用語解説

(参考)

<E>

e-Education

ネットワーク基盤のもとに、高品質な教育コンテンツの創生・蓄積・編集・配信・共有(利用)を一元的に行い、分散・遠隔教育環境を実現すること。

e-Science

実験装置、観測装置、シミュレーション等から出力される膨大なデータ、高性能コンピュータを駆使して、研究者がネットワーク上で共同しつつ進める新たな科学研究の方法。

<I>

IPv6(Internet Protocol Version 6)

インターネットプロトコル第6版。急速なインターネットの普及により、現行のインターネットプロトコル(IPv4)では、アドレス(32ビットアドレス)資源の枯渇が予想されているため、管理できるアドレス空間の拡大(128ビットアドレスへの拡大)、セキュリティ機能の追加、優先度に応じたデータの送信等の改善を行った次世代インターネットプロトコル。

<N>

NREN(National Research and Education Network)

各国の研究教育ネットワーク。一般のインターネットとは別に、研究・教育機関を支援するために整備されたネットワークをいい、米国のInternet2、カナダのCAnet、英国のJANET、フランスのRENATER等がある。

<S>

SINET(Science Information NETwork)

国立情報学研究所の前身である学術情報センターが、昭和61年度に運用を開始した従来の目録所在情報サービスや電子メールサービス等の利用のためのパケット交換網のサービスに加え、インターネット通信需要の増加に対応したLAN間接続を行うインターネットバックボーンとして日本全国の大学・研究機関を接続するため、平成4年度から構築・運用した学術情報ネットワーク。運用が開始された平成4年4月時点において、47の大学・研究機関が接続。

SINET3(Science Information NETwork 3)

日本全国の大学・研究機関を接続する基盤として、国立情報学研究所が構築し、平成19年度から運用している学術情報ネットワーク。従来のSINETとスーパーSINETを統合し、超高速ネットワークを実現した。また、その基盤の上で、研究・教育環境の高度化のため、先進的で多様なネットワークサービスを提供している。さらに、海外の研究ネットワークとも相互接続し、国際学術情報ネットワークの一翼を担っている。運用が開始された平成19年6月時点において、706の大学・研究機関が接続。

<ア行>

アルゴリズム(Algorithm)

数学、コンピューティングなどの分野において、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したもの。

イーサネット(Ethernet)

LAN 規格の一つ。IEEE 802.3委員会によって標準化されており、現在、広く普及している。

L1オンデマンド(Layer-1 bandwidth on demand)

SINET3で提供するネットワークサービスの一つ。通常は複数サービスで供用している回線上で、利用者が必要なときに必要なだけ、伝送路回線中に臨時の専用接続環境を瞬時に割り当てて、超大容量のデータ転送や超高品質な通信を可能とする。

<カ行>

キャリアパス(Career path)

能力・地位を高めることを可能とする職務、経験の経歴。

共用、共用施設

共用とは、民間企業・大学・独立行政法人等における多様な分野の試験・研究・開発を行う者による幅広い利用を意味するもの。「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」(平成一八年法律第三七号)に基づき、広く共用に供することが世界最高水準の成果の創出につながる最先端かつ比類なき性能を有する先端大型研究施設(大型放射光施設(SPring-8)、次世代スーパーコンピュータ)を共用施設という。

グリッド・コンピューティング(Grid Computing)

ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことで実際にハードウェアとしてコンピュータを組み立てることなく、性能としては高度な計算能力を実現するシステム。これにより、個々のスーパーコンピュータの能力を超える処理や、複数のスーパーコンピュータ間でのデータ共有を可能とする。

<サ行>

最先端学術情報基盤(CSI:Cyber Science Infrastructure)

全国の大学・研究機関が個別に保有している膨大な計算機資源(コンピュータ設備、基盤的ソフトウェア)、学術情報(コンテンツ、データベース)及び人材、研究グループ等を学術コミュニティ全体の共有財産として、超高速ネットワーク上に創り出すための基盤。

次世代スーパーコンピュータ

「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクトにおいて開発されるスーパーコンピュータの通称。理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつあるスーパーコンピューティングを更に発展させるため、長期的な国家戦略を持って取り組むべき重要技術(国家基幹技術)である「次世代スーパーコンピュータ」を2012年の完成を目指して開発予定。

シミュレーション(Simulation)

何らかの仮説的状況について、その数学的モデルに基づいてコンピュータ上で計算することによって、その状況がどのように作用するかを推測すること。

情報基盤センター

研究分野を限定せず、保有するスーパーコンピュータ等を日本全国の大学等の研究者の利用に供する全国共同利用の施設。北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の7大学に設置されている。

情報セキュリティポリシー(Information Security Policy)

組織がその情報活動を安全、公正に管理するために、技術的な要件に加えて、組織としての管理、運営、取扱いなどを定める際の基本的な方針。

ストレージ基盤(Storage)

研究・教育及び業務上の重要なデータを、安全にアーカイブあるいはバックアップするための基盤。

スーパーコンピュータ(Supercomputer)

大規模な科学技術計算に用いられる超高性能コンピュータ。行列計算などの繰り返し演算を高速化するため、ベクトルプロセッサと呼ばれる演算装置を用いる方式が主流であったが、近年では、パソコンなどのマイクロプロセッサの飛躍的な性能向上と低価格化により、多数のマイクロプロセッサを接続して並列に演算を行う方式も増えている。

スーパーSINET(Super Science Information NETwork)

従来のネットワーク環境では不可能な、膨大な量のデータを共有し処理することが求められる先端的研究プロジェクトを支援するための最大10Gbps(ギガビット/秒)の高速ネットワーク。国立情報学研究所が構築し、平成13年度から平成18年度まで運用。運用が開始された平成14年1月時点において、14の大学・研究機関が接続。

全国共同利用の施設

国立大学附置の研究所等施設のうち、大学の枠を越えて全国の研究者の利用に供する施設。国立大学法人化(平成16年4月1日)までは国立学校設置法施行規則で位置付けられていた。

全国大学共同電子認証基盤(UPKI)構築事業(UPKI:University Public Key Infrastructure)

大学間の電子認証を実現するためのプロジェクト。7大学情報基盤センターと国立情報学研究所が中心となり、平成18年度から認証基盤構築のための研究開発を実施。

センサーネットワーク(Sensor Network)

温度、湿度、振動等の多様なセンサー機器を相互に接続し、周辺状況を感知するためのネットワーク。人、物、環境等の状態に関する情報をリアルタイムに収集し処理することにより、利用者が求める情報を的確に示したり、状況に応じたサービスを提供したりすることが可能となり、セキュリティ、防災、省エネ等をはじめとした広範囲な分野での活用が期待されている。

先端研究施設共用イノベーション創出事業

大学、独立行政法人等の研究機関が有する先端的な研究施設・機器の共用を進め、イノベーションにつながる成果を創出するために、平成19年度から文部科学省が新たに開始した委託事業。本事業を通じて、継続的に産学官の知の融合によるイノベーションを加速していくことを目的としている。

<タ行>

データセントリック科学(Data Centric Science)

大量の実データを収集して主として計算機上で解析を行い、それを活用することにより、何が起きているのかを解明し、また、新しい研究を開拓・推進する科学。

テラフロップス(TFlops)

コンピュータの処理速度をあらわす単位で、1秒間に1兆回の浮動小数点演算(実数計算)を実行すること。

<ナ行>

認証基盤(AAI:Authentication and Authorization Infrastructure)

ネットワーク上の各種サービスを利用する際、利用者の本人確認が必要な場合、これをネットワーク環境で一元的に実現するためのシステム。これにより、情報基盤センターのスーパーコンピュータ利用の際の本人確認、電子メールへの電子的な署名や暗号化、電子ジャーナルの利用資格の確認、身分証明書が必要となる申請の電子化等をサービスごとにユーザー登録、パスワード発行などを行うことなしに実現できる。

<ハ行>

並列分散プログラミング(Parallel distributed programming)

複数の分散された処理ユニットが同時並行的に情報処理を行うため、作成されるコンピュータプログラム。

<マ行>

マルチレイヤ(Multi-layer)

SINET3で提供するネットワークサービスの一つ。複数のレイヤ(レイヤ3:IP系、レイヤ2:イーサネット系、レイヤ1:専用線系)を一つのネットワークで実現し、利用者の要求に応じて、異なる接続を可能とする。

マルチVPN(Multi-VPN)

SINET3で提供するネットワークサービスの一つ。インターネットから隔離した秘匿性の高い仮想プライベート網(VPN:Virtual Private Network)を目的にしたがってマルチレイヤで実現する。これにより、複数の研究機関間にまたがる共同研究に対して、研究グループ毎に安全性の高い通信環境を提供できる。

マルチQoS(Multi-QoS)

SINET3で提供するネットワークサービスの一つ。特に高品質な通信が必要とされるアプリケーション(音声、映像、データ等)を、回線が混雑していても安定的にサポートするため、通信内容に応じて優先度を決めて伝送するサービスを、マルチレイヤの上で実現する。

お問合せ先

研究振興局 情報課 学術基盤整備室

(研究振興局 情報課 学術基盤整備室)