貢献といったところで海洋科学掘削の在り方というのを書かせていただいております。これは必ずしもレジリエントで安全・安心な社会の構築だけが掘削の目的ではないと思いますけれども、一応今、掘削孔を活用した、そこに地震計を埋め込んで南海トラフでの観測などもやっているというところもございますので、そうした点で論点との関係で言えば、ここには位置づけさせていただいておりますが、これに限らず、海洋科学掘削委員会の方では掘削の在り方について調査を頂ければというふうに思っております。
 途中で申し訳ございません。失礼いたしました。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。谷委員から手が挙がっていますので、谷委員、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。作ればよいじゃないかという御意見はあるのかもしれませんが、この分科会が海洋科学掘削委員会を立ち上げたということがメッセージになってしまうことを恐れています。恐れていると、私は否定しようと言うつもりではないのですけれども、この分科会がなかんずく海洋科学掘削は重要なイシューであるということを表明するということになるのです。
 だけど個別事項で挙げられたいろいろなことの中に大変に重要な話がいっぱいあって、それに比べて科学掘削は大事ではないと申しません。いろいろなところに関係してきて、それこそレジリエントというか、防災ではなくて、例えば地底下の生命現象がどうなっているとか、いろいろな違った広がりがあって、これはむちゃくちゃ大事な話なのですけれども、それはむしろ今捉えたデータを使って何を考えるかという、先ほどAwareness、インテリジェンスの話を申し上げましたけれども、そちらの方なのです。
 掘削委員会と言うと、「では、次はどこを掘ろうか」みたいなふうになってしまうし、先ほど事務局から御説明がありましたように、今JAMSTECの方でも検討しているというお話がございましたが、そもそも素案がないところに分科会が委員会を立ち上げて何か一から議論をするのですかねというのも、もうひとつよく分からないのです。なので私は申し訳ございませんが、この掘削委員会を立てることについては反対です。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。といった御意見でありますが、どうしましょうかね。
 ひとまず、この海洋科学技術委員会の方で横断的な議論をしていただくということについてはよろしいでしょうか。
【谷委員】  結構だと思います。
【窪川委員】  すみません。窪川から質問をよろしいでしょうか。
【藤井(輝)分科会長】  はい、窪川委員、お願いします。
【窪川委員】  今の海洋科学技術委員会のことですけれども海洋生物学委員会という委員会がこの分科会の下にありまして、例えばそこから海洋生物研究に関する今後の在り方についてという報告をさせていただいているのですけれども、実はそれが余り知られていなくて残念かなと思っていたところです。例えばその海洋科学技術委員会の調査は、今、議論しております第4期の海洋基本計画の議論の中に分科会として十分に活用できるとか、あるいはその他活用できるとか、そういった観点に基づいて委員会を構成しているという理解を私としてはしたいと思ってはいますが、その点について御質問させていただきたいと思います。
【藤井(輝)分科会長】  これはそういう趣旨、第4期の海洋基本計画だけではなくて、広くそういう意味では分科会での議論に反映させていただくという理解だと思いますが、事務局の理解としてもそれでよろしいですか。
【事務局】  そのとおりでございます。
【窪川委員】  ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。では、川辺委員、お願いします。
【川辺委員】  すみません。私も質問なのですけれども、窪川委員の質問とかなり重なるのですけれども、海洋生物委員会というのは今まであった委員会なのですが、これは継続されるのでしょうか。
 先ほど出たようなイシューというのをそれぞれに分けて議論するというような形を想定されていらっしゃるのでしょうかというのをお伺いしたいと思います。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。では、事務局から。
【事務局】  事務局でございます。前の分科会の期におきまして海洋生物委員会を立ち上げさせていただきまして、様々な先生にも入っていただいて報告をおまとめいただきまして、大変感謝申し上げます。海洋生物委員会は、そういった意味で前の海洋開発分科会の期に合わせて設置しておりまして、報告もおまとめいただいたということになりますので、その関係で設置の期間というのは既に終了しております。
 今回はこの第11期の分科会のこの期に合わせてどういった委員会を新たに設置するかというところでございますので、海洋生物委員会につきましては任期を終了しているというところでございます。
【川辺委員】  承知しました。ありがとうございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 そのほか御意見はございますでしょうか。河野委員。
【河野委員】  申し訳ございません。ありがとうございます。そうすると、ちょっと質問させていただきたいのは、この海洋科学技術委員会というのは、①から⑤までのこの幅広いものを一般的に全般的に取り上げられる委員会という趣旨での設置というふうに理解してよろしいのでしょうか。
【事務局】  事務局としては非常に幅広い議題ということは承知しておりますけれども、やはり横断的に調査いただくことが必要だというふうに考えておりますので、先生のおっしゃるとおりでございます。
【河野委員】  ありがとうございました。
【藤井(輝)分科会長】  その分野、あるいは事項を特定せずに検討していただくと、そういうことかと思います。
【大土井海洋地球課長】  すみません。事務局大土井でございます。本来的には余りこの手のお話をしない方が本当は良いと思いつつも、委員会を幅広く設けることには、若干定足数その他会議の運営上の課題がございます。分科会長の藤井先生もどれだけお時間を頂けるかというのも少しあり、機動的に、なおかつ回せるような委員会を1つ設けておきまして、それでどんどんどんどん回数をこなして議論をしていきたいというのが、この委員会の設置の趣旨でございます。すみません。そこの部分は事務局の会議運営上の課題でございまして、余り先生方にお話しする話ではないのですが、そういうふうに考えてございます。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。では、谷委員、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷でございます。今の大土井課長のお話は大変よく分かりました。横断的にやるから委員会を作るという話は、私は賛成し難いです。横断的にやるのは分科会で委員会は深掘りする場所ですから、これはおかしいと思ったのですけれども、機動的にやるというお話が大変分かりやすいし、藤井先生はそんなにお時間がとれないでしょうから、そういうことであれば非常に分かりやすいので賛成いたします。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。川合委員、お願いします。
【川合委員】  すみません。初めてなのでよく分からないのですけれども、この設置された場合の委員会の委員というのは誰がなるのでしょうか。
【藤井(輝)分科会長】  こちらで申しましょうか。委員について、先ほど御説明を一旦していただきましたが、一旦私の方でお預かりさせていただいて、それから委員の皆様からもこの委員会には参加したいというふうな御希望があれば、そちらも事務局の方にもお寄せいただいた上で決めていくと、そんな形を取りたいと思っております。
【川合委員】  分科会のこのメンバーの中から選ぶということで。
【藤井(輝)分科会長】  基本的にはそのようなこととなりますが、事務局から。
【大土井海洋地球課長】  加えまして必要な事項がございましたら、ほかの先生方も専門委員として委員になっていただくということを考えます。
【川合委員】  分かりました。ありがとうございます。
【事務局】  また新たに分科会の委員以外の方に委嘱をするということもございます。前回の海洋生物委員会でも同様な形で入っていただいた方もいらっしゃいますので。
【藤井(輝)分科会長】  そのようなことでよろしいでしょうか。
 それでは、海洋科学技術委員会の方はおおむね皆さん御了解いただけたかなと思いますが、掘削の方はどうしましょう。
【大土井海洋地球課長】  大土井でございます。谷先生がおっしゃるとおりでございます。何から何まですみません。ありがとうございます。
 実は前回までの委員会は深海掘削委員会という名前で、もうIODPだけの議論をするつもりで今まで立てていたのが現状です。今回は少し検討しまして、海洋科学掘削委員会としております。IODPありきではなくて、例えば南海トラフの長期孔内計測用のドリリングはどうしましょうかとか、あるいはJAMSTECに限っての話でございますが、JAMSTECの中で言うと、非常に予算として大きなシェアを占める「ちきゅう」、これの在り方をまだ彼らは議論しておりますので、それを踏まえた上での議論を想定しています。「ちきゅう」の計画を始めたときにはものすごい議論をして政府としても始めたものでございますので、今後の在り方、仮に何かしら力加減なり軸足を動かすのであるならば、政府として議論するべきと思っておりまして、科学掘削委員会を作ろうと思ったのですけれども、先ほどの御意見がありましたので、JAMSTECの議論を踏まえて、仮にその必要があるならば、その際にまた改めて分科会にお諮りして委員会設置という形でさせていただければと思います。すみません。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。
 では掘削の方は一旦そういう格好で、分科会での議論も経てという形にさせていただくということでよろしいでしょうか。
 では、そのような形で、海洋科学技術委員会の方の設置はお認めいただいたということで、掘削委員会の方は一旦ペンディングということで、皆様はよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【藤井(輝)分科会長】  それでは、そのような形で、この分科会での決定とさせていただきます。
 それで先ほどの繰り返しになりますけれども、御参画いただく委員については私の方でお預かり、一任ということにさせていただきまして、事務局とも相談の上、決めさせていただきたいと思いますけども、委員の皆様におかれましては委員会への参加の御希望がありましたら、ぜひこれは事務局の方にお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
 
議題(5) 令和3年度の海洋開発分科会における評価の実施について
【藤井(輝)分科会長】  それでは続きまして、議題(5)に進ませていただきます。令和3年度の海洋開発分科会における評価の実施についてということでございます。これも事務局から御説明をお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。それでは、資料5を御説明させていただければと思います。
 分科会では毎年、研究開発課題の評価を行っていただいておりますけれども、今年度の実施方針につきましてまとめた資料でございます。
 これまでも同様の資料で、この分科会にお諮りしているものでございまして、基本的に内容の方はほぼ変わってございませんので、簡単に御説明させていただければと思います。
 まず、1.評価の区分でございます。評価には事前評価、中間評価、事後評価の3つとさせていただいております。このうち(1)事前評価、それから(2)の中間評価、(3)事後評価につきましては、こちらに記載いたしましたとおりの課題を対象とするということにしてございます。
 それから2.評価対象課題でございます。まず事前評価でございますけれども、こちらは今年度につきましては該当するものはない見込みでございます。
 それから(2)の中間評価につきましても、今年、実施時期に当たるものがございませんので該当なしとしてございます。
 それから(3)の事後評価でございますけれども、こちらは今回実施時期に当たるものが2件ございまして、こちらに記載の2課題につきまして今年度の事後評価の対象とさせていただければということで記載してございます。
 3.評価方法でございます。こちらの記載の観点から評価をいただくこととさせていただいておりまして、後ろに別添といたしまして事前・中間・事後の評価票の様式を付けてございますけれども、こちらに詳細な観点の方も記載してございますけれども、こちらの観点から評価を実施するということにしてございます。
 4.の留意事項でございますけれども、こちらの利益相反等々に当たる場合については評価に加わらないものとするということを書かせていただいております。
 非常に簡単ではございますが、評価の実施方法等について御説明させていただきました。今年度、事後評価2件につきまして、次回の分科会にて御審議いただければと考えております。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。この御説明につきまして御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 今年度は事後評価が2件あるということでございます。よろしいですかね。
 では、この案をもってこの分科会での決定という形にさせていただきます。
 
議題(6) その他
【藤井(輝)分科会長】  それでは、議題(6)その他でありますけれども、先ほど来お話がありました第3回の北極科学大臣会合の開催についてということについての御報告ということでございます。これも事務局から御説明をお願いいたします。
【吉野極域科学企画官】  事務局、海洋地球課の吉野から報告をさせていただきます。資料6を御覧ください。去る5月8日~9日に第3回北極科学大臣会合を東京で開催しました。今回の会合は日本と北極協議会議長国であるアイスランドとの共催での開催となっております。オンラインでの併用ということになりましたが、過去最大規模での会合という形になってございます。
 2日間のプログラムにつきましては概略をそこに掲載させていただいておりますが、初日の開催において、菅内閣総理大臣よりビデオメッセージで、地球温暖化対策における北極の重要性、この会議への期待のお言葉をいただいております。また各セッションでの議論に先立ちまして、Science Advisory Boardからの報告がございまして、Advisory Boardを代表して、日本からは榎本先生に御報告を頂いております。
 各セッションにおきましては、北極における研究船などを活用した観測研究における国際協力が必要であること、また、その際、オープンアクセス等による各種データ等の共有化であったり、北極域・非北極域の国々、先住民団体との協働が必要であるという意見、人材育成という観点におきましても、国際協力、あるいはその多様性の確保と持続性が重要であるというふうな意見が多くございました。
 萩生田大臣からは、5年後に就航予定の北極域研究船を国際観測プラットフォームとして運用すること、人材育成に係る各種国際プログラムを創設することなどを提案しまして関心を集めたところでございます。
 共同声明の概要につきましては、資料でお配りしております次ページ目以降の3枚にわたっておりますが、先ほど御紹介したような国際協力、あるいはデータの共有化、人材育成、先住民との協働という視点で、具体的な取組として、行動指針、長期的取組、短期的取組というものが取りまとめられておりますので、また御覧いただければと思っております。
 今後、このASMに向けまして、この共同声明の各事項について各国政府と先住民団体が取り組んでいくということになります。
 なお、ASM4につきましては、次期北極評議会議長国のロシアによりフランスとの共催で開催したい旨のアナウンスがありましたので、御紹介だけさせていただきます。簡単ではございますが、報告は以上になります。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。質問等がございましたら、時間が少し迫っていますけれども、短いものでしたらお願いします。よろしいでしょうか。
 では、どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題としては以上でございますので、最後に事務局から何か連絡事項等がございますでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。最後に御連絡事項を申し上げます。
 今後の海洋開発分科会のスケジュールでございますけれども、現時点のイメージとして資料7に記載のスケジュールを予定してございます。今後、約半年間、本日設置させていただきました委員会で検討いただきまして、次回の分科会の方は来年2月頃に開催させていただければと考えております。
 また、その際にはこちらに記載の2件の研究開発課題に係る事後評価につきましても御審議いただくことを予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから大変申し訳ないのですけれども、先ほどの資料5の方に誤記がございまして、17ページの一番下のところ、2.の評価対象課題の(1)事前評価のところで、令和3年度新規予算要求課題となってございますけれども、こちらは令和4年度新規予算要求課題の誤りでございましたので訂正させていただきます。大変申し訳ございませんでした。
 また、本日の議事録の案につきましては、後日事務局からメールで先生方の方に御確認させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 本日の議題、それから連絡事項等は以上でございます。
 よろしければこれにて海洋開発分科会をおしまいにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【阪口委員】  藤井委員長。
【藤井(輝)分科会長】  阪口委員。
【阪口委員】  阪口ですけれども、先ほどの委員会の問題ですが、2つ目の委員会を設置するかどうかということを来年の2月までほったらかしにするわけにはいかないと思いますが、どのような方法で今年度内に委員会を設置して委員を決めるのでしょうか。
【大土井海洋地球課長】  すみません。事務局でございます。その場合には、もしも必要が生じた場合には、分科会を急遽開催ということもありますし、もしもお時間が取れなければ書面開催で先生方の御意見を頂くということも可能かなと思ってございます。その際には当然ながらオンラインなりリアルで個別御説明を詳細にさせていただいた上で御審議いただくということを考えております。
【藤井(輝)分科会長】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
 委員の皆さんから、そのほかございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 重要な御指摘をありがとうございました。それでは、そういう形で掘削の件につきましては進めさせていただきたいと思います。
 それでは、これにて海洋開発分科会をおしまいにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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