深海掘削委員会(第13回) 議事録

海洋開発分科会 深海掘削委員会(第13回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成25年8月21日(水曜日) 10時~12時30分

2.場所

文部科学省 東館16階 16F3会議室

3.議題

  1. 深海地球ドリリング計画中間評価報告書について

4.出席者

委員

斎藤主査、石渡委員、井上委員、鎌形委員、川幡委員、竹山委員、佃委員、平田委員、増田委員、益田委員、松本委員、森田委員、横山委員

文部科学省

文部科学省研究開発局海洋地球課 井上課長、木村企画官、担当者

5.議事録

【斎藤主査】 定刻となりましたので、これから第13回、科学技術・学術審議会、海洋開発分科会の深海掘削委員会を開催することにいたします。お忙しい中、皆様からたくさんいろいろと御意見を頂きましてありがとうございました。きょうもまた、暑い中御出席くださいまして厚くお礼申し上げます。
本日は、増田委員が欠席でございますが、そのほか平田委員と横山委員が12時で退席ということになっておりますので、その辺、御了解くださいますようお願いいたします。
それでは、これから始めますが、最初に事務局から資料の確認をお願いいたします。

【事務局】 (議事次第にそって、配付資料の確認)

【斎藤主査】 ありがとうございました。宜しいですか。もし何かありましたら、後で結構ですので、事務局へ御連絡ください。
それでは、議題に入ります前に、本評価の進め方について、事務局から御説明をお願いいたします。

【事務局】 (参考資料1-1にそって、本委員会の進め方について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。それでは議題に入りたいと思います。今日の議題は1つでございまして、深海地球ドリリング計画中間評価報告書(案)の検討ということになります。これは分厚い資料がございますけれども、手短に事務局から御紹介いただければと思います。

【事務局】 (資料1にそって、事務局で作成した中間報告書(案)の第1章から第5章について説明)

【斎藤主査】 これまでのところ、大体従来の経過が主でございますけれども、何か御意見ございましたらお願い致します。宜しいでしょうか。それでは、次に進ませていただきます。

【事務局】 (第6章「IODP科学目標とその意義 P.16」について説明)

【斎藤主査】 それでは、16ページから17ページにかけて読んでいただきましたけれども、ここまでに何かコメントございましたら。もし特にございませんようでしたら、次のところへ進みますけれども、宜しいでしょうか。それでは、次のパラグラフへ。

【事務局】 (「ちきゅう」による科学的成果 P.17」について説明)

【斎藤主査】 それでは、これについて、何か御意見ありましたらお願いいたします。平田さん。

【平田委員】 真ん中辺で、「また、南海トラフでは巨大分岐断層による地震発生メカニズムを解明したほか」なんですけれども、いろいろ短くしてこうなってしまったのだと思いますが、「南海トラフでは巨大分岐断層による地震発生メカニズムを解明した」というのは、ちょっと言い過ぎです。だから、「解明に向けた基礎的な研究が進んだ」とか、「解明に資するデータが得られた」とか、もうちょっと弱めていただかないと、これだけでは解明はできませんので、ちょっと御配慮ください。

【斎藤主査】 したと言い切るのをやめる。

【平田委員】 「解明した」と言い切るのは、大きな研究の重要な要素ではありますけれども。

【斎藤主査】 そうですね。益田さん。

【益田委員】 沖縄トラフでの成果ですけれども、私自身は、温度で生命が規制されるということを見出した成果は大変大きなものではないかと自分では感じているので、この部分の科学的考察の報告が少ないという部分については、自分としては何となく違和感があります。確かに報告が少ないことは事実ですけれども、それはむしろ温度に依存して生物が発見されなかったという、私はやっぱりそこの部分はすごく大事なんじゃないかと思うのです。なので、その部分は少し解説してほしいなと思います。

【石渡委員】 ただ、ここのところは、事実を述べているわけですよね。この文章、報告が少ないという部分。

【斎藤主査】 はい。

【益田委員】 そうなのですけれども、参考資料の方にもありますけれども、割とネガティブな評価がされているように感じるので、ここの3行も割とそういう感じだと思うのですけれども、私はやっぱり生命と、多分、海底下の生命だけではないと思うのですけれども、温度が規制して、もうこれ以上の温度のところになるといないのだよという、あのことはものすごく大きな意義があって、前向きに評価するべきじゃないかなと思うのです。余りネガティブな書き方をするのはよくないと私は思います。

【斎藤主査】 多分、石渡さんのは、報告が余り出ていないということをおっしゃっていたので、それから、益田さんは、内容的なところでもう少し膨らむのではないかということですね。

【益田委員】 そうですね。本来の生物を目的とした研究について、ほとんど述べられていないわけですけれども、成果が少ないことについては、それは別の問題として、やはり対策を考えないといけない部分があると思うけれども、本来の生物の部分で全く評価がされていないというか、むしろそれを隠すのかどうかよく分からないけれども、書かれていないというのは、あんまりよくないかなと思います。

【斎藤主査】 確かに論文がまだ出ていないということもあって、JAMSTECサイドがそういう遠慮があったような書き方になっているような気はします。ですから、成果としてはもっと内容的には膨らむものだったと思っていますけれども、その辺、ちょっと表現のバランスですね。研究者だけではなくて、もしかすると、もっと広く読まれることを考えると、その辺の表現は少し工夫が要るかもしれません。他にございませんでしょうか。

【鎌形委員】 全体的な「ちきゅう」による科学的成果の部分のページ数が1ページだけなのですよね。むしろその後は、波及効果とか、取り組みとか、運営体制とかというところにそれなりのページが割かれていて、その評価の基軸をどこにウエートを置くかというのは、いろいろなお考えのもとにやられておられると思うのですが、何となく「ちきゅう」の成果そのものについての要約が余りにも薄いのではないかなというのは確かに感じますね。

【斎藤主査】 確かに、よくよく考えてみると、純粋に科学目的でつくられた船というのは「ちきゅう」しかないのですよね。歴史上、とにかく日本が初めてつくったという掘削船、そのことの意味というのは、なかなか書きづらいと思いますが。例えば、JRにしても何にしても、随分あちこちでたくさんずっと長いこと実績をつくってきているわけですけれども、やはり石油の掘削をしてきた船を応用してやってきたものであって、純粋に地球そのものを知ろうとしてつくられた船というのは「ちきゅう」しかないので、その辺はもっともっと世界に誇れるはずなのですが、なかなかそこの表現が書きづらいという。

【鎌形委員】 そうですね。そういうのが今のところ、見た感じ、どこにも書いていないですね。

【斎藤主査】 そうです。恐らく人類史上初めてなのですけれどもね。

【鎌形委員】 はい。何かそういう美しいフレーズが書かれていないので。

【事務局】 事前評価の4章とか5章のところで、既にそういう記述があって、「ちきゅう」に関するすばらしい表現というのが。でも、もう一度強調した方がいいのかもしれないですね。

【鎌形委員】 何か評価の時にすごい、美しい、誇れるような文章を書いたりすると、よく怒られますよね、自画自賛ではないかという感じで。何かもう少し前向きなものがあってもいい。

【海洋地球課井上課長】 今おっしゃったのは、今、説明したように、事前評価のときに、このプロジェクトを立ち上げる前は、むしろそういうところをしっかり書き込んでいるのですよね。それで、今回の評価は前回中間評価以降のということなので、その間の研究活動についてのみ、これでもまだ足りないと、先ほどの御意見も踏まえれば足りないとは思いますけれども、そこを盛り込みつつ、よろしければ事務局で文案を検討して御相談させていただきます。

【鎌形委員】 形式論の問題なのかもしれません。これ、見る方が、これは最終的に公開されるのですか。

【海洋地球課井上課長】 はい。

【斎藤主査】 公開します。

【鎌形委員】 文科省のサイトから、あるいはどこかから公開するのですか。

【海洋地球課井上課長】 ええ、文科省のサイトでやります。そうですね、一般の方にとってみると、これだけ見ると確かに事前評価から皆さんしっかり読み込んだ上でこれを見るわけではないと思いますので、ちょっとエッセンス、そういう科学的な意義とか、そういったところを書き込んでみたいと思います。

【斎藤主査】 松本委員、どうぞ。

【松本委員】 確かにおっしゃるとおりで、この報告書は、一般向けの報告書になるわけですね。いわゆる国民に向けた。

【海洋地球課井上課長】 はい、そうです。

【松本委員】 それで行くと、やっぱりここのところは、せっかくこの報告書の参考資料2ではかなり具体的な成果がいろいろ、発見とか書かれているわけですよね。だから、それをもう少しダイジェストして織り込んで、人によってはこの本文の方を読んで、参考資料の方も見るような、何かそういうあれをつくられた方がいいのかも、必要かなという気はしますね。私なんかでも、やっぱりこれを聞くまでは、「ちきゅう」というのは、もともと自分の仕事との絡みもあるのでしょうが、どっちらかというと資源とか地球の内部構造とかはありますけれども、こういう生物に関することもやっているというのは、余り、正直、認識としては乏しい方でしたので、そういうのはダイジェストでまとめられるといいのかなと。国民に向けての報告という意味では、そういうものも大事かなと思います。

【斎藤主査】 確かに地下生命圏のことというのは、今まで生物学の教科書にも書かれていない分野で、これから恐らく相当に膨らんでいく部分だと思いますね。他にございませんでしょうか。
 もしなければ、次に進みましょうか。

【事務局】 (「その他の掘削船による科学的成果 P.18」について説明)

【斎藤主査】 ここの部分についてはいかがでしょうか。

【森田委員】 もうちょっと何かここには「3船がそれぞれの特性に応じて」と書いてあるけれども、もうちょっと数行、具体的なものを入れた方がいいのではないですか。
 例えば、JRは浅海専用だとか、「ちきゅう」は深海とか。

【斎藤主査】 どこでも掘れるという。

【森田委員】 というのを短い言葉で何か、それがないと、それぞれでは、何で3つあるのかという、普通の人には分からないですね。というような感じがするのですけれど。

【斎藤主査】 確かにそのことは案外繰り返して言っておくことが重要だと思いますね。
どうぞ。

【平田委員】 「これらの科学航海には日本から毎回数人の研究者が乗船している」、ちょっと弱いので、少なくともトータルで何人とか、これだと少ないという印象をむしろ持ってしまいますから、もっと実績があるので、全部の航海が20回というふうに書かれていますけれども、そのうち日本人の貢献がどのくらいあったか、もう少し書かれていくといいなと思います。

【斎藤主査】 よろしいでしょうか。ほかに何かございませんでしょうか。
それでは、次に行きましょうか。

【事務局】 (「社会・経済への波及効果 P.18」について説明)

【斎藤主査】 この部分、いかがでしょうか。

【川幡委員】 今日、増田先生が来られていないので、そのかわりに発言します。この前も資源について書き過ぎではないかという御発言がありましたので。
 ここの「沖縄トラフで従来の予測を上回る熱水鉱床」と書いてありますが、熱水鉱床自体は資源、エコノミカルに利益が出ますよという意味をあらわしますが、これだと書き過ぎではないかというのをこの前言われていたので。
 したがって、「海底」という言葉を追記して、「海底熱水鉱床」にすれば、資源、エコノミカルに開発が未だできていないという意味がその中に入るのでいいかなと。

【斎藤主査】 平田さん。

【平田委員】 出だしのところの2行目の「科学掘削による防災・減災対策への波及効果として、南海トラフ掘削の成果を基に海溝軸付近の滑りが新たに想定され」とありますが、ヒアリングのときにも申し上げたのですけれども、これは私が知らないだけで本当にそうであればいいですけれども、これは裏がちゃんととれているのでしょうか。私の理解では、そうではないと思っていますので、ちょっと書き過ぎだと。つまり、これ、具体的には内閣府の専門委員会が大滑り域を推定したのは、南海トラフの成果を基にして、20メートルか、50メートルかの大滑りを想定しているのであれば、これはよろしいかと思いますけれども、必ずしもそうではないと私は思っておりますので、確認してください。
 それから、その次の19ページに行って、真ん中辺の「「ちきゅう」が取り組んだ」というところも、ここも「沈み込み帯における地震メカニズムの解明は世界の研究をリードする」というのも、これもちょっと強過ぎるので、「地震メカニズムに関する研究は世界をリードする」、研究自体は非常に立派なものですが、まだこれでメカニズムが解明されているわけではないので、少しここは緩めていただきたいと思います。
 以上です。

【斎藤主査】 はい、佃さん、どうぞ。

【佃委員】 ちょっと言葉の問題、今のところにも関係しますけれども、今の第2パラグラフの2行目のところです。南海トラフの「掘削の成果」というところが、余りにも短い、「掘削で得られた新たな知見」とか、あるいはもうちょっと具体的に書いて、それがどう貢献したのかというのがあるといいのかなとは思いますけれども、「掘削の成果」と言うと、掘ったことの成果というのは、もう一つピンと来ないので、やっぱり何らかのそこで得られた知見を基にとか、そんな表現が適切ではないかなとは思います。

【平田委員】 その知見に貢献したことは間違いないし、非常に重要なことなので、是非やっていただきたいけれども、ここを読むと、掘ったことによって分かったことで滑りの想定が変わったように読めます。私としては、是非こういう研究を進めていただきたいので支援したいのですけれども、これはいろいろな総合的に判断されたうちの重要な要素であり、例えばですけれども、南海トラフ掘削の成果というか、そういうのに貢献したというような、そういうニュアンスに変えて書く必要があると思います。

【森田委員】 まだ南海トラフは進行形なので、いろいろ書けないのでこうやって書いてあるんだと思うのだけれども、今までの成果は確かにまだ全然少ないかもしれませんけれども、これからまだかなりあと何本も掘るので、そういう書き方、どうすればいいんだろう、まだ進行形なのですよね。

【斎藤主査】 はい、どうぞ。

【井上委員】 ちょっと違うことを申し上げるかもしれませんけれども、私自身が全くこの背景を知らないのでお許しください。ここはIODPの枠組みを評価していることにはなるのですけれども、社会・経済への波及効果ということが書かれるなら、例えば、地震の研究だとか、先ほどの生命の研究だとか、そういう日本のいろいろな研究の中で、IODPがどういう位置付けでおかれ、日本の科学技術・学術研究の枠組みの中でどういう貢献をしてきているかという軸がもう一つあるべきではないかと思います。部外者から見ると、その位置付けそのものがそもそもどういうものなのかをどこかに書いてほしいなという気がいたしました。

【斎藤主査】 全体の枠が見えるようにという。

【井上委員】 例えば、日本の科学技術基本計画で言えば、フロンティアと言われているような部分にこれが多分置かれているのだと思うのですけれども、そういう種類のところでは、こういうものがどういう位置付けで見られているかとか、ちょっと私にはよく分かりません。

【森田委員】 評価の概要のところに、だから、1ページ目ぐらいに、この5つぐらいの項目のIODPの目的をやっぱりクリアにしておいた方が分かりやすいと思います。これだけ読んだだけでは誰も分からない。

【井上委員】 確かにどこに書いてあるのか私もよく分からない。いや、先ほどの科学的成果というときの御議論もちょっとそういう部分があるなという感じを持ちました。それぞれの学術分野というところから見ると、先ほどの生命なんていうのは、学際的に新しく入ってきたような部分になっているのではないですか。

【森田委員】 インターネットのホームページには、全部載っているのですよね。それでこれを読めばパッと分かるのだけれども、それまで書かなければいけないですか。分からない。インターネットのあれにはちゃんと載っていますよね、5つ、6つでしたか。

【井上委員】 余りこだわるものではありませんけれども、ちょっとそういうふうに感想を持ちました。

【斎藤主査】 確かに公開されたときのことを考えると、もうちょっと親切にしておくということですかね。

【益田委員】 ここの文章だけを取り上げると、あたかも「ちきゅう」で行っている基礎研究が社会に対する貢献というのですか、社会問題に対する解決に資するために行っているような印象をすごく強く受けるのですけれども、本来の基礎研究というのは、そこには目的がなくて、これの前段に書かれているような科学成果こそが本質的な成果なわけですよね。

【森田委員】 いや、目的のうちの2つは、例えば新しい資源の開発とか、新しい生物資源の開発とかというように、社会的なあれも入っているのですよ、2つぐらい。例えば、地震の防災とか、そこら辺に関するものも全部入っていますから、やっぱりそうすると、目的をどこかに書いておかないと、みんな、科学的あれだと思ってしまうのですかね。やっぱりここのどこかに、1ページ目あたりに何か書いておかないと。

【益田委員】 それは私、結果としては当然あると思うのですね。そういう社会的な意義、これだけお金を使うわけだから、社会的な意義は、結果としては、もちろんあって、波及されていくべきだろうと思うけれども、あんまりそこに重点を置いた書き方をすると、これは科学研究なのか、それとも社会問題の解決のために科学者が働いているのかという、そこの部分がすごく曖昧になるような気がするのですね。
 それで、この文章の最後の方に、例えば、ここの「また、海底下生物圏や資源の基礎研究については、社会的に波及するための活動が着実に行われている」、ここはちょっと意味がよく分からないのですけれども、実際に社会的に波及させるためだろうと思うのですけれども、それをIODPの枠組みの中でやるのか、それとも周辺で行うのかという部分について、もうちょっと明確に整理をした方がいいのではないかなという印象を私は持ちました。先ほどの例えば川幡さんが指摘されたような海底熱水系が実際に今すぐにでも資源として使えるみたいな印象を持たれるとやはり困る。それから、南海トラフの研究成果は、必ず震災対策に波及を及ぼすに違いないし、それは期待されているけれども、じゃあ、南海トラフで研究する目的の本来の部分がそこにあるのかというと、やっぱりちょっと違うと思うのですよね。そうなったら、そこはちょっとやっぱり整理して、本当に波及させるべきことというのは何なのかというのをもうちょっと分かりやすい形で書いてもらった方がいいような気が私はします。

【海洋地球課井上課長】 そうですね。本来は、南海トラフの地震メカニズムの解明という科学的な目標があって、その成果をどう社会に役立てているかというのは、また別のおっしゃるとおりの取り組みで、それはそれで海洋開発機構やこの計画を進める関係者にとっては重要なファクターであることは間違いないのですけれども、ちょっとそこを明確にした方がいいと思います。

【斎藤主査】 確かに、さっき、井上先生もおっしゃっていたのですけれども、IODPの本来の目的というのは、地球の大きな営みをいかに理解するかというところにあるわけで、それがさっきフロンティアとおっしゃっていたことですよね。そこが一番大もとにあって、その成果がどこへ波及するかというようなことは、その先の話ですよね。

【森田委員】 そうですね。ただし、この計画の中では、やはり我々は国費を使ってやっている以上、それをどう波及させるかという周辺のそこの活動はしっかりこの取り組みで、非常に長期的な観点で取り組まなければいけないのです。

【斎藤主査】 そこが分かるということが大事だと思いますけれどもね。

【森田委員】 ちょっと工夫をしてみますか。

【斎藤主査】 はい、石渡さん。

【石渡委員】 今、国費を使ってというお話がございましたように、そういう観点から言うと、例えば19ページの上の方に、株式会社の名前がたくさん出てきますが、こういう名前というのは、具体的に挙げる必要があるものでしょうか。

【森田委員】 いや、挙げる必要は私はあると思います。というのは、国内のいろいろやっぱり機関をなるべく盛んにさせる、国費を海外に、全部無駄にしていないよというイメージをこれを見ると持つのですけれども、国内で使ったお金を国内で消費すれば、日本全体としてはゼロですからね。という、私なんかはすぐ考えてしまうのだけれども。

【石渡委員】 ただ、この分野の会社というのは、多分これだけではなくて、他にもいろいろありますよね。なぜこの会社なのかということを気にし出すといろいろ考えることもあるかもしれませんが。ほかのところは非常に簡単に、例えば、科学的成果なんていうのは、先ほどのように非常に要約した短い文章で書かれているわけですが、ここのところはかなり詳しく書いてあるような印象なんですね。特にこれでおかしくないということであれば、特に申し上げません。

【鎌形委員】 私は、もちろん記述すべき内容だと思うのですが、社会・経済への波及効果と言うには、例えば特定の民間会社にこういう育成を依頼したという話であって、むしろ後の方に、技術者の養成とか、人材の育成とかという項目がございますよね。そういうところに入れた方がよろしいのではないかと。あるいは、「ちきゅう」の関連施設の運用環境とか、いろいろな後半の部分に「ちきゅう」のいろいろな維持や体制の整備というのがたくさんございますので、それの方がよろしいかなという気がします。
 というのは、社会・経済への波及効果というのをうたっているときに、そこのパラグラフ一つ一つが結構大きなことが書いてあるのですけれども、「ちきゅう」による減災・防災、それから大きなトラブルの研究という、何か突然掘削会社どこどこと、どこどこが育成する、何かすごく違和感のあるパラがここにあるというのは感じるのですね。それが悪いというのではなくて、それは本来ならばもっと後ろの方に適切な箇所が、明記すべき箇所があるというふうに思いました。

【事務局】 27ページですね。

【斎藤主査】 そうですね。確かにそういうことはありますね。

【松本委員】 つまり、19ページで言うのは、国内の、やっぱり我が国の企業とかで技術がきちっと人材育成も含めて発展されたということを言えばいいんじゃないですか。具体的な会社名まで挙げるのは、確かに違和感がありますね。

【斎藤主査】 国内で技術的なことがやれるようになってきたということで書いて、具体的な企業名はここでは出さない。

【松本委員】 その方が、全体の構成からしたら自然だと思いますね、確かにね。だから、ここにも書いていますよね。当初は、当然これ、掘削技術というのは、やっぱり国内ではなかなかなくて、海外の企業に委託せざるを得なかったのを、この「ちきゅう」をつくることによって国内でいろいろな経験も積んで、どんどん蓄積してできるようになったと。しかも、非常に高度な深海までの掘削技術ができてきたということですから、それを書けばいいと思うのですけれども。

【斎藤主査】 むしろそういう形にして、逆にそこの「ちきゅう」の技術が、今は国際的に逆に影響を与えているという、そういう形にしたらよろしいかと思います。

【川幡委員】 議論が脇に行ってしまったので、そもそも議論に戻れば、この29ページの最後の結論のところで言おうと思ったのですけれども、総合評価の2行目に、「科学的及び社会的に意義が高いものである」と書いてありますが、私の認識は、もし科学的だったら、本当に1,000億の船をつくったかなという疑問が少しありまして、それは海洋の技術を開発するという、もしかしたら一番大事なものがちょっとここに抜けてしまっているので、それを加えたらどうかと思ったのです。
 それで、今の議論は、もともと日本の企業まで技術を高めるというのは、人材育成だけではなくて、掘削の部分であったり、船を造ってスラスタできちっとあの精度でポジショニングできるとか、幾つもすばらしい技術は開発できたと思っていまして、そこをもし会社を挙げるのだったら、「ちきゅう」をつくった会社とか、スラスタの部分とか、そういう技術も開発したのだというのを加筆して、投資したお金が十分民間の技術として蓄積されたのだという項目を1パラグラフ入れたらいいかなと。

【斎藤主査】 では、今、石渡さんが御指摘くださったことは、そのような方向で直すのがよろしいかと思います。

【海洋地球課井上課長】 そうですね。

【川幡委員】 広義の技術、船も含めて。あと、船とポジショニングとか何とかと、あとは掘削と。

【海洋地球課井上課長】 掘削技術ですね。

【川幡委員】 あと人材と、3つに分けて記述したらいいかなと思います。

【斎藤主査】 では、次に進みましょうか。

【事務局】 (「国際的なIODP推進体制の構築とリーダーシップ P.19」について説明)

【斎藤主査】 (2)の1ですけれども、ここについてはいかがでしょうか。

【平田委員】 余り本質的なことではなくて私は評価書には書かなかったのですけれども、国際貢献として、IODP-MIのプレジデントが日本人であるということが、どこかに分かるように、書いては如何ですか。今のMIのプレジデントは非常に高い評価を受けておりますので、是非どこかに記述してください。名前は書かなくてもいいですけれども。

【事務局】 分かりました。

【斎藤主査】 それはあってもよろしいかと思います。

【平田委員】 どこかに名前が、どこかにそういう一覧があるのですか。図表か何かに。

【斎藤主査】 名前は出ていない。

【平田委員】 名前は書かなくていいけれども、言えば誰でも知っていますから。ともかく日本の貢献としては非常に重要な貢献だと思います。

【斎藤主査】 そうですね。何年もやってきたわけですからね。

【事務局】 28ページの上から6行目のところに書いています。

【平田委員】 書いてあるのですか、日本人に交代することを。分かりました。

【斎藤主査】 ただ、ここにちょっとそういうことを書いてあっても大丈夫ですよね。

【平田委員】 まあ、リーダーシップをとったということの1つの。もちろんいろいろなパネルで活躍されている研究者はいっぱいいますけれども。

【斎藤主査】 ここでもあってもいい。

【事務局】 はい、分かりました。

【斎藤主査】 よろしいでしょうか。それでは、次の2へ行きましょうか。

【事務局】 (「アジアを中心とした諸外国のIODPへの参加促進及び連携 P.20」について説明)

【斎藤主査】 ここについてはいかがでしょうか。
 それでは、次のことにも関係してきますから、次に行きましょうか。

【事務局】 (「世界的研究拠点の提供 P.21」について説明)

【斎藤主査】 ここについて何かございますか。また後で何かありましたら言っていただければよろしいのですけれども。それでは、続いて④に移りたいと思います。

【事務局】 (「IODP運営への国内研究者の参加促進に関する取り組み P.21」について説明)

【斎藤主査】 この取り組みに関する点ですが、いかがでしょうか。
 では、特にございませんようでしたら、次の(3)番の推進体制に入りましょう。

【事務局】 (「国内におけるIODP関連研究の推進体制(国内研究者組織の活動及びIODP関連研究) P.22」について説明)

【斎藤主査】 これで5章の部分となるわけですが、御意見、コメントございましたら。
 はい、川幡さん。

【川幡委員】 これは、どう考えるかによって書き方がちょっと違うのを検討してもらおうと思って言います。
 J-DESCをつくったことは、独立した、要するに、船を運航しないところが立案していろいろなことを決めてやるという米国のコピーを日本でつくらないと、アンフェアな決定がされるのではないかということでつくったのだと思います。
 それで、いつも議論になりますが、この(3)の第1パラグラフの最後、「米国にならって独立した科学者コミュニティとして、J-DESCが平成15年2月に設立され」というところで一旦文章を切っていただいて、問題はその次、「海洋研究開発機構を通じた継続的な支援が行われてきている」と、それを本来は文科省が直接、NSFだったら直接、向こうだったらJ-DESCに資金を提供しているけれども、日本は独法を介さないと資金提供できないというのがあるので、事前の策としていいのではないかというのでコミュニティは納得していたけれども、2つ意見がありまして、コミュニティは直接文科省から流してくれと。文科省も雑事もあるし嫌だから、ちょっと研究開発機構にやりなさいと。一方で、研究開発機構の側からすれば、自分のところに一旦入ったお金だから、これは自分たちのお金だと、文科省に云々じゃない、もう独立行政法人というのはインディペンダントに決定できるのだから、自分たちのお金だからという立場と2つあるのですよ。実際コミュニティとしても、1機関10万円で1年お金を出しているし、そういうので運営されているというのは、ほかの学問分野を見ても実際にないわけですから、自分たちの自腹でお金を500万円提供して、実際には7,000万円ぐらい運用資金が必要なので、文科省からJAMSTECさんを介して供給してもらっているという認識でいます。

【海洋地球課井上課長】 そうですね、はい。

【斎藤主査】 他にございませんでしょうか。
 もしほかにないようでしたら、6.1.2に進みます。

【事務局】 (「「ちきゅう」の性能と研究者・運航者等の技術提案の反映状況 P.23)について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 それでは、この項目についてはいかがでしょうか。
 技術的な部分について書かれてありますが、もう一つ、それでは次の運用体制のことも紹介していただきましょうか。

【事務局】 (「効率的な運用体制の整備 P.24」について説明)

【斎藤主査】 では、ここについて、何かコメントございますか。
 もしないようでしたら、次の維持管理体制、メンテナンスのところも紹介してください。

【事務局】 (「継続的な運用のための維持管理体制の整備 P.24」について説明)

【斎藤主査】 では、いいですかね。
 続いて、安全と環境保全に関する項目を紹介してもらいたいと思います。

【事務局】 (「安全及び環境保全に配慮した運用体制の整備 P.25」について説明)

【斎藤主査】 よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【川幡委員】 「ちきゅう」という船の運航が普通の調査船と大きく違うのは、掘削点を決めて、掘ろうと思ってから3年間準備しないと掘れない、これは多分、ほとんど誰も知らない事実だと思います。そのために、例えば海流の調査をするなど、いろいろな試験をしているじゃないですか。それをこの③の重量物の云々だからとかいう記載よりは、どっちかというと、3年間、何をポイントで準備しているのかというのを、この第1パラグラフの中に入れてもらって、第2パラグラフがちょっと長過ぎるから、これを削れば、全体の長さは同じで具体的な内容が分かるかなと。それで、それを書くことのよいことは、なぜ「ちきゅう」が余り掘削点、今のところ実際に行っていないですよね。これが行けないかという1つのリスクにもなっているのでというのを書かれたらいいかなと。
 あの工程表を見ると、いかに安全に気をつけてやっているかというのが、みんなよく分かるかなと思いました。

【斎藤主査】 ありがとうございました。

【石渡委員】 済みません、誤字だと思うんですけれども、2行目の「暴憤」の「憤」の字は、これは「憤」ではなくて「噴」じゃないですか。

【事務局】 はい、失礼いたしました。

【斎藤主査】 他にございますか。
 もしないようでしたら、次をお願いします。

【事務局】 (「船上研究設備・支援体制の整備 P.25」について説明)

【斎藤主査】 ここはよろしいですか。
 では、次の高知コアセンター。

【事務局】 (「高知コアセンターの整備・運営 P.26」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 ここについて、いかがでしょうか。
 特にございませんようでしたら、次の人材の育成の項目に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、6.1.3、人材の育成について。

【事務局】 (「研究者の育成 P.26」について説明)

【斎藤主査】 研究者の育成の部分ですけれども。
 はい、どうぞ。

【横山委員】 部外者から見ると、コミュニティのサイズが外から見るとよく分からなくて、これを拡大していくと言ったときに、どれくらいの規模でやろうとしているのか一目で分からないので、参加大学数及び研究者数、入れられるのであれば、その学生数まで含めたサイズをどこかで数字でお示しいただけるとありがたいかなと思いました。以上です。

【斎藤主査】 ありがとうございます。 他にございませんでしょうか。 よろしいですか。 それでは、続いて、技術者の部分、お願いいたします。

【事務局】 (「技術者の育成 P.27」について説明)

【斎藤主査】 ここの部分はいかがでしょうか。

【川幡委員】 前のところですけれども、上から2行目、「ODP、IODP」の前に「DSDP」、今、あったなと思って、ネットで見たら、ちゃんと「DSDP」と書いてあるので、専門家が見ると、「DSDP」がここに書いていないと、スクリプスに全部置いてきたのかなと思うから。

【斎藤主査】 そうですね。それでは、DSDPを追加しておいてください。

【森田委員】 それから、この一、二行目のセンテンスなのですけれども、これ、文科省のものは常にこうやって、この10年来、いつもこうやって書いてあるのですね。それがいつも気になっているのだけれども、これはもう最近は日本ではライザー掘削船というのは10何隻あって、世界ではアメリカとノルウェーに次いで結構いるのです。ですから、この書き方ではなくて、例えば、「ライザー掘削技術は毎年進歩しているため、海外技術の人材派遣を受けて我が国の技術移転を図るとともに」と言って、そこへそうやってくれないと、この10年来、ずっとこうやって書いてあるもので、遅れている、遅れていると言っても、我々は絶対後遅れていない。この表現に抵抗があるんですね。

【斎藤主査】 はい。それを分かるようにした方がいい。

【森田委員】 ライザー掘削技術は毎年すごく進歩しているのですよ。ですから、それにキャッチアップしていかないと遅れてしまうから、それは事実なのですけれども。

【斎藤主査】 分かりました。そこが分かるようにすると。他にございませんでしょうか。では、もしございませんようでしたら、次の(3)ですね。これも結構重要な部分ですので。

【事務局】 (「計画推進実務者の育成 P.27」について説明)

【斎藤主査】 ここについてはいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【川幡委員】 先ほどの平田先生のコメントに関連してですけれども、この28ページの第2パラグラフというか、「現行IODP」のところですけれども、「2事務所体制で運営されてきた」とありますね。それで、最初に来るのは、IODPの代表が日本人に交代して、それで1事務所にするということで日本に移転したのです。これ、そのまま読むと、日本に移転したから日本人が代表になったというふうに読めないこともない。それではさっきの平田先生のコメントと逆になってしまうので、実際そうなので。

【斎藤主査】 そうですね。

【川幡委員】 はい。だから、そうすると随分印象が違うかなと思います。その人がほかの人を説得して日本に持ってきたという感じに読めますから。

【斎藤主査】 そうですね。他にございませんでしょうか。

【石渡委員】 下から5行目、「自然とその能力が高まってきていると評価される」とありますけれども、「自然と」はやめた方がよいのではないですかか。

【事務局】 はい。

【斎藤主査】 他には。
 他にないようでしたら、次の情報発信及び交流についてという項目に参りましょうか。

【事務局】 (「国民への情報発信及び交流について P.28」について説明)

【斎藤主査】 はい、どうぞ、横山さん。

【横山委員】 3点ございます。
 これは、やはり文章から見ると、JAMSTECさんの広報活動であってちきゅう、あるいはIODP、あるいはコミュニティとしての広報情報発信というふうにはなかなか受け取れない。IODPとしてどういう発信をしたのかという、そういう記述が必要になってくると思います。
 その際に、追加の材料として、以前、資料でお願い差し上げましたが、各大学から科学的成果がどのような形で発表されているのかというのを補足の情報としておつけしたらどうかということを申し上げました。共同利用体制がとられた中で成果も各大学や研究機関から発信されているということをお示しいただくとよろしいかと思っております。これが1点目です。
 あとはマイナーポイントですが「理解してもらう」とか、「重要性を説く」とか、こうした書きぶりは一方的でよくないと思います。技術開発であるとか、普及とかが非常に重要である一方で、やはり科学目的が重要なIODPのミッションであるならば、どのように国民の役に立っているかを理解してもらうというのは、やはり二重におかしい文章だと思うんです。やはり「ちきゅう」の活動をより広く知っていただくための活動というような文章に書き直していただけるとありがたく思います。
 3点目は、「また、広報活動の結果ではないが」という文章がその後に続いていますが、それだったら、この文章はここの中に入れないで、ちょっとほかのところに散らしていただいた方が、6.1.4としてはまとまりがつくかなと思いました。
 以上、3点でございます。

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。

【森田委員】 その29ページの上の、散らすのではなくて、それはやっぱり削ってほしいです。というのは、多分石油工学をやっている人間の95%に聞くと失敗だと言う。国民はみんな成功だと信じていますけれども、そういうところがありまして、それは削っておいた方がもしかするといいかもしれません。

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。

【井上委員】 今、横山委員がおっしゃったことにちょっと関連しての、ある種の質問です。先ほどの川幡委員の御発言でもあったのですけれども、海洋研究開発機構がやっているという言い方だと何となくおかしいというニュアンスを皆さんおっしゃいます。しかし、海洋研究開発機構の方に大学とかコミュニティの意見が反映される仕組みがちゃんとあって、その上である種のCOE的なこととして海洋研究開発機構がいろいろなことをやっているなら、私はいいように思うのですけれども、その辺はどういう感じなのでしょうか。

【海洋地球課井上課長】 そうですね。確かにIODPは国としてやっている計画ですけれども、それがどこが担うかというところで、国の独法たる海洋研究開発機構にその分の予算措置をして海洋機構でやってもらっているというところがございますね。ですから、そういう意味では、本当は海洋機構が学会も含めて意見を集約するようなCOEのような活動になっていれば最も理想的であると思います。そういう中でアカデミアの集まりであるJ-DESCとかが、そちらはアカデミアとしてのある程度独立した考えを持ちつつ、一緒にやっているということなのだと思いますけれども、何というか、いわば実施主体としての計画の、「ちきゅう」を運航して実施主体としての海洋機構があるのですけれども、そこの実際の科学計画をそれなりにある程度科学的な部分を独立、中立的に考えるために、アカデミアの団体としてJ-DESCがあると。ただ、そういう意味では、広報活動、大学などでも直接、みずからの成果を発信したりはしていますけれども、本来的にはそういったところも含めて海洋機構がやるというところでおかしくないのだと思いますけれども。

【横山委員】 ひとつの成果が出た際に、主導する大型研究所と大学の両方の成果をきちんと提示することが重要だと思います。最近は、大型研究所の成果として出すのみで、大学としての成果として提示しない成果発表が多くあり、気にしています。
 なぜ大学という場があるのかというのは、そうした成果も含めてだと思いますので、反映していただけるとありがたいなと思いました。以上です。

【斎藤主査】 地球惑星科学連合といういろいろな分野の集まりがあるのですけれども、例えばそこを利用して、J-DESCと文科省さんが共同でタウンミーティングというのを毎年やっていて、そこにかなりの人を集めて、いろいろな普及、成果の発表がなされています。学生さんをふくめた若い方に分かりいいような紹介が実は毎年やられていますね。
 さっき、森田委員がおっしゃったように、さっきのところはやっぱり抜いた方がいいような感じはしますね。そこはちょっと検討しましょうか。
 さて、それでは、そろそろ12時近くなってきましたけれども、最後の総合評価のことを紹介してもらって。

【事務局】 (「総合評価 P.29」について説明)

【斎藤主査】 ここは、さっき川幡さんが御指摘くださった部分がありますよね。

【川幡委員】 このところ、もしできたら、「海洋技術的」とか。

【斎藤主査】 その辺ちょっと追加。この辺については、後でまた御意見ある方いらっしゃるかと思いますけれども、それらについては、後でまたメールででもいただいても構わないですよね。

【事務局】 はい。

【斎藤主査】 さて、全体を今紹介していただいたわけですけれども、改めて何か御意見。井上さん。

【井上委員】 済みません、その時点でタイミングを逸したので、ちょっと細かいコメントをします。22ページのところで、下から2つ目のパラグラフのところで、例えば、「掘削科学は飛躍的に活性化し」云々とか、それから、「多くの日本人研究者による科学提案が採用され、実施に至っており」と書いてあって、多分資料にそれが対応する部分があるべきだろうと思うのですけれども、参考資料2というところの表等を見ると、余り、どんどん多くなっているとか何とかというところはちょっと読み取れないので、図が足りないということならそれを入れればいいでしょうし、ここが基になっているなら、ちょっと表現としては強過ぎるのではないかというのが、感じたことです。

【斎藤主査】 ほかにございませんでしょうか。はい、どうぞ。

【川幡委員】 この調書に載っていないけれども非常に重要なことなのでちょっと指摘したいのは、IODP自体は、この10年、ヨーロッパとアメリカと日本で基本的にうまくいってきたなと思っています。それは「ちきゅう」も含めてここに書いてあるとおりだと思いますが、世界のコミュニティの非常な不満は、IODPの掘削点をプロットするのはどの地図を使えばいいかというと、世界の地図。でも、「ちきゅう」は少なくとも科学掘削で言えば、日本地図があればいい。このギャップは非常に大きくて、でも、これは10年間の至らなかったところだとは思いますが、次の10年、飛躍できる一番のポイントは、日本地図ではなくて、世界地図でプロットできるところに「ちきゅう」が行くことだと思っているんですけれども、このことがこの調書に何も出てこない。それで、これも可能ならば、一言入れてもらえればと思うのは、29ページの、偉い人は、大体読むのは、普通、総合評価とかこの辺だけだから、第3パラグラフの「これらより、引き続き我が国が深海地球ドリリング計画を」、その後、「世界の海で」という5文字を入れていただければというのが私のリクエストで、例えば、ほかのJRとかなんか世界にも行っていますねというのも言えるし、でも一方で、「ちきゅう」を世界の海に持っていきましょうと言うときは、これを根拠に審議会でも「世界の海」というのが認知されているので、是非とも1回持っていってくださいという両方使えるので、是非ともこの「世界の海」を入れてください。
 あともう一つは、同じようにして、ページ10の真ん中辺の「以上のように、深海底掘削研究に地球深部探査船を」、ここも同じように、「世界の海に投入することは」、基本的に英語で書いてある文章には、インターナショナルなところに「ちきゅう」を持っていくというのは今まで書いてあったと思いますので、これ自体は僕の造語ではなくて、文部科学大臣がオーソライズしたそのプロジェクトの中に書いてあったことだからいいかなと思います。是非とも「世界の海に」、お願いします。
 以上です。

【斎藤主査】 はい。ほかにも多分またあるかと思いますけれども、今日いろいろ頂いた御意見を参考にして、もう1回修正案を作成することになりますね。それで、そのことは、作成した後でもう1回委員の皆さんにお送りして、さらにもう一度検討していただいて、それを報告案とすることになるかと思います。
 ただ、その後ですけれども、最終的には事務局でつくりました中間報告案は、親委員会であります海洋開発分科会で審議して認めてもらうということになりますので、その辺は皆さん、御了解しておいていただきたいと思います。最終的にはそこへ持っていくまでの間に、時間的には今月いっぱいぐらいで皆さんの御意見をもらわないと間に合わないですかね。

【海洋地球課木村企画官】 今日頂きました御意見と、あと、もし今日ちょっとしゃべり足りなかったというようなところがありましたら、1週間以内にメールにて事務局まで御連絡をいただければと思っております。速やかにそれをもとに事務局の方で書いて、案ということでまたつくって送付させていただきます。それを今月中の作業とさせていただきたいと思います。それ以降については、主査の方の御判断をいただきたいというふうには思っております。

【斎藤主査】 そうしたら、大変お忙しいところ恐縮ですけれども、まだ御意見、コメント等ありましたら、今月いっぱいに是非御連絡いただいて、その先は、大変恐縮ですが、主査の方に御一任いただければ、事務局とあわせていい案をつくっていきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。

【石渡委員】 済みません、ちょっとよろしいでしょうか。

【斎藤主査】 はい。

【石渡委員】 この各委員からの評価結果一覧、参考資料1-3というのは、これは議事録などに残る資料でしょうか。

【海洋地球課木村企画官】 公表です。

【石渡委員】 公表される。

【海洋地球課木村企画官】 残るかどうかはあれですけれども、公表資料ではあります。

【石渡委員】 ああ、そうですか。

【斎藤主査】 一応、形としては公表。

【石渡委員】 そうすると、ちょっと、大体の御意見は妥当な御意見が多いと思うのですが、事実誤認と思われる箇所がございまして、8ページ目の一番上の青い字で書いてあるところですが、真ん中よりちょっと下のところに、「但し、他のパネル、例えば、SSEPなどについては、表を作りません、あそこは、パネルで、余り主要でないのと、日本人が議長だったのは、少なかったと記憶しています」ということがございますが、これは必ず日本人は共同議長ということで、3人のうち1人は日本人でずっとやってきていますので、これは事実誤認と思われます。SSEPが主要でないというのも、これは多分コミュニティの人は誰もそうは考えていないと思います。SSEPは一番人数も多いですし、一番重要な会議であるというふうに認識していたと思います。ちょっとここは事実誤認がございますので、御修正いただきたい。

【斎藤主査】 はい。ありがとうございます。
 それでは、ほかの部分でも、もしそういうことがありましたら、また御連絡いただくようにお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、12時過ぎましたので、平田委員と横山委員がこれで御退席となります。
 最後に、事務局から連絡事項がございましたら。

【事務局】 それでは、先ほどのお話とちょっと重複しますけれども、主査から御説明ありましたとおり、委員会後、本日頂いた御意見を反映した中間報告書というのを、1週間から、8月末にかけて我々の方でつくり直して皆様に送らせていただきたいというふうに考えております。9月上旬までには何とか報告書(案)を主査と一緒に作成していきたいというふうに考えております。
 あと、本委員会、深海掘削委員会は、予定としましては今回で完了というふうに考えておりますけれども、もしかすれば、主査と御相談して、必要に応じてもう一度何かあるかもしれないというのは、後日また御連絡させていただきたいというふうに考えております。
 あともう1点なのですけれども、本委員会は基本的には公開となっておりますので、議事録を3回分出していこうと思っております。ただ、我々、出す内容としましては、参考資料1-2のようなものを議事録として出していきたいと思いますので、今までの分も全て皆さんにもう一度お送りしますので、いろいろ間違っている部分が多々あると思いますので、こちらの方には、委員の名前も出てきますので。全て今までの分もお送りいたしますので、チェックの方をよろしくお願いします。

【斎藤主査】 事務局でもちょっとチェックをお願いいたします。

【事務局】 はい、お送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。

【斎藤主査】 では、これで終わりになりますが、最後に、井上課長から。

【海洋地球課井上課長】 非常に短い期間に集中的に御議論いただきまして、我々も日常的にこの深海地球ドリリング計画に携わっておって、やはりその中にある意味浸かってやっておりますので、なかなか我々も見落としていた面とかいろいろあったのですけれども、今回の先生方の御意見の中でも、随分私自身もハッとさせられる部分とか、もう少し考えた方がいいのではないのかなとか、そういう部分も非常にありまして、今後、頂きました御意見を参考に、よりよい計画にしていきたいと思っております。非常に我々にとっては暑い夏の夏休みのこの計画書づくり、報告書づくりになるのですけれども、まださらにきょうまた宿題を頂いたと思いますけれども、最後の仕上げをしっかりやりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 本当に今後とも先生方におかれましては、この深海地球ドリリング計画、私ども非常に大きな国費を使ってやっておりますので、非常に責任を感じながら日々やっておりますけれども、御支援、御助力とか、気づいたことを何でも言っていただきたいと思っています。引き続き、御協力、御支援をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【斎藤主査】 では、これで本日の会議、閉会といたします。ありがとうございました。

以上

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