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第9期研究費部会(第5回) 議事録

1.日時

平成30年1月26日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

東海大学校友会館「望星の間」

3.議題

  1. 科学研究費助成事業(科研費)に係る平成30年度予算案について
  2. 国際共同研究強化の枠組み変更に伴う応募要件等について
  3. 科研費における研究組織の在り方について
  4. その他

4.出席者

委員

西尾部会長,甲斐部会長代理,白波瀬委員,小川委員,小安委員,城山委員,鍋倉委員,射場委員,竹沢委員

文部科学省

磯谷研究振興局長,板倉大臣官房審議官,小桐間学術研究助成課長,石田学術研究助成課企画室長,他関係官

オブザーバー

西村学術システム研究センター副所長,永原学術システム研究センター副所長

5.議事録

(1)科学研究費助成事業(科研費)に係る平成30年度予算案について

【西尾部会長】 第9期第5回の研究費部会を開催いたします。
 まず,事務局に人事異動があったようですので,御紹介を願います。
【小桐間学術研究助成課長】 1月16日付で研究振興局長の異動がございましたので,御紹介をさせていただきます。
 関靖直前振興局長の後任といたしまして,磯谷桂介研究振興局長が着任いたしました。
【磯谷研究振興局長】 16日付で研究振興局長を就任しました磯谷です。
 2006年の秋から2008年ぐらいまで,学術研究助成課長をしておりまして,そのときに,本当に研究費部会の方々にはお世話になりました。10年以上たちましたけれども,当時,新学術領域を創り,学術調査官の先生や研究費部会の先生方と科研費改革をやりましたけれども,今まさに科研費改革を昨年からまたやっていただいているということなので,研究振興局の一員として,先生方の御指導を頂きながら,学術研究の振興に貢献していきたいと思っておりますので,どうかよろしくお願いします。
【西尾部会長】 力強いお言葉,どうもありがとうございました。
 それでは,本日は,科研費の平成30年度予算案,国際共同研究強化の枠組み変更に伴う応募要件等に関する報告をお願いいたします。
 なお,本日は,日本学術振興会より,西村,永原,両学術システム副センター長のお二人には,オブザーバーとして御参加いただいております。どうかよろしくお願いいたします。
 次に,事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【石田企画室長】 本日の資料につきましては,お手元の資料の上にございます議事次第に記載されているとおりでございます。
 個々の資料名の読み上げは省略させていただきますが,万一,資料の欠落等がございましたら,事務局までお申し付けいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 それでは,初めの議題に入ります。
 科研費の平成30年度予算案について,事務局より説明をお願いいたします。
【小桐間学術研究助成課長】 それでは,資料1-1をごらんいただきたいと思います。
 平成30年度予算案でございますけれども,2,285億5,000万円となってございまして,対前年度2億円の増額となっております。
 資料中段の右の方に,平成30年度資料の骨子を載せてございます。柱立てが2つございます。1つ目が,「科研費若手支援プラン」の実行というものでございます。これは,若手研究者のキャリア形成に応じた支援を強化しつつ,オープンな場での切磋琢磨を促すものでございます。
 具体的に申し上げますと,従来の「若手研究(B)」及び「基盤研究(B)」の各種目を充実するというものでございます。
 もう一つの柱が,国際共同研究の推進でございます。従来の「海外学術調査」につきましては,研究対象や方法がフィールド調査等に限定されておりましたが,これを一般化することで,国際共同研究の推進を図るものでございます。
 平成30年度予算案でございますけれども,一連の科研費改革の内容を踏まえたものになってございますので,ここで少しだけ科研費改革の現状等について御説明をさせていただきます。
 資料1-2をごらんいただきたいと思います。
 4ページが,科研費改革の流れを時系列で示したものでございます。平成30年度のところをごらんいただきますと,「科研費審査システム改革2018」,それから,右の下の方に「『科研費若手支援プラン』の推進」,あるいは「若手研究(A)」の「『基盤研究』への統合」,それから,「若手研究(B)」の「名称変更」といった,研究種目の見直し等が行われていることになっております。
 このように,各種の改革が一斉に行われる年でございまして,科研費改革の節目の年となっております。
 もう一枚めくっていただきまして,6ページをごらんいただきたいと思います。
 まず,審査システムの見直しにつきましては,左側の四角にございますが,従来の審査システムでは,最大で400以上の審査区分に分かれておりました。平成30年度助成分からは,従来の「分科細目表」を廃止いたしまして,区分の大くくり化を行っております。
 審査方式につきましては,大型種目につきましては,総合審査方式,また,小型種目につきましては,2段階書面方式というものを実施いたしまして,より多角的で効率的な評価を目指すこととしております。
 続いて,7ページでございますが,研究種目,枠組みの見直しについてでございます。真ん中あたりをごらんいただきますと,(1)のところですが,従来の「挑戦的萌芽研究」につきましては,既に平成29年度助成から新種目である「挑戦的研究」に移行しておりまして,助成額も500万円から2,000万円以下に拡大しております。
 それから,右の(2)でございますが,「若手研究」についてでございます。先ほど申し上げましたが,平成30年度助成から「若手研究(A)」の新規公募を停止いたしまして,「基盤研究」に統合することとしております。これは,ある程度,実力のある若手研究者につきましては,若手に限定した特別な支援を行うよりも,シニアな研究者と同じ土俵で戦ってもらうという方が,キャリア形成の観点から望ましいと考えられているためでございます。
 次の8ページでございますが,今申し上げました「科研費若手支援プラン」を図示したものでございます。ここで言う「若手支援プラン」といいますのは,若手に限定した支援のみを指すものではなく,科研費全体のパッケージの中で,若手から中堅層に至る研究者のキャリア形成に応じた支援を強化するものでございます。
 具体的に申し上げますと,若手研究種目に加えまして,基盤研究種目の拡大を目指すというものでございます。
 最後,9ページでございますが,改革の3本目の柱であります,柔軟かつ適正な研究費使用の促進についてでございます。昨年3月24日付で高等教育局,研究振興局の連名によりまして,事務連絡を出しております。大学等における,いわゆる過度のローカルルールの改善をお願いしたところでございます。
 また,科研費ハンドブックにおきましても,「直接経費使用の考え方」について,詳しい説明を記載しております。
 なお,申し上げるまでもございませんが,科研費は適正に使用されるということが当然の前提でございまして,万が一,研究費の不正使用等の事例が起こりますと,不正に関わった研究者本人だけではなく,所属機関,あるいは我が国の学術研究に対する信頼も損なわれることになるわけでございます。そうしますと,科研費も含めて,研究に対して多額の国費を投入するということにつきましても,国民の理解を得ることが難しくなってしまうわけでございます。
 文部科学省といたしましては,こういった不正行為の事前防止に万全を期すよう,各研究機関に重ねてお願いをしているところでございます。
 以上,簡単でございますけれども,平成30年度予算案の説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 ただいまの御説明に関連しまして,応募件数の増加について,事務局と作業部会の小安主査から補足があると伺っておりますので,よろしくお願いいたします。
【石田企画室長】 まず,事務局から,補足の説明をさせていただきます。資料の一番下に参考資料1,2というものがございます。
 これらの資料は新しい資料ではなく,通常活用している科研費の概要説明資料並びに前期の審議会で御議論いただいて,公表している資料でございます。
 まず,参考資料1でございますが,一般的な概要資料でございます。先生方におかれては,ごくごく一般的な御案内の事柄でございます。再度確認いただきたいのは,右側,先ほど当課課長より来年度予算案の説明をさせていただきましたけれども,近年,予算額には基金対象研究種目がありまして,複数年度分一括計上されている年度が平成23年度以降,含まれておりますことから,少し下がっているように見えますけれども,各年度における,その年度に助成する金額の予定額というのは,同程度の規模で推移しているわけでございます。
 しかしながら,ぐんと伸ばせているかというと,そうでもないということでございます。繰り返しになりますが,来年度科研費の予算は,約2,286億円が予算案ということでございまして,対前年度2億円の増でございました。我々,まだまだ頑張りが足りないとお叱りを頂くことを覚悟の上で申しておりますけれども,文部科学省の科学技術関係予算総額で対前年度5億円増の中,科研費については,厳しいながらも一定の御配慮を頂いたものだと認識しております。
 しかしながら,大きく伸ばそうとしても,近年なかなか難しい現状が続いているということは,ごらんいただいてお分かりのとおりかと思います。
 他方,左側に目を移していただきたいのが,「科研費の応募・採択件数,採択率の推移」というものでございます。予算がなかなか増えない中,応募の件数というのは,ごらんいただいて一見して御理解いただけるように,右肩上がりの状況が続いているところでございます。
 これは,研究種目によって差はございますけれども,アベレージで表示しますと,新規の採択率というものも,応募件数10万件超に対して,約2万5,000件ということで,二十五,六%の推移の状況でございます。応募の件数の増というのも,なかなか感化できない状況であるわけでございます。
 参考資料2をごらんください。こういう問題意識は,これまでも持っていたところでございまして,前期の審議会においても御議論いただいた経過がございました。
 こちらは,研究費部会,科学研究費補助金審査部会の双方で応募件数増に対する考え方,取るべき対応等について御議論いただいて,得られた結果をおまとめいただいたものでございます。
 第8期における考え方としてまとめられております。見出しに「応募増加の背景等」というものがございます。1番の中からは,科研費への応募は,研究者ら自らのアイデアを磨く機会であって,その増加は研究をめぐる競争が激しくなる中,研究者が強い意欲を持って研究活動にまい進している実情を表しているというのが基本的な見立てであります。
 2番,他方,近年,科研費への応募が急増している要因としては,大学等における組織的な取組の広がりもあるという分析でございます。
 下3行でございますが,一応,前期における考え方としては,大学等の組織的な取組の具体的な在り方については,各機関の自主的な判断によるべきものであるが,飽くまで研究者の自由な発想を尊重する学術研究の本旨を踏まえた適切な対応を期待するというのが,審議会としての強いメッセージであったというのが事務局としての受け止めでございます。
 以降,「当面の対応の考え方」として,3ポツに一部掲げてございますのは,審査負担が年々重くなっている。その軽減策の検討・実行は急務となっているという問題意識。
 さらに,将来的な対応の在り方というのは,5のところの下3行,将来的には,基盤研究種目や応募要件の在り方を含め,制度,システムの根本に立ち返った議論を行っていくことも視野に入れて対応する必要があるというところまでで,一応,前期は議論が終結したということでございます。私ども,科研費改革の進展に合わせて,いろいろな対外的な説明の機会等を通じて,こうした審議会のメッセージも周知させていただいているところでございます。
 補足は以上でございます。
【西尾部会長】 そうしましたら,小安先生,お願いできますか。
【小安委員】 今,事務局から来年度の予算のことを御説明いただきましたが,年度増2億円ということで,多くの大学の先生方から見れば,まだまだではないかとお感じなのではないかと思います。その反面,昨今の非常に厳しい予算状況の中で,事務局には非常に頑張っていただいたのではないかと思います。
また,研究費部会の一メンバーとしては,私どもが進めてきた議論が十分に考慮された上,このような形になったのだろうと改めて感謝する次第です。
今後ですが,やはりこのような厳しい財政状況の中で,大幅な増額というのはなかなか難しいだろうなということは皆が感じているところだと思います。その中で,先ほど事務局から参考資料で御説明いただいたように,応募件数は右肩上がりを続けております。平成28年度までは,新規採択数も増えておりましたが,そこもなかなか厳しいという状況になっているのは,資料をごらんいただくと分かるのではないかと思います。
私どもとしては,この応募件数の増加に関する議論も行ってきました。特に「基盤研究(C)」の応募件数は著増しております。したがって,限られた予算の枠内で政策目標である採択率30%を維持することは,大変困難になってきていると思います。
 大学において学術研究に取り組まれている方々から見れば,基盤研究経費が減少している中で,科研費の重要性ということは非常に強く認識され,その結果として,応募件数が増加する,これはある意味,仕方のない,自然なことだろうと思っています。
 しかし,先ほど申し上げた,採択率の問題とは別に,応募課題をきちんと丁寧に審査することを考えると,要するに審査員の負担が非常に大きくなっているのも事実です。
 今年度で言いますと,今,この冬,多くの方に科研費の審査をしていただいたわけですが,1人当たりの審査数は100を上限にするという目標を立てて学術振興会でやってこられたと私は理解していますが,「基盤研究(C)」の審査数は110,120という数に,実際なってきています。これに関しては,かなりの研究者から,一体どうなっているんだということを言われるような状況になっていますが,このような審査の負担も非常に大きくなってきています。
私が主査を務めさせていただいています科研費改革に関する作業部会においても,重複制限の在り方を考える際などにも,やはり応募件数の増加を無視して,いろいろなことを考えることはできないという議論が度々なされています。若干,本末転倒な議論になる場合もしばしばあります。やはり様々な改革過程を検討する中で,応募件数の著増に対してどう対処するかということを,作業部会でも少し議論を始めさせていただきました。
したがいまして,このことについて,どこかのタイミングで,この研究費部会にも検討結果を御報告して,皆さんと議論させていただきたいと思っておりますので,西尾部会長を始め,委員の皆様にその点,御理解いただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 科研費の応募件数の増加は,先ほど来,いろいろと御説明がありましたように,科研費制度の運営そのものに関わる大変重要な事項であるということを強く認識しております。小安主査の方から,お言葉を頂きましたけれども,作業部会にて議論を尽くしていただいた後に,本部会でも鋭意議論していきたいと思っておりますので,どうかよろしくお願いいたします。
 それでは,来年度の予算案,それから,応募件数の増加についてのいろいろな御説明もございましたが,それらのことにつきまして,御質問等がある方いらっしゃいましたら,何なりと御発言いただければと思います。いかがでしょうか。
【小川委員】 ただいまの御説明を伺いまして,実は,科研費の全体の採択率が平成29年度は25%で,カーブを見ていますと急に落ち込んだような形になっています。実は,各研究機関でも,採択率というのは1つの研究申請レベルでの達成率目安にしていまして,私の所属しているところでも,やはり25%ぐらいに急に落ち込んだということを非常に問題視して,それを克服する対策を考えなければという方向で考えているようです。
 この現象が,複数年度一括計上方式に変えたためだという御説明だったんですけれども,そのために全体の採択率がこれだけ下がってしまうということが,申請する側の研究機関の方に良く周知されているかどうか。それぞれの研究機関でも,やはりこういう現象が見られていると思うんですが,正しく把握しないと効果的な研究振興につながっていくような対策が立てられないかもしれませんので,その周知をお願いしたいと思います。分かるような形の説明を是非広げていただきたいと思います。
【小桐間学術研究助成課長】 今御指摘のありました,平成29年に急に採択率が下がっているように見えるんですけれども,その原因について,少し御説明させていただきたいと思います。
 平成29年度から,冒頭の予算のところで申し上げましたとおり,従来の「挑戦的萌芽研究」というのを廃止しまして,新たに「挑戦的研究」というのを開始しております。この「挑戦的研究」につきましては,国の方針として,採択率にはこだわらずに,真(しん)に挑戦的なすぐれた研究計画を採択するということになっていまして,具体的に申し上げると,この「挑戦的研究」の採択率が1割程度と,かなり低くなっているわけです。
 それで,平成29年度につきましては,そういった事情もございまして,全体の採択率が少し下がってしまっているんですけれども,この「挑戦的研究」を除いた,そのほかの主要種目だけで比べますと,27.6%ということで,これについては,特に前年度からほぼ変更がないという形になっておりますので,少しこの辺を補足説明させていただきたいと思います。
【石田企画室長】 予算と実際に採択できている件数等々の関係については,各研究機関,先生方に対する説明というのは,できるだけ丁寧にさせていただくというのは,これまでもそうしてきたつもりではありますけれども,今後も更に充実に努めたいと考えております。
 ただ,私の説明が舌足らずだったところもあるんですが,科研費の中で,基金化に移行した研究種目がございます。具体的には,「基盤研究(C)」,旧「若手研究(B)」,現行の「若手研究」,さらには,旧「挑戦的萌芽研究」,現行の「挑戦的研究(萌芽)」,この3つについて,基金化して一括計上したから下がったというのは,必ずしもそういうことではなくて,予算のグラフ上,若干低下しているように写るんですけれども,それは予算の計上の仕方が平成23年度以降,若干変わったということによるものでございまして,それによって採択率が低下したという影響は特にございませんので,念のため補足をさせていただきます。
【小川委員】 そうすると,左下のグラフは,全体の申請課題に対する採択課題の率というわけではなくて,何か少し違う計算の仕方だということなんでしょうか。
【石田企画室長】 いえ,そこが新規で応募いただいた件数に対して,新規で何件採択されたかということでございます。平成29年度も,ごらんいただいてお分かりのとおり,全体で10万1,000件余りの新規応募があって,それに対して新規採択できた件数は,2万5,300件だったということは間違いのない数字でございます。
【小川委員】 そうすると,基金化して複数年度で予算を計上するために,こういう形になったということなんですか。正しく把握できていないので,申し訳ありません。
【石田企画室長】 そういうことは全くございません。基金化されたから,この数字が下がったということは,説明を尽くしていくと相当な時間を要するんですけれども,決してそんなことはございません。
【白波瀬委員】 採択率そのものを目標値にするかどうかということについて,今まで議論をかなり丁寧に積み上がっているので,そこを今更壊すつもりは全くないんですけれども,やはり数字の読み方が混乱するというか,単位が何かということを注意しないといけないと思います。経年的に制度自体が今おっしゃったように新しい枠組みになって,そこにおける採択率の目標値としての設定に当たって,枠組みとしての制度が違うところで平均値を単純に横並びに比較するのは問題があるように思います。ここでの差の程度が何を意味するのかは慎重に検討しないといけない気がします。
 ですから,これは1つの採択について,採択されるかどうかの別を示していますが,研究者1人あたりということになると,重複応募している場合もあります。つまり,最終的に採択率をどう捉え,どう算出していくのかというのも少し御検討いただいて,応募者一人に対する採択率を算出するのもひとつの考え方だと思いました。
【西尾部会長】 では,その点,今後の対応をお願いいたします。貴重な御意見だと思います。
【小安委員】 私が補足するのも変ですが,この議論の中にあった「挑戦的研究」に関しては,採択は非常に厳しくするけれども,充足率はとにかく100%を目指そうということでやってきました。充足率を下げれば採択率は上げられますが,そこを,あえて「挑戦的研究」の場合にはしなかったということが,全体の採択率の減少に影響しているということを,一応補足させていただきます。
【西尾部会長】 重要な補足ありがとうございました。
【鍋倉委員】 新規応募数の増加の背景にはいろいろな要因があると思います。応募資格者数の推移を示す資料があれば,応募数との比較を行うことによって大学や研究機関が科研費への応募を促進する活動に関する参考資料の一つになるのではないでしょうか。
【西尾部会長】 どうもありがとうございます。データを取る上では非常に大切な視点かと思います。
【磯谷研究振興局長】 私が今ここで何か決まったような感じで言うつもりは全くないんですけれども,今のお話のとおりでありまして,例えば参考資料1の採択率の推移というのを,制度が変わっているにも関わらず,何か同じような感じでというのは,やはり変な話なので,「基盤研究(S・A・B・C)」など,ここ数年変わっていないところだけでも,もし経緯を取るならそういうふうにするとか,科研費の中核的なところだけを抜き出してあるとか,そういう工夫をしないと,このプレゼンが昔ながらのものなので,鍋倉先生や白波瀬先生がおっしゃったことも踏まえながら,見せ方や説明の仕方を改善したいと思いました。どうもありがとうございました。
【西尾部会長】 今,局長からおっしゃっていただきましたように,データの見せ方,可視化をどのようにするかということを,今後とも検討のほどをよろしくお願いいたします。
 文部科学省におかれましては,科学技術関係における総額5億円増のうちの2億円増ということで,40%を科研費で増額していただいたということで,非常に財政状況が厳しい中での科研費確保を頂きまして,心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
 しかしながら,特に先ほども参考資料2でお話がありましたように,大学の現場ではデュアルサポートシステムの機能不全が起こっておりまして,学術研究を続ける上での命綱が科研費となりつつあります。そういう中で,現場の研究者からは,さらなる拡充を求める声がより強くなっていくということは必然です。そのような状況の中で,私は研究費部会の部会長として,そのような現場の声に十分耳を傾ける必要があると考えております。
 来年度以降も科研費に関する必要な行財政処置を講じていただくということに関しましては,皆さん方とともに鋭意頑張っていくことが肝要と考えますので,どうかよろしくお願いいたします。

(2)国際共同研究強化の枠組み変更に伴う応募要件等について

【西尾部会長】 それでは,次の議題に移ります。先ほどの平成30年度予算案取組の一つであります国際共同研究強化の枠組み変更につきまして,事務局より説明をお願いいたします
【松本企画室長補佐】 それでは,資料2-1,資料2-2に基づいて,説明をさせていただきます。少し資料は前後しますが,まず資料2-2をごらんください。
 先生方には,概算要求前に「科研費による国際共同研究の推進(イメージ)」ということで,同じような図で説明をさせていただいたと思います。現行制度,左側ですけれども,「国際共同研究強化」と「帰国発展研究」,それから,これまで「基盤研究(A・B)」の中で,審査区分として「海外学術調査」というものを設けて,フィールド調査等に限定した支援を行っていたというものを,新しく右側のように整理し直すということで要求をしていたところです。
 1つ,「帰国発展研究」のところについても,外国人の方を呼ぶようなものを取り入れて,名称も仮称だったんですけれども,「来日発展研究」という形で要求はさせていただいていました。これは,折衝の過程でなかなか認められなかったということで,ここは現行どおりとなってございます。なので,従来の「国際共同研究強化」は,仮称(A)として,新しく「国際共同研究強化(B)」というものを今回作ったということになってございます。
 それでは,資料2-1をごらんください。まず,先ほど申し上げましたとおり,「基盤研究(A・B)」の中で行っておりました「海外学術調査」につきましては,研究費部会で決定いただきました発展的見直しの意義・必要性を踏まえまして,昨年9月の平成30年度公募はもう既に停止をしております。概算要求で,一応政府予算案としてはお認めいただいているということになってございます。今後,速やかに公募をしないといけませんので,研究種目の目的趣旨をはじめとする公募内容等につきまして,あらかじめ作業部会で議論をしていただいたところです。作業部会としては,一定の方向性が取りまとまりましたので,御報告をさせていただくということでございます。
 まず,前提ですけれども,学術研究への現代的要請のうち,特に国際性を踏まえた制度目的等を設定する必要があるということでございます。
 それで,「目的・趣旨について」でございますが,ここに記載しているとおりでございます。個人の研究の発展や,そこから必然的に発展する学際・融合分野の推進のため,国際的な交流と連携のネットワークの構築は不可欠であるということ。
 それから,広い視野を持って若手研究者を育成しながら多様な学術基盤に触れることによる人的交流を通して,学術の総合性や融合性を強めていくことも重要。これは,分科会の中間まとめに記載をされていた部分でございます。
 それから,国際的な研究活動はますます活発化し,学問の高度化,研究対象の複雑化,研究手法の専門化等によって,国内外に関わらず多様な人材を結集して研究することを求められることも多い。このような状況下で研究を進めるに当たっては,国際的なネットワークの中で中核的な役割を担うことによって,国際社会における我が国の存在感を維持・向上することが求められているということ。
 それから,制度趣旨のところには,補助事業の終了後に国際共著論文等によって,成果の国際発信を行うことが望ましいというものを記載するということ。
 これらのことから,国際共同研究の基盤を強化・推進するため,学術研究としての意義のみならず,海外の研究機関等における研究計画の有効性を考慮して,課題を厳選の上,重点的に支援を行うということにしてございます。
 それから,3番の「対象」ですけれども,国際共同研究を行うことで,独創的,先駆的な研究を格段に発展させるための研究計画であること。
 それから,海外のすぐれた研究者との共同研究を前提とした研究計画であって,当該研究者の研究拠点である「海外の研究機関等」に日本側研究者が直接出向き研究活動を実施する必要があること。直接出向くということはどういうことかというのは,その下に整理をさせていただいております。
 それから,4番の「研究組織の構成」ですけれども,原則,複数の研究者が海外のすぐれた研究者と共同して行う研究計画であって,原則として複数というのは,3名から5名程度を想定しておりますが,その研究者で構成する研究組織とする。
 ただし,1,2名の日本側研究者による応募も妨げないけれども,その場合は若手研究者に限ってはどうかということに整理してございます。
 それから,若手研究者の参画でございますが,当該研究組織に若手研究者の参加を要件化する。この場合の若手研究者というのは,後ほど出てきますが,科研費における若手研究者の定義,博士の学位を取得して8年未満という者と整合を取るという整理にしてございます。
 それから,3ページ目の上ですけれども,若手研究者の研究組織への参画とともに,共同研究への多様な参画形態としては,科研費の応募資格を有しないポスドクや大学院生を含めたいろいろな人材が考えられるので,必要に応じて「若手人材の共同研究への協力」に関して研究計画調書にその記載を求めるということ。
 それから,重複制限ですけれども,研究代表者,研究分担者を通じて,本研究種目に応募できるのは1研究課題までという整理にさせていただいております。
 それから,5番目,「助成規模等」でございますが,応募総額は2,000万円以下としてございます。
 研究期間は3年から6年。
 採択予定課題数ですが,従来の「海外学術調査」と同程度の予算は確保できたということですので,最大200件程度ということにしてございます。
 それから,「国際共同研究強化(A)」,従来の「国際共同研究強化」ですが,これと異なりますので,「代替要員確保のための経費」というのは認められないという整理にしてございます。
 そのほか,作業部会で御議論いただきまして,おおむね御了解いただいたポイントが,下の二重丸で整理をしている部分でございます。
 科研費の「基盤研究」等で実施する研究との関連があることは差し支えないが,当該研究計画で実施する内容は助成対象としないということ。
 それから,「特別推進研究」,「基盤研究(S)」の研究代表者は重複受給できない取扱いとするということ。
 それから,「若手研究者の定義」については,先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから,「海外のすぐれた研究者との共同研究」の構想について,研究計画調書内にしっかり記載をしていただくということ。その際,海外の共同研究者についても明記をしていただくということ。
 それから,共同研究の提案に対する海外の研究者からの合意書を添付させるということ。
 それから,時期は明記してございませんが,今後,「英語による応募」ということも検討すべきではないかということ。
 それから,海外における研究活動が研究計画の中核となることが必要であるということ。
 それから,研究計画調書の中で,海外研究者との国際共同研究の意義,必要性などについて記載を求めるということが作業部会でおおむね御了解を頂いたポイントでございます。
 4ページ,5ページには,重複制限の一覧表を付けてございます。基本的には,これまでの「海外学術調査」の重複制限を踏襲して重複制限を掛けるということになってございます。
 それで,1点,「若手研究」との重複制限をどうするかというところについては御議論がございました。そこも,基本的には,従来の「基盤研究(A・B)」でやっている「海外学術調査」と「若手研究」の重複制限と同様にするということでございますが,「若手研究」で新規を出す人との重複制限については,一応,両方出せる。両方出せるけれども,両方通った場合には,「国際共同研究強化(B)」の方に注力していただくという整理にしてございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 平成30年度予算の取組の一つであります「国際共同研究強化」の枠組みにつきまして,作業部会でいろいろ議論を頂きましたことを踏まえまして,今のような方向性を示していただきました。これは,予算案が決定以降,速やかに公募できる体制作りのために非常に重要な案件でございまして,御意見や御質問等ありましたら,どうかよろしくお願いいたします。
【城山委員】 3つぐらい確認させていただきたいんですが,1つは若干そもそも論なんですけれども,趣旨として国際性というところに寄与するということで,今回こういうプログラムを作られたというときに,基本的な対象は行く方になっているわけですね。恐らく,例えば2ポツの2ページの頭に書いてあるように,終了後に国際共著論文等を作るということを目的にしてくださいというのは,まさに国際性に寄与するということで,ロジカルだと思うんです。
そのときに,多分論理的には行く場合と,来てもらう場合と両方あり得て,行って共同するというのもあるし,来てもらって共同するというのも,論理的にはある得るんだろうと思うんです。そこを基本的には行くというところに限定しているということをどう整理するかというロジックが要るのかなと思います。恐らく,プラクティカルに,もともとは海外調査なので行くという話なので,その枠組みを再構築したというので,当面は行くという整理もできます。
それから,来てもらうことも,国際化にもちろん寄与するんだけれども,特に今回対象にしているのは若手のある種の他流試合といいますか,ある種の生存能力を高めるという意味で言うと,やはり行くということを,このフェーズでは重視したいんだと。若干,人材育成的な側面を考えて,とりあえず行くというところを重視しているんだというロジックも,多分あり得るんだと思いますが,そこのところの考え方を整理する必要があるのかなというのが1点目です。
 2点目は,若干理系と文系の違いなのかもしれないんですが,海外に出向くということの必要性の定義のところなんです。研究施設等を活用するというのは,多分理系はあり得る話だと思います。文系は,多くの場合は,むしろ従来の「海外学術調査」で,資料収集やフィールドというのが,多分あるだろうと思います。
ただし,実際の国際共同研究の現状なんかを見ていると,どういうパターンでやるかというと,例えばワークショップのようなものを開いて,きちんと議論した後に,持ち帰って修正をして,場合によってはもう一回ぐらいワークショップやって,それを最終的にエディテッドボリュームにしたり,ジャーナルスペシャルイシューで出したりというのが,人文社会系では比較的ある共同研究パターンで,こういったものをどう考えるか。
恐らく,最後のところの単なる研究打合せ等は除くというのは,そのあたりを考えていただいているのかなと。つまり,単にロジスティックスで行くだけでは駄目ですよと。だけれども,多分文系の場合には,いわゆる施設は使わないんだけれども,ある種のワークショップのようなことをやって,実質的な議論を数日やるというのはすごく重要なので,その部分は何か拾えるように残していただいた方がいいのかな。これは,読みようによっては,研究施設等というのは,会議室でも「等」だと言えばそうかもしれませんし,そこは柔軟に読んでいただけるのかもしれませんが,そのあたり,特に文系ベースのものが出てきたときに,少し配慮していただけるといいのかなというあたり,どういう御議論があったのかというのがあれば,御紹介いただければと思います。
 あと,3つ目は,今ぱっと見ただけなので,理解が不正確なのかもしれませんが,4ページの重複制限のところを見ると,今の整理というのは,比較的代表者は重複制限が掛かるということでよろしいんでしょうか。
 そうすると,既存の科研費での活動なんかをベースに,より国際の部分を,例えば若手研究者を入れて,若手研究者が数か月海外に行くことを付加するというものは,先ほどの量の問題にも絡んでくるんだと思うんです。そうではなくて,独立してこれを企画した場合に,対象にするという形で現状では考えているという理解でよろしいんでしょうか。
 以上,お伺いできればと思います。
【西尾部会長】 そうしましたら,答えやすい方からどうぞ。例えば,最後の重複制限のところはいかがですか。
【松本企画室長補佐】 重複制限のところは,先生がおっしゃるとおりでございます。
【西尾部会長】 そうしましたら,次は,海外に出ることを旨とする意義付けですね。そのことと,例えば理系,文系等による違いによってこの基金で行う内容の差異に伴って,城山先生から御指摘いただきましたワークショップ開催に関することなど,その辺りの考え方はどうでしょうか。
 海外に出て行くということの意義付けは,城山先生からおっしゃっていただいたような内容でよろしいですか。
【松本企画室長補佐】 はい。その辺が分かるように,公募要領に記載するときには考慮します。
【西尾部会長】 あと,サポートされた経費の使い道ですね。公募要領の記載が,城山先生がおっしゃったことをカバーするには,かえって制限になってしまわないのか,その辺りのことはどうでしょうか。
【白波瀬委員】 私も文系なんですけれども,文系の中でも違うのですが,先生は質問とともに答えも同時に言っていただいた。国外に行くことについて,特にこの年齢層で文系についても,私はどちらかというと人文というよりも社会科学系ですけれども,実際に海外の大学の研究室にとにかく行って,いろんな研究者と一緒に,例えば毎週,毎日,いろいろな研究会のワークショップにも参加する中で,かなり訓練されるものです。ただそういう機会を,残念ながら,ある年齢層については,あまりもてなかった場合もあります。ですから,このただし書をもう少しうまく表現しないと,研究の打合せも広い意味なんですけれども,少し書き方の工夫もあるのではないでしょうか。
【城山委員】 多分,申し上げた趣旨としては,いずれにしろ,このただし書は残しておいた方がいいと思うんですね。だから,これがどこまでカバーするかです。
 ただ,一般論で言うのはなかなか難しくて,例えば,今おっしゃっていただいたように,相手の研究室に,特に若手の人が1か月いるのでも,かなりいろいろなエクスポージャーにさらされることになるので,いい経験になるんだと思うんですね。だからといって,これに「何日以上」と書くわけには恐らくいかないだろうと思うので,実質的にいるということになるでしょう。若手は,多分そうだと思うんですね。
 このときに,逆にカバーするかどうかを考えるべきことで,ある程度,若手ではなくて中堅ぐらいになると,1週間,2週間は可能かもしれませんけれども,なかなかそれ以上というのは,それこそ,ちゃんと代替措置を取らないと,事実上,不可能ですね。
 だけれども,例えば,3日間ワークショップをやるようなことを,研究期間中に2回やるみたいなものは,それなりに意義はあるんだと思うんですね。だから,そういうものをここでカバーすると考えるのか,いやいや,そうではなくて,これはもう少し長期的にいるということに限定するんです,割り切るんですとした方がいいのか,そのあたりの判断なんだと思うんです。
【石田企画室長】 失礼いたします。この箇所については,作業部会においても,さして議論にならなかったということを記憶しております。これは,元はというと,事務局提案で入れた文言でございまして,よい枠組みができたからということで,単に手が挙げやすくなるということだけでは,やはり駄目で,この対象となる自明の感もありますけれども,対象として丸を2つ固めております一丁目一番地の国際共同研究を行うことで独創的,先駆的な研究を格段に発展させるための研究計画であることということがあれば,本来ここは,「このため,単なる」うんぬんというのは書かなくてもよいのかもしれないんですけれども,やはり中期的に書いているという意識であったことは事実でございます。
 前後いたしましたけれども,分野によって国際共同研究というものの捉え方,手法,多様でございます。なので,例えば,どれくらい以上行くことを前提としているとか,どういうスタイルならいいというのを明示的に書くというのは困難であるということはあります。そこは,なかなか説明の難しいところで舌をかむところではあるんですけれども,そこはやはり応募者,さらにはその分野に精通する審査に携わる方々によって,そこで行われる国際共同研究によって得られる学術的な効果を見極めてもらうのが基本かなと考えているところでございます。
 十分な説明になっていないことを承知しておりますが,御了承いただければと思います。
【西尾部会長】 城山先生,今の書きぶりで特段問題ございますか。というのは,この書きぶりのもとで,今説明がありましたように,審査員の方で,本来の趣旨に合致しているかどうかを分野ごとの多様性を踏まえた上で判断していただくということでいかがでしょうか。
【城山委員】 結論としては,多分そういう形でしかないのかなと思います。「単なる研究打合せ」という基準だけではじくという場合は,現実世界ではそんなに多くなくて,むしろ全体のプログラムが実質的な国際共同研究としてすぐれたものかどうかというのが,実質的な評価基準だと思うので,ここがそんなにクルーシャルになるとは限らないと思います。だから,逆に言うと,ここであまり縛り過ぎないということで,むしろ全体の中で分野に即して評価していただくというのがここの理解で,あとは個々の分野の審査委員にお任せするということかなと思います。
【西尾部会長】 分かりました。
【小川委員】 このような研究を通じて,若手研究者の育成をということは,非常にいい視点だと思うんですけれども,若手研究者の定義として,博士の学位を取得して8年未満の者とするというのは,確かにほかの種目にならった定義かなとは思うんです。この際に,出産,育児,介護などのライフイベントを考慮するということを,是非付け加えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【石田企画室長】 御案内のとおり,博士号取得後8年未満という新たな基準につきましては,既に若手研究に導入して,運営を開始したところでございます。御存じのとおり,若手研究の公募に関しましては,今,小川先生がおっしゃったようなライフイベントでなかなか研究に従事できなかった期間というものは,でき得る限り,対応させていただいているところでございます。こちらも,それに準じたことは導入する必要があろうかと考えてございます。
【小川委員】 その視点を考えますと,先ほど議論がございました,直接出向くということを非常に強調されると,それは逆に制約を掛けるという部分もありますので,そのあたりのところを,少しほかの手段も活用して共同研究が進められるような形で,ライフイベントとも関連が増えることですので,そこの表現はもう少し御検討いただけたらと思いました。
【西尾部会長】 でも,そこはやはり崩せないところですよね。事務局の方から忌憚なくおっしゃってください。
【石田企画室長】 応募といいますか,公募の条件設定として,若手研究者の参画。これは,代表者であっても,分担者であってもいいんですけれども,それを義務付けるという,実際にエントリーしていただく際の考え方でございますので,実際,採択されたのに,8年経過されている方でも構わないわけです。
 今,若干話がありましたけれども,やはり海外における国際共同研究に軸足を置いておりますので,そこを余り緩めてしまうと,逆に基盤研究で十分対応可能ではないかというところで,ここに新たな枠組みを設けている趣旨が,やや不明確になる感もございます。そこは少し慎重に考えなければいけないと思っております。
【小川委員】 滞在期間とか,かつての在外研究員のように途中の一時帰国が全く許されず継続して6か月間いなければいけないという表現など,そのあたりはできるだけライフイベントも両立できるような形の表現を考えていただければという意思でございます。
【竹沢委員】 先ほど申し上げようと思ったことは,もう既に何人かの委員の先生がおっしゃってくださった。私も作業部会の中で関わっておりましたので,基本的に行って,国際共著論文か,シニアだったら国際編著と言いたいところですけれども,なるべくそれを発表することにこぎ着けるというところ。ネットワークを作るということも非常に重要で,ネットワークがすごく出版につながるというのを,この年になってひしひしとかみしめております。
 先ほど,城山先生から御指摘のあった「研究施設等」の文言に関しては,確かに私も委員ながら不十分だったと思うんです。例えば,シンポジウムやワークショップというのは,まさにおっしゃるとおりで,開催されている機関がしている研究事業,どういう言葉を使うか分かりませんけれども,研究事業や研究活動など,単に場所に限らず,そういう活動自体から活用するということを,特に人文社会科学系の人間にとっては重要だと思いますので,その文言については,また小安先生を中心に,作業部会で御議論いただいたらと思います。
 それから,ライフイベントに関しては,私も女性で子供を産んでおりますけれども,ここはやはり皆様方のおっしゃるように,このときは海外に行って,そこでネットワークを作り,共同研究をするということに専念して,ライフイベントに関しては,また延期するという考え方を持っております。
【西尾部会長】 貴重な御意見ありがとうございます。ほかにございますか。
【白波瀬委員】 一言だけ。ライフイベントということなんですけれども,いろいろな考え方があると思います。原則は,どういうライフイベントを持とうが,仕事をしっかりすることができるというのが原則で,それが実現できるように制度を立ち上げていただくということになると思います。
言い方を考えないと,誤解されるかもしれませんけれど,人生の中で,子供ができてしまったり,できなかったり,いろいろあると思います。仕事の出張に子供を連れて行くことも可能にする方法や選択肢を考えることが重要で,子供が小さいので出張できないことを前提にすることは,あまり望ましくないのではないかと思っています。もちろん,子供が小さいので海外の学会出席も3回が1回に減るという現実があることは承知していますけれど。以上です。
【西尾部会長】 これは,意見としてということでよろしいですか。
【白波瀬委員】 はい。意見ということです。
【西尾部会長】 どうもありがとうございました。
【小安委員】 先ほど,もう一回考えろというお話がありましたが,なかなか時間がないので,先ほど事務局から説明があったように,やはり一番大事なのは,3ポツの最初の丸のところです。ここでそれが読めるかどうかというところを,審査できちんと判断していただければ,私はいいのではないかと思っています。この「等」というのは,いろいろ読み方ができるのではないかと思っています。
【城山委員】 先ほど私が申し上げたのは,「等」というところでいろいろ読めるので,そこはむしろ審査の方に投げていただくということにならざるを得ないかなと。
【小安委員】 ですから,城山委員のおっしゃったことで,私はいいのではないかと思いました。
【城山委員】 ただ,こういう議論があったということを議事録に残しておくと,審査のときの1つのレファレンスにはなり得るかなと思います。
【磯谷研究振興局長】 少し論点がずれている確認,質問かもしれませんが,海外に若手が行って,あるいは国際共著論文を皆さんがお書きになって,日本の研究力を高めるということは非常に有効なシステムだと思うんです。特に若手の方が行ったときに,先ほどのお話もあったように,シンポジウムやワークショップ,あるいはネットワーク作りという観点で,JSPSからの海外拠点とか,いろいろなものがございますよね。そういったところで,先ほどのネットワーク作りとか,ワークショップ,シンポジウムについて,何かJSPSからも協力しながらやるという工夫ができないのかなと。
 当然,こういうところに選ばれる方は,そんなことをされなくても,自分たちでできるよという人たちはいいんでしょうけれども,そういうことで政策の効果を上げていくという,先ほどのネットワークを広げるというのは,やはりJSPSが得意だと思うので,そんなことができるのかなと思うのですが。
【西尾部会長】 JSPSの海外の拠点がありまして,これは私もいろいろな形でサポートしていただいています。その海外の拠点に,例えばワークショップやシンポジウムを開催するときに相談する,あるいはそのイベントへの参加者に関して,様々なサポートしていただくことなどは可能なのではないかとは思いますが,永原先生,いかがですか。
【永原JSPS学術システム研究センター副所長】 海外拠点は幾つかありますので,そちらをいろいろ御利用いただくことは可能と思います。今,西尾先生がおっしゃったような形で御利用いただくということも可能ですし,比較的長期に滞在するということで,極めてプラクティカルな面でのサポートなどができるかと思います。
 ただし,ネットワークで一番重要なのは,あちらの研究コミュニティーとのネットワークですので,JSPSの立場としては,お手伝いはするけれども,基本は肝腎な研究の方でということで考えていただくとよろしいかと思います。
【西尾部会長】 局長,コメントどうもありがとうございました。
【射場委員】 今の局長の御質問にも関連するんですけれども,JSPSのお話をいろいろ伺うと,国際何とかというプログラムがすごくたくさんあるんですよね。1件,1件は,すごく精力的にやられて,成果も定量的に出ていると認識しているんです。そのたくさんあるプログラムの中で,今回のものも含めて,そのプログラム間の有機的なつながりみたいなことであるとか,全体を通しての戦略みたいなことが,少し見えない部分があるなというのは,いつも指摘させてもらうんですよ。
 今,このプログラム上の文言は,先ほどのようなお話でいいと思うんですけれども,やはり日本が圧倒的にリードしている分野を更に高めていくやり方と,負けているところを巻き返すやり方は,当然やり方が変わるので,そこはセンターの方でも,その分野ごとの戦略みたいなことをよく議論していただいて,今回の公募の審査にもつなげていただきたいなと思います。
【永原JSPS学術システム研究センター副所長】 御指摘の点ですが,JSPSの国際事業というのは,本来は,割と複数の研究者間,あるいは大学間などの組織的なものです。ただ今の話は,科研費です。科研費というのは原則的には個人,ないしは比較的少数の人間が研究の最先端を目指すもので,単なる連携ではなくて,繰り返し議論されていますように,冒頭にあります独創的,先駆的な研究の格段の発展を目指すということです。
 分野の進展状況によっては,非常に強い分野が伸びるかもしれませんし,あるいは全く新しい分野が出てくるかもしれませんが,それはあくまでも審査,すなわち応募書類によって判断されるべきことです。
 すなわち,個人ベースの科研費なので,JSPSの国際事業と何か調整というのは,少し性格が違ってきてしまうのではないかと思います。もちろん結果として,個人の計画と国際プログラムがうまく合致して,いい成果が出ればよろしいですが,国際プログラムが走っているから,更にこの個人に科研費を配分するということを考えると,審査の公平性と申しますか,バイアスが掛かってしまいますので,少し注意が必要かと思います。
【射場委員】 多分,始まる前にいろいろ結び付けるのは,おっしゃるとおりすごく難しいと思うので,出た成果のところで,そこをつなげて示した方がアピールできる部分が増えると思います。よろしくお願いします。
【西尾部会長】 JSPSによる科研費,及び文部科学省からの運営費交付金等のもとでの個人の自由な発想による学術研究,もう一方で,射場委員からおっしゃっていただいたことを相当意識したJSTによる戦略研究があり,両者をすみ分けることは必要と思います。
 最後におっしゃったように,最初からではなくて,様々な成果が出ている中で結び付けていく,というようなことは重要な観点だと思いました。貴重な御意見ありがとうございました。
 私自身の経験を踏まえましても,若いときに海外へ行って,研究者のネットワークを築くということが,研究者としてのその後の財産になっています。そういう観点からも,この事業が有効に機能していくことが,日本の研究の国際競争力を高める上でも大事だと思いますので,どうかよろしくお願いします。
 それでは,従前の「海外学術調査」について,対象の見直し等を通じまして,基金による支援かつ若手研究者の研究組織への参画等を要件化した点において,これまで以上に国際共同研究を加速する枠組みの設定ができたのではないかと思っております。本日,最初に御説明いただいた内容,また,本部会で頂きました貴重な御意見をその内容に更に盛り込んでいくということで,御提示いただいたとおりの方向で,今後進めるということでよろしいでしょうか。
 予算が決定しますと,すぐ公募に移る必要がありますので,時間的なことも考えまして,その方針で進めさせていただきたいと思います。御異論ございませんでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【西尾部会長】 それでは,日本学術振興会におきましては,今いろいろ議論されております趣旨を生かしていただきながら,速やかに公募が実現されますよう,何とぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(3)科研費における研究組織の在り方について

【西尾部会長】 それでは,本日最後の議題に移ります。科研費における研究組織の在り方について,作業部会において議論されたと伺っておりますので,事務局より説明をお願いいたします。
【松本企画室長補佐】 それでは,資料3-1,3-2を御用意ください。
 まず,資料3-2の表紙をおめくりいただきまして,作業部会において,「研究組織の見直しについて」というタイトルになってございますけれども,主に連携研究者の扱いをどうするかということについて議論をしていただき,一定の取りまとめを行ったというところでございます。経緯も含めて御説明させていただきます。
 資料3-2の2ページ目です。今から10年以上前,平成19年当時,科研費で不正使用を行った場合にペナルティーが掛かるという際,不正の当事者でなくとも,応募資格の制限が課されているということになっている。いわゆる連座制と言っていましたが,その適用の有無を区別するために,「研究代表者」,「研究分担者」,「研究協力者」に加えて,「連携研究者」という形で新たなカテゴリーを設けたということでございますけれども,この連座制につきましては,平成25年度に廃止されているということ。
 それから,前期の審査部会においては,分担金を配分しない研究分担者について御発言もあって,継続審議扱いになっていたということ。
 それから,平成29年1月に分科会取りまとめの審査システム改革の中で,連携研究者の在り方について,研究組織の構成を整理する方向で引き続き検討する必要があるとまとめを頂いていたということがございまして,作業部会で検討していただいたというものでございます。
 3ページをごらんいただきますと,そもそも補助事業者の定義はどうなっているかということでございます。補助金適正化法においては,「『補助資料者等』とは,補助事業等を行う者をいう」という記載がございまして,その解説によれば,「『補助事業者等』を定義して『補助事業等を行う者をいう』ものと規定している」という書き方でございます。
 補助事業者等につきましては,省内関係部署と調整をし,意見を聞いたところ,科研費は補助事業でございますので,補助金の配分を受けない研究者について,補助事業者として整理するということについては無理があるという見解を頂いた。そういう見解になったということでございます。
 それで,4ページをごらんいただいて,仮に連携研究者を廃止して,分担金の配分を受けない研究分担者というものを設けた場合,研究分担者の中に分担金の配分を受ける研究分担者,いわゆる補助事業者と補助事業者でない者が存在するということになりまして,研究分担者といっても2種類いるという形になって,非常に制度上は整理が困難であります。
 それで,5ページ目をごらんいただいて,見直しのパターンとしては,2つのパターンが考えられるということになりました。
 1つ目は,現行を維持するというもの。
 もう一つ目は,現行の「連携研究者」と「研究協力者」を統合するということでございます。
 現行の「研究分担者」と「連携研究者」の違いにつきましては,研究業績欄へ記載できるかどうか。それから,「連携研究者」と「研究協力者」の違いというのは,応募資格があるか,ないかということだけでございます。
 平成29年9月の公募から,連携研究者の研究業績欄への記載は行わないという整理をしましたので,研究業績欄への記載を行うことを目的とした研究分担者の増加も懸念されるということが,今後の検討事項としてあります。
 これらを踏まえて,パターン2の方が妥当という作業部会での結論になったということでございます。「連携研究者」を「研究協力者」と統合した方がよいという結論に至ったということでございます。
 それで,こうなった場合の懸念事項は,先ほど申し上げましたとおり,連携研究者の業績を書けないということになるので,分担者の増加が考えられるのではないかということから,研究業績の取扱い,研究業績欄をどうするかということについても,作業部会で御議論をしていただいたところでございます。
 ここについては,振興会からの御意見もあって,現状は,今の業績欄のままということになっていますけれども,今後のことも考えて,少し検討していかなければいけないのではないかと思っています。それは,今後,振興会の方とも調整していきたいと考えております。
 今申し上げた内容を文章化したものが資料3-1ということになってございますので,全て読み上げはいたしませんが,4ページ目の研究計画調書見直しのところは,今後も継続審議ということになってございます。
 これにつきましては,「連携研究者」と「研究協力者」が統合するということで,御了解いただければ,科学研究費補助金取扱規定,告示の改正が必要となりますので,本日,御了解いただければ,すぐそちらの手続に移りたいと考えてございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 この件は,作業部会の方でもいろいろ御議論を頂いたところでございまして,主査である小安委員から補足を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
【小安委員】 今の説明に尽きていると思います。
 ただ,いろいろな御意見があったのも事実でして,ここでももし御意見を頂戴できれば持ち帰ります。基本的には,今御説明いただいたとおりの内容で考えています。やはり科研費というのは,基本的には1人の代表者が進めるものだという立場に立ってこういう議論をしましたが,分野によっては分担者の重要性もいろいろと議論はされました。そのような中で,このようなまとめになっておりまして,それが最終的にペンディングになっている部分にも反映されているということでございます。余り補足にはなっておりませんが,そういう状況でございます。
【西尾部会長】 御質問なり,御意見等がありましたら,是非ともよろしくお願いいたします。
【城山委員】 結論としては,これで結構かなと思うんです。確認なんですが,4ページの分担研究者を2つに分ける案というのは,最終的には補助金管理との関係で難しいだろうということでいいと思うんです。ただ,この考え方が,ある部分あり得るとすると,1つの問題意識は,連携研究者が,かなり分野による特性はあるにしろ,肥大化していることが問題だとすると,その連携研究者の業績が減るということが1つの目的で,かつ,連携研究者の場合,エフォートを書かなくていいというのがあるので,いろいろなところに出せてしまう。
 そういう意味で言うと,連携研究者を新研究分担者にするというのは,お金はもらわないんだけれども,エフォートは書かざるを得ないということになるので,連携研究者が本当に協力するところを,ある意味では限定的にしていただけるという意味においては,連携研究者を,何が過度かというのは難しいんですが,過度に肥大化するのを防ぐという意味では,これは1つの考え方ではあるんだろうと思います。
 そういう意味でのメリットもあるんだけれども,管理上,難しいのでできないということかなというので,一応メリットもあるんだということも考えた方がいいかなというのが1つです。
 それから,最後の結論は,まさにこれでいいと思うんですが,若干気になったのは,5ページの一番後のところで,これは恐らく分野による違いという,先ほど,小安先生が言っていただいたことと絡むんだと思うんです。既に連携研究者の研究業績欄への記載を行わないことにしているということで,先ほど申し上げたので言うと,業績をたくさん載せるために連携研究者をやるというインセンティブを減らしましょうということにしたので,逆に言うと,今度は研究業績が,連携研究者でなくても研究協力者でも載せられるようになってしまうと,また元のもくあみというか,戻ってしまうところがあるので,趣旨からすると,その研究業績は,基本的には代表者と分担者に限定すると。
 ただ,もちろん流れの中で触れる必要があれば,申請書の本文で適宜書いていただくという整理がいいのかなと思いました。
【西尾部会長】 有効な方向性を示していただきましたけれども,どうでしょうか。
【松本企画室長補佐】 先生のおっしゃるとおりの議論がありまして,振興会の方でもそういう方向で検討されているということでございます。
 申し上げたかったのは,業績リーダーがそういう形で議論されているんですけれども,今後も今の形の書かせ方でいいのかとか,先のことを考えて,少し検討が必要だということで,今後も調整していきたいということでございます。
【小安委員】 きょうの城山委員のさえ方はすごいなと思っております。私たちで議論したときに,ある人に協力してもらうのであれば,なぜその人が協力するのかという理由が非常に重要なので,例えば,その人にこういう業績があって,それは自分が持っているものと非常に相補的で,しかも,必要であるというのであれば,本文にそのことを書いていただいた方が,むしろ審査する側には非常に有り難い。ずらずらと書かれるのは,余り意味がないのではないかという議論をしましたので,それに賛成いただき,ありがとうございます。
【西尾部会長】 ほかにございますか。
 委員の皆様には,御異論はないということでよろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【西尾部会長】 どうもありがとうございました。
 連携研究者の廃止を含めた研究組織の見直しについては,作業部会での建設的な議論の結果でもありまして,主査をお務めいただきました小安委員はじめ,委員各位の御尽力に感謝を申し上げます。
 前向きな研究組織の整理だと思いますので,研究費部会としては,作業部会で取りまとめていただいた内容について承認したいと思いますが,よろしいですか。
(「異議なし」の声あり)
【西尾部会長】 それでは,事務局におかれましては,告示等の改正の手続ということで,結構大掛かりな手続が必要でございますけれども,何とぞ滞りなく進めていただければと思います。

(4)その他 

 最後に,事務局より連絡事項が伝えられ,会議は終了した。

―― 了 ――

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