平成19年11月2日
学術分科会
学術研究推進部会
脳は、認知、記憶、思考、情動、意志等を司る人間の本質をなす器官である。また、脳科学は、自然科学に残された最大の未知領域の一つであるとともに、心理学、認知科学、さらには社会学、教育学等の人文・社会科学とも融合した分野横断的な総合科学である。
近年、ヒトゲノムの全塩基配列の解読による分子生物学の進展、情報科学及び脳機能計測技術の進歩など、脳科学研究を大きく進展させる手段が発達してきた。このため、脳科学研究を進めることにより、記憶や学習などの脳機能の解明、精神神経疾患の病因解明や予防・治療法の開発、脳からの情報で制御される身体補助具の開発等が可能となってきている。
一方で、脳科学研究は社会への影響が大きいことも予想されることから、倫理的側面など社会との調和に配慮しつつ研究を進めていくことが不可欠である。
このような状況を踏まえ、我が国における脳科学に関する研究開発計画の作成及び推進並びに学術研究の振興及び評価に係る事項を総合的に調査審議するため、脳科学委員会を設置するものである。
脳科学委員会は、脳科学研究を戦略的に推進するための体制整備の在り方のほか、人文・社会科学との融合、さらには大学等における研究体制等を含めた長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策の検討を行うことから、研究計画・評価分科会と学術分科会学術研究推進部会との合同設置とする。
脳科学委員会の庶務は、関係課室の協力の下、研究振興局ライフサイエンス課が処理する。
研究振興局振興企画課学術企画室