海洋開発分科会(第55回) 議事録

1.日時

平成29年9月13日(水曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 平成30年度概算要求について
  2. 平成30年度の海洋科学技術関連施策の事前評価結果について
  3. 第3期海洋基本計画の策定に向けた議論(非公開)
  4. その他

4.出席者

委員

浦辺分科会長、長澤分科会長代理、石田委員、宇都委員、浦委員、榎本委員、窪川委員、白山委員、谷委員、辻本委員、中川委員、花輪委員、平田委員、藤井輝夫、藤井良広委員

文部科学省

大山大臣官房審議官、阿蘇海洋地球課長、小酒井極域科学企画官、満田海洋地球課長補佐 他

5.議事録

【浦辺分科会長】  定刻となりましたので、ただいまより第55回科学技術・学術審議会海洋開発分科会を開会いたします。本日は、御多用にもかかわらず、御出席いただきまして誠にありがとうございます。最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
【事務局】  それでは、議事次第に書かれている「資料」というところを御参照いただきながら、簡単に資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず、資料1といたしまして、平成30年度概算要求について。その次に、資料2-1から2-3、事前評価結果が三つほどございます。続きまして、参考資料1が前回の議事録で、参考資料2が海洋開発分科会における評価の実施について。
 このほか、机上配付資料といたしまして、資料3-1から3-3、こちらは、次期海洋基本計画の策定に関連した資料一式でございます。また、机上に置いてあります冊子の中に、資料番号はございませんが、冊子の中の2-2で、現行の海洋基本計画を参考として配付してございます。
 資料につきましては以上でございます。不足、乱丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
【浦辺分科会長】  よろしいでしょうか。
 それでは、議題に従って進めていきたいと思います。今日は三つの議題がございますが、最初に、議題1で平成30年度の概算要求について事務局より説明をお願いいたします。
【事務局】  ありがとうございます。それでは、平成30年度概算要求につきまして、事務局より御説明させていただきます。資料1を御覧下さい。
 まず、1ページ目でございますけれども、平成30年度の要求・要望額ということで、全体としまして421億7,100万円の要求でございまして、これは平成29年度、今年度予算に比較しまして約45.6億円の増という形で予算要求をさせていただいているところでございます。
 主に四つの項目に分けて御説明いたします。1ページ目に書いてございますけれども、四つの項目、「国土強靭化に向けた海底広域変動観測」、それから「統合的海洋観測網の構築」、「北極域研究の戦略的推進」、そして最後に「南極地域観測事業」という形でそれぞれ個別に説明の紙を御用意いたしましたので、それに基づきまして御説明します。
 2ページ目をお開きください。まず、初めに、「国土強靭化に向けた海底広域変動観測」ということで、こちらにつきましては、切迫する南海トラフ地震の地震・津波発生予測を高精度化することが喫緊の課題となってございます。連続リアルタイム観測が可能な海底ケーブル観測網、運用を開始いたしました海底広域研究船「かいめい」の3次元地震探査システムを活用することにより、こうした課題解決に向けた事業を推進するということです。特に、平成30年度につきましては、より微細な地殻変動のリアルタイム観測が可能となるように、傾斜変動観測装置の開発、「かいめい」による海底下構造の3次元解析研究に着手するという内容で要求をしてございます。
 続きまして、3ページ目をお開きください。3ページ目は、「統合的海洋観測網の構築」でございます。こちらにつきましては、「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献、また、昨年のG7、伊勢志摩首脳宣言の着実な実施、さらに、第5期の科学技術基本計画で掲げられておりますSociety5.0、スマート社会の実現に向けた11のシステムのうちの「地球環境情報プラットフォーム」、あるいは「自然災害に対する強靭な社会」の実現において重要な要素ということで、我が国の海洋状況把握(MDA)の能力強化を踏まえまして、海洋情報の収集、取得に関する取組の強化、海洋観測に関する基盤の強化に取り組むということで要求をしてございます。
 具体的には、マル1、統合的海洋観測網の構築で、漂流フロート開発の展開として、フロートの検定整備や台数の拡充などに取り組むこととしてございます。特に、発信機ですけれども、マル3にございます中深層・深海底における海洋汚染物質の実態把握と海洋生態系への影響評価ということで、新規予算といたしまして、マイクロプラスチックを検出・定量化するようなシステムを開発することに取り組むとしてございます。
 続きまして、4ページ目、次のページをお開きください。こちら、三つ目の項目でございます。「北極域研究の戦略的推進」ということで、我が国の北極政策に基づきまして、強みであります科学技術を基盤に、北極をめぐる国際社会の取組におきまして主導的な役割を積極的に果たす必要があることから、主に二つの項目について要求をしてございます。
 まず、一つ目でございますけれども、北極域研究推進プロジェクト(ArCSプロジェクト)ということで、国際連携拠点の整備、それから国際共同研究の推進、若手研究者等の育成などに取り組んでいるところでございますけれども、こちらにつきましては増要求をしてございますが、国際連携拠点の整備ということでロシア沿岸区域に拠点を整備する。具体的には、これまで基地としておりましたケープ・バラノバを活動拠点にするということで、増要求をしているところでございます。
 さらに、二つ目の項目、先進的北極域観測技術の開発ということで、こちらにつきましては、自律型無人探査機(AUV)の開発・運用を着実に推進するとともに、今年度の新規でございますけれども、北極域研究船の推進、こちらにつきましては基本設計に来年度着手するということで、研究開発、北極船の推進の予算を要求させていただきました。
 それから、最後のページ、「南極地域観測事業」でございます。こちらにつきましても、引き続き着実に推進するということで要求をしてございますけれども、特に増要求になってございますのは、老朽化した観測機器の更新といったことですとか、また、再来年度に予定しております「しらせ」の定期検査、次期年次検査に向けた部品等の整備ということで、増要求とさせていただいております。
 資料1につきまして、平成30年度の概算要求の御説明は以上でございます。
【浦辺分科会長】  ありがとうございました。
 ただいまの報告事項の説明について、何か御質問、御議論がございましたらお願いします。
 いつものことですけれども、発言されるときは、お名前をおっしゃってからしていただければありがたいと思いますが、何かございますか。
 浦委員。
【浦委員】  浦でございます。どうも、ありがとうございます。
 前回議論があった(北極域研究船の推進を含む)というところの項目についてお尋ねしたいと思いますが、まず確認ですけれども、ここで紙に書いてあるのはよく意味が分からないんですね。「北極域研究船の推進」、まるでプロペラを回してぐるぐるっと前へ進んでいくような意味合いに聞こえますけれども、実はそうではなくて、今、その基本設計をするというふうにおっしゃっていましたね。そのことを明らかに書いていただきたいと思います。推進とは何か、これでは分からないと思います。
で、このことは非常にその次の、基本設計をすれば、その次が、いろいろ建造のプロセスが進んでいくんでしょうけれども、どういうような形で推進するかを明確にしていただきたいと思います。
 以上です。
【事務局】  御指摘、ありがとうございます。今まさに御説明しましたように、来年度、検討に着手するということで、基本設計費を、こちらは3億1,000万円でございますけれども、要求してございます。こちらにつきまして、今後、分かりやすく資料を作成していきたいと思います。
ありがとうございます。
【浦辺分科会長】  ほかに、ございますか。
 では、長澤委員。
【長澤分科会長代理】  長澤です。
 ちょっと今の質問に付随してなんですけれども、この北極域研究船の竣工というのは、いつをイメージされているのでしょうか。
【事務局】  こちらにつきましては、2020年代の前半までに北極域研究船、持つことが望ましいというような、これまでの検討結果を踏まえまして、5年の計画で、今、予算要求をさせていただいております。5年計画の建造スケジュールでございます。
【浦辺分科会長】  ほかに、よろしいでしょうか。
 それでは、質問がないようですので、議題の2に移りたいと思います。
 これは、平成30年度の海洋科学技術関連施策の事前評価結果についてということで、この分科会でも8月4日に議論をいたしまして、そのときに座長預かりになっていたものでございます。
 それで、ここにあります評価結果というのは、前回、分科会及びその後の事務局からの意見照会で皆様からいただきました御意見を踏まえて取りまとめられたものでございます。
 では、事務局から御説明を、お願いいたします。
【事務局】  それでは、資料2-1、2-2、2-3を御覧いただければと思います。本事前評価票につきましては、今、分科会長から御説明がありましたとおり、前回、8月4日の分科会におきまして皆様に議論いただいたものでございます。それを受けまして、それぞれの評価結果につきまして総合評価という、最終ページの5ポツというところに、皆様からいただいた御意見を集約いたしまして、事務局で文案を作成し、分科会長と相談をさせていただき、最終的に決定をしたというものでございます。今回、その結果につきまして、この場で御報告をさせていただきたいと思います。
 また、後ほど御説明させていただきますが、資料2-3につきましては、前回、多くの意見を頂戴たしまして、その後、内容を修正させていただいた上で、メールで皆様にもう一度意見をいただいたというところ、その意見を踏まえて、今回、総合評価をまとめたものでございます。
 それでは、資料2-1をまず御覧いただければと思います。こちらは、「海洋情報資源把握技術開発」というものでございます。簡単に申しますと、海洋生態系や海洋環境等の情報を把握するために、観測、計測、分析、そういった技術が存在していないという、そういうところで、そういった技術開発を行うというプログラムでございます。
 資料2-1の4ページ目の5ポツを御覧いただければと思います。皆様方からいただいた意見につきましては、おおむね、この事業につきまして御賛同いただけておりましたので、【結論】というところで、「以下の観点に留意し、事業を実施すべきである。」と書かせていただいております。それぞれ、必要性、有効性、効率性、その他留意すべき事項、というところで、今後、事業を実施するに当たって、要は留意すべき点、こういったところに気をつけて実施すべきというところをまとめさせていただいております。
 簡単に説明させていただきますと、まず必要性のところでは、海洋情報の収集・取得は世界的に重要な課題である。民間への技術移転や、官民の協力体制の構築、国際規格・標準の確立、こういったところを視野に入れて取り込むべきだ。
 有効性のところでは、我が国のMDAや、SDGs、BBNJ等の議論に大きく貢献できる面でも有効性は高いというところ。
 また、効率性のところでは、公募により広く知見やアイデアを集めて、外部評価委員会を設置して審査を進めていくことは妥当である。次に、初年度にフィージビリティスタディーを行い、研究開発のターゲットを絞り込んでいくべきではないか。
 最後に、その他留意すべき事項として、前回の分科会でも御意見をいただきました施策名につきまして、「資源」とあるが、資源に関係するデータにとどまらない海洋情報を対象としているので、施策名を再検討すべきではないか。
 こういった御意見がありましたので、そういったところを総合評価としてまとめております。
 なお、参考といたしまして、今後、こちらは、財務省との予算の折衝がございますので、冬に向けて、その名称につきましては検討をさせていただきたいと考えておるところでございます。
 続きまして、資料2-2を御覧いただければと思います。「北極域研究船の建造」でございます。おめくりいただきまして、7ページ目の5ポツの「総合評価」というところを御覧いただければと思います。こちらにつきましては、多くの委員の皆様から、事業、おおむね、実施すべきであるといった御意見を頂戴いたしましたので、総合評価の結論といたしまして、資料2-1と同様に、「以下の観点に留意し、」ということで、留意事項を記した上で、事業を実施すべきであるという形でまとめさせていただいております。
 必要性につきましては、やはり、北極域の現象解明、観測・研究について科学的・社会的な意義が高く、我が国が砕氷能力をある程度持つ研究船を建造・保有する重要性は高い、といったところ。北極域の現象解明にとって、砕氷船はアクセスするための唯一の基盤であると同様に、政策や科学、経済の面での必要性が高いというところ。また、工学的な観点や人材育成の観点からも意義が高いといったところ。
 続きまして、有効性につきましては、未知の観測データの収集や新たな観測手法など、新たな知の創造につながる可能性も非常に高いというところ。また、北極評議会のオブザーバー国として、国際研究プラットフォームとして活用することによって国際的なプレゼンスを高めることが可能となるといったところ。また、我が国の造船業活性化や、船舶工学の進展、また、人材育成への貢献にも期待ができるといったところ。
 続きまして、効率性につきましては、JAMSTEC中心の実施体制が妥当と考えるが、研究船の運航費の逼迫が指摘されている中で、船舶全体の中での本船の位置づけの明確化、予算の確保、効率的・効果的な運用についての検討が不可欠である、といった御指摘をいただきました。おめくりいただきまして、8ページ目です。また、環境規制につきましても、今後、規制が厳しくなることが予想されるため、そういった環境対応技術にも留意すべきといったところ。
 最後、その他留意すべき事項といたしまして、砕氷機能を有する研究船として有効活用するためにも、年間運用計画の詳細については外部関係者の意見も踏まえて検討する必要がある、といった御意見をまとめさせていただきました。
 なお、最後の点につきましては、今後、建造が実際に進んだ暁には、こういった外部関係者の意見も踏まえながら検討を進めていきたいと考えておるところでございます。
 続きまして、資料2-3を御覧いただければと思います。「海洋オープンイノベーションの共創」というところでございます。こちらにつきましては、一度、前回の分科会で御議論いただきましたが、その後、内容を変更いたしまして、改めて再考いたしまして皆様に御紹介させていただき、御意見を頂戴したというところでございます。
 最終ページ、5ポツの「総合評価」というところを御覧いただければと思います。こちらにつきましても、皆様から大変多くの、さまざまな御意見をいただきまして、かなり厳しい御意見も頂戴したところでございます。実施すべきという意見が過半数を、半数を超えておったというところで、留意事項、今後の宿題という形で幾つか留意事項を付した上で、事業を実施すべきであるという形でまとめさせていただいてございます。
 まず、必要性につきましては、AUV、海洋ロボティクス技術の開発や今後の発展に当たりまして、多様な研究機関や企業等との協働という視点を取り入れることはとても重要であるといったところ。一方で、ユーザーの参画も促して、マーケットのニーズを開発に鋭敏に反映できる体制を構築すべきである、といった御意見も頂戴したところでございます。
 また、有効性につきましては、AUV複数機運用の技術は既にSIPの方でも行われておりますので、有人支援母船に頼らないシステム設計や、メーカーを超えたAUVの協調制御など、従来の研究開発との差別化を明確化すべきだ、といった御意見。
 最後、効率性のところにつきましては、マーケティングを入り口に据えた計画進行は妥当であるといったところ。各年度における技術開発課題をより明確化し、トータルコストの精密な検討、機関ごとの責任・資金分担についてもよく検討すべきである。
 こういった留意事項を付した上で、総合評価というところでまとめさせていただいた次第でございます。
 報告は以上でございます。
【浦辺分科会長】  どうも、ありがとうございました。
 これについて、2-3の「海洋オープンイノベーションの共創」の部分では、大変急いでメールで改訂版に対する皆様の御意見をいただいたところでございます。ですので、今ある改訂版に関しては、お互いにはディスカッションしていないわけでございますけれども、この2-1、2-2、2-3含めて、何か御議論はございますでしょうか。
 それでは、まず、ちょっと分けて議論をしたいと思います。
 2-1、これはもともと大変に、皆様から必要だという御意見を受けていて、総合評価のところ、これは留意事項を述べてくださいということで、皆さんからの発言、それからコメントも、留意事項について幾つか書いていただきました。
 これについては、よろしいでしょうか。
 浦委員。
【浦委員】  浦です。
 内容についてではなくて、先ほどの資料の1だと、これはどこにはまっていると考えたらいいのでしょうか。ちょっとよく分からないです。
【事務局】  事務局から回答させていただきますと、事業の「統合的海洋観測網の構築」といったところに入っているものでございます。
【浦委員】  「海底広域変動観測」だと、マル1は地殻変動だし、マル2は断層で、マル3は調査・観測のモデル化、開発なので、なんかしっくりと、これ、ここに予算が組み込まれていると言っているような感じはしないところが問題で、よく分からないなということで聞いているのですが。その次の「観測網の構築」ですか。中深層ですか。中深層はちょっと違うような気がするので、このマル2に合わせて、「ビッグデータを利用した価値創造」と訂正したらいかがでしょうか。
【事務局】  失礼いたしました。実は、こちらの資料1につきまして今訂正をさせていただきますけれども、主な事業という形で四つ挙げさせていただいております。右上の総額につきましては、これに関連する全体の予算で計上させていただいておるんですけれども、それぞれ四つ、代表的なものを出したというところになりますので、申し訳ございませんが、今のものについてはこのポンチ絵の中に記載されているわけではないんです。
【浦委員】  ないんですね。分かりました。
【事務局】  失礼いたしました。
【浦辺分科会長】  それでは、2-2「北極域研究船の建造」について、これも総合評価のところでさまざまな留意点が書いてありますが、何かございますか。
 私の方から、先ほどの資料1の中では、「北極域研究の戦略的推進」という中に、先ほど浦委員からも意見がありました観測船と、もう一つ、それに足して、先進的北極域観測技術の開発ということで海氷下でも動けるAUVを開発するとあります。これは2-3にもかかわることですが、前回のときはそういうAUVに関しては北極船の中へ入っていなくて、事前評価の2-3に入っていて、今回それは抜けているので、こっちに移ったということなんでしょうか。それとも違う考えなんでしょうか。
【事務局】  御説明申し上げます。資料2-2の部分につきましては、北極船の建造に係る経費というところで、主に船舶の建造に係る費用、費用といいますか、そういった建造費を載せているものでございます。
 で、今ほど御指摘がございました資料1のところで、具体的に、ページをちょっとおめくりいただきまして、「北極域研究の戦略的推進」というページを御覧いただきまして、それの左下の部分で、AUVの開発と北極域研究船の推進という形で、二つ分けて記載してございます。今回、事前評価をいただいたのは、この下の部分の北極域研究船の推進という部分でございます。AUVの開発につきましては別途、こちらの方に合わせまして、6億6,000万円、この中に含まれているという整理でございます。
【浦辺分科会長】  花輪委員。
【花輪委員】  花輪です。
 8月4日のときにもお聞きしましたけれども、やはり、運用の形態がある程度定まらないと、どういう船を詳細設計するかというのは、かなり違うだろうと思うんですね。例えば、全航海日程、日数を北極域で過ごすというつくりと、例えば、そこは100日で、あとの百数十日は熱帯・亜熱帯に行くという、そんなやり方。例えば、今度は国連が中心ではなくて、国際的な共同プロジェクトをどんどん進めていって、多くの海外からの人も乗せて研究船として活用するんだというと、それなりの対応が必要ということで、私は、この書類どうのこうのじゃなくて、パラレルに是非、運用のあり方を早く検討されたら、設計等に生かせるということでいいんじゃないでしょうか。コメントです。正直そう思ったので。
【浦辺分科会長】  どうもありがとうございます。
 今、花輪委員のおっしゃった点は、大変多くの委員の方が御指摘しておられて、資料2-2の中では、最後に、年間運用計画の詳細については外部関係者の意見も踏まえて検討する必要があるという留意事項に入っていて、確かに、非常に、運航費の問題もかかわってくるので重要だと思っています。
 谷委員。
【谷委員】  谷でございます。
 花輪委員と同じ意見ですが、先ほどの御説明で、課長から、2-2の8ページ目、最後のところで、その他留意すべき事項のところでコメントとして、この最後の各委員のコメントについては、建造が進んだ暁に考えるというような御説明がございましたが、基本設計の段階で、どういうふうにするかという段階で、どんなふうに使うのか、どこで使うのかというところはきいてくるんですね。北極に割ける期間は2週間だよと、仮にしますね、そんなことはないと思いますけれども、そうすると、2週間じゃあ、砕氷能力が要るところに入れない。行くなり帰ってきちゃうわけですから、砕氷船である必要はないということにもなりますよね。ですから、どう使うのかということが先にあって、それから基本設計だと思いますので、「建造が進んだ暁に」というのでは手遅れだと私は思っております。
 以上です。
【浦辺分科会長】  事務局から。
【事務局】  すみません。先ほどの御説明で私の説明が不足していたところがあるんですけれども、建造が進んだというよりは、これから冬に向けて予算折衝がございますので、予算が認められたら、という理解でございます。これから5年かけて建造を進めてまいりますので、それまでに、予算が認められた後に、検討については、造るという前に、完成する前に検討は進めていきたいと考えております。
【浦辺分科会長】  その点は、よろしくお願いします。
 では、2-3「海洋オープンイノベーションの共創」、これはまだ、この新しいバージョンでは皆さんの中では議論をしておりませんでしたが、これについて何か。
 谷委員、お願いします。
【谷委員】  谷です。
 2ページ目、アウトプット指標のところですが、新規にDIASに格納されたデータの数というので評価をするということでございますけれども、これはDIASなんですか。なんかMDAとか、ちょっとそこが、大きなところがなく、なぜDIASかというのがよく分からなかったんですが。
【浦辺分科会長】  事務局から。
【事務局】  分かりました。これは、アウトプット指標の一つとして、恐らく、DIASに特化したということでもないと思いますので、また、先生御指摘のとおり、MDAの議論も、この次に御説明しますけれども、進展しておりますので、そういったところに活用されるべき施策だと思いますので、そういうことも留意しながら進めていきます。
【浦辺分科会長】  ほかに何か、2-3についてコメントはございますでしょうか。
 藤井良広委員、お願いします。
【藤井良広委員】  藤井良広です。
 言葉の問題なんですけれども、4ページ、総合評価の(3)の最初の「マーケティングを入り口に据えた」というのは、マーケットのニーズも大事ですけれども、マーケティングというと、経営の議論でいうと、物をいかに売っていくかということなので、そういうふうに捉えられると思います。この言葉がやや誤解を招く可能性があるので、民間のニーズも捉えながら、実用化を前提にしながらとか、目指しながら、というような表現にした方がいいのではないかと思います。ほかのところにも「マーケットのニーズを」とあるんですけれども、やや、「マーケティング」という言葉自体に特有の意味がありますので、ちょっとひっかかる気がします。
【浦辺分科会長】  民間のマーケットニーズがどのようにあるかというのは……
【藤井良広委員】  実用化というか、その……
【浦辺分科会長】  実用化みたいな。
【藤井良広委員】  ということですよね。同じに聞こえる方もいらっしゃるかと思いますが、マーケティングと実用化とは違いますので。マーケティングは、ある製品をいかにマーケットで売るかというようなことになってしまいますので、最初から、そこは民間に任せればいいわけですよね。ですから、民間に使えるような実用性のあるものも想定する、というふうな意味合いにとどめられるような用語にした方がいいなと思ったものですから。
【浦辺分科会長】  ありがとうございます。
 皆さんの御意見の中でもやはり、技術開発の重要性は分かるけれども、それだけじゃなくてきちっとニーズを把握した上で、といったコメントが大変に多くございまして、それを多分、「マーケティング」という共通語で示しちゃったのかもしれませんね。
 ほかに、よろしいでしょうか。これは、2の議題はもう財務省に多分出ているので、一応、報告事項として扱っておりますけれども、こういう形で進めていただきたいということでよろしいでしょうか。
 どうも、ありがとうございました。
 それでは、次の議題、これが一番時間をかけたいと思っているものでして、第3期海洋基本計画の策定に向けた議論ということでございます。
 本議題については、現在、総合海洋政策本部参与会議のもとに設置されている各プロジェクトチームで検討されている段階であります。このため、海洋開発分科会規則第3条第3号及び第4条に基づいて、以降の議事及び議事録を非公開にしたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、そういうことで、恐れ入りますけれども、取材・傍聴の方は御退席をお願いします。

(取材・傍聴者退席、議題3は非公開)

【事務局】  本日は、長い時間、ありがとうございました。
 次回の海洋開発分科会ですけれども、12月以降の開催を予定しております。追って、日程調整をさせていただく予定ですので、委員の皆様におかれましては、御多用かと存じますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
【浦辺分科会長】  今日は本当に長い間、ありがとうございました。延びて、申し訳ありませんでした。
 これで終わります。


お問合せ先

文科省研究開発局海洋地球課

(文科省研究開発局海洋地球課)