人文学・社会科学特別委員会(第19回)議事録

1.日時

令和5年12月6日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 人文学・社会科学の振興に向けた取組について
  2. 人文学・社会科学の研究成果の可視化及び国際発信力の強化について①
  3. その他

4.出席者

委員

(委員、臨時委員、専門委員)
城山主査、白波瀬委員、仲委員、井野瀬委員、大橋委員、尾上委員、北本委員、木部委員、治部委員、安田委員、青島委員、後藤委員、田口委員、森田委員、山中委員
(科学官)
森口科学官、松田科学官、渡慶次科学官

文部科学省

名子学術企画室長、髙田学術企画室長補佐

5.議事録

【城山主査】  それでは、定刻でございますので、ただいまより第19回人文学・社会科学特別委員会を開催したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 初めに事務局から配付資料の確認及び注意事項をよろしくお願いします。
 
【髙田学術企画室長補佐】  資料は事前に電子媒体でお送りさせていただいておりますが、議事次第に記載のとおり、資料1から資料7をお配りしております。資料1につきましては枝番で資料1-1、1-2がございます。
 御発言の際には、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただきまして、主査より指名を受けましたら、マイクをオンにしていただきまして、お名前から御発言いただければと思います。発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようにお願いいたします。その他、不具合等ございましたら、マニュアル記載の事務局連絡先までお願いできればと思います。
 なお、本日の会議でございますが、傍聴者を登録いたしまして公開といたしております。
 説明は以上となります。
 
【城山主査】  ありがとうございました。それでは、議事に移りたいと思います。
 本日はまず、議題1では、前回の本委員会において持ち回りで決定いたしました、「人文学・社会科学研究の振興に向けた当面の施策の方向性」について御報告いただくとともに、令和6年度の概算要求や当面の本委員会の進め方について事務局から御説明いただきます。
 また、議題2では、「人文学・社会科学の研究成果の可視化及び国際発信力の強化について」ということで、今回はこの2つのうち、特に後半の「国際発信力の強化」について、自然科学研究機構の小泉特任教授、それから京都大学のKornhauser先生、神戸大学のMcKay先生からそれぞれ御発表いただきたいと思っております。なお前半部分、「研究成果の可視化」につきましては、年明けに開催する本委員会において改めて取り上げさせていただきたいと考えております。
 それではまず1つ目の議題、「人文学・社会科学の振興に向けた取り組みについて」に移りたいと思います。資料は資料1-1から資料3までございますけれども、8月に皆様にも御確認いただいた取りまとめ資料と、それを踏まえた人文学・社会科学関係の概算要求資料、それから当面の委員会での議題についての資料について、事務局から簡単に御報告いただければと思います。よろしくお願いします。
 
【名子学術企画室長】  学術企画室長の名子でございます。
 それでは議題1につきまして、資料に基づきまして御説明させていただきます。まずお手元の資料1-2を御覧ください。こちら、7月に委員会を設置いたしまして、2回御議論いただいて、その後メール等で書面審議をさせていただいて8月末にまとめたものでございますけれども、当面の施策の方向性ということで整理しております。資料1-1が本体、資料1-2が概要でございますが、簡単に概要のほうを御説明させていただきます。
 最初に基本方針をまとめるに当たって、今回の議論の方向性ということで、「科学技術イノベーション基本計画」、また「骨太の方針2023」「統合イノベーション戦略2023」等を踏まえまして、以下の取組を推進するとしています。まず人文学・社会科学が主体となって共同研究を行う学術知の共創と総合知の創出に資する取組の推進、またデータの整備による最先端のデータ駆動型研究、またAI駆動型研究の実施など、人文学・社会科学における研究DXの推進。そして人文学・社会科学の総合的・計画的な振興に向けたモニタリング指標の開発とモニタリングの実施ということで、この論点に沿って検討を進めてまいりました。
 こちらの「方針に係る取組の進捗状況」ということで簡単に申しますと、まず人文学・社会科学が主体の「共創型」プロジェクト研究の推進ということで、こちら、令和4年度まで、文部科学省のほうで、内局の予算で大阪大学に委託しまして、研究課題づくりやチームづくりに向けた共創の場の整備という取組をしておりました。そちらは委員会でも成果の報告などをいただいていたところです。また日本学術振興会においても、学術共創に向けた共同研究プログラムを推進しているということでございました。またその研究DXに向けた研究基盤開発・整備ということで、こちらでJSPSが行っております「人文学・社会科学総合データカタログ」と。こちらはメタデータのプラットフォームでございますが、こちらの整備を進めている状況について御報告いただきました。また人間文化研究機構様で取り組んでいらっしゃる「Nihu Bridge」ですとか、国文学研究資料館様において取り組まれている古典籍30万点の画像化の取組、こういった学術機関の先導的取組の推進事例についての御報告などもいただいているところです。
 前期の委員会でまとめをして、今後、具体的な取組を進めるということにしておりましたモニタリングの開発がございます。こちらについては前期のまとめに従って着実に進めていくというところで、国際ジャーナル論文、国内ジャーナル論文を対象としたモニタリングの実施ですとか、書籍についてのモニタリング手法の開発というようなところを進めていくことについて記載をしております。
 これらを踏まえて、今後の課題、またその取組ということにつきまして、大きく3点。1つは人文学・社会科学が主体となった「共創型」プロジェクト研究の推進ということで、こちらにつきましては大阪大学のほうで報告いただいて、かなり色々な論点を、活発に御議論いただいたかと思うんですけれども、例えば課題というような形で共同研究のチームマネジメント方法ですとか、マネジメント人材の確保、また研究者のマッチングなどに課題があって、さらにこういったことを進める上でもモデル事業の検証を進めると。併せてこういったプロジェクト型研究の成果の把握ですとか可視化について検討を進めるというような形で、課題や今後に向けた取組というのを整理しております。またJSPSによる共同研究プログラムというのを、これはまた引き続き推進ということで取組を記載しております。
 また、研究DXに向けた基盤開発・整備ということで、こちらはJSPSの取り組んでいるメタデータカタログ、こちらについて引き続き分野の拡充、利活用の促進を推進していくと。また人文系学術資源のデータ化のところで、少し取組の遅れというのがあるということで、それは多様な人文系資料の特性に合った形のデータ規格というのがなかなか整理されていない現状があり、それを整理したり調整したりしていくといったことがないと進んでいかないだろう、またそういったデータ構築・データ利活用ができる人材確保にも課題があると。またその国際的な取組が進展している中で、引き続きデータ化においての先導的な取組を推進するとともに、関係機関による協働体制を構築して取組を進めていく必要があるということをいただいております。
 最後ですけれども、我が国の人文学・社会科学研究動向に係るモニタリング手法の開発ということで、こちら記載をしております。特に書籍ですとか社会的インパクトに関する指標等について開発を進めるということについての指摘を入れさせていただいております。
 こういったこと等を取り組むとともに、引き続きこの共創型プロジェクト研究のさらなる推進方策、データ基盤を支える人材育成ですとかデータ利活用の促進、また研究成果の可視化、国際発信力の強化の論点について引き続き検討という形でまとめているところでございます。
 こちらの報告を踏まえまして、今般の概算要求、8月末に出しております概算要求でございますけれども、現在、こういった概算要求を基に予算要求中ということでございます。あくまで8月の概算要求時点のものということの説明でございますが、こちら今、内局予算のほうで「人文学・社会科学のDX化に向けた研究開発推進事業」ということで、約2.4億円ほどの予算事業を要求しているところでございます。1つはデータ基盤の開発に向けた、これは人文学の観点になりますけれども、コンソーシアムの運営、具体的にはデータ規格のモデルガイドライン的なものの策定であったり、国際規格への対応、またデータ駆動型研究の事例創出、あとはそうしたデータなんかを教育利用、地域活性化の観点で利活用していくような事例創出・発信。また、こういったデータを扱える、データをつくれる、またAI利活用なんかも可能な形の研究を推進できるような、そういったような人材育成プログラムの開発・実証という観点での要求を1つしております。
 またこの中で、これとはまた別の形になりますけれども、人文学・社会科学研究におけるデータ分析による成果の可視化に向けた研究開発ということで、モニタリング手法の開発に向けた調査・分析、前期にまとめました提言に向けた取組を進めるということで要求しているというところでございます。
 また、資料にはございませんけれども、先ほど申し上げましたJSPSの先導的課題に対する人文学・社会科学協働型研究の推進の事業につきまして、また引き続き要求をするとともに、データインフラストラクチャー構築推進事業、こちらについても引き続き要求をしております。また国文学研究資料館で、大規模フロンティア事業ということで、これまで10年間にわたって「国書データベース」、画像データの充実等の取組を進めておりましたけれども、それについても引き続き公共の事業ということでの要求を進めている状況でございます。こちらにつきましては、すみません、資料ではなくて口頭での補足ということになりますが、内局及び全体的な予算ということでの御報告でございます。
 以上につきましては、学術分科会のほうでも先ほどの概要及び予算のところにつきましては報告を、内局予算中心でございますけれどもさせていただいているというところでございます。
 以上を踏まえまして、今後の検討課題ということで、当面の委員会をどう進めていくのかというところで私のほうから御説明させていただきます。まず前回まとめた方向性のところで課題とされておりました事項、これは前期議論したことをさらに深掘りしていくという観点になりますが、まず共創型の研究をさらに進めていくための推進方策の検討、またデータ駆動型研究やデータ基盤の整備等に係る推進方策の検討、さらに、これは設置の最初の検討事項のところで書いていたんですが、7月、8月の段階ではあまり議論できておりませんでした研究成果の可視化及び国際発信力の強化といったところについて、今後、当面の委員会の議論として進めていければと思っております。特に3につきましては、まず前期の委員会でまとめていただいたものの進捗の報告が研究成果の可視化というところにつながると思いますが、そういったところも、進捗も含めながら、また国際発信力の強化といったところについて検討いただければということでございます。
 若干重複しますが、今後の検討事項ということで、先ほど申しました3点、こちらのほうで整理をさせていただいております。ちなみに、こちらにつきましては取りあえず当面の事項ということで、結構色々な観点、深掘りすればするほど、色々なこともあるかと思いますので、まずは一旦、こういうような大きな3点、それについて御議論いただいて、今後のスケジュール感としては、一旦、12月6日、本日と、22日、また1月下旬、2月末、もしくは3月上旬頃かと思いますが、そちらで議論を4回ほどさせていただいて、3月ほどに1度、論点整理的なものを中間的にまとめられればと思っております。また翌年度、議論を継続して実施しながら、任期がまた令和7年2月に参りますので、そこまでの間、1月以降にまとめになるのか、12月頃になるのかというのもありますけれども、まとめというのをしていきたいと考えているところでございます。
 私から、当面、これまでの状況と、今後の当面の検討事項ということでの御説明につきましては以上でございます。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。前回まで議論させていただいたことをどういうふうにまとめたかということと、それに基づく概算要求の御説明、それから、それを踏まえて、委員会としては今後どうしていくのかというところの予定の案についてお話をいただいたということかと思います。
 今、御報告いただきました内容につきまして、御質問、御意見等ございますでしょうか。
 よろしいですか。大体このような形で進めていきたいということで、個別のところはまた各段階で一応御相談させていただくことになろうかと思います。
 そうしましたら、進め方のイメージのところでも、課題ということで整理していただきましたけれども、これまであまり議論してこなかったことということで、可視化と発信力の強化、特に可視化のほうは、課題は提起して調査も始めつつあるところかと思いますが、国際発信力の強化については、これまであまり議論してこなかったということで、特に今日、まずここから議論をさせていただければと思います。
 それでは議題の2ということで、「人文学・社会科学の研究成果の可視化及び国際発信力の強化について」に移りたいと思います。
 今も申し上げましたように、成果の可視化の部分は前期の本委員会で、モニタリング指標に関する方向性を取りまとめておりますので、それを踏まえて今後取り上げていくということで。次回以降取り上げていく予定です。したがいまして、本日は国際発信力の強化につきまして、研究大学コンソーシアムの試みだとか、あるいは大学の現場における試みについて、具体的な事例に即して3人の方から御発表いただければと思います。
 まずその前提といたしまして、資料4に基づいて、「人文学・社会科学の研究成果の国際発信について」ということで、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【名子学術企画室長】  それでは御説明させていただきます。「人文学・社会科学の研究成果の国際発信」という点でございますが、実はこちらの論点はかなり昔から指摘はあるものの、なかなかうまく政策的にも包括されてできなかったところもある部分かと思っております。今回の議論に当たりまして、過去どういったことがこの委員会でも言われていたのかというところを少し簡単に御説明しておきたいと思います。
 国際発信につきまして、過去の報告書の関連記載ということで、こちら、まず1つ目でございますが、平成30年12月14日に、人文学・社会科学振興の在り方に関するワーキンググループです。こちらの委員会の前の前ぐらいの委員会になりますけれども、そちらのほうでも、実はこういった国際発信の重要性というのは指摘されております。人文学・社会科学における国際性を高めていくことの重要性というのは当然そうですけれども、そこでの指摘事項として、例えば単に論文等を外国に翻訳すれば、それで国際展開として十分ではなくて、やっぱりそれぞれの地域に固有の文脈ですとか、そういった影響もありますので、そういうような特性に鑑みてやっていくことが必要だと。ただ、そういった特性もあるからこそ、なおさらこういう国際発信をやったり国際研究をやっていくということで、また異質な背景を持つ研究者同士が関わっていくということで、新しい概念が出てきたり、価値観が出てきたり、お互いのバイアスを超えたということが出てくると。そういったことを踏まえて、よりメタな学問の確立に貢献することができると。こういったような御指摘をいただいているところでございます。
 また、これは大分前でございますけれども、平成24年7月に、「リスク社会の克服と知的社会の成熟に向けた人文学及び社会科学の振興について」という報告です。こちらは十数年前、こういう国際発信の重要性というのは報告してきております。またそのときにも、大学等においては研究の国際化を支援する体制の充実を求めるといった記述がありますし、また国際的な交流が活発になることで、日本の固有の研究とはまた異なる知見を有する海外の研究者との対話が生まれて、比較顕在化する価値の発見ですとか、予期しない分野の連携、また、日本の学術界ということなると思うんですけれども、そういった分野の国際的なリーダーシップの発揮も期待できると。
 また日本の固有の文化ですとか、歴史・芸能、日本特有の経済・社会論、そういったものに関するデータの提示ですとか、研究成果を英語に翻訳してやっていくということは大事なので、そういった形での国際発信力のさらなる強化を図っていくと。ただ、そういったこと自体がなかなか十分評価されていない現状もあるので、改善していく必要があるといったような指摘もいただいております。
 さらに遡って恐縮なんですが、平成14年6月、これも人文学・社会科学の振興という意味では、国の審議会では最初のほうになると思うんですけれども、こちら、平成14年のときでも、こういった国際発信ですとか国際的な取組、国際的な活動といったことの重要性、また国際社会における我が国の貢献という観点からの、そういったものの重要性というのが指摘されているという状況でございます。
 こういったところにつきまして、平成14年以降ずっとこういう指摘がございました。また個別のプログラムで、そういった国際展開を図るプログラムですとかがございましたし、科研費でも、例えば国際共同研究というようなプログラムも出来たりしていますし、また大学のグローバル化というのはかなり進んできていますので、そういった中で状況の変化もあると思います。そういう中で大学の実践ですとか、個々の研究者の事例なんかもどんどん増えてきていると思いますので、このタイミングで、今改めて、国際発信についてどういうことができるのか、どういう考えができるのかというところについて議論いただければと思っているところでございます。
 簡単ではございますが、まず私からの報告は以上でございます。有識者の方のヒアリングを引き続きよろしくお願いできればと思います。
 
【城山主査】  ありがとうございます。今回の検討のバックグラウンドのことをお話いただいたのかと思います。一言だけ付け加えさせていただくと、今回は研究成果の可視化及び国際発信力の強化ということで、研究成果が出て、それをどうやって発信するかとか、アウトリーチするかという文脈での国際発信力というのは、これは当然1つあるわけですが、多分、今の御説明をお聞きいただいて分かりますように、恐らく、単に出てきたものをどうアウトリーチするかだけではなくて、むしろ研究プロセス自身の中に、海外との連携だとか、あるいは差異の認識をベースにしたメタレベルの議論の構築をどうしていくかという、研究体制構築の話、恐らく両方を含むことになろうかと思いますので、そういう少し広い文脈で後ほど議論させていただければいいのではないかなと思います。
 それでは中身のほうに入らせていただきたいと思います。続きまして資料の5、「研究大学コンソーシアムの概要と活動」ということで、小泉先生から御説明いただければ幸いです。よろしくお願いします。
 
【自然科学研究機構(小泉)】  自然科学研究機構の小泉と申します。よろしくお願いいたします。僕のお話は基本的に、この後の京都大学のDavid Kornhauser先生、神戸大学のEuan McKay先生のお話の前座として、プラットフォームとして、それこそDavid先生、それからEuan先生と一緒にこの10年間、研究大学コンソーシアムとして活動してまいりましたので、その前座ということで、二、三分お話をさせていただいて、具体的なところはKornhauser先生、それからMcKay先生からしていただこうと思っております。画面を共有させていただきます。
 資料5になりますが15ページ目です。研究大学コンソーシアムというところで活動してまいりました。研究大学強化促進事業という事業の中で、採択22機関を中心として、こういった大学、研究大学群の集まりとして組織をしてきたものです。現在では41大学、研究機関集まっておりまして、こういった中で様々な取組を一緒に行ってきているところになります。そのうちの1つが、こういった国際情報発信の強化といったところを過去10年間、かなり力を入れて行ってきております。
 特に研究大学コンソーシアム研究力強化の目標というところに関しまして申し上げますと、やはりこの一番右側、「日本の研究の国際的な可視化」というところはかなり重要な課題として考えております。我々としては、ここは、木部先生、後藤先生いらっしゃる中で、大変お世話になっておるところですけども、人間文化研究機構にワーキンググループの長をしていただきまして、日本の研究の国際的な可視化、特に人文学・社会科学研究の国際的な可視化というところに今後取り組んでいきたいと考えているところです。
 これまでの活動としましては、特に人文学・社会科学というところに限らず、そもそも大学の国際的な可視化というところを進めましょうということを、今日、この後、発表されますDavid Kornhauser先生、Euan McKay先生と10年、2014年当時から進めてまいりました。特にAAAS、アメリカのAAASがEurekAlert!というプラットフォームを持っておりまして、その中で国際的なプレスリリースというものを中心に国際情報発信を進めてきたところです。右下の表を見ていただけると、EurekAlert!に掲載されているプレスリリース、そもそもこれは人文学・社会科学に限らず、日本からの国際情報発信が2014年当時、ほぼゼロという状況でした。そこから、とにかく我々力を入れ始めて、今では年間のリリースが1,400、1,500になるぐらい、そういった、各機関、多分1週間に1回、うちの自然科学研究機構でも1週間に1回は国際プレスリリース、国際的な情報発信を進める、そういったところにまで上ってきたところです。実はこれ、10年前は、人文学・社会科学に限らず、日本の国際情報発信力のなさというのは1つの課題でした。また、AAASなんですけれども、もちろんサイエンスということが中心なんですけれども、EurekAlert!には人文学・社会科学に関連する様々な国際情報発信が、アメリカに限らず、各国の、様々な国の、ノンイングリッシュなものも含めて掲載されているような状況ですので、ぜひ人文学・社会科学においても、こういったプラットフォームの活用が重要になるのではないかなと思っているところです。
 私のほうからまず、こういったところで、研究大学コンソーシアムということで活動しているというところをお伝えしまして、この後、具体的にはDavidさん、それからEuanさんにお話しをしていただくのがいいと思っております。私からは以上です。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。それでは続きまして資料6、「人文学・社会科学成果発信の特徴と難点:世界が求めるニッポンを考える」につきまして、京都大学のKornhauser先生から御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
 
【京都大学(Kornhauser)】  よろしくお願いします。お招きいただきありがとうございます。まずこちらから画面共有をさせていただきます。
 私は先ほどの小泉先生の話のように、10年以上も実に京都大学からいろいろ発信を試みていまして、そこで、特に人文学・社会科学に対して思うところがたくさんあって、本日はこの時間を利用させていただいて、そのアイデアを少しお出ししようと思っています。私自身はもともとアメリカンなんですが、小さい頃はハワイ、その後、大学は物理学をやりまして、その後いろんな仕事の関係で、メディアのこと、ほかに広報関係のことをたくさん、欧米、そしてアジアのほかの地域でも活躍してきました。
 さて、まずは少しテーマのおさらいということで、主にこっちとして、ふだんから扱っているのが自然科学のような研究成果ですので、皆さん御存じだと思いますが、結構大きな違いがありまして、1つ、割と大きく関係してくるのが、この「掲載日時確定」というところなんです。それはどういう意味があるかというと、ニュースの扱いがしやすいんです。なぜかというと、ニュースの皆さんは、はっきりとした日付があるということは非常に記事にしやすい。この日にこういうニュースが出ましたということを発表するのも伝えやすいので、その辺りが結構、こちらとしてもちょっとポイントなっていたりするんです。記者の皆さんに、こういう研究成果が出ましたので記事にしてください、取材してくださいというような発表をしたときに、「いつ」というのが大事な点です。
 もう一つ、ちょっとこっちとしてテーマを扱う中で大きく変わるのが、分野横断的雑誌という存在。簡単に言いますと『ネイチャー』と『サイエンス』なんですが、そのほかにも『セル』系のジャーナルとか、ほかの大きな出版社が出す、特に注目されるような雑誌がたくさんありまして、たくさんの自然科学系の分野が一緒に、同じ雑誌に出てくるので、それはやはりニュース側から見ても注目しやすい。この雑誌さえ見ればこれだけのいろんな主なテーマが出てくるというような期待感もあるので、その辺は、非常にこっちとしても発表しやすいものです。そういうのも全部含めて、人文・社会科学がちょっとニュース的には扱いにくい面があるんじゃないかと感じます。
 続きまして、京都大学の事情なんですが、私、広報課に所属してまして、残念ながら、人文・社会学の研究成果は1割にも達していない。そのほとんどが、何らかのデータ分析に関係するような内容なんです。なので、実際、人文・社会学といっても、海外では必ずしも同じような分け方をしていなくて、若干、自然科学に入り込んだような内容のものもあったり、逆に扱われることもあるので、その辺はちょっとグレーな部分になるのですが、私が思うには、日本特有の、日本文化につながるようなものが少ないというのが一番残念に思います。
 それはどういう話かというと、またこの後説明しますが、その前に1つ、ちょっとだけ例を出しますと、これはほぼ人文・社会学という論文の、ほぼというのが、ジャーナルもどっちかというと情報学のジャーナルで、AIの分析ということで、そういう意味で、人文学・社会科学そのものの論文じゃないんですが、扱っているテーマが俳句のことですので、もちろん日本文学そのもののテーマを扱っている話なので、ある意味、両サイドにまたがっているような話です。そういうこともあって、このAltmetricのスコアもはるかに100を超えていて、割とニュース、赤い部分がニュース、Twitterなど、いろいろなところで取り上げられたという実績もあって、これは割といい発表になったのではないかと思います。ただし、先ほど言いましたような、ピュアな人文・社会学ではないと。
 もう一つ、これもさらに自然科学寄りになるのですが、霊長類学のもので、どっちかというとちょっと自然科学系のジャーナルではあるんですが、どっちかというとこれ、内容的には割と哲学が含まれています。これは別に日本特有の話ではないんですが、こういうようなものも、自然科学でありながら、人文・社会学の要素が結構強いテーマになりまして、このAltmetricのスコアが300を超えてるというのは、もっともっと広く、横断的にいろいろな分野から注目されていると分析できるのではないかと思います。
 そういう例も少なくはないのですが、どっちかというと、ブランドジャパンにつながるものが欲しいのです。日本文化そのものの発信力の強さが、本当に世界的に大きな影響を与えているにもかかわらず、日本に来て、それについての研究を見つけるというのが意外と難しいんです。特に京都にいながらも、京都大学で京都のことを学ぶということはほとんど不可能なんです。もちろん、そういう目的でこういう研究しましょうというのは、別に大学の方針でもないので、そういうことにはなっているんですが、より、日本にせっかく興味のある研究者が、あるいは学生が、じゃあ日本へ行って、日本について学ぼうというのが、分かりやすい流れとしてつくりたいというのがあります。
 先ほどの、今までの委員会の活躍の中の説明にもありましたが、日本として、世界規模の問題の解決にどう答えが出せるのか。日本として、日本の立場として、日本文化の観点で、どういう解決策が見いだせるのかというところも海外からは期待されます。やはり欧米ではない。欧米ではないが、欧米と同レベルの学力、分析力を持った日本が、どういう答えが出せるのかというところは、災害にしても戦争にしても、自然環境としても、いろんな分野で、日本としての教訓、日本としての解決策を提案したり、生み出したりするのが期待されているかと思います。
 それを含めて、せっかく日本に興味を持った人たちが納得できるような、日本文化、歴史、社会の要素を取り入れた、あるいは触れたような研究にするというのも、2つの大きなセールスポイントになるかと思います。研究者はもちろん、日本以外、日本と関係のない研究で、日本で優れた例がたくさんあるということは理解をしていますが、メディアはあまり理解していない。一般社会でもあまり通用されていない部分があるというのもあって、そのような期待、そのような、日本から求めるような気持ちをある程度配慮する形の研究発信で、よりアピール力を増したような形にするのも大事ではないかと思います。
 そこで、特にコミュ力の優れた、コミュニケーション力の優れた専門の、そういうようなテーマを扱って、それに合ったオーディエンスに届けるというような取組が必要ではないかと思います。要するに、日本の強み、日本の苦手な部分を全部分かった上で、日本から出てくる研究をどうやって伝えるかというのも、しっかり理解した上で進めるのが必要だという気がします。
 私の発表はこれで以上です。ありがとうございます。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。続きまして資料7です。「人文学・社会科学研究成果の国際発信について」ということで、神戸大学のMcKay先生からも御説明いただければと思います。
 それではMcKay先生、よろしくお願いします。
 
【神戸大学(McKay)】  はい。よろしくお願いします。神戸大学のMcKayです。ありがとうございます。本日はお招きいただきまして本当に光栄です。ありがとうございます。
 本日、神戸大学の結構具体的に、どのようなことをしているかという話になりますので、小泉先生、Kornhauser先生のビッグピクチャーのところと変わって、ちょっと狭いところに集中していこうと思っています。
 左上がちょっと消えていますようですけれども、「ブランディング」と左上に赤い丸で書いてあるはずですけれども、神戸大学の戦略をお伝えしますと、実は僕は、2年前から神戸大学に来て、広報戦略などを担当しておりますけれども、その前に11年間ぐらい、東京大学で、同じような研究成果の発信とか、広報の戦略などに関わってきました。
 今回、神戸大学で実施している広報戦略なんですけども、主に4つのエリアに分けております。一番上、「ブランディング」なんですけれども、各ステークホルダーのニーズなどを分析した上で、引起したい結果というか、どういう行動をしてほしいとかを考えて、そして適切なメッセージを設定して、それを発信していくということと、大学はどのようなイメージを目指しているかというようなことを考えた領域なんです。
 もう一つは「プラットフォーム」ですね。そのブランドを目指している、ブランディングを目指しているんですけども、そのための必要なWebサイトだったりとか、SNSとか、そういうようなプラットフォームを整備しているところです。実は今頃もう出来たはずなんですけども、来週か再来週ぐらいに、新しいニュースサイトが、このスクリーンショット、右側にあるんですけども、出来るはずなので、大学の活動がもっと可視化されるというふうになります。そこに合わせて、各記事などコンテンツにタグとかAPIなどをつけて、情報のさらなる展開とか発信を支援する、進めるような情報基盤を整えています。
 そしてそのプラットフォームの上に乗せる「コンテンツ」です。ここが今日お話しする内容の中心なんですけれども、ここで特に戦略的なコンテンツをつくって発信しています。そこに、ちょっと後で説明しますけども、主に2つの種類があって、大学の活動そのものを伝えるものと、あと時事などに関係するようなコンテンツをつくって、解説記事とか、発信しています。あと大学全体のブランディングなどのところで設定した、大学のコアメッセージとか、そういうような、大学の価値観が見えるように、可視化されるような重点テーマというものを設定して、いろんな媒体で活用していこうと思っています。
 最後なんですけども、コンテンツのさらなる発信を考えて、メディアとの関係を非常に重視しております。ここで例えば、海外メディアからの問合せがあるときに速やかに対応したりするとか、あとは、こちらからのプレスリリースなど、そういうようなコンテンツを発信していますし、フィーチャー記事も戦略的コンテンツとして、そういうようなものをできる限り多くのところで使ってもらうとか、ほかのところに掲載していくというふうに試みています。
 戦略的コンテンツというもの、フィーチャー記事というものはどのようなものかというと、これが最近つくった一覧なんですけれども、例えばニュースサイクルというものがあるんですけども、1年中にメディアがどのようなものに関心しているかということが変わりますので、特に日本の場合は8月15日あたりの終戦記念日がありますので、そこに合わせて、神戸の占領時期の話とか、過去の資料、写真とかを使ったストーリーをまとめてつくりました。ここに歴史学の専門家の方、そのとき時期の専門家に取材して、記事を書いてもらいました。
 あとは、例えばG7サミットが日本で開催されましたので、そこのサミットに合わせて専門の方に話を聞いて、どういうふうに世界が変わっていくかとか、そういうようなコンテンツも用意して発信しました。などなど、こういうふうな時事ネタに合わせた記事というふうに説明しております。
 作成プロセスなんですけども、ここにコアとなるのは編集会議です。ここで、割と緩やかな会議なんですけれども、特にフィックスな議題とか用意していないんですが、2週間に一度開催して、情報を大学のあちこちから収集して、参加している方々、学内にいる元記者の方とかURAとか、いろんな人が自由に参加できるような会議にしていますので、皆さんの意見とかをまとめて、じゃあ今、どのようなコンテンツをつくるべきなのかとか、そういう話を個々にして、そしてそのコンテンツを作成したりとか発信するというふうなことをやっています。
 ここで結構、いろんな活発的な議論ができるようになっていますので、特にこういう時事ネタのコンテンツをつくるときに、大体のアイデアがこの会議から生まれてきました。だから多くの人が参加する、自由に話ができるようなスペースを設けるのがとても大切なことだったなと思っています。
 記事の事例ですけれども、こちらの記事は、なぜ日本の賃金が上がらないのかという、割と国内でもメディアの関心が高い記事、トピックでしたので、それを日英でコンテンツをつくって公開しました。これとかは最もアクセス数が多い英語の記事なんですけども、日本語のほうで、別の記事のほうがアクセス数が多いんですけれども、これが絶えずに、みんなが読んでいただいているようで、多くの場合、記事を公開して、すぐに人が見て、読んで、そして数日たつと、もうアクセスが少なくなってしまうようなグラフがよくあるんですけども、幾つかの記事は、こういうふうにずっと関心を持ってもらうものが出るんですね。
 日本語の場合は、テレビ朝日とか産経新聞などからの先生への連絡があったんですけれども、残念ながら英語のほうでは、まだ今のところ反響が、効果がなかったんです。なんですけれども、今のところで、結構、このコンテンツは割と見つけにくいというとこともあるので、新しいニュースサイトが出たら、こういうコンテンツもかなり目立つようになりますので、さらなるアクセスと効果があるかなと考えています。
 もう一つのいい、多分これが理由でアクセスが続いていると思うんですけれども、Googleで、「なぜ日本の賃金が上がらないのか」と検索すると、この記事が回答として出てくるんですね。選択されて。だから、やはり大学の1つの役目が、信頼できるコンテンツを発信していくということだと思っています。これはやはり、文系、人文・社会学系の研究についても非常に大事なことかなと思っています。これも1つの社会貢献にもなるんじゃないかなと考えられています。
 あとはこれが、右側のほうの検索ですけども、やはりGoogleニュースで調べると、多くの新聞が同じような時期、いろいろな時期に、同じテーマについて関心があったので、記事を出していらっしゃるようです。
 もう一つの記事なんですけれども、これが、侍ジャパンがWBCで優勝したときに、監督のリーダーシップについて聞いて、専門家に取材して書いたんですね。この記事は逆に、最初のほうはそんなにアクセスが多くなかったんですけども、その後から人気になったということなんです。こちらもアクセス数が、これは3番目ぐらいのアクセス数が多いところです。学外の学生から、日本語の記事からだと思うんですけども、学生から先生に連絡があったということを、先生から聞いています。
 これも同じように侍ジャパンの監督を調べると、答えとしてこの記事が出てくるので、もしかしたらこのグラフも、これが関係しているんじゃないかなと思っています。同じように右側のほうのGoogleニュースで監督を調べると、多くの方が、ニーズも同じようなトピックで記事を出していたということで、我々もこういう時事ネタを読むセンスは、ある程度、成功しているかなと考えています。
 ちょっと比較として、これは理系の記事ですが、同じように、専門家に南海トラフの地震は予測できるかどうかということを聞いて解説していただきました。これもずっと、人が検索しているようなものなので、アクセスが少しですけども、ずっと毎日毎日はあります。ここで回答として、残念ながら『ネイチャー』に負けているんですけれども、一応、割と高いほうに、検索結果としては出ています。
 なぜこういう記事を出しているかというと、今までの、小泉先生からも話があったんですけども、プレスリリースを配信することは普通になったということなんですけども、ただ、その内容を見ると、これは日本語なんですけれども、理系がほとんどなんですね。研究成果も、理系の場合も全部そうなんですけども、人文系になると日本しかなくて、どっちも情報の共有なんですね。何科のイベントとか、プロジェクトをやっていますみたいなことになっているんですね。社会科学のほうは、少しは研究成果があるので、だから社会科学へのプレスリリースは、頑張れば、先生たちに推薦していけば出していただけるんですけども、やはりプレスリリースに頼ってしまうと、人文・社会科学系の研究成果が十分に可視化されないんじゃないかと考えていますので、このようなフィーチャー記事などをつくっています。
 今までで、9月までの1年間で26本、だから1か月に2本ぐらいのペースで出しているんですけれども、ほぼ人文・社会科学系のことを多くピックアップしていて、時事ネタは特に、こういうふうなニュースサイクルとかを意識して、話題になっているようなテーマをピックアップして記事を出していると、それがほぼ人社系の研究者、研究成果の宣伝になっています。
 あと、もう一つの課題としては、こういうプレスリリースを見ると理系が多いんですけれども、これはほぼ男性の研究者なんです。こういうふうに、こちらで選んで記事を作成してまいりましたので、女性の研究者の方も多く紹介できたということはあります。まだ効果は分からないんですけれども、さっき小泉先生もお話があったように、EurekAlert!にも、実はプレスリリース以外に、フィーチャーのコンテンツも掲載できますので、ここで私たちは、こういうフィーチャー記事は全部英語版を、EurekAlert!に掲載して、そしてそこに、研究者を専門家として、連絡先などを掲載しています。そうすると、海外メディアは、この研究者を専門家として見るし、EurekAlert!というサイトは皆さんよく使っていらっしゃるので、目に見えるかなと考えています。その効果は、今のところはまだ分からないんですけれども、ちょっと期待しております。
 今後ですけれども、引き続き、個人の経験だったり、社会貢献とかを中心にして、コンテンツを読者の関心などに合わせて伝えていこうと考えています。重点テーマのさっき申し上げたようなものですけれども、これが安定してきたら、さらに広く、大学中に使っていただけるかなと思って、大学としては、一斉に同じようなメッセージを発信すると、さらに効果があるかなと考えています。
 あと、今のコンテンツを主にストーリーで、記事で出しているんですけれども、できる限り、ほかの形でも出していきたいなと考えています。だから一方でキャストだったり、ビデオとか、どうせネタはできているので、そういうふうにほかの形でも発信できればなと思っています。あとビジュアルアピールとかも改善して、ビジュアルは非常に大事なので、それをできる限りいいものにして発信していきたいと思います。
 あと、広報ですね。ほかの人が活動して、それでプレスリリースとか記事にして発信していくという、ちょっと限界があるので、じゃあメディアとか、一般の方とか、海外は何を求めているかを意識して、それに合わせてイベントなどを企画して、他パネルディスカッションを実施したりするとか、そういうやり方も展開していきたいなと考えています。
 そしてNPOとか、ほかの学外のグループの連携などで、できる限り学外のネットワークにアクセスして、情報、さらなる発信ができればいいかなと思っています。そしてコンテンツの再利用とかができればいいかなと思っていますし、あとメディアなどとのチャンネルがあるので、そこでコンテンツを提供したり、一緒につくったりすることができればよいかなと思っています。あと、Op-edというオピニオン記事とか、そういうようなものを、前からやりたいなと思っているんですけれども、今のところはまだできていないのですが、こういうところでも、大事な日本の見解とか考え方を伝えていくというふうにできればと思います。あと学内の皆さんの発信力も向上していきたいなと思っているので、サイエンスコミュニケーションとか、コミュニケーショントレーニング、研修などを実施していくつもりで、来年度から実施しようと思っています。
 そして、これはちょっと個人のお願いというか、提案なんですけれども、日本の大学の総力を伝えるようなものは、やはり各大学で限界があるかなと思っているんです。ただ、私たちがつくっているような、こういうフィーチャー記事などがあるんですけれども、できればそういうものをまとめて、日本の全ての大学の力を見せるというふうなWebサイトだったりが出来ればいいかなと思っています。Futurity.orgというアメリカの大学のサイトがあるんですけれども、それをモデルにしたようなもの、あと、Policy Doorもあるんですけれども、そのように、全国の大学が作っているコンテンツを集めるようなサイトとかも出来るかなと。いいと思います。あと海外イベントのAAASとか、小泉先生とよく一緒に行ったりするんですけれども、こういうところで、ばらばらで参加している大学が多いんですけれども、そちらの活動もぜひまとめて支援していただけると、さらに効果があるかなと思っています。今年は確かにJSPSがAAASの参加を支援するというふうになっていると、先日聞きましたの、でそれがすごくいい試みかなと思っています。
 すみません、ちょっと長くなりました。まとめですけれども、人文学・社会科学研究は、私たち大学の立場から、大学全体の活動を伝えるために動いているんですけれども、だから、必要不可欠の部分なんです。だけどそれを、もちろん私たちも大切なコンテンツとして発信していきたいと思っています。
 あとは大学の価値観とか強みを伝えるということも、社会の関心とかニーズとかに合わせて考えるためにも、研究だけじゃなくて、研究者も専門家として伝える、可視化していくのが非常に重要かなと思っています。
 すでに議論されていると思うんですけれども、国際発信を強化したいという話だけじゃなくて、本当に誰に、どのような効果をもたらしたいのかとか、誰に伝えたいのかというようなことを、もちろん先に考えないといけないと考えておりますので、今日は少し具体的な話をいろいろしましたけれども、そこで何かヒントがあればと思っております。
 以上です。すみません、長くなりました。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。多様な角度から大変興味深いお話いただいたかと思いますけれども、今御説明いただいた内容を基に意見交換をしたいと思います。御質問、御意見、どなた対しても含めて、どこからでも構わないと思いますので、御発言いただければ幸いです。よろしくお願いします。
 最初、治部委員、お願いします。
 
【治部委員】  治部です。私は委員に入ったものの、いろいろな予定と重なってしまって、なかなか出席できずすみませんでした。私自身、今、東京工業大学の文系教養部門で教員をしているんですけれども、もともと20年ほど、経済、経営、政策周りの記者をしておりましたので、今日のお話は非常に、大変すばらしく、興味深くお聞きしました。東工大に入って3年目なんですけれども、常々、記者の立場でもったいないと思っていたのは、大学にはすばらしいコンテンツがあるにもかかわらず、よく知られていない、研究の内容が一般読者や視聴者にとって難しいということもあるのですが、一方で記者のほうに残念ながら不勉強なところもありまして、テレビとか新聞に繰り返して出ている研究者の方ばかりを何度も何度も取り上げると。今日、多分、御参加の先生方も、ちょっと論点が違うことで取材を受けて、自分は違うんだけどなと思ったり、もしくは新聞・テレビを御覧になっていて、本当はこの人に取材したほうがいいのになと疑問を感じたことがあったんじゃないかなと思います。
 ということからしますと、今日、御発表になりましたKornhauser先生、小泉先生、それからMcKay先生のお話のように、大学もしくは研究機関がプッシュ型で、研究、こういうものがあるということを伝えていくことは、私は極めて大事だと思っておりますし、特に財政が厳しい中、人文・社会科学の重要性というものを納税者に、有権者に知らせていくために不可欠だと思っておりますので、すごく重要な会議だなと思っております。
 これまで御発表いただいた3人の先生方に伺いたいのは、こういった発信をするために、大体何人ぐらいの体制でなさっているのか。先生方は研究者としてもお仕事されているはずなので、この広報のお仕事というのが先生にとって、全体のお仕事のどの程度を占めているのか含め、スタッフの数であるとか、予算規模、どんな感じで回しているのかといったことも併せて伺えたらと思います。
 今日御発表いただいたような、すばらしい広報体制をつくるというのはなかなか難しいと思いますので、やはりこれは、日本の研究機関ということでまとめてやっていただきたい。研究者は移籍することも多いので、ぜひそこに、きちんと文科省というか、財務省ですね、予算をつけていただきたいと思います。
 あとこれは、言わずもがなですが、大学の事務員の方というのは、多くの場合、非正規雇用になることが多いです。極めて賃金が低いところで、不安定な雇用で、広報等々をやってくれている方が私の勤務先にもいるんですけれども、ぜひやっぱりここ、雇用を安定させて、それなりに学内でパワーを持たなければ、研究者から情報を取ってきて発信するというお仕事もおぼつかないので、その辺りのこともぜひやっていただきたいなと思います。
 また、Kornhauser先生のお話の中で、日付物が大事というのは、元記者としては、本当にこれは大事なことでして、記者というのは5W1Hがそろわないと記事が書けないということになってしまうで、記者の気分までちゃんと把握されているのは本当にすばらしいと思いました。以上、質問と意見でした。ありがとうございます。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。そしたら質問の部分はそれぞれの方から、せっかくなのでお答えいただくといいのかなと。Kornhauser先生、McKay先生、それから小泉先生も何かあれば、補足的にいただければと思いますが、人数、予算、あるいは雇用形態ですね。研究者との関係のマネジメントみたいなあたり、いかがでしょうか。そうしましたら最初、Kornhauser先生からでよろしいでしょうか。
 
【京都大学(Kornhauser)】  ありがとうございます。非常に貴重な御意見、感謝いたします。うちは非常に悪い例の京都大学なんです。何とか、何とか3人で回しているんです。3人というのは、ちょっとあり得ないことで国内、要するに日本メディア向けの発表、海外、主に英語向けの発表、全部やるんです。扱っている研究案件は、今年度は多分、軽く400件を超えます。要するに1営業日、2~3本のリリースを出しているんです。それを丁寧に扱うということは不可能なんです。3人で。なので、全くいい状況ではなくて、非常によくない状況です。で、3人とも非正規なんです。僕含め。広報課の中、もちろん正規職員は大勢いるんですが、どんどん変わって、皆さん広報の経験ゼロでやってきて、ほぼゼロの状態でまた異動してしまうんです。滞在時間が短くて。
 なので、こっちが伝えられる、教えられるものは非常に少なくて、こっちの持ったようなノウハウがあまり蓄積されないんです。事務体制全体に。なので、うちのメンバーも何人か、何度か変わってはいて、僕はずっといるんですけど、新しいメンバーがうちのほうに来る度に、僕がいろいろ教えて、それをまた、うちの仕事が回せるような状態にはできるのですが、その人たちが、皆さん、もっといい給料が出るような別の大学に行ったりもしてて、それであちこち、割とよくなっている感じはしてはいるんですが、こっちの京都大学では、それがあまり起きていないのが非常に残念です。予算規模としては、ほぼ人件費3人分だけです。ほかの企画する予算などはほとんどないです。
 
【城山主査】  それではMcKay先生いかがでしょうか。
 
【神戸大学(McKay)】  ありがとうございます。Kornhauser先生も昔から一緒にいろいろ活動しておりますけれども、どのように少ない人数で、それほどの成果とか効果を出しているかというのをいつも不思議に思っているところなんです。本当にすばらしい御活躍があるのに、もうちょっと人とか支援があったほうがいいんじゃないかと思います。
 神戸大学は本当に、それと比べて天国的な場所なんですけれども、僕個人が80%の時間が実は広報なんですね。20%は研究の時間で。だから本当に広報戦略とかの作成実施、そして広報の改革というか、改善のために呼ばれたということで、8割の時間を広報に充てています。僕を入れて、多分14名くらいの広報チームがあって、ただ、それがプロパーの人たちを含めて、英語プレスリリース担当1人が、有期雇用にいて、僕も有期雇用です。あとはみんなプロパーの職員なんですけれども。そうするとやはり、人事異動などの対象となっていますので、今はちょうどすごいチームがいるんですけれども、とても幸せな状況なんですけども、やはり人事異動があるので、次は誰が入ってくるかとか、どのようなもの、またゼロからトレーニングしないといけないというような事情があって、これも、Kornhauser先生と昔から何回もお話ししているんですが、やはり広報課のスタッフのプロフェショナリゼーションが非常に重要だと思うんですね。
 だからやっぱり専門知識が必要な仕事なので、3年間ごとに人が替わってくると、やはり最初の1年、2年間ぐらい、仕事を覚えないといけないので、そうすると、研究マニュアルどおりにやるので、クリエーティブな仕事なのに、あまりクリエーティブにはやれないんですね。プロセスとしてやっていくということになってしまうので、入ってくるアイデア、研究者からの連絡があって、そこで、プレスリリースを書いて発信していく、あとはプレスリリースを発信していくというような、特に考えずにプロセスを踏むような、流していくようなものになるので、それが非常に残念かなと思っています。ただ、ちょうど今、皆さん割と経験のある方が集まっているので、とてもいい状態になっています。
 ただ、国際広報に当たっているのは、先ほど申し上げた英語プレスリリースとSNSの担当1人と、全体の戦略とかを担当して、僕は国内外両方やっていますけれども、あともう1人、国際広報担当だから、正直、国際広報だけというと、2人ぐらい、2.5人ぐらいなんですけども、ほかのスタッフはみんな、ある程度協力したりとか、関わっています。
 予算はちょっと何とも言えないんですけれども、全体の予算は分からないんですが、例えば今、ウェブサイトリニューアルをやっているので、そこの予算を取りまして実施しているんですけれども、例えばそのお金から外注して、記事作成とかできているんですが、予算要求して安定した予算を配分してもらっているという状態ではないので、そうすると、こういうような活動を続けるためには、あちこちからお金をかき集めるということになってしまうので、それは非常に残念かなと思っております。
 お答えとしてはそれくらいしかできないんですけども、先ほどコメントいただいた、やっぱりタイムラインというか、時間が非常に大事ですね、記事をつくるときに。やっぱり文系の場合は、そのタイミングがないということが非常に多いので、それで代わりに私たちのほうでは、ニュースサイクルとかを意識したり、そういう、解禁日とかついていないかもしれませんが、今非常に注目されているようなものなので、もしかしてピックアップしていただくというようなコンテンツを探して、考えてつくっていくというふうに、そこの部分を補おうと考えています。以上です。
 
【城山主査】  ありがとうございます。小泉先生、いかがでしょうか。
 
【自然科学研究機構(小泉)】  私から1点だけ付け加えさせていただくと、自然科学研究機構は自然科学なので、かなり広報体制は充実してやっています。国際情報発信も、全機関を合わせると5人以上の規模でやっていると思いますが、1点だけ、特徴的にやっているもので、例えばうちの国立天文台さん。各大学で国際情報発信を、国立天文台の共同研究先の大学が、国際情報発信をちゃんとやれる体制があるかというと、なかなか日本の中でないという場合に、何とか大学の代わりに、じゃあうちの国立天文台が相当手を入れて、サポートして、もう国際情報発信をサポートしますよということをやっています。それは大学共同利用機関法人として、そういったプレスリリース、国際情報発信のサポートも大学共同利用機関法人の仕事であろうということで、大学でなかなかできないというところにはサポートしてあげて、国際情報発信も、プレスリリースつくるところから全部やって、名前だけは大学の名前でいいよという形でやらせていただいたりということを国立天文台ではやったりもしているところです。そういったことも、大学共同利用、ごめんなさい、木部先生はじめいらっしゃるので、人間文化研究機構さんにやってほしいと言ったわけじゃないんですけども、国立天文台はそういうこともやっていたりします。以上です。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。そうしましたら、最後に文科省の問題意識という話もありましたので、名子さんでよろしいですか。お願いします。
 
【名子学術企画室長】  名子でございます。全体まとめてどう発信するのかというところは重要なポイントかと思うのですが、1つ難しさもあって、どのテーマを切り取って国が発信するのかというところと、学術的なところの折り合いというところも難しいところはあるのかなと思うんですが、個人的な体験ベースになって申し訳ないんですけど、在外公館にいたときに、結構、留学イベントがあります。そういうときに、結構いろいろなところ、さっきお話のあったJSPSもそうなんですが、JASSOも来てたりとかしますし、それはよく国際展示みたいなのがあるんですね。そのときに、例えばJSTさんなんかは、割と日本の研究のコンテンツの発信とか、制度のものもあるんですけど、日本に実際どう来れるかという。それだけじゃなくて、何かコンテンツの発信とかをされていたのを覚えています。
 なので、多分そういうところを使って、例えば今、国でやっている大きな研究でこういうのをやってますよとか、実は私、そういうことをやってたんですけれど、ただ、やっぱり内容、現地語でもそうなんですけど、翻訳がめちゃくちゃ難しくて、ただ、例えばそうじゃなくて、拠点的なところで、都市だと例えば法政大の能楽の研究所ですとか、立命館さんの浮世絵のリサーチセンターですとか、いろいろ特色的なもので割と分かりやすいものもあったので、それをちょっと、そういったところで私が説明したりもして、やっぱり受けはよかったですね。学生さんとか研究者からしても。
 なので、例えばいろいろ作られているものとか、そういうものをうまくどう載せていくのかというところ、今は在外公館でも、結構仕事が大変なので、私はちょうどたまたまそういうのが好きだったからやってたというだけなんですけど、何かしらそういうJSPSさんとかJSTさんとか、いろいろな機関と連携して、そういう場をつかまえて何かできるかとか、そういうのは検討できないかなというのはあります。
 あとは体制のところは、これは多分、例えば別のところでは、技術支援員さんの話とかでも似たような話ありますし、多分いろいろ、大学の中の専門職をどうしていくのかというところは、結構大きなポイントの1つかなと思っていまして、そういったところでしっかり議論とかできないかなとは思っていて、それもあって今日はこういう話を設定させていただいたところはございます。
 あとはちょっと話は違うのですが、研究そのものの論文をどうPRするかという話もあれば、今のようなこういう、世の中に広く知っていただいてというところの、多分両面の話はあると思うんですけれども、やっぱりこういう形でのPRというのは、今まであまり取り上げてこなかった現実もありますので、そういう意味では非常にいいお話ができているかなとは思っております。すみません、感想も含めてで申し訳ないんですけれども、私からは以上でございます。
 
【城山主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 そうしましたら続いて木部委員、よろしくお願いします。
 
【木部委員】  人間文化研究機構の木部でございます。今日は途中で退席させていただくので、早めに発言させていただきます。どうも今日はありがとうございました。特にKornhauser先生のブランドジャパンを意識した発信・研究が非常に重要だというのは、本当によく分かりましたし、こういう発表をしてくださって、本当に我々も刺激を受けました。ありがとうございます。そのときに、現在は、デジタル化の技術がだんだん進んできて、デジタルデータ、画像データの公開というのは前に比べて随分進んできたと思うんですが、研究者の悪いところは、完全を目指すというか、研究材料としていいものを目指すあまりに、ちょっと細かいところに立ち入り過ぎているという問題が1つあります。
 それと、専門家はデータが増えて非常に助かっているんですけども、それを詳しく知らない、専門家じゃない人が、それをどう使うのか、あるいはどういうふうに見るのかというケアが全く今されていないというのがもう1つの問題だと思いました。今日のお話を伺って、まずは専門家じゃない人への入り口の部分ですね。これを我々は、あんまり今まで考えてこなかったのですが、せっかくブランドジャパンのデータがあるのに、それを専門家じゃない人が使えるように、あるいは興味を持つように発信するというフェーズが1つ必要だと思いました。そして、それを基にして、そこから入った人が、どんどんどんどんもっと専門的にやろうと思ったときに、もっとその先へ深められる、そういうネットワークがあるということが必要だと思いました。もっと、2段階、3段階のフェーズがあるのかもしれませんけれども、そういう構想で我々は今後、人文・社会系の、画像も含めて、データを発信していかなければいけないんじゃないかなと思います。Kornhauser先生に、その辺の何かサジェスチョンのようなことがありましたら教えていただきたいと思います。
 
【城山主査】  ではKornhauser先生、よろしくお願いします。
 
【京都大学(Kornhauser)】  ありがとうございます。自分も広報担当者の立場として考えるものは、ちょっと大げさかもしれないですけど、オーケストラの指揮者に思うことがあるんです。大学全体を見ていますので、大勢のいろんな分野の研究者から上がってくるものを、うまく唱和しながら外に見せる、外に出すというような考えで、自分で勝手にちょっと思っていたりするんです。やはりきれいな音を奏でるというのは、調和したような、バランスを取ったようなものを数多く集めて、うまくそれを、効果よく出すというのが大事なんです。ただただ上がってきたものをそのまま出すんじゃなくて、何と何の組合せ、どういうタイミング、いろんな、そこで考える要素があって、オーケストラでまた例えると、管楽器だけになってしまうとちょっと別なものだし、弦楽器だけだと別のものになるし、それが全部うまく聞こえる。
 そのブランドジャパンというものは、やはり見に来てくれている、聞きに来てくれている人たちが何を求めているかというのをある程度、ちょっと合わせたような出し方というのが非常に大事だと思います。すごく大ざっぱな話ではあるんですが、発表する側が考えて、何と何を集めて、組み合わせて、それをいつ、どうやって出すというのを戦略的に考えるのが一番重要かと思います。
 
【木部委員】  どうもありがとうございます。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。それでは続いて尾上先生お願いします。
 
【尾上委員】  尾上でございます。両先生の国際情報発信、国際発信の非常にすばらしい試みありがとうございます。1点ちょっと教えていただきたいのは、これは先ほどおっしゃっていただいたように、なかなか体制としてはたくさんでやっているわけじゃないということだったと思うんですけども、この記事、アーティクルを選んでくるとか、ピックアップするというのは、トップダウンというか、国際広報が全て選んでくるのか、何かボトムアップで、例えば研究所センターとかのディーンの方々とか、ディレクターが、こういうのをいいよと言って推薦してくれるとか、あるいは、例えば研究のURAみたいな方々がいろいろサーベイしてみてくれているとか、何かそういうメカニズムとしてはどんな形でやっているのかをぜひ教えていただければと思います。
 
【城山主査】  先ほどMcKay先生からも編集会議のお話ありましたが、どうしましょう、Kornhauser先生にまずお伺いして、その後、McKay先生にお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
 
【京都大学(Kornhauser)】  ほとんどは個人の研究者から直接来ています。全学から。一部、WPI拠点など、ある程度、研究部局の何らかの方針のあるところは、iPS細胞研究所もそうですけど、そういったところはもう少し中で詰めた上で、自分たちをどうやって見せるかというのを考えた上で、依頼がこっちに届いたりするんですけど、あとはほとんど個人からです。部局としてのまとめみたいなものは全くなくて、部局長の、何も相談もなしで、全部本部にそのまま直で来ています。
 
【城山主査】  McKay先生、いかがでしょうか。
 
【神戸大学(McKay)】  ありがとうございます。さっき申し上げた編集会議が中心なんですけれども、トップダウンとボトムアップ、両方でやっています。トップダウンというか、編集会議の皆さんで議論して、最近ニュースにあった話題とかから、誰かそういうような関係している先生がいないかというところを議論しています。もう一つ、その会議の中に、たまに、毎回URAの方が参加しているんですけども、あとはたまに入試課とか、卒業生とか、そういうようなところから人を呼んで、その見解とか、必要とニーズとか、いろいろ伝えてもらって、そこもインプットする情報として、情報収集しています。そして各部局に広報担当者も配置していますけれども、その方々にたまにメールを出して、最近こういう記事を出しましたよと。あと何かいい先生がいますかと推薦をしてもらっているということもやっています。以上です。
 
【尾上委員】  ありがとうございました。
 
【城山主査】  よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは後藤委員、お願いします。
 
【後藤委員】  後藤でございます。今回は3人の先生方、大変にすばらしい御発表ありがとうございました。本当に我々も勉強になりましたし、機構長おられますので、人間文化としても、いろいろ、また相談というか、考えることもあるのかなと大変に勉強になりました。どうもありがとうございます。質問は先ほどの尾上委員の話と少し重なるんですけれども、特に人文系のリリースが圧倒的に件数が少ないという原因は、それぞれのボトムアップ、すなわち、各部局であるとか、担当者からのプッシュの数がそもそも少ないのか。それとも、例えば取材に行ったりとかしても、そもそも何か、うまく情報が手に入らないのかというあたりについて、その辺りの原因といいますか、何か少しお考えのところがあれば教えていただきたいなと。お2人にお願いできればと思っております。
 それと関連して、ちょっとこれは論点がずれるところになるんですけども、特に国際的な研究成果、研究の発信という観点で見て触れておきたいものがあります。特に最近、私、個人的に思っておりますのは、日本の研究を国際化していくといったときに、日本の研究成果とか資料だけではなくて、研究そのものをどういうふうに国際的に出していくかということを考えなければならない。つまり研究者であるとか、研究のディスカッションをいかに国際的にやっていかなければならないかということを、今後考えていかないといけないんだろうなと。そこには言語の壁があるので、特に日本のことを研究している日本の研究者は、私も含めて決して英語が得意ではないとか、そのような課題はあるんですけども、とはいっても、やはりディスカッションなどをはじめとした、研究のプロセスをいかに国際化していくかということを今後考えていかないといけないのかなと個人的には思っております。
 多分DHに関連しても、例えば国際共通規格の議論なんかでもそうだと思うんですけれど、単純に輸入して合わせていくとかあるいは逆に資料を出して、この資料を海外の皆さん何とかしてくださいというだけではだめだと思います。日本なり東アジアなりの事情に国際規格を合わせていくときには、それに関わる研究者が出ていって、ディスカッションをして、規格の作り方に関わっていかないといけないと思うんですね。そういう観点からしても、研究をいかに、ディスカッションをいかに出していくかが重要かなと思っております。
 すみません、ちょっと長くなりますけども、その点からしても、アジアとか日本を対象とする例でちょっと恐縮ですが、アメリカだとAASというアジアを対象とする学会とかヨーロッパだとEAJSという日本研究の学会があったりしますけど、そういうところにも、さらに人文系・社会科学系の研究者を多く出していくとか、そういうことはやっぱり考えないといけないと思います。ここが伸びてくると、これは小泉先生が別のところで提案した国際的な共著関係指標、CNIというのがありますけど、そういうところが伸びるなどの、人文系の評価の可視化でも期待が持てるようになります。CNIは論文指標なので、できれば、書籍の指標として示していくなど、そういうことにしていけば、研究の見え方も今後変わってくるのではないかなと考えます。やっぱり人、研究者をどう見せていくかとか、研究のディスカッションをどう国際化していくかは重要かなと思います。これまでの文脈と違うところになりますけども、すみません、質問は最初のところになります。失礼いたしました。以上です。
 
【城山主査】  ありがとうございました。研究プロセスの国際化も大事な論点だと思いますので、これはむしろ御質問というよりか、あと時間があれば、皆さんに少し御意見いただければと思いますけれども。特に質問の部分ですね。ご意見があれば、プロセスの話もあると思いますが、Kornhauser先生、それからMcKay先生から、まずレスポンスいただけますでしょうか。
 
【京都大学(Kornhauser)】  Euanさん、もしよかったら先にどうぞ。
 
【神戸大学(McKay)】  分かりました。人文・社会系のプレスリリースが少ないということなんですけれども、これもそもそも各分野の文化ということだと思うんですね。理系のほうはプレスリリースするというのが当然だという、そういうような意識ができているんじゃないかなと思うし、あとプレスリリースできるような論文の発信する数、公開する数が全然桁違うぐらいだと思うんです。プロセス、作成プロセスが全然異なります。だから文化の違いということはあるし、もう一つ、じゃあプッシュしたら出てくるかという話です。結構前の話なんですけども、東京大学で広報をやったときに、経済学とか人文・社会科学とか、そういうようなところ、部局を回って話を、プレスリリースしませんかというのを説明したんです。説明したすぐ後に1本か2本が出てきたんですけども、それですぐまたなくなったということはあるんです。
 だからやはり、あまり先生たちも慣れてないということもあるし、そもそも、おっしゃるとおり、例えば日本の研究をして日本語で論文出しているんだったら、英語でプレスリリースを出すのは非常に困難なところもあるので、別の方法で宣伝しないといけないんじゃないかなというふうに思っています。そこで私たちがフィーチャー記事、特集記事とかに着目して、研究成果とかじゃなくて、専門家とか、人そのもの、その人を伝えていくというふうに考えてやっています。
 あとプロセスの話なんですけれども、ちょっと深いことは何も言えないんですけども、広報というものは、そもそも今の日本の大学、国立大学の中には、総務部の下にある広報課という、ほぼそういうような構造になっているんですけども、海外の大学を見るとコミュニケーションズという部署が大学の中の戦略とか戦略企画室に当たるようなもので、組織の中で非常に高い位置にあるんです。あとリソースも桁が違う、2桁違うぐらいものにもなっているという事実があるので、組織として広報の活動をどう評価しているかということが、1つの大きいネックだと考えています。そこでやはり、プロフェッショナリゼーションなども絡んでくるんじゃないかなと思っています。
 大体、発表の中で申し上げたんですけど、何か活動があって、事後に広報課に伝えて、じゃあ何か宣伝してねということがよくあるんですけども、そういうやり方じゃなくて、一緒に考えて、例えば神戸大学の人文系の研究者のことをもっと可視化していきたいということだったら、じゃあ一緒に何ができるかということを考えて、例えばパネルディスカッションのシリーズを実施して、そしてそれをWebに公開しますし、その上にそれを報告するような記事をまとめて発信して、それをメディアに伝えていくとか、何かいろいろ考えることはできるんですけども、一緒にプランニングしないと、もちろんそういうのはできませんので、だけどここはプロフェッショナルの広報があれば、そういうようなプランニングも一緒にできるかもしれませんけども、今のやり方とか体制では難しいんじゃないかなというふうに思います。
 あとはやっぱり研究のプロセスは、大学の職員が入ってくるというようなことが、いろいろ課題があると思うので、それもよく考えないといけないんですけども、それよりもうちょっと広報のプロフェッショナリゼーションと組織の中の評価とかを考えて、重要なことじゃないかなと考えています。
 
【城山主査】  Kornhauser先生、何か付け加えることありますか。
 
【京都大学(Kornhauser)】  ありがとうございます。非常にMcKay先生がきれいにまとめてくれた。うちのを少しだけ言いますと、うちのほうでも文化の違い、分野によっての文化の違いを非常に大きく感じるところがあって、やはりちゃんとした発表は学会でする。メディアと話をするのはちょっと距離を置きたいという、そういうちょっと抵抗を感じるようなもの、自然科学にもないことはないんですが、やはりその抵抗をより強く感じてしまうことがあるわけです。特に僕が注目したい日本文化、日本歴史に一番近いようなところに、むしろそういう抵抗が強いようにも思います。残念ながら。
 
【城山主査】  ありがとうございました。
 それでは続いて仲先生、お願いします。
 
【仲委員】  どうもありがとうございます。今日は本当に貴重なお話、ありがとうございました。私も専門は心理学、社会科学なんですが、大学を離れて、今は理化学研究所で理事をしているんです。広報にも関わる仕事をしていまして、大学のときに、人文・社会科学の成果を発信してもらう、と言ったらおかしいんですけど、そうやって広報してもらった形に比べると、自然科学の分野ではもっともっとそれが行われているなと強く感じるところです。
 御質問したいのは、こういった人文・社会科学の発信をして、さっき、McKay先生の話に、誰に、どこにというお話がありましたけども、効果測定的なことがなされていれば、そこを教えていただきたいと思いました。例えば理化学研究所ですと、プレスリリースを出したら、それがどれくらいメディアカバレッジあるのかとか、SNSとか、YouTubeとか、そういうところでも取り扱われるのかとか、どういう人が見ているのかとかいうようなことを分析したりして、こういう領域が今ホットなのかなとか、いろいろ分かるところもあったりするわけです。
 あと、いろいろな、科学記事を広く発信するような会社、組織、オーガニゼーションもあったりするわけで、どこに投げ込むかみたいな戦略もあったりするかなと思ったりするんです。人文学・社会科学に関しても、こういった効果測定のようなことがもしなされているならば、どんなことでも教えていただけましたらと思いました。よろしくお願いします。
 
【城山主査】  いかがでしょうか。どうしましょう、最初、McKay先生からお願いしてよろしいでしょうか。
 
【神戸大学(McKay)】  よろしくお願いします。ありがとうございます。効果測定は確かに広報で最も難しいトピックなんですけれども、とても大事なもので、全てのプロジェクトにできる限りマトリックスを埋め込んで、企画の段階からやっているんですけれども、でもやっぱり難しいところなんですね。
 ただやっぱり、プレスリリースに関しては、報道率とか、どこで報道されているかというのをピックアップして、あとSNSとかはもちろん、アクセス数だったり、Webページに出してプレスリリースもどれくらいアクセスされているかとか、最近は、アクセスしている読者の方々の属性とかは少し見えてくるようになっているんですけれども、正直、今のところで、そこは深い分析をしているわけではないです。
 あと、プレスリリースと記事を出した後に、研究者に直接アンケートを送って、プレスリリースを送って1か月後ぐらいに、本部で、大体こういうところにピックアップされましたとか、こういう連絡ありましたという情報を伝えて、そして先生に、何かありましたかと聞くんです。そこのアンケートが物すごく大事で、すごく役立つんです。そこで分かったのは、日本語は半数ぐらいは記者から連絡がありましたということが分かって、英語は3分の1ぐらいなんですけれども、ただ、英語はまだ少ない数しか今年は出していないので、まだデータが少ないです。
 あとは特に、例えば共同研究の依頼とか、企業からの連絡があったとか、そういうようなものを全部聞いて、チェックリストだけなので、こういうのがあったのだけはマークしてくださいねと言っているだけなので、非常にシンプルなアンケートなんですけども、物すごく大事なデータになっていて、そこで結構効果があるなと。ニュースメディア以外の効果が十分あるというふうに見えてきました。
 あと、発信のときにピッチングをやっています。例えばトピックによって、その分野とか、そのトピックについて過去に記事を書いた記者がいないか調べて、検索して、直接その人に、プレスリリースがあるんですけども、何か記事にしませんかと声をかけることをやっています。そこは、最初はちょっと苦労するんですけども、一度調べた人は、もうリストアップできるので、その後は何回も声をかけることはできますので、だんだんとジャーナリストデータベースが出来上がりますので、これは広報の財産としては非常に大事なものかなと考えています。
 
【城山主査】  ありがとうございます。Kornhauser先生、何か追加ありますでしょうか。
 
【京都大学(Kornhauser)】  そうですね、効果測定はMcKay先生がおっしゃるように、読者の頭の中がどうなっているかというような話になってくるのでほとんど理解不可能なんです。ただし、メディアはそういう意味では、誰が何を読んでいるかという、ある程度見えてくるものがあるので、そこでちょっと、あるものをできるだけ活躍できるようにはしようとしています。特にメディアの質というところが大事なんです。本当の有力メディアなのか、それとも、ただ広告ネタでやっていこうとしているようなWebサイトなのか、その区別が、国、地域によって様々なので、そういうメディア評価的なものも大事なので、そういったノウハウはまず、普通の事務職員には全くないことなので、そういうようなことも含めて、専門家の手が必要になってきます。
 
【仲委員】  そうですね。どうもありがとうございました。大変勉強になりました。ありがとうございます。
 
【城山主査】  ありがとうございました。
 続いてでは、井野瀬先生、お願いします。
 
【井野瀬委員】  3人の先生方、本当にありがとうございました。物すごく刺激を受けました。大学って広報、ほんとに下手なんですね。今日の話をうちの大学の広報に聞かせたかったなと思います。こういう研究者がいるというのはシーズとかでまとめてやっているわけなんですけれども、大学はやっているわけですが、多くの大学はそこまでで、あとは問い合わせがあれば答えるという的に、自分から積極的に打って出るとか、あるトレンドをつくるとか、そういうような発想は広報にはほとんどない。研究の紹介にとどまっている。それが自分たちがやっている研究がどうなるのかというようなことを、広報という頭で研究者が考えるのは、またこれはできないんですね。研究者はそういう動物ではないので、自分を振り返ってもそこは難しい。今日のお話を聞いていると、その先を考えないと、文部科学省はじめ、日本の研究力は低下しているということの、その先をどう考えるかという。これは単純に研究云々が低下しているとか云々の問題以上に、研究の見せ方であったり、言われた、広報のプロ化というか、プロの目とか、広報だからこそ入らなきゃいけない、研究広報ということで、研究者と中間をやっていける、それこそサイエンスコミュニケーターのような存在をきちっと育てないといけないというのが、私がお3方の御報告から受け取った最大のメッセージです。その点を刺激されたことがまず1つはお伝えしたかったということです。
 もう1つは御質問で、私は文系で、なかなか大学を中心とした研究職に就職できないという、研究職のポストを待つことぐらいしかできない。理系の研究者のように、企業が文系系の研究所を持っているというところがほとんどないので、やはり大学のポストということになるんですが、そうじゃない、今言ったサイエンスコミュニケーター的な役割を大学の中で育成していく場として広報というのがひょっとしたらあり得るのかなと思う。
 その視点からの御質問なんですが、大変失礼な質問になっちゃうかもしれないんですが、Kornhauser先生、McKay先生、今、広報でおやりになっている、このお仕事、企画とか翻訳も含めたキャリアをアップしていくとか、そういった、画面にアップするとかを含めた、今のキャリアは、それぞれの御専門にとってどういう意味を持っている、あるいはその部分とは関係がない。そこも含めて、若手のキャリアパスというところに、今先生方がおやりになっていること、小泉先生が指揮を執って、国全体で進めようとしていることにつなげられないかなと思うんですけれども、少しお話を伺わせていただいたらと思います。よろしくお願いします。
 
【城山主査】  3人の方からレスポンスいただければと思いますが、どうしましょうか。McKay先生、Kornhauser先生、小泉先生の順番でよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
 
【神戸大学(McKay)】  よろしくお願いします。ごめんなさい、ちょっと質問を理解しているかちょっと分からないですけども、自分のキャリアパスのことについて、こういうふうなところにたどり着いたということと、それからじゃあ、どうやってそれをほかの方の参考にできるかというようなところでしょうか。
 
【井野瀬委員】  そう読み替えてくださって結構です。
 
【神戸大学(McKay)】  自分はもともと歴史とか国際関係史とかをやっていて、広報の本当にたまたま始まった、論文を書いているときに、博論書いているときに始まったものだったんですけども、結局僕は、研究とかいうより、ほぼ大学のアドミニストレーターの仕事を多くやってきたんですね。広報に巻き込まれてしまって、そこからそればかりやっていくようになったんですけども、なぜ無職になってないかというと、日本語もできる英語ネイティブで、そして広報のスキルをある程度身につけたということだと思うんですね。だからそんなに、自分で言うのもあれなんですけども、ある程度必要な人材として、大学が求めるような人材として、そういうスキルを持っているということと、そういうような人たちが非常に少ないということなんです。やはり大学の組織の中に、日本語で仕事をちゃんとできる外国人はそこまで多く、今でも増えているのは増えているんですけど、まだそこまで多くはないんじゃないかなと思って、その上に十二、三年間ぐらいの広報の経験もあるということと、プラス研究も少しやっていますので、大学のそこの貢献は、少しはできるということですね。
 だからそういうような、英語で言うと正直、Jack of All Trades and a Master of Noneという表現があるんですけども、多くの分野にはある程度の浅い知識はあるんですけども、どこかですごく深い理解とか知識があるところはない、専門性があるというところはないかもしれませんけど、それが今、広報になっているかもしれません。だから仕事を考えるときに、どのようなスキルが企業とか大学が求めているかと考えて、どこに人が足りていないところがいるかと考えて、そしてそれに合わせて、自分がどのようなスキルを身につけられるかということの辺りに何かあるんじゃないかなと思うんですね。
 ただ、文系の人は、企業で仕事がないというのは、僕はちょっとそうかなというところがあるんです。今、例えば文系だったら、質的データの使い方とか、いろいろ詳しい方も多いし、社会科学系でしたら量的データも扱える人も多いので、こういう今のデータサイエンスの分野だったりとかで物すごく重要なAIの時代では、非常に重要なスキルだと思うんですね。ただ、コンピューターサイエンスをやったから、それで、そのような仕事はできるんですが、そうじゃない分野から、非常に必要としているスキルもあるのでそういう辺りで、そういう文系の方々にもキャリアパスがあるんじゃないかなと思っています。すみません、あまり答えになっていないかもしれませんが、そのように考えています。
 
【城山主査】  ありがとうございました。ではKornhauser先生、よろしくお願いします。
 
【京都大学(Kornhauser)】  僕は非常に次世代をどうするか、どう教育するかということにちょっと懸念があって、1つ国内に、ジャーナリズムを1つの分野として勉強する場所が少なくて、ましてやそれを科学コミュニケーションまで持っていって、専門にするというようなトレーニングができる場が少ないです。さらに、それを分かる海外からの知識を持った人たちがいるかどうか。日本語力を身につけたような人たちがいるかどうかというと、さらに人数が少なくなってくるので、どっちかというと、そういうジャーナリズム、メディアの知識、メディアリテラシーを学ぶような場所、プログラムみたいなものが欲しいと思います。あるいは、せっかく日本に興味があって、日本で活躍している外国人を、より、大学の中にリクルーティングして、こういうような仕事に就くようなキャリアパスをつくるということを考えるもいいかなと。
 
【城山主査】  小泉先生、いかがでしょうか。
 
【自然科学研究機構(小泉)】  はい。クイックに。僕はキャリアパスをとても重要だと思っています。最終的にはやはり、うちは例えば天文台や本部もそうなんですが、テニュアで広報担当者も雇っているので、もう安心してテニュアでやってくれと。教員として、教授、准教授職で広報をやるという人がおります。そういった形でしっかりとキャリアパスをつくって、しっかりと大学の中で位置づけていくということが専門職として重要なことになるんじゃないかなと思っています。以上です。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。
 
【井野瀬委員】  ありがとうございます。
 
【城山主査】  今いただいた論点は、名子さんのところでも若干、技術補佐員みたいな話がありましたけれども、ある種、研究サポートでサイエンスコミュニケーションにしろ、URAにしろ、比較的理系はあると言われていて、本当にあるかどうかはまた別問題かもしれませんが、そういったようなものが文系の世界でどういう形であり得るかという辺りが1つの論点かなと思いますので、引き続き議論させていただければと思います。
 田口先生、よろしくお願いします。
 
【田口委員】  田口です。3人の先生方、本当に興味深いお話、どうもありがとうございました。大変興味深く伺いました。これまでの尾上先生や後藤先生、それから井野瀬先生のご質問にも少し重なるところがあるかもしれませんが、まずKornhauser先生がおっしゃっていた、人文系からのプレスリリースが非常に少ないという点。これはやはり、その後で、質疑応答の中でKornhauser先生がおっしゃっていましたけど、やはり理系と文系の雰囲気の違いというか、メンタリティーの違いというのはすごく大きいかなと思っています。私も理系の研究者と近年関わるようなってきて、見ていると、やはりプレスリリースというのをごく普通に、自然に、やるのが当然と思っているようなのですね。それに対して文系の研究者はプレスリリースなんて考えたこともないという人が大部分で、何かの拍子で、例えば理系の研究者と共同研究してプレスリリースとかということになって、初めて、ああ、そういうのもあるのかなというふうに知るという感じだと思うんですね。
 そういうことなので、やはりMcKay先生がやっていらっしゃるような、広報のほうからある程度ピックアップして先生に声をかけて、こういう研究をちょっと広報したいんですけどというふうにやることが非常に重要だろうと思うんです。多分、人文系の研究者では、謙虚なのか何なのか分かりませんけども、自分の研究がそんな広報に値すると思っている人はすごく少ないと思うんです。多分かなり少ない。そういうわけなので、やはりそういうふうに声かけしてもらったら、初めて、じゃあやってみようかという気持ちになると思うんです。ただ、その声かけの場合にも多分、広報に携わっていらっしゃる先生方や職員の方々は、どういう研究をピックアップしたらいいのかという点で非常に苦労していらっしゃるんじゃないかなと思うんです。
 その苦労する理由の1つとして、ちょっとどこかでお話がありましたけれども、一般の方々から見た有名な先生、人文・社会系で有名な先生というのと、それから学者の目から見た有名な先生、すごく重鎮の先生というのがかなり違うということがあると思うんです。一般のマスコミとかでは非常に有名なんだけれども、学会では特に名が知られていなかったり、逆に学会では誰もが認める重鎮なんだけれども、マスコミや一般社会には全く知られてない方もいる。こういうケースが非常によくあると。そういうこともあって、Kornhauser先生、さっきちょっとおっしゃいましたけど、日本史とか日本文化とかを研究していらっしゃる先生で、ぜひこの研究をアピールしたいという先生方が、むしろちょっと広報に後ろ向きで、あまりマスコミとかに関わりたくないと思っていたりするというのも、そういう背景があるかと思うんです。
 そういうわけなので、やはりそういう人文・社会系の、真に広報すべき、真に知られるべき研究をきちんと知らせていくような目利きの方々というのは必要な気がするんです。広報の分野でそういう目利きの方というのもいらっしゃるだろうし、文科省の中にもそういう目利きの方、いらっしゃると思うんですが、やはりそういう広報に特化した形で、広報すべき研究をピックアップする目利きの人材というのを育成していかなきゃ駄目なんじゃないか。それも、もしかしたら個々の大学でやるのはなかなか厳しいから、例えばJSTのような機関が、日本全体に関わるような形で、そういう目利きの方というのを育成していくというのが必要なんじゃないかという気もするんですが、そういう点に関して何かお考えとか、あるいはアイデアとかありましたら、是非聞かせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
 
【城山主査】  おそらく、文化の話の背景の理解の仕方の問題と、それに対する対応ということに関わるかと思いますが、いかがでしょうか。だんだん時間がなくなってきているので、恐縮ですが、簡潔にコメントあればお伺いできればと思いますが。ではMcKay先生、お願いします。
 
【神戸大学(McKay)】  ありがとうございます。非常に大事なところだと思いますし、私ももともと歴史、特に戦争あたりの捕虜とか抑留者の調査もやっていたので、そもそもメディアと関わりたくないという本音が最初にあるので、やはりプレスリリースしてみないかということを言われても、絶対やりたくないというのが基本スタンスだと思うんですね。もちろん分野によって違うんですが。対してその目利きの方という、私たちは今、さっき申し上げた編集会議で、そういうような役目を果たしてて、そのメンバーの1人2人が、もともと神戸新聞とかの記者の方が入っているので、今、神戸大学に勤めている方がいるので、そこで結構時事のネタとか、何が報道されているかとか、みんな読者は何に関心を持っているかというのを十分理解されているので、それは、私たちはそんなに苦労してないところなんですけども、ほとんどの大学はそういう人がいないので、確かに人材育成とか必要と思いますし、例えば東京大学ではURAの育成プログラムを準備して、その資格もつくっているので、同じように広報担当者、プレスオフィサーとかを資格化すればいいんじゃないかなと思っています。そうすると、資格を持っているんだったら、多分雇用がまたやりやすくなるんじゃないかなと思いますので、ぜひ検討していただきたいなと思います。
 
【城山主査】  Kornhauser先生、何かございますか。
 
【京都大学(Kornhauser)】  まさにそのとおりなんです。一部のURAはそういうものを目指していたりもしているんですが、どっちかというとURAは組織としては、科研費をどうやって効率よく取れるかというような辺りがメインになってくるので、そのプレアワードのほうが強くてポストがあまりというような感じが多いように感じるので、一番の研究の出口となる広報という辺りをどう扱うかというのが、例えばそういうようなURAを育成するというのもありかもしれないですが、本当はコミュニケーター、広報担当者をよりしっかり育てるのが重要かと思います。ありがとうございます。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。恐縮ですが、時間があと3分になっているので、恐らくまず、皆さんの質問をちゃんといただくことが大事かなと思うので恐縮ですが、最初に北本先生、白波瀬先生、安田先生、質問をそれぞれいただいて、ちょっとまとめた形で、最後レスポンスいただく形にさせていただければと思います。
 それでは北本先生、最初によろしくお願いします。
 
【北本委員】  皆様、非常に重要なことをおっしゃっていたと思うのですが、時間もありませんので、特にKornhauser先生にお聞きしたいと思っています。私自身はブランドジャパンという言葉に非常に惹かれました。私自身がやっている研究も、ある意味では同じ方向を目指していると言えます。私の場合は、情報技術を使って日本文化をデータベースやアプリなどの形で伝えようとしていますが、その点からも参考になりました。とはいえ、単に発信するということと、ブランドをつくるということの間には、かなり大きなギャップがあります。自分が実行できることはすごく小さいですし、外の人が欲しいと思っていることとも大きな違いがあります。ブランドジャパンという言葉はかなり遠くにあるように思えます。
 ブランドという言葉の意味について、1点確認したいことがあります。これは、ブランドが既に世界の中で確立している分野をもっと発信しましょうという意味なのか、それとも広報によってブランドをつくっていけるような発信をしましょうという意味なのか、どちらでしょうか。
 もう1点は、もし後者の意味だとすると、そのような広報で成功例はあるのでしょうかという点です。例えば大学ブランドをつくるというレベルならあるかもしれませんが、国家ブランドをつくるというのはなかなか大きな話で、そういう成功例があるのかどうか。以上2点についてお聞きしたいです。
 
【城山主査】  では白波瀬先生からもお願いできますでしょうか。
 
【白波瀬委員】  よろしくお願いします。McKay先生、どうも、お久しぶりでございます。ご活躍で、残念というか、しっかりとどめておかなかったぞと、ちょっと本当に後悔しているんだけど、どうもありがとうございます。大変貴重なお話をありがとうございます。
 2点あります。これも質問ということではないんですけれども、文系はねという話があって、やっぱり理系の場合、そういう意味で、自分の成果なりが、発信するということとリンクしている部分がありますので、モチベーションのところですごく違うということですね。ですから文化というところばかりを強調されてしまうと、でも正直、私自身がちょっとそういうのはいいわというところなので、偉そうなことを言っていても。ただ、これがやっぱり研究というか、1つの仕事としての部分ということであれば、やっぱりぱっといくと思うので、そういう意味で、これは最初にMcKay先生からも、あとKornhauser先生からもあったんですが、やっぱり専門家を、プロフェッショナルをしっかり各大学が持って、広報という非常に重要な。おっしゃったんですけど、今本当に、大学だけじゃなくて、国際機関はコミュニケーションというところで展開している戦略であります。ですからこの戦略をどういうふうに組織として展開するのか。そういう意味では、もちろん大学別々なんですけれども、本来であれば、私はやはり各大学で、戦略として位置付けるべきで、その予算は、それなりにやはり位置づけないと勝っていけないぞということですので、予算を追加的に、全体として準備することは必要なんでしょうけれども、一緒にしちゃうというのはどうかなと、すごく思いました。そういう意味で、いろいろなところで情報共有していただくというのはすごくありがたいけど、よい意味で競争原理も、広報間であって、しっかりコミュニケーション戦略があったらすごくいいなと思いました。感想です。以上です。
 
【城山主査】  ありがとうございました。それでは安田先生、お願いします。
 
【安田委員】  私も今のお話とかなりかぶる部分があるのですけれども、私は理系の研究者なので、聞いていたことのどちらかというと感想なんです。今日も本当にすばらしいお話というか、目からウロコのお話をありがとうございました。私の中で整理すると、まず、やっぱり広報の意義というのが幾つかあって、理系だったら当然、研究成果を伝えるということだけだったと思っていたんですけれども、実は人文・社会においては文化の醸成、その国の文化を醸成していくための手段というか、学術というものがその文化を下支えしていて、それを発信していくことの重要な基盤であるかのようなお話のように、ちょっととんちんかんだったら申し訳ないんですけれども、そういうふうに私は取れました。
 あともう一点、人文・社会系の国際化といったときに、理系とやっぱり違うというところは、理系は国際共同研究をすることによってメリットがあって、やっぱり共著もすごく多いので、我々はやっぱり発信することですごくメリットがあるんですけれども、人文・社会の先生方にとって、越境研究というか、国際的な共同研究とか越境研究みたいなものが、どれだけ学術的に、ご本人たちの中にメリットがあるのかというところによって、やっぱりこれの波及効果というか、どこまで研究者の方々が踏み込んでくれるかというところは変わってくるかなというところをちょっと感じました。
 ここは私理解できないというか、ちゃんと実態が分からない状態で言っているんですけども、そういう中で、1つ重要なのはやっぱり評価だと思うんですね。理系においても、やっぱり越境研究をしたりだとか、あと地域貢献系の研究のというのは非常にマトリックスの中に出てきにくいので、研究者として、インパクトファクターとか何とかという分かりやすいものはないので、評価されにくいみたいなもので、特に若手研究者とかが踏み込んでいくのが難しいみたいなところはあるので、文系の分野においても、そういった国際共同研究をしたときの評価みたいなものが、価値があるものだということをちゃんと見いだしてくれる人がいて、それが評価されることはすごく重要かなと思いました。
 あと広報、ほんとに各大学で、こんなにクリエーティブに、限られた時間とリソースで、本当にすばらしい仕事をいっぱいされているというか、物すごい知恵を絞ってされていて、これは各機関として当然、大学の戦略としてすごく重要な面というのは1つあると思うんですけれども、もう一つ、やっぱり集約というのは国がやるべきことですごく重要かなと思っています。例えば日本は、名前をちょっと忘れてしまったんですけども、サイエンスコミュニケーションセンターみたいな、たしかイギリスとかはあるんですけれども、フェイクニュースが出てきたときにそれをたたくというか、それがフェイクでこれが正しい情報だということをぱっと言えるような信頼できる機関みたいなのが日本はなかったと思います。いろいろ、6か国ぐらい比較したときにない。
 これは、やっぱりそういうものが、Ph.D.を取った人、文系理系問わず、そういう人たちがちゃんと社会的地位も確立された中で、そういうところで働けるというか、それで国内においては当然フェイクニュースをたたいたりだとか、正しい情報をきちんと発信する、外務省の方も前話したときに言ったんですけど、コロナとかになったときに、突然有事になったときに、突然誰に聞いたらいいか分からないという状況がどの省庁でも起きているし、いろんなところで、企業連携とかのときにも起こっているということを考えると、やっぱり各大学が出してきた広報とかの情報とかを集約する場所というのが国の中であってもいいかなと思いました。国外に当然、国内の研究者の情報だとか、誰が何をしたのかということを発信するのと同時に、やっぱりブランドジャパンみたいな面では、できたら国の組織のようなもの、集約されたもののところで、そういう文化みたいなものを海外にも日本国内にも発信していくみたいなことができるといいのかなと聞いていて思いました。
 やっぱりキャリアパスという意味でも、Ph.D.取った人どうするのというときにも、やっぱり国民にも信頼されて、それなりの地位のある場所というのをもうちょっとそういう形でやれると、アカデミア全体がすごくよくなるんではないかという、社会全体もですね、よくなるんじゃないかなと感じました。以上です。すみませんコメントです。ありがとうございます。すばらしいお話。
 
【城山主査】  ありがとうございました。すみません、最後せかしてしまったような感じになりまして。恐らくブランドジャパンの話は質問としてありましたので、その辺を中心に、Kornhauser先生に若干レスポンスいただいて、あとの点も含めてMcKay先生も何かありましたらレスポンスいただければと思います。それではKornhauser先生、よろしくお願いします。
 
【京都大学(Kornhauser)】  ありがとうございます。非常に鋭い御指摘ありがとうございます。どっちかというと既に海外で確立しているブランドイメージのことです。僕が伝えている意味としては。要するに日本はこういうものを持って、ちょっと謎の部分もあってもっと知りたいという、そういうようなエキゾチック部分がある。ただし、それに合った研究を誘導するのではなくて、研究は研究としてあるものなので、そのマッチできる要素、つなげられる部分をうまく見つけ出して、それにちょっとひっつくような感じで一緒にメッセージが強化されるような出し方をする。そういうような話なので、決して研究そのものを変えるのではなくて、その見せ方の問題です。そういう話です。
 
【城山主査】  ありがとうございます。McKay先生、何かございますか。
 
【神戸大学(McKay)】  安田先生がおっしゃっていた、サイエンスメディアセンターということだと思うんですけれども、日本にも早稲田大学の田中幹人先生を中心につくっていたんですが、JSTの支援があったと思うんですが、なかなか支援の継続が問題で、今はあまり活動、そこまでできていないんじゃないかなと思うところなので、やはりこういうような、大事な活動をちゃんと予算を当ててサポートすべきと思っていますので、残念ながら、そういうような状況にはなっていないです。そこだけちょっとコメントさせていただきます。
 
【城山主査】  ありがとうございました。コミュニケーションの話は大学レべルだけじゃなくて、まさに、かなり重層的な仕組みを社会としてどうつくるかということなので、これはこれとして、何らかの形で、どこかで議論すべき話かなと思いました。どうもありがとうございます。すみません、タイムマネジメントが悪くて、最後、少し押した形になりましたけども、以上で本日の議論とさせていただきたいと思います。
 
【髙田学術企画室長補佐】  失礼いたします。事務局でございます。今、小泉先生が何かコメントを。
 
【城山主査】  そうですか、失礼しました。
 
【自然科学研究機構(小泉)】  ごめんなさい、一言だけ。今のお3人の質問とも関連するのですが、McKayさんが一番初めに言っていたように、EurekAlert!が少し機能を強化して、研究者を紹介するということをしようとしています。1万2,000人のアクティブなジャーナリストが、彼らが登録されている中に、こういうのがあったときに誰に聞けばいいというところで、プレスリリースやフィーチャード記事から研究者を特定して、ああ、こういうことだったら何とか先生に聞いてみたらということを、AAASが仲介してやろうとしています。
 そういったときに、今の状況だとまずいのが、日本の憲法について知りたいというジャーナリストがヨーロッパやアメリカにいた場合に、今、プリンストンの研究者が紹介されちゃいます。日本の研究者が紹介されない状況になっています。これ本当にまずいと思っていて、ちゃんと日本の研究者が、ちゃんとAAASのEurekAlert!に登録されているという状況をつくらないと、今、日本のそういう人たちがヘジテイトして載せなくてもなということではなくて、やはり神戸大学がやられている、McKayさんがやられているみたいに、フィーチャード記事でどんどん載せていくと。こういう研究者が神戸大学にいますよということをちゃんと伝えていかないと、日本の憲法を知りたいときに海外の研究者が紹介されちゃうというような状況はまずいと思うので、そこはコレクティブアクションで、ぜひ国としてもやっていくべきかなと思いました。ごめんなさい、最後一言だけ付け加えました。
 
【城山主査】  どうもありがとうございました。大橋先生と青島先生のコメントがチャットのところにありますので、見ていただければと思います。
 それでは事務連絡等、事務局からよろしくお願いします。
 
【髙田学術企画室長補佐】  事務局でございます。先生方、活発な御質問、御意見、どうもありがとうございました。次回の本委員会につきましては、既にお知らせいたしました通り、12月22日、金曜日、14時から開催の予定としております。また、本日の議事録につきましては、後日メールにてお送りさせていただきますので、御確認のほう、よろしくお願いいたします。連絡事項は以上となります。
 
【城山主査】  ありがとうございました。
 それでは本日はこれで閉会とさせていただければと思います。皆さんどうもありがとうございました。
 
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