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資料4-7 研究力を測る指標(分野別・大学機能別)の抽出と大学の研究力の可視化に関する基礎的研究(科学研究費助成事業)

研究力を測る指標(分野別・大学機能別)の抽出と大学の研究力の可視化に関する基礎的研究(科学研究費助成事業)

1.研究の目的・必要性

  第5期科学技術基本計画(平成28年1月22日閣議決定)の策定を受け、研究力・活動状況に係る指標について、より詳細な関係指標としてどのようなものがあるか、また、それらの関係性の分析、ならびに、その適切な運用をどのように期すのかが喫緊の課題となっている。 
  昨今、様々な世界大学ランキングがあるが、その「順位」については、それぞれの分析方法や分析機関によって大きく変動し得るため、研究力を測る指標としては妥当性に問題がある。一方、大学ランキングに用いられている数多くの定量的指標については、その数値・内容を十分に理解・判断したうえで使用すれば、大学・研究機関の研究力を測るひとつのベンチマークとなりうると考えられる。各大学の個性・特色に応じた機能強化が求められる中、大学・研究機関の研究力・活動状況に係る指標の抽出・選択及びそれらの関係性の分析は重要な課題となっている。
  国際的には、例えば英国において、世界大学ランキングのような「順位」による研究分析ではなく、国家の効率的な資金配分の観点から研究力評価体制の確立(REF、Research Excellence Framework)がなされるとともに、大学が自ら研究力を分析し自己改革につなげるための指標群の提案がなされている。
  本調査研究では、大学運営や評価の観点に加え、研究分野の違いや、大学の機能別分化・規模などの個性や特色ごとに、科学計量学の専門家や、IR(Institutional research)の実践者、多変量統計解析の専門家によって、統計学的に適切な指標の絞り込みを行うとともに、研究分野別に、また、大学の機能別分化・規模などの個性・特色ごとに、適切な指標をもってそれぞれの大学が独自に経年的なベンチマークとして研究力の分析を行うことができる方策を検討する。
  各種の評価をめぐって研究現場に対する過剰なプレッシャーがある中、本調査研究により研究指標の絞り込み及びそれらの関係性の分析を行い定型化・共有化することで、研究現場の負担の軽減にもつながり、研究時間の確保など、研究力強化に正のフィードバックが期待できる。

2.研究組織

研究代表者  小泉 周 (自然科学研究機構・新分野創成センター・特任教授)
研究組織は、科学計量学、データ分析、研究力分析の専門家等を中心に構成し、大学改革支援・学位授与機構の研究者等との連携を図る。

3.主な調査研究内容

  1. 問題点・課題の整理
      研究分野の違いや大学の機能別分化・規模などの個性・特色ごとに適切な研究力分析指標を絞り込むことを目的として、「日本の大学等の研究力は、研究分野別・大学機能別に、正しく分析されていないのではないか?」「日本の大学や研究機関の研究をめぐる国際的な地位・競争力を多角的・総合的に測る指標が適切に提案されていないのではないか?」という仮説を設定し、その上で、現状の課題と問題点を洗い出す。
  2. 研究評価指標の抽出・リスト化、ロジックチャートの作成(STEP1)
       (1)で洗い出された問題点や課題を解決するための研究力分析指標の抽出・リスト化を行う。大学研究力強化ネットワークの大学ランキング指標に関するタスクフォース(座長 岡山大学副学長・理事 山本進一)での検討を踏まえ、世界大学ランキングなどで用いられている指標を検討し、必要となると考えられる指標をリスト化する。その際、指標をカテゴリーにわけ、関連性を明らかにするロジックチャートを作成する。また、指標については、それぞれ、「妥当性applicability、汎用性versatility、可用性availability」の3要件に着目する。
      なお、研究時間などの活動指標や研究組織の構成等も、研究活動に対するインプット指標として重要であり、ロジックチャートの作成においては、それぞれの研究力・活動状況に係る指標をインプット指標とアウトプット指標にわけ、その関係性を明らかにする。
  3. 研究分野別コア指標の抽出(STEP2)
      どの指標がどの分野に適用可能か、実際にデータ分析を行ったうえで、適切なコア指標の絞り込みを行う。絞り込みに際しては、多変量解析などの統計手法を用いるとともに、各分野の研究者よりヒアリングを行うなどして妥当性を検討する。
    特に、人文社会系の研究分析については、こうした指標による分析は難しい面があり、特別にワーキンググループをつくり検討を行う。
      ●使用するデータベース
          ・研究論文・文献データベース (エルゼビア Scopus/Scival)
          ・科研費(採択数・配分額、成果報告等)データ
          ・大学ポートフォリオ(属性情報)
          ※ 人文社会系の成果については、科研費の成果報告書に記載のある書籍や講演録なども対象として検討。
               さらに、人間文化研究機構の研究データベースの利用を検討する。
  4. 指標群の検討と可視化(STEP3)
      STEP1およびSTEP2を通して抽出された研究分野別の指標について、大学の機能別分化や規模といった個性・特色の違いによる特徴を検討する。
      異なる特色をもった大学のURAやIR担当者の協力を仰ぎ、各大学・研究機関での試行を通じて、それぞれの研究分野や大学機能別の妥当性の検証を行い、最終的には、研究分野の違いや、大学の機能別分化・規模といった個性・特色ごとに、最適化された指標群をレーダーチャートとして可視化を図るなどし、研究力を「見える化」する手法の提案を行う。
       特に、後藤准教授(国立歴史民俗博物館)を研究分担者とし、人文社会系ワーキンググループを構成する。
  5. 国際的な協力連携
      アドバイザリーボードに、英国スノーボールメトリクス関係者等を国際アドバイザーとして迎える。英国のスノーボールメトリクスなどの例を念頭に、海外における国際ベンチマーキングに関する知見や経験を含む情報収集を行う。そのような情報・意見交換を通じて課題点を認識、共有しつつ、今後の国際連携ネットワークの体制を整える。キックオフシンポジウム(研究開始時)ならびに国際総括シンポジウム(研究終了時)を開催し、国内のみならず国際的な情報の共有をすすめる。さらに、ドイツなどの非英語圏における研究分析の在り方について、連携研究者を配置し、情報収集・分析をすすめる。

5.研究経費と研究期間

15,900千円(平成28年度~29年度)

お問合せ先

研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)

-- 登録:平成28年08月 --