ここからサイトの主なメニューです

第9期学術情報委員会(第15回) 議事録

1.日時

平成31年1月31日(木曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について
  2. その他

4.出席者

委員

喜連川主査、引原主査代理、赤木委員、安藤委員、家委員、逸村委員、井上委員、岡部委員、
北森委員、五味委員、竹内委員、辻委員、永原委員、美馬委員

文部科学省

(事務局)磯谷研究振興局長、原参事官(情報担当)、丸山学術基盤整備室長、高橋学術基盤整備室参事官補佐

オブザーバー

安達国立情報学研究所副所長、林科学技術・学術政策研究所上席研究官、小賀坂科学技術振興機構知識基盤情報部長

5.議事録

【喜連川主査】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第15回学術情報委員会を開催いたしたいと思います。
 本日は、約2年間にわたりまして開催してまいりました今期の学術情報委員会の最終回となります。このため、さきに事務局から御連絡させていただきましたとおり、今期の審議の中心となりましたオープンサイエンスの推進に関しまして、来期の審議に向けて、これまでの議論と論点に関する整理をさせていただきたいと思います。本日もオブザーバーとしてNII(国立情報学研究所)の安達副所長、NISTEP(科学技術・学術政策研究所)の林上席研究官、JST(科学技術振興機構)の小賀坂部長に御出席いただいております。
 それではまず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【高橋参事官補佐】  それでは、議事次第に記載のとおり、配付資料といたしまして、資料1、2を御用意しております。不備等がありましたら、事務局にお申し付けいただければと存じます。
 それから、本日の傍聴については、25名の方の登録がございます。傍聴の方々におかれましては、お持ちの端末に資料をダウンロードしていただきたく、お願い申し上げます。
 以上でございます。
【喜連川主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、審議に入りたいと思います。早速でございますけれども、まずは事務局より、御用意いただきました資料に関しまして、丸山室長より御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
【丸山学術基盤整備室長】  それでは、資料1、それから資料2と用意してございますが、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず資料1でございますけれども、事前に先生方にもメールをお送りし、ごらんいただいた先生方もいらっしゃるかと思いますが、そのときから多少加除修正がございますので、その部分も加味しながら御説明したいと思います。
 それから、このオープンサイエンス推進に関する論点整理は、これまでの審議を踏まえまして、ほぼポイントを入れて整理したつもりでございますが、抜け落ちている点や、多少解釈の違う点等もあるかと思います。忌憚なく御指摘を頂きながら、先生方にもまたお送りし、次のバージョンの完成度を高めてまいりたいというふうに思っております。
 まず、冒頭、この案の1ページ目でございますけれども、まず枠内で、この資料の性格というか目的を少し書いています。今期の本委員会における審議を踏まえて、引き続き来期の検討に資するための論点を整理するとした上で、オープンサイエンスについては、実は現在、内閣府、日本学術会議においても具体的な検討が進められているさなかでございます。よって、本論点整理の案は、来期の審議の方向性を縛らない観点から、案としたまま、できれば御了解いただければそのまま引き継ぎたいと考えています。
 資料2を先にごらんいただきたいと思いますけれども、今申し上げました内閣府、日本学術会議におけるオープンサイエンスに係る検討状況のペーパーでございます。まず内閣府について、これは以前にも御説明申し上げましたが、国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会が一昨年の11月から発足しています。昨年6月に、国立研究開発法人におけるデータポリシー策定のガイドラインというものを策定し、公表しています。また、昨年12月に、研究データ基盤整備と国際展開ワーキンググループの設置を決定して、また深く議論をしていこうということになっております。
 それから、日本学術会議について、これも昨年11月に、オープンサイエンスの深化と推進に関する検討委員会が立ち上がりました。たしか課題別委員会でしたか。
【喜連川主査】  課題別委員会です。
【丸山学術基盤整備室長】  はい、12月のうちに第1回が開催されておりまして、実は来週に第2回を開催予定と聞いております。2ページ以降は、この内閣府の検討会で取りまとめられましたガイドライン、以前、夏頃に案の段階のものを一度御説明したかと思いますけれども、これの決定版のもの、それからその後ろ、17ページには、さきに申し上げました新しくワーキンググループが設置された際の資料、それと18ページ以降は日本学術会議の課題別委員会の設置提案書を参考までにお付けしています。
 こういった動きがあることも踏まえて、本委員会における議論につきましても来期に申し送りたいというふうに考えております。
 まず、この論点整理の構成でございますけれども、1ページ目、目次としています。大きく分けて、1つ目として背景、それからその中では世界的な検討と我が国の現状という観点、それからこのオープンサイエンス推進の意義とそれへの期待という観点で整理をしております。それから、大きな数字の2でございますけれども、オープンサイエンスの推進の方向性、それから3として、オープンサイエンス、特にオープンデータの推進における検討課題等としています。その中でも四つのカテゴリーに分けてございまして、一つはデータマネジメントの推進、それから研究データの保存・管理等、それからインセンティブの問題、それと人材の問題という柱立てにしてございます。
 それから、本日は資料に添付していませんけれども、この委員会で昨年の夏以降、各分野のヒアリングをさせていただきました。このヒアリングを通して聴取いたしました各研究分野の状況については、追って整理をし、再度先生方にお送りする際に添付をさせていただこうというふうに考えております。そのほか、この委員会の名簿、それから審議経過について最終的には後ろに付けさせていただこうというふうに考えております。
 お時間もございますので、早速ページをめくっていただきまして2ページ目をごらんください。まず大きい柱立て、オープンサイエンスが求められる背景として、世界的な検討と我が国の現状ということで、これは以前からこの委員会でもおまとめいただきました審議まとめがございますが、そこの方向性と大きな違いはございません。二つ目の丸にございますように、オープンサイエンス推進の方向性は世界的な検討が進んでいるということと、それから米国、欧州では、既に積極的な活用に向けた取組が進められているということでございます。
 それから、その間、2015年に内閣府がまず報告書を取りまとめ、それから本委員会が審議まとめを、また日本学術会議が提言を公表しております。さらには、その後の第5期科学技術基本計画でも今日的な課題として積極的な推進が要請される一方で、研究の現場においてオープンサイエンスは広く浸透しているとはいえず、無関心も含め研究者の中でこの問題の理解は進んでいないというふうにさせていただいております。
 それから、研究データの管理・利活用という側面では、機関リポジトリの構築数は我が国が世界最多でございますけれども、研究データの登載というのはまだ進んでおりません。大学等の研究機関において、またデータポリシーの策定というのも一部にとどまっているという状況にございます。
 それから(2)として、オープンサイエンス推進の意義、それからそれへの期待ということでございますけれども、オープンサイエンスについては、この内閣府の検討会が、その一つ目の丸で書いたようなことで定義付けをしています。それを踏まえた第5期科学技術基本計画においては、二つ目の丸のとおり、3点の意義が述べられております。
 他方、最後の丸でございますけれども、実態面からは研究者と論文数の増大あるいは学術商業出版社の台頭、ジャーナルの寡占と価格高騰化、あるいは研究の多様化などが進みまして、定量的な研究評価ニーズの高まりを背景に研究成果公開と評価の在り方のひずみをこのインターネットICT技術によって打開できるのではないかという期待が考えられているということでございます。
 3ページ目の一つ目の丸では、研究者にとってこのオープンサイエンスは、研究データをよりオープンにすることで可能性を見いだす。また、学際的あるいは横断的な研究を進めるなど、これまで難しかった研究が可能になるのではないかという期待が考えられる。三つ目の丸で、オープンサイエンスは、研究の効率化のみならず、研究活動そのものを変容させて、新たな学問の在り方を見いだす取組としても期待をされるということで整理をしています。
 それから、大きなくくりのオープンサイエンス推進の方向性、2番でございます。オープンサイエンス推進の方向性は、もう既にこの内閣府における政府全体の検討あるいは第5期科学技術基本計画、さらには本委員会の前期の審議まとめにおいても以下のように5点の方向性が記されております。一つは、公的研究資金による研究成果のうち、論文と、論文のエビデンスとしての研究データは原則公開であるということ、それから、そのほかの研究成果としての研究二次データについても可能な範囲で公開するということ。それから、国家安全保障等に係るデータ、商業目的で収集されたデータなどは公開の適用対象外とする方向性。それから、個人のプライバシーの保護、それから財産的価値のある成果保護の観点から、アクセスやデータ利用の制限事項を設けること。それから研究データを的確に保存し、活用していくためのプラットフォームの整備が重要であるという指摘がされております。
 その上で、二つ目の丸でございますけれども、オープンサイエンス推進に向けた諸課題の具体的な検討においては、研究領域や研究機関、研究者コミュニティの特性を踏まえつつ、研究者の意欲をそぎ研究をディスカレッジすることなく、むしろ将来の研究の社会像を切り開くための前向きなものとして、研究者の主体的な取組を促す視点が重要であるというふうにしています。
 他方で、先行する欧州において、実際にどのような形式でデータを集めていくかという段階に既に入っているというふうにも言われておりまして、また、ジャーナルの世界においても、欧米のブランド性の高いタイトルに論文が採択されると、それに付随するデータの提出が求められるという状況が出現し、こういう意味で我が国の対応は待ったなしというふうにも言えるというふうにしてございます。
 それからその下の丸でございますけれども、このため、我が国としては、オープンサイエンスを推進するためのこういった議論と具体的な方策に基づく政策形成の両方を同時に進めていくということが肝要であるということと、それらの動きと併せて、研究者、関係機関等への啓発、さらには先行している機関との連携などを進めていく必要があるというふうにしています。
 それから、この下線を引いた部分は、先生方に事前にメールでお送りした部分から追加した部分でございますが、研究データの公開に向けたプロセスとして、まずは共有から始めることが考えられる。また、研究データ、データ公開においても、最初から全てオープン、フルオープンということではなく、相対的に現時点よりもオープン化するという視点が重要であるというふうにまとめてございます。
 こういったことを踏まえまして、大きな3でございますけれども、ここ3ポツのオープンサイエンス、特にオープンデータ推進における検討課題等について、これ以降の項目については、前期の審議まとめで示されている方向性や今期の審議内容等をミックスして記述をしております。その上で、今後の検討の方向性や論点を枠で囲って記載をしているという構成になっております。
 まず、(1)としてデータマネジメントの推進という項目でございます。ローマ数字1として研究データ管理、利活用についての方針、計画の策定等としましては、一つ目の丸で、まず、研究データの公開や利活用を進めるための前提として、研究機関や大学等においてはデータマネジメントポリシーを定めるほか、データ管理計画(データマネジメントプラン)を作成し、計画に従った管理を行うよう研究実施者に促す必要があるとしています。
 それから二つ目の丸で、昨年の6月に閣議決定をされておりますが、統合イノベーション戦略においては、研究分野別のデータポリシー策定を先導する観点から、国立研究開発法人にデータマネジメントポリシーの2020年度末までの策定が要請されております。あわせて、内閣府の検討会からガイドラインが公表されております。
 三つ目の丸でございますが、大学等においても明確なデータマネジメントポリシーの下で研究データを適切に保存・管理することによって、研究成果の流出を阻止するほか、過去の貴重な研究データの散逸、消滅等の防止に努める必要があるというふうに記述しております。
 その下の丸ですが、一方で、大学等には幅広い研究分野・領域が内在しているということなどから、組織全体としてのデータマネジメントポリシー策定には困難を伴うことが考えられるとした上で、また、その下の丸でございますけれども、統合イノベーション戦略では、機関のポリシーのみならず、各研究資金配分機関が所管する競争的資金制度においても、大学等の研究実施者がデータマネジメントプラン等に基づく研究データ管理を適切に行う仕組みの導入を求めています。科研費をはじめとするほかの競争的資金制度においても、統合イノベーション戦略にのっとって、2021年度の予算における公募までに当該仕組みを導入することが求められております。
 最後の丸でございますが、ただ、こういった科研費の導入に当たっては、特に研究現場に及ぼす影響が大きいということがありますので、研究種目の目的あるいは内容等を踏まえながら慎重に進めることが望まれるというふうにしてございます。
 その下に枠で囲った今後のいわゆる検討の方向性/論点ということで記述をしてございますが、一つ目のチェックでございますが、大学等において組織全体としてのデータマネジメントポリシーの策定は困難であるとしても、例えば、研究会や研究所、研究センターなどの特定の分野・領域の範囲から導入することは可能ではないか。なお、特定の研究分野の推進を担う大学共同利用機関では、組織全体としての導入が大学に比べて容易ではないか。この記述は、気持ちとしては、できそうなところからでもできるだけスタートできないかということを明示しているわけでございます。記述の表現の問題がございましたら、また修正等をしたいと思いますので、御意見を頂ければと思います。
 それから、大学等がデータマネジメントポリシーを検討する際の参考として、国立研究開発法人向けのガイドラインを活用できないかといったようなこと、それから、参考となる先行事例あるいは研究データの保存・共有に関する研究分野ごとの特徴について整理・公表してはどうかということを申し上げております。
 なお、目次の中でもちょっと申し上げましたけれども、研究分野ごとの特徴等については、ヒアリング等を踏まえて現在メモを整理中でございます。
 それから、二つ目のチェックでございますが、公的資金により得られた研究成果については公開という原則の下においても、財産的な価値があるものや商業的なものについては留保されております。研究データを産業界と共有する場合、どのような整理が可能なのかといったような論点が考えられないかと。
 それから、研究データを世界的に展開する際に、データを守る観点からどのような工夫が可能か、準拠法はどうするのか検討が必要ではないかといったような論点を掲げています。
 その下のローマ数字2、マネジメント対象となる研究データの範囲及び様式の一つ目の丸でございますが、研究データは研究のライフサイクルを背景に多種多様であると。また、研究分野によって様々であると。オープンサイエンスにおいては対象となる研究データは示されている方向性等としては、研究成果である論文のエビデンスとしてのデータのみならず、本来的には全てのプロセスにおいて生み出された多様かつ大量のものが含まれている、しかしながら、それら全てについて共有公開の対象とすることは現実的でないとしております。
 その次の丸では、他方で、近年、研究不正の対応の一環として、研究者には研究データの保管・管理が義務付けられ、共有・公開を意識する、しないにかかわらず、何らかの方法、手段を用いて自らの研究データを保管することが求められております。しかしながら、保管環境が十分でないといったようなこともあって、保管対象となる全ての研究データの保管には至っていない可能性があるところではないかと考えています。
 その上で、対象となる研究データの範囲でございますけれども、本審議会の前期の審議まとめにおいては、公的研究資金による研究成果としての論文のエビデンスデータを対象とした上で、その範囲についてはメタデータ、数値データ等多様なデータがあり、データを扱うプログラムがある場合には、これも含まれるというふうにしつつも、学協会等において研究上の必要性を考慮した検討を行い、更に研究者コミュニティのコンセンサスを形成していくことが求められるというふうにしております。
 国立研究開発法人向けのガイドラインにおいても、この種別・内容等については、利活用が想定されるデータや将来的に利用の可能性が考えられるデータなど機関のミッションに従ってその定義、範囲を明確にすべきとしております。特にプログラムについては、プログラムそのものが研究の本質である場合は慎重に取り扱うことが必要ではないかと考えているところであります。
 それから、研究データの様式でございますけれども、一つ目の丸で、研究データは利活用可能な様式であることが不可欠であり、機械可読性を確保することや、いわゆるFAIR原則に従うことが望まれるとしております。
 二つ目の丸で、我が国ではPDFの形式が多様化されてきているということもあって、これを活用しようとした場合に、まずデジタル化をし、データ変換をするという作業が必要であるという点についても指摘をしております。
 それから、次の6ページでございますけれども、一番上の丸で、研究分野の一部においては、研究データにおけるフォーマットの共通化に基づく共有や公開が進んでいる例があるとして、人文学分野のIIIFの件と、それから結晶学のCIFについて明示してございます。ちょっと追加できるようであれば、ヒアリングのエッセンスからもう少し事例を追加させていただきたいというふうに考えております。
 こういったことを踏まえた検討の方向性/論点としては、箱の中でございますけれども、一つ目のチェックとして、論文のエビデンスとして活用しなかったデータや失敗したデータについても公開、利活用への期待があるが、研究活動や研究発表の在り方に大きな影響を及ぼすことから、慎重に検討する必要があるというふうにしいます。それから二つ目のチェックでは、研究データはフォーマット次第で使いやすさが大きく変化する。既存分野においては既に様々なフォーマットでデータが流通している場合がある一方で、新たな分野では提案を促す余地が考えられるのではないかということを記述しています。
 それから三つ目のチェックでは、内閣府等における検討において、研究ノートは原則、管理対象となる研究データに含まれないとされている一方で、研究不正の観点からは、適切に保管しなければならないとされております。このオープンサイエンスにおける考え方の中で、研究データの対象については、保存・管理段階と共有・公開へと進めるものとで整理が必要ではないかというふうに記述をさせていただきました。
 それから、ローマ数字の3でございますが、研究データの信頼性・透明性の確保として、研究データにおいても、論文同様、信頼性が確保されていることが利活用を促進する上で重要であると。また、研究データを基にした精度の高い成果の再現を可能とするため、プログラム、ソフトウエアのバージョン等は、データ作成者が明示する必要があるとしております。
 その上で、検討の方向性でございますけれども、研究データの質の向上を図る上で、データ利用者からフィードバックを受ける、あるいは大学等の研究機関をキュレーターの雇用実績に基づき格付を行うといったような仕組みを導入するなど、何らかの方策を検討する必要があるのではないかといった点を挙げさせていただいております。
 いずれにしても、その研究データの信頼性をどう図っていくかという観点については非常に重要なポイントかなというふうに考えます。
 それから、ローマ数字4でございますが、利活用を円滑化するためのルールの明示という項目でございます。一つ目の丸では、研究データの利活用を円滑化するために、二次利用のルールを明確化することが望ましいと。著作権ルールであるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのような形で利用条件を明示することが望まれるとしております。
 それから二つ目の丸は、一方、データは厳密には著作権がないということで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの対象とは本来ならないんだけれども、著作権の有無にかかわらず、当該データを利用してもよいという意思表示のため、研究者コミュニティにおけるルールとしてこのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをそのまま活用するということも考えられるとしております。
 それから、7ページの最初の丸でございますが、医療記録や生体記録など特定のデータについては、プライバシーや機密性等の問題に留意する必要があるとしております。
 最後の丸は、研究データの利活用を円滑化するために、引用の作法を確立すること、データポリシーにおいて免責事項を示すことが必要であるというふうにしております。
 その上で、検討の方向性/論点でございますが、研究データの利活用に係るルールは、アカデミア、産業界、行政も含めて各ステークホルダー間で合意できるものを形成していくべきと考えられるが、これにはどのような検討の方法があるのかということ、可能かということで記載させていただきました。
 それから、二つ目のチェックでございますけれども、研究データを公開するに当たり、商用利用される可能性を懸念する研究者が多いとの指摘がなされているが、この点についてはどのように考えるかといった点を挙げさせていただいております。
 それから、ローマ数字5として公開の制限でございますが、一つ目の丸で、研究データの公開、非公開の区分については、一般公開(オープン)、非公開(クローズ)の間に制限共有であるセミクローズや制限公開であるセミオープンのいずれか、あるいは両方を設けている。また、公開までの猶予期間を設けているケースがあると。
 二つ目の丸で、研究データの特性や内容、それから研究機関の方針等を踏まえ、公開等になじまない性格のデータについては非公開とし、個人のプライバシー保護、財産的価値のある成果物の保護が必要なものについては制限事項を設ける必要があるとしております。
 その上での検討の方向性/論点としては、一つ目のチェックでございますけれども、どのデータを公開すべきか、あるいはどのような場合に非公開とすべきか、どのような制限事項を設けるべきかについては、コミュニティの特色を踏まえた検討が必要ではないか。他方、研究コミュニティの議論をどのように喚起するか、また、法制度やデータ利活用の進展なども考慮する必要があるのではないかという点を挙げさせていただいております。
 それから二つ目のチェックとして、企業との共同研究に係る研究データについては全て非公開の扱いとするのが適当なのかどうか、一定の線引きを行うことは考えられないかという論点を記載させていただいております。
 それからローマ数字6の研究分野の特性に対する配慮でございますが、一つ目の丸で、研究分野によって研究データの保存、共有の作法に違いがある。それから、それら特性に応じたルール作りが必要であるとしています。
 二つ目の丸で、この特性という観点からは、研究分野のほか、研究フローという側面も存在すると。また、研究分野の特性を整理する際、研究が産業界、知的財産と近いか遠いか、社会との関わりが直接的か間接的かという観点もあると。
 それから、三つ目の丸でございますが、天文学や素粒子物理学、ゲノム科学など、多数の研究者が共同して、あるいは大型装置を活用して研究が進められてきた分野では、オープンサイエンスが叫ばれる以前から、次のページでございますけれども、研究データの共有を前提とした取組が行われている、こういう実態を書かせていただいております。
 それから、それらを踏まえた検討の方向性/論点としては、一つ目のチェックでございますけれども、研究分野ごとの状況が異なる中で、一律のルール策定は困難であるとしても、幾つかの分野において一定の方向性を示すことは可能ではないかと。それから、研究分野別の議論をどのように進めるべきか。特定の研究分野についてこのようにすれば研究データの共有・公開が促進できるのではないかという部分に焦点を絞って議論を進めてみてはどうかといったことを記述させていただいております。
 それから、(2)としまして、研究データの保存・管理等でございます。ローマ数字1で研究基盤の整備として、これは1ポツ目はもう当たり前のことですが、プラットフォームの整備が重要だということを記述した上で、二つ目の丸、研究プロジェクトや研究分野の中核的機関の一部においては既に構築が進められていますけれども、国全体から見れば整備は一部にとどまっているという実態。それから三つ目の丸で、一方で機関リポジトリの整備は世界標準に沿って着実に推移しており、今後、これらをデータ基盤として活用することを視野に機能拡張することが期待されるとしております。
 その上で、現在、NIIが開発を進めている研究データ基盤でございますけれども、2019年度中の実証実験、20年度後半の運用開始に向けて開発を着実に進める必要があるというふうにしております。このNIIのシステムにおいては、機関リポジトリについてもデータ基盤として活用が計画されているということもございますので、期待が非常に大きいところではございます。
 それから、次の丸でございますけれども、ジャーナルに論文の掲載が決定した際に、エビデンスとしての研究データの提出を求められるようになってきており、我が国の研究データ基盤がそのプラットフォームとしての役割を果たせるよう、国際的な協調を図っていくことが重要であるとしております。
 それから最後の丸は、追加させていただいた事項でございますけれども、産業界が研究データを一般公開することは難しいと考えられるが、共同利用者に限った公開、いわゆる制限共有の可能性を視野に入れると、安心してデータを保存できるセキュアな研究データ基盤の整備が重要であるというふうに記述しております。
 その上で、検討の方向性/論点でございますが、NIIにおいて開発を進めている研究データ基盤の整備は着々と進んでおりますけれども、これの利用拡大に向けて、研究機関や研究資金配分機関等との連携を強化すべきであるという方向性。それから、JSTが運用するJ-STAGEでございますけれども、登載される論文と当該論文のエビデンスデータとのひも付けや識別子の付与など、データインフラとしての機能を格段に強化すべきであるといったようなことを書かせていただいております。
 それから、保存すべきデータ及び保存期間ということでローマ数字2でございます。次のページ、9ページでございますが、研究不正への対応において、データ等をどの程度の期間保存するかは、原則として論文等の発表後10年間の保存が求められているということでございます。研究者の退職やプロジェクトからの離脱、又は研究の終了後にそれまでの研究データを保存・管理する仕組みが整っておらず、保存・管理できる後継者がおらず、放置・削除される可能性が危惧されているという実態を書かせていただいております。
 その上で、検討の方向性/論点でございますが、オープンサイエンスの観点からの研究データ保存と研究不正対応との関係については、どのように整理すればよいのかという点、それから、全てのデータを保存することは現実的でないものの、研究プロセスを再現し、検証可能とするデータについては、保存することを可能にする仕組みが必要ではないかといった点。
 それから二つ目のチェックでございますけれども、研究終了後などにおける研究データの保存・管理についてはどのように進めていくべきかという点と、それから論文のエビデンスとして活用しなかったデータ、あるいは失敗したデータの保存・管理についてはどのようにすべきかといった点を記述させていただいております。
 それから三つ目のチェックでございますけれども、当面、利活用の対象とは考えられない研究データであっても、ダークアーカイブにしておくことは、データの散逸、消滅等を防止する観点から重要なのではないかという点を記述させていただいております。
 それからローマ数字の3でございますが、データリポジトリに係る国際認証の取得として、海外の有力ジャーナルに論文が採択された際に提出が求められるエビデンスデータについては、信頼できるデータリポジトリに保存し、公開することが必須条件となりつつある一方で、我が国には国際認証基準に基づくリポジトリは少ない状況となっているとしております。
 その上で、データ公開の受け皿となる国際認証基準に基づくデータリポジトリが我が国にないとなれば、我が国において生産された研究データが主に海外のデータリポジトリで保存・公開されることになります。データの海外流出を後押しすることになり、国際認証基準に基づくデータリポジトリの整備が急務ではないかというふうに考えております。
 論点としては、データリポジトリの信頼性を高める方策を検討する際、認証プロセス等の参考として、信頼性認証の国際的な枠組み(Core Trust Seal)に着目してはどうかといった点。それから、我が国において国際認証されるデータリポジトリを増加するため、国際認証の取得に向けた実例や手続を整理して示し、その意欲を高めることも一案ではないかというふうに示しております。
 ここには記述はしていませんけれども、先ほど紹介申し上げた内閣府の検討会においては、統合イノベーション戦略の記述に基づきまして、この国際認証に関連したガイドラインの策定へ向け、検討が進められつつあるというふうにお聞きしているところでございます。
 それから、ローマ数字の4でございますけれども、研究データの利活用促進ということで、ちょっと標題が分かりにくいのですが、システム的な観点から記述をさせていただいております。まず一つ目の丸は、各データと論文情報との統合的な検索や分野別のデータ検索が可能となる仕組みを整備する必要があるとした上で、異なるインフラ間の相互運用性を確保するとともに、マシンリーダブル対応が不可欠である、また、データの品質管理が重要であるというふうに記載をさせていただいております。
 恐縮です、あと2ページほどですので、御説明を続けさせていただきますが、その上で、検討の方向性/論点としては、膨大な研究データから特定のデータを検索する際に、その検索キーワードとなるメタデータの標準化を進める必要があるのではないかということを取り上げさせていただいております。
 それから、(3)のインセンティブの問題でございますけれども、ローマ数字の1として、研究者に対するインセンティブとしまして、一つ目の丸、研究データのオープン化は、実際の研究現場にとって大きな負担感を伴うものであり、個々の研究者にとってプラスに働くという面を示すなど、これに取り組む動機付けが重要であるとした上で、オープンサイエンスは、これまでの研究界におけるいわば秘密主義を改変することにもなることから、研究者による研究データの共有、公開がきちんと評価される仕組みを構築し、研究者の受容性を高めるとともに、研究者が不利益を被ることなく利活用を円滑化することが重要であると。
 それから三つ目の丸でございますけれども、現時点においてオープンサイエンスが進んでいる研究領域では、これに自発的に取り組む研究者が存在するなど、陰の立て役者が存在する場合が多いことから、そのような人をしっかりと認識し、評価していくことが必要であると。
 最後の丸は、研究データを作成し、ほかの研究者に提供し、利活用できるようにする活動が十分に評価されてこなかった研究分野も多く、このような活動に対する努力を適切に評価することが重要であるとしております。
 検討の方向性と論点については、研究者のインセンティブを確保する観点から、研究データを利活用する際にデータ作成者の表示を要請するなど、その貢献を認知してもらう取組が重要ではないかという点。
 それから二つ目のチェックでございますが、高品質な研究データを提供した、また、需要が大きい研究データを公開した研究者に対して、それに見合う適切な評価、処遇の仕組みを設けることも方策の一つではないかというふうにしております。
 それから、ローマ数字の2でございますが、研究データの引用と評価。研究データの利用者が、論文などの引用と同じくデータの引用元を明らかにすることによって、データの作成者の貢献が記録され、データ作成者の業績として評価されることになると。大学等及び研究コミュニティにおいては、そのことを共通に認識し、実行していく必要があるとしております。
 検討の方向性/論点としては、研究データを出版物と同様に引用し、インパクトを測定する環境については、どのように整備していくことが考えられるかというふうにしております。
 それから、三つ目のローマ数字3でございますけれども、識別子の導入ということで、研究成果の利活用を促進する観点から、論文及び研究データに永続性のあるデジタル識別子を付与する必要があるとしております。
 それから二つ目の丸でございますけれども、研究者識別子を活用することにより、研究機関間の異動や姓の変更などにかかわらず、次のページへ行きまして、研究者を同定可能、更に研究機関内の研究者同士のつながりや研究の近接性、他機関の研究者との関係性なども分析可能となるとしております。
 それから、11ページ最初の丸でございますけれども、研究データや研究者への識別子付与によって、研究の着想段階から波及効果までがモニター可能となり、研究活動の流れや効果の測定も可能になると。
 それから、次の丸で、JaLC(ジャパンリンクセンター)の概要と、それから次の丸で、J-STAGEにおいては、登載論文の基になったエビデンスデータのうち、研究室のサーバー等に保存されているデータをリポジトリに登載し、DOIを用いて論文とデータ間のリンクを確立する準備を進めているという点を挙げております。
 それから検討の方向性/論点としましては、どの粒度の研究データに対して識別子を付与すべきかについては、ヒアリング等でも様々議論がありましたけれども、研究者コミュニティにおける一定のコンセンサス形成が不可欠である、これをどのように進めていくべきかという観点。
 それから、DOIについては、世界的に利用が拡大しており、引き続きJaLCの活動を支援していく必要があるという方向性。
 それから、研究者の識別子としてORCIDの利用が世界的に広がっているという状況にあると思います。機関リポジトリやNIIの研究データ基盤との連携について検討を進めてみてはどうかということを記載させていただいております。
 それから、最後の観点ですが、人材の育成・確保でございます。一つ目として、オープンサイエンスのためのスキルということで、一部の研究分野においては大規模な研究データを蓄積する慣例を有する場合もあるが、大部分の研究者にはオープンサイエンスを実現するために必要なスキルを開発するための訓練、教育が必要であると。それから二つ目の丸として、研究データを扱う人材には、本来的に、研究分野の知識やデータ分析はもとより、統計やプログラミングなど豊富な知識と専門性の高いスキルが要求されるということでございます。
 方向性としては、海外の事例なども参考に、研究者やその支援者に必要となるスキルを把握・整理する必要があるのではないか、また、それらのスキルをどのように獲得すべきか、させるべきか、そういった観点があるかと考えております。
 それから、データキュレーター等の育成として、11ページ、最後の丸でございますけれども、研究分野ごとに異なるデータの属性、管理手法、利用者、利用局面等を理解できる人材の確保が必要であるとしております。
 それから、12ページへ参りまして最初の丸でございますけれども、大学等においては、技術職員や大学図書館職員等がデータキュレーターとして一定の機能を担っていくことも期待されると。職員の能力開発と併せて、新たに専門人材を確保していくことについても考慮すべきであるとしております。
 方向性としては、データキュレーターを育て支えていく仕組みを作ることが急務であると。人材育成の観点として、個々の研究分野に対応した育成も重要であるが、まずは全体としてどうするかを考える必要があるのではないかという点。それから、人材育成においては若年層のみならずシニア層も含めた幅広い層を対象にすべきではないか。研究者が一線を退いた後、サポート側にシフトするようなことも有意義ではないかとしております。
 また最後に、大学等がキュレーションを行える体制とは具体的にどのようなものなのか、示していくべきではないかというふうにしております。
 それから、目次のところで申し上げましたとおり、参考といたしまして、この後ろに分野別の特色・課題等、これは各研究分野のヒアリング等の内容を整理して挿入を予定してございます。それから、この本委員会の名簿、審議経過について添付をさせていただきたいというふうに考えております。
 全体として、これまでの審議の中で御指摘のあったポイントについてはある程度拾い上げているつもりではございますけれども、抜け落ちている点や、それから認識不足、そもそも認識違いの点もあるかと思います。また、少し項目整理が粗いところがないわけではありませんけれども、まとめると、また表現しにくい部分もございますので、全体として御意見を賜れればと思います。本日はできる限り御意見を頂くとともに、会議が終わった後、また改めてメールで御照会申し上げたいというふうにも考えておりますので、御協力をお願いしたいというふうに思います。
 御説明は以上でございます。長い時間申し訳ありませんでした。
【喜連川主査】  ありがとうございました。今、この資料1の論点整理(案)に関して御説明を頂いたわけですが、それに関しまして、本日は時間が許す限り意見を委員の皆様からお伺いできればと考えております。その後、事務局において修正をさせていただき、更に、大変恐縮ですけれども、その修正案を再度お送りさせていただいて、御意見を頂戴し、今期のまとめとするということでございます。
 様々な観点でうまくまとめていただきましたが、全部を四つぐらいに区切り、進めていきたいと思います。御意見がたくさん出るところは丁寧に議論し、言い忘れは後から御発言いただいても結構ですので、機動的に考えながら進めたいと思います。まずは、最初の書きぶりに関して、抜けているところ等の御意見がございましたら是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。はい、どうぞよろしくお願いします、美馬先生。
【美馬委員】  全体について。今回おまとめいただいた今の御説明は、論点を網羅する感じで整理されていてとても分かりやすいと思います。特にこのオープンサイエンスの方向性についての大きな最初に書かれていた大目的には、みんな賛成すると思います。ただ、これをどうやっていつまでにどこに持っていくのかというスケジュール感が全くここには入っていません。この委員会ではそこまではいかないということなのかもしれないんですが、次に引き渡すにしても、我々はこれを最終的にどういう状態に持っていきたい、このオープンサイエンスについていつ頃までにどこまでに持っていきたいのかというものが必要だと思います。論点だけいっぱい出して、それを渡すだけというのは無責任というか、何か分かりにくいと思います。
 あと、全く図もないですよね。全体図を見渡す図がなくて分かりにくい。だから、一個一個はすごく一生懸命出して整理していますが、文章を全部読んで分かってほしいというのも不親切かなと思います。
 それで、例えば国内でどういう分野がどういう動きがあって、ほかのあるいは研究機関とかどういう動きがあるのかというものも含めて図示されると良いと思います。そして本委員会の位置付けです。この委員会あるいはこれを引き継ぐ次期の委員会が、どの部分を担っているのか、そこを明確にする方がいいと思いました。
 分野ごとによるだろうという話で、今、学会レベルでやっているところもあるし、学術会議もありますし、前期にここにいらした美濃先生が委員長をやっている学術会議の中でも、教育データをどうするんだという議論も始まっていています。そのような状況において、誰が、どこが全体を把握しているのか。まずはそこが見える方がいいというのが、意見です。
【喜連川主査】  大きく3点ぐらい論点があったかと思います。一つ目は、いつまでに何をするのか、これだと分からないんじゃないですかということ。二つ目は、丸を書いて数行の文章という書き方は、委員の先生方は議論を思い出しながらそうだったなというイメージができますが、公開されたときに、分かりづらいのではないかという点。これは時間が足りなかったからだと思うので、修正されると思います。
 それで三つ目が、美濃先生の教育データも含めて、いろんなところでいろんなことをやっているけれども、誰が分かっているのかという点。逆に、そういう状態で、2年以上こうやってオープンサイエンスの議論できているということは、国の審議会としてはまれかもしれません。どこかであるからそれをまねしてやるというのは幾らでもできて簡単です。グローバルにも正に動いている最中ところを文部科学省も考えているというのは非常に画期的だと思います。そういう意味では、去年の6月15日の統合イノベーション戦略に出たということもすごく大きな一歩だと思います。ですから、これは可能な範囲で、時間スケールのマイルストーンを微妙ににおわすというところになろうかと思います。
 それから、最後におっしゃった点、いろんなところでいろんなことが起こっているということも、いいことで、それを阻害することなく、その動きを無駄にしないように、逆に言うと、こういう文部科学省の方でしっかりした枠組みを付けることで、自分たちがやっていることというのは正しい方向なんだな、文部科学省も応援してくれているんだなというふうに思えるようなものをここで出していくということだと理解しています。どのみち全部捕捉できないと思いますが、感覚的には非常に初期段階ですので、このくらいの混沌としたところで頑張っているというのは、ポジティブに捉えるといいことなんですけど、外からは、指揮系統があやふやなんじゃないか、というようなふうに見えないかという御懸念ですが、丸山室長、いかがでしょうか。
【丸山学術基盤整備室長】  御指摘ありがとうございました。タイムラインは表しにくいんですが、ただ、意気込みを示す必要もあるというふうに思います。オープンサイエンスに関しては、国内ではこういった場を通じて議論は進んできており、そろそろ一歩進めていくというところに来ているんだろうと思います。
 今、主査からも御発言がありましたが、各方面で議論が何度となく進められているということは、その危機感の表れもあるんだろうというふうに感じていて、その方向感を誤らないように上手にリードしていく必要があるというふうに感じています。書き込める範囲で少し工夫をさせていただきたいと思います。
 それから、文章だけで分かりにくいという御指摘はごもっともでございまして、これは従前に主査と御相談させていただいた際にも同じ指摘を受けておりますので、その図の取扱いについてはちょっと工夫をさせていただく方向で検討中でございます。
 各セクターの動き等も含めまして、少し足せる部分については記述をさせていただきたいと思います。また御意見を賜れればと思います。ありがとうございます。
【喜連川主査】  美馬先生、大変本質的な、非常に全体としての視座をありがとうございました。
 ほかに御意見はありますでしょうか。それでは、辻先生、どうぞよろしくお願いします。
【辻委員】  大変よくおまとめいただいているかと思います。特に3ページ目の終わりから4ページ目の頭にかけて書かれているような、全てをオープンにするということではなく、例えば、まずは現時点よりもオープン化する視点が重要というような、前よりもオープン、ベターを目指すんだといったような議論は、まさにこの場でなされていたかと思いますので、よくぞ入れていただきましたというふうに感じております。
 それからもう一つ、非常にこの場での議論の中でよく出てまいりましたのが、できるだけコミュニティの主体性を尊重していきましょうという話があったかと思っております。何かお上が言うから全部それをやるんだというのではなく、そのコミュニティごとの特徴を生かしながらまとめていくのがいいでしょうという議論であったと思っております。そうしたことからも併せて、少し表現の問題かと思うんですけれども、修正いただいてはどうかと思いましたのは、例えば2ページ目1の、三つ目の最後などで、「オープンサイエンスは広く浸透しているとは言えず、実際、無関心も含め研究者の中においてこの問題の理解は進んでいない。」と、実際にはそのような状態、現状ではあるかと思うのですけれども、できるだけエンカレッジしていくような表現にしていくのが、やっぱり次のディスカッションの中でも盛り上げていく雰囲気を醸成できるのではないかと思いまして、コメントさせていただきました。よろしくお願いいたします。
【喜連川主査】  私もこの理解が進んでいないというこの文章は、つい引原先生の目を見てしまったんですけど、例えば「進んでいるとは言えない」とか、何かもうちょっと婉曲な表現に落としておいた方がいいんじゃないかという御発言だと思います。
 これはちょっとそういう意味で、まずストレートにポイントをまとめたということだと思いますので、文章の端々のおかしいところは、今後皆さん是非おっしゃっていただければいいかと思います。私も、「インターネット時代において」など、今どきそんなことを言う時代じゃないという点があり、人によって感じ方で気になるところがあると思いますので、それは個別におっしゃっていただければと。
 ほかにいかがでしょうか。北森先生、どうぞよろしくお願いします。
【北森委員】  大変網羅的にまとめておられて、ここで出た議論はカバーされているんじゃないかなというふうには拝見しました。ただその中で、学協会というのが1回出てくるだけで、その後はコミュニティ、研究者コミュニティとか学術界と、巧みに学協会を避けておられるのかなと最初は思ったんですが、読んでいくうちにそうでもないのかなという気もしていまして、ステークホルダーの中で、やっぱり法人という意味だと学協会というのが入っていてもいいのかなという気はします。背景の方でも、やはりオープンサイエンスを推進している諸外国の主体は学協会。日本の方はどうかというと、そうでもない。学協会という法人をやはりちゃんと位置付けておいて、その対比的なディスクリプションもこの1と2の中に入っていてもいいかなという気もしました。
【喜連川主査】  それは余り意図的に避けられたわけではないんじゃないかと思うけど、いかがでしょうか。
【丸山学術基盤整備室長】  申し訳ありません、表現をする上で、学協会という言葉を避けたわけではないんですが、最終的に少なくなってしまったということで、ちょっと改めて見直して、そこをあえて強調するというよりは何か上手に表現できればということで、読み直してみたいと思います。申し訳ありません、ありがとうございます。
【喜連川主査】  ということでありますが、たしか学術会議との連携学協会も2,000弱ぐらいあるんですよね。そこに任意団体のようなものも入れると、ロングテールになってしまいます。日本化学会のような大きいところと、小さいところと、その辺は難しさもありますよね。いかがでしょうか。
【北森委員】  学協会というだけだと星の数ほどあるというけど、まあ2,000なんでしょうね。その中で、海外でも同じなんですけれども、結局ステークホルダーとして重要なのは、ハイインパクト・ファクター・ジャーナルを持っている学協会ということにほとんど限定されるんじゃないかなと思います。それで、そのときに、やはりこれからいろいろな政策をお考えになっていく上でも、どこを支援するのかというようなところも、ある程度この議論の中では見えてきているはずなので、それが暗に分かるような、学協会のクラシフィケーションが分かるような、ちょっと言いにくいんですけど。
【喜連川主査】  とりあえずは学協会という名前を入れておけば、この文章としてのバランスはすごくとれて、クオリティとしてはよくなると思います。ただ、アクショナブルにしようと思ったときに、学協会のチャネルをうまく使うのは、それなりに何か工夫が要るような気もしますので、そこは今期ではちょっと議論がもう重ねられなかったと思いますので、次期にいかがでしょうか。
【北森委員】  次期へ先送り、申し送り事項としてこういうことは検討すべきだという、それだけでも非常に意味があると思います。
【喜連川主査】  そうですね。
 ほかにいかがでしょう。引原先生お願いします。
【引原主査代理】  北森先生がいつも御指摘くださっていたんですが、要するにデータに対しては最後の砦であるということが議論の中にあったと思います。それが何か後ろの方の2の最後から二つ目のポツぐらいに出てくるんですけれども、背景として、やはりそこは切迫感があるということを前の方に持ってきた方が問題点の指摘としてはいいのではないかなというふうに思います。北森先生、いかがですか。
【北森委員】  是非、背景としては、先ほどの繰り返しになりますけれども、ハイインパクト・ファクター・ジャーナルを歴史的な背景で持っていないということに対する唯一の砦。この機会を失うと大変ですよというようなことをどこかに明示してもいいのかなという気はします。
【喜連川主査】  それを文部科学省の文書としてどう書くかというのは、若干思慮深く――要するにGDPRは10年掛けてグーグル外しを狙ったということです。同様の点を前に持ってくるのか、もう少しソフトなオープンという言葉を持ってくるのかということから言うと、後者で記述をせざるを得ないのも事実で、後ろの方にでも書かれているというのが結構重要な大人の判断でもあるような気が。
【引原主査代理】  いや、同じように1の(2)の一番下と、それから2の方の後ろから二つ目ですか、ここに書いてあるので、これもちょっと整理して1を変えるだけでいいんじゃないか、それだけのことです。
【喜連川主査】  今、引原先生がおっしゃったようなところで、そんなに前に露出しようということではないという理解をすれば、書き方をもうちょっときっちりとまとめるという形で、その点は忘れているわけではないんですというようなメッセージがインプリシットに伝わるということかと思います。それは重要なことだと思います。
【北森委員】  そういう意味では、1のところの背景のところに時間軸が入った背景がないので、歴史的にはこういう経過で、学術論文の紙媒体としての出版から時代が変わっているという、そういう大くくりなところを少し書いておけば、その先をちょっと想像してもらうという、そういう背景もあってもいいんじゃないかなという気はします。
【喜連川主査】  これはNISTEPが得意でしょうか。
【林上席研究官】  頑張ります。
【喜連川主査】  文部科学省をサポートするというか、時代背景も少し、本文に書くか、参考資料に書くか等、工夫いただければと思います。こういう流れはすごく重要だと私も思いますので。
 ほかにはいかがでしょうか。じゃあまず安藤先生から、はい。
【安藤委員】  今の話に関係するんですけど、私はこの委員会で最初にいたときに、萌芽関係というか公的資金を使ったものとか、それから、大学の関係の人は大体公のそういうポジションにいるから、そういうものにまず、例えば共同研究とか企業が自分のお金で得たデータは別ですよという、そこは理解したつもりでいたんですけど、今のまとめは非常によくまとめてあって、ただ、読めば読むほど萌芽関係というのは物すごく実はとんでもなく大きなものを扱っているので、どういうふうにまとめるかというのはいまだにちょっと分からないところがあります。
 その中の一つが、これを読んでみますとすごく面白い記述があって、先ほどおっしゃった学協会というのが余り出てこないという論点も一つありますけれども、それとは別に、データの質の保証というのが、やはりやるとすれば、有名雑誌なんかで再録されたやつにまつわるデータは多分少し高い位置付けになろうかと思うけど、きょう議論したように、例えばですけれども、使われなかったものとか、失敗したデータとか、本当のビッグデータでいうと、そういうのも含めてまた後の世の人が使えるようにしておくのが本当の意味のオープンサイエンスだと思えば、とんでもなくデータが増えるというのは想像つくわけですね。その中で、むしろ非常に増えたデータの中で、そこに逆の引用のような感じですかね、このデータはこの論文に何年に採録されたことがあるとか、例えばそういうもので、今のインターネットの勢いを見ていると、ほとんどはそういう根拠なしに使っちゃいけないデータの方が多くなるんじゃないかというような危惧さえ覚えるぐらいの話なんです。それで、オープンにすることは重要なんですけれども、やっぱりどのぐらい信頼できるかというものを、もちろんそのメタデータを完璧に用意して定義するにしても、そこのところをどういうふうにしたらいいかなというのは空恐ろしい。だから、学協会の責任は物すごくそういう意味では大きいんですけど、たくさんあるデータとか何かのオープンサイエンスの中で、論文になったものというのがむしろ少ない格好になるのかですね。今はその逆で、論文があるんだけど、ほとんどのものはデータが出ていないわけですよね。ただその逆になっていくのかなという気がちょっと見ていてしました。
 それで、これはすごいですね、6ページ、一番下の枠内で、「データの利用者からフィードバックを受ける」、どきっとしましたね。今、論文だと引用されているかとか、あるいはエビデンスが見つかったとか、そういう意味で話題にするんですけど、訳分からないデータだけど、これを使ったらこういうのができる、このデータはすごいデータだというような評価をユーザーから例えば頂くような社会になるのかなというのを、ちょっとこれを読んで思いました。ですから、その包含関係というか、信頼の度合いとかというのを、認別子を付けるとかというのはすごいことですね。世の中にデータがあふれてきて、全部認別子が付けば、組織のつながりとか、研究者の近さとか、インターディシプリナリー、最高の場所だという評価はできることになりますので、すごいなとちょっと思いました。まあ、学協会がどうしたらいいかという観点で今お話を聞いていたんですけども、質を保証するというのはどうやってやるかというのは、これはすごい背景として最初に書いておかないといけないかなとちょっと思いました。
 以上です。
【喜連川主査】  安藤先生としましては、この論点整理について、どこを修正、加筆すればいいと思っておられますでしょうか。
【安藤委員】  一つは、公的というものに限るというのがまず前提で理解して、その後、こういうふうなデータが爆発していく時代のときに、オープンにしたときに正しいデータとそうじゃないというデータを何か分かりやすくしておくような、文章は幾つか入っているんですけれども、そのことはすごく重要だぞという気はしました。まあ、学協会としてそこに主導的に関われれば一番いいんですけども、そこまではまだ分からない、自信はないですけども、そういうようなことも必要かなと。で、この中にはそれこそ失敗したデータや何かも、使えないと決まったわけじゃないというような書きぶりがありますので、どこまでをカバーして戦略を述べるのかなというのがちょっと分からなかったんです。
【喜連川主査】  そうですね、丸山室長、今回の論点整理で、公的資金というのは、最初の導入節で明示的には書かれていないんですね。G7合意はそこから入っているので、そこは書いてもいいですが、何か意図的にそうされなかったというところがあるんでしょうか。
【丸山学術基盤整備室長】  そうですね、そんなに強い意図を入れているわけではないのですが、従来の議論は、基本的にはやっぱり公的資金をベースにしたものは全て基本は公開ということを原則にしながら進めましょうということではあったものの、ある意味で、ここへ研究不正の問題とか、側面にいろいろな問題がある中で、本当にデータの保存管理、利活用という大きな流れを考えたときに、全体としてそのデータというのはどこまで本当はきちっとやるべきなのかといった論点が恐らくあるんだろうと。他方で、全部全てを何とかするというわけにもなかなかいかないというところでは、どのあたりに折り合いを付けるかというところが非常に難しい問題かなと。ただ他方で、公的資金をベースにしたところからまず入るというのが大原則だと思いますので、そこの部分は捨てていないつもりなんですが、ちょっと分かりにくいということであれば、記述をもう少し工夫させていただきたいというふうには考えております。ちょっと明確な答えになっていなくて申し訳ありません。
【喜連川主査】  この辺のまとめ方というか認識の仕方が、人によって微妙に違うかもしれないんですけれども、安藤先生、これはどういう見方になっているかというと、予算をプロジェクトとして投下しますと。投下したものの中で論文に昇華できるものというのは多分部分集合ですよね。ある部分はまだ進行中であり、必ずしも明確なデリバラブルにつながらない部分もそれなりにマジョリティとして残りますよね。そうすると、国家、つまりCSTIから見ると、投資対効果を計測するのが今までは論文だけだったんですね。いい部分だけだったわけです。そうじゃなくて、今回のムーンショットもそうですけれども、できるかどうか分からないぐらいのヴェイグな空間まで持っていったとすると、残りの方のアセットというのをアンカウントしようとしています。カウントに入れないと、もうつじつまが合わなくなるんですね。国家投資のROIを考えますと。
 したがって、ポイントは、先生のお言葉を借りますと、論文になった部分に関しては、ある種サーティファイされたようなハイクオリティデータであると。これはいいと。で、残りの部分は、研究をしているお作法として、今までは何の対象にもしなかったのを、とにかく入れるというところまではやりましょうと。そこが経年とともにだんだん発展して、あるいはもうこれはほかの人と共有していっていいよというところで価値に生まれ変わるところを、政府として捕捉をすることによって、科学技術予算の投下のエビデンスをそこで取るという流れなんですね。3年間の予算の中で、今は何も捕捉する手段がないわけですよね。そういう意味で、このフレームワークが今動こうとしているというのが、喜連川の大局的なところからのまとめとしてはそんなふうになるんじゃないかと思います。
【安藤委員】  まさに今おっしゃったようなフレームワークが最初に何か理解されると、非常に分かりやすい気がします。
【喜連川主査】  それでそこで、これは一回だけ微妙な発言で私はここの場でたしか申し上げたことがあることを記憶しているんですが、原則、研究者の態度はどうなるかというと、オープンにするデータというのはミニマイズする気がしております。マキシマイズせずにミニマイズするはずなんですね。ここら辺は余り陽には書けないんですけれども、そういうことを念頭に置きながら、我々がこういう施策を次にどう動かすかというのは、ちょっと今期の議論の中では多分できないと思うんですけれども、一歩一歩もう少し深めていく必要があると思うんですが、ちょっと丸山室長、今の安藤先生からの論点は、確かにそういうふうに若干理解しづらいところが、つまり周りが失敗データと言うわけなんですけど、今私が説明したような、もう少し全体のフローの中でどのポーションを今ここでは指しているのかみたいなものがもう少しいうと分かりやすくなってくるんじゃないかなと思いますので、それはまた少し微妙に追加していければと思いますが。
 どうぞ。
【引原主査代理】  追加してすいません。今のお話と関連すると思うんですけども、結局はファンド自身が論文を最終的には出すことが大前提ということがあると思うんですが、ファンドによっては論文を支援しないものもあるんですね。そこは非常にまたグレーになってしまうというので、やっぱりそれは国としては統一される必要があるのではないかなというふうに思います。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)なんかは論文を出しても全然支援しないですよね。
【喜連川主査】  それはそうですね。
【引原主査代理】  ええ、当然企業も入っていますからね。そういうものに対しての部分がここで包含される可能性があれば、また違うフェーズが出てくるんじゃないかなと思いますけど。
【喜連川主査】  NEDOの場合は、ある種、工業所有権が出口で。
【引原主査代理】  そうなんですよね。だから特許というのにプラス何か。
【喜連川主査】  そうですね。文部科学省の委員会ですので、ちょっとNEDOのお作法をどうするかというのはまた。 ほかに御意見はいかがでしょうか。じゃあどうぞ。
【林上席研究官】  今の論点の補足だけなので、一言オブザーバーから恐縮です。
 今の議論は、プレパブリケーション、ポストパブリケーションのところで分けて表現されることが多くて、ポストパブリケーション、つまりパブリッシュという行為の後に関しては論文のエビデンスのデータに関する扱い、それ以前のものに関してはというふうにして整理されることが多いので、そういう形で私が絵を描けばよろしいのでしょうかという考え方です。
【喜連川主査】  うーん、まあプレと言えばプレなんですけど、そうなりますかね、ポテンシャルというか潜在的に価値が生まれるという、何かそんな意味ですね。
【林上席研究官】  はい。ただ、ジャーナルというものは紙の上に情報を載せてロジスティクスで回すという流通の仕組みのパブリッシュという行為で表現していて、その枠すら崩すのが、今回の、研究データ流通にかかる話の本質になっているかと思うんですよね。そのあたりの……。
【喜連川主査】  プレにするというのが、どう言えばいいのかな、エンバーゴ的な意味でのプレというのと、ちょっと今回のポスト感は大分意見が違いましたよね。だから、既存の言葉を使ったときに……。
【林上席研究官】  使わない方がよろしいかもしれませんね。であれば、明快にタイムラインを引いて。
【喜連川主査】  そうですね。
【林上席研究官】  自分は研究者がこれで仕上がったと思うタイミングがあるんですよね、その前と後ですよね。
【喜連川主査】  そうです、はい。
【林上席研究官】  その出し方は論文以外もいろいろなやり方があるわけで、その仕上がったとされるところを、文部科学省で定義するのが難しいかもしれませんが、ちょっとトライをしてみます。
【喜連川主査】  恐縮なんですけど、整理いただけると。概念的にはクリアだと思います。
 では岡部先生、よろしくお願いします。
【岡部委員】  3年前に、この前の期の委員会で学術情報のオープン化の推進ということで、オープンアクセスに関する審議まとめを作りました。そのときに随分議論したことが、いろいろな提言を出すときに、誰がというステークホルダーを明確にしようということです。具体的には、「研究資金配分機関」であるとか、「大学は」、「JSTは」、「NIIは」、「学協会は」、「国は」、という書き方を最後全部それぞれについてきちっと明確にするということをいたしました。今回の論点整理は、もちろん論点整理なのでそこまで明確に書けないところではあるのですが、ちょっとその辺がぼんやりしてしまっているなと。具体的には、「大学は」とか「学協会は」だけではなくて、多分分野によっては研究科とか研究所のレベルで対応しなければいけないみたいなことも書いてあるんですけれども、そういうことが書いてないところについて、これは一体誰が考えなきゃいけないのかというところが、我々はここの委員会のメンバーですので、これだけ議論してきているので暗黙の前提になっているところかもしれないですけれども、この文章だけ見た方々にとっては、ある意味これは自分には関係ないかなというふうに思ってしまうことを懸念いたします。そういうところを書き込める範囲で結構ですので、明確にしていただければどうかと思います。
 以上です。
【喜連川主査】  やはり冒頭に北森先生からも頂きました学協会の話で、大変重いお話ではあるんですけれども、いまだにやっぱり3ステークホルダー、大学とファンディングエージェンシーと学協会の、そこの力というか強制権というのはどこが一体どれだけを持つべきかというのは、文部科学省としてははっきりと言いづらいところが多々ありますよね。また、分野によっても結構違うんじゃないかと思うんですよね。これは岡部先生としては、そこら辺を、クリアでいっていないというのか、クリアでなくて入れてないのかという話なんですけど。
【岡部委員】  いや、多分難しいのは、前回のオープンアクセスのときには研究者の論文をパブリッシュして、それをどういうふうにオープンアクセスにするのかというところだけが課題であったのに対して、今回は研究者が日常で行う研究そのものに踏み込んでいますので、「研究者は」というステークホルダーが、そこにかなりシフトした最終的な定義になるものであろうと思います。それが余り明確でないので、これを読んでも、大学がやってくれるのかな、学協会がやってくれるのかなと、一般の研究者が人ごとのように思うことを一番心配しています。
 以上です。
【喜連川主査】  はい、どうぞ。
【美馬委員】  先ほどの図がないという話とともに、それぞれの論点整理の項目ごとにマトリックスにしてみたら、何か少し整理が進むでしょうか。何か研究者はとか、大学はとか、学協会はということと今回の論点とを書き下してみると、何かが見えてくるかなと一瞬思いました。
【喜連川主査】  現況感からしますと、例えば大学がイニシアチブとしてそういうことをすごく積極的に言うことによって大学のブランドを高めることに利用しているわけですね。岡部先生は研究者とおっしゃったんですが、やるのは研究者なんですけれども、ホルダーも大学ですので、原則ステークホルダーは同じだと思うんですね。それと同じことを学協会もやるんですね。なので、ステージがグラジュアルにアップシフトしていく中で、どこにコンバージしたらいいのか、させるべきだ、というようなことを現時点でなかなか集約しづらいんじゃないのかなという気もするんですが、どうですか、逸村先生。
【逸村委員】  それに関連してですけれども、やっぱりステークホルダーの問題があります。一つの解決案として、11ページでORCIDが取り上げられています。ORCIDは御承知のとおり、今は研究者個人が登録して登録できると。ただ、実際プラクティカルに言えば、そこに登録した研究者が大学の人であり、学会の人であり、どこかの資金をもらっているということを保証するのは、さっき安藤先生が信頼性という言い方をされていましたけれども、それは各学会、大学、研究所等々であると。これは以前NIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)が、きょうは谷藤さんお見えになっていませんが、そういうことに非常に力を入れているという報告もありました。それがやっぱり一つあると。また特に昨今、若手、中堅が次々と異動していくと。そうなると、大学、研究所に所属していても、そこで作ったデータが次々と移っちゃうとどうなっちゃうのという、定年と同じですけれども、というところからすると、仮にそういう何らかのステークホルダーの保証的なものを、ORCIDを全面的に推奨するかどうかとはまた別の問題なんですけれども、そのような格好でアイデンティファイしておかないと、いよいよ消散してしまうと考えます。
 それで、もう一つそれに関連して言うと、どこかに書いてあるのかなと思って一生懸命見ているんですけども、一番書いてあるのは8ページの研究データの保存・管理等なんでしょうけど、もうここにいらっしゃる皆さんは自明のこととしてやっていますが、この手のデータ、先ほどデータが巨大化するという話もありましたけれども、やっぱりその巨大化するデータのストレージとそれを活用するネットワーク、ミドルウエア、そういうものに関してもどこかで言及があってもいいのではないかと。
 以上です。
【喜連川主査】  少し話がドリフトしたところがありますけれども、もう一回ちょっとだけ岡部先生の論点を整理して逸村先生の話に進みたいと思いますが、だから何々がというところが、これも黎明期なので少しぼやけていると。で、逆に今の御指摘は、そこら辺がまだ明確となっていない状況にあるということを、この検討の方向性とか論点のところに丸山室長として入れておいていただけると、認識はしているんだけど文章としては明確にしていないということが残るんじゃないかなと。岡部先生、そんなのでいかがでしょうかね。
【岡部委員】  そうですね、まあやっぱりもうちょっとこの論点整理を研究者の啓発に使えるようなものにしたいという思いがあります。つまり、こういうことは国が勝手に決めてくれて決まったら動けばいいんだというのでは、多分このオープンサイエンスは済まない、オープンアクセスと質的に違いがあると思うんですね。我々の日常の研究生活全てをある意味で変えていかないといけないというところで、それによって得られるものは大きいけれども、日常の負担は確実に増えますから、それについて、今のうちからそういう議論に参画してほしい、こういうことになるんだよと呼び掛けるようなものになってほしいんですけど、ちょっとこれは普通の研究者が読むと、自分には関係ない話なのかなというふうに読めてしまう、どう書けばいいか、ちょっと私も分からないですけど、もうちょっと「研究者は」というところの主語を入れていただくと、少しみんなどきどきするかなと思いました。
 以上です。
【喜連川主査】  要するに、一つのドキュメントでマルチプルなパーパスにやるのは、やっぱりそもそもしんどいですよね。ですので、この文部科学省から出ているドキュメントが研究者をエンカレッジするために作っているものじゃなくて、あくまでも論点整理なので、こういうところを次は検討しましょうという資料。その資料をもって研究者を元気にしてくれというのは、若干論理にしんどさがあるので、元気にするのは学会となっちゃうと怒られるかもしれない。まあ、文部科学省でやってもいいかもしれないんですけれども、このドキュメントがそれとイクイバレントにするというのはちょっとしんどいんじゃないかと思うんですよね。
【岡部委員】  そこまでお願いしているわけじゃなくて、ただ、これは「研究者は」というところが必ず出てくる。前回のオープンアクセスに比べて、そのウエートが高いんだよということが少し分かるようになっているといいなという、その程度のお願いです。
【喜連川主査】  じゃあ、その程度にちょっと、丸山室長。
 だんだんどこを議論しているのかがよく分からなくなってきちゃったんですが、いい議論ができていると思います。先ほどの逸村先生からの御指摘は、人が移ってという話があったときに、データというオブジェクトがありますと。そのオブジェクトをオープンにしてシェアしましょうと、そこまではいいと。このデータは誰が作ったんですかということのIDは、移ったら分からなくなるというのに対しては、原則、マイナンバーを使う前の話ですね。ですから、今、医療も2020年に保険者番号じゃなくて、マイナンバーで同定をすると、もう厚生労働省が言っていると。何のためにやるんですかと。それは福島で被災した人が北海道へ行っても、広島へ行っても、同定しなかったら接続しないからだと。そのとおりですね。国民の益を考えれば当然です。そうすると、このデータも作った人が立派なお仕事をされているんだったら、ナカムラばかりの、このナカムラさんというのがどこに行こうと、その人が作ったんだと。これは社会のID基盤が広がればいいと。
 ORCIDというのはグローバル・アイデンティファイヤーなので、そこはORCIDにつなげようが、別のIDが出てくれば、そこにつなげようが、知ったことではないというのがここでの立ち位置ではないかと思うんですけど、そうではございませんでしょうか。
【逸村委員】  いや、ですから、今、いみじくも喜連川主査がおっしゃったように、グローバルに考えたときにどうなのか。まさに、日本国内だけで通用する話ではないというのをどのように一応想定しておくかということだと思います。あるいは外国から日本に多くの、若手だけに限らないのか、研究者を入れたときに、やっぱりその人のIDも日本というか、日本の受け入れた大学なり、研究所が何らかの格好でIDをサーティフィケートすると、それはどのような仕掛けを用意するかということだと思います。
【喜連川主査】  それは海外との協調というところで、先ほどの検討事項の中に少し入れながら、次に送ることかなと。要するに、国内でできていないのに、直接すぐに海外に行くというのはさすがにリスクが多いということ。
【逸村委員】  いや、だから、かなりこの件は急ぐんじゃないかと。逆に。
【喜連川主査】  これは急がない方が多分国家的には得する可能性もあるので、ちょっとここは議論がややこしいので、また別の機会にしたいと思いますが。はい。
【小賀坂科学技術振興機構知識基盤情報部長】  失礼いたします。参考情報ですが、IDのグローバルな体系とドメスティックな体系の相互乗り入れというのは、ORCIDの場合にはもう決着がついておりますけれども、いわゆるグラントのIDでありますとか、機関IDですとか、それについては、CrossrefやORCIDなどによって議論がされており、識別子体系そのものを簡単にドメスティック、グローバル、相互乗り入れで容易な仕組みにしましょうという議論はなされておりますので、恐らくはよい方向に向かっていくのではないかとは思っております。
【喜連川主査】  その辺はやっぱり個人のアイデンティティというものとして、僕はオプトアウトする権利を認めることも重要だと思うんですよね。完全に見えることを研究者が本当に希望しているのかどうかというのはかなり疑わしいことではないかという気もするので、もうちょっと、単につながったら便利だねというよりも、深い議論をした方がいいんじゃないのかなと個人的には思っています。
 ほかに御意見。
【家委員】  先の方に進んでもよろしいですか。
【喜連川主査】  どうぞ。はい。
【家委員】  これは次期に引き継がれる論点メモだと思いますので、是非確認しておきたいんですけど、4ページのところに、(1)の丸が六つほどありますけれども、その5番目あたりに、AMED、JSTでは、データマネジメントプランに基づく管理を行う仕組みの導入を進めていると。それに続いて、先ほどスケジュール感がないというお話がありましたけれども、ここだけやけにはっきりとスケジュール感を出しているんですが、科研費についても、「2021年度予算における公募までに」というのは、これはこの公募というのは、来年の秋ですので、来年の春までにこの制度設計を固めろという記述になるので、どうしてこんな議論が出てきたのか。私が欠席したときにこういう議論があったのかもしれませんけれども、これはちょっとスケジュール的に、はっきり申し上げて無理だと思います。
 特にその上の方に、大学において組織全体のマネジメントポリシー策定には困難を伴うことが考えられるとか、その下の丸では、科研費にとっては、特に慎重にやれと書いてあるのに、ここだけ締切りを設定されるというのは非常に後で困ったことになるかなというふうに思いますので、申し上げます。
【丸山学術基盤整備室長】  解説します。資料2をごらんいただきたいと思いますが、昨年の6月15日に閣議決定をされた統合イノベーション戦略が、右下の通しページの13ページ以降にございます。該当部分は15ページになりますが、「今後の方向性及び具体的に講ずる主要施策」というところの、まず1ポツとしては、リポジトリの整備及び展開とあります。その下に、研究データの管理。ローマ数字2として、研究データの管理・利活用についての方針・計画の策定等という部分がありまして、このポツの三つ目にありますとおり、「競争的研究費制度の目的、対象等を踏まえ、大学・国研・企業等の研究実施者がデータマネジメントプラン等のデータ管理を適切に行う仕組みを、各府省・研究資金配分機関が所管の競争的研究費制度に導入」と書いてあります。
 それで、ここに16という注釈が付いていて、これが下の欄外のところに移るわけですけれども、この16を見ていただくと、「導入府省・研究資金配分機関は、2018年度当初時点で4であるが、2021年度予算における公募までに14府省・機関全てでの導入を目指す」ということが閣議決定で決められております。
 ここの記述はこれをベースにしたものでございますので、スケジュール感としては、2021年度公募ですから、2020年度に公表する募集に入れ込んでいくという形になります。科研費の全ての種目で入れるというのは、基盤研究のような小さいもの、あるいは個人に交付する研究費という性格もあるので、大変難しい議論が想定されるわけですが、方向感としては種目等も勘案しつつ何らかの形で少しずつでも進められないかというのが基本的な考え方でございます。
【家委員】  背景を教えていただいてありがとうございます。この注を読ませていただくと、その最後の括弧内が大事だと思うんですけれども、「特定のプログラム・事業等で導入した場合を含む。)という理解でよろしいんですね。はい。ありがとうございます。
【喜連川主査】  多分、科研費、特別推進、新学術などではないんでしょう。
【家委員】  いや、日本学術振興会はもういろんな事業をやっておりますので、別にこれは向き合わなければならない話だとは思いますけれども、いきなりこれに科研費全部について導入しろと言われても、それはもうプラクティカルには不可能だと。それはもう本当は……。いやいや、論点メモにこれが残されると、非常にこれが独り歩きする可能性があってですね。
【喜連川主査】  じゃあ、ちょっと里見先生と文部科学省が少し御相談いただいて、私もどうなっているのか分からないのですが、一部限定的なところでの実施は、やりとりはあったのか、ないのか。それは確認させていただくということでいかがでしょうか。
【丸山学術基盤整備室長】  記述の方法については、また相談させていただきたいと思います。
【喜連川主査】  私も実はこれを読んでいて、メリハリが付いているようで付いていないというか、部分的にも始めるというようなことを書いてあるんですけど、小さい予算。理系で小さい予算は多分プライオリティとしては下げても、国家的には損失はそんなに大きくないんじゃないかなと思うんですよね。ただ、文系の場合はそもそも分母が、予算規模が少し小さくていらっしゃるので、そういう表現はあんまりよろしくないかもしれないとかいろいろあるので、何かどこから始めるかといったところの、内閣府では段階的導入という文章を入れてくださいと言ったんですけど、何かあれは無視されたというか、受け入れていただけなかったんですが、そういうトランジェントに対しての検討を本当は慎重にやる必要があるんじゃないかなと思うんですが。
【喜連川主査】  ほかに。じゃあ、竹内先生、お願いします。
【竹内委員】  ありがとうございます。ページでいうと、先の方なんですけれども、先ほど引原先生から御意見のあった点に関連するので、取り上げていただきたいと思います。8ページの(2)、(1)の部分で出てくる五つ目の丸のところ、論文のエビデンスとしてのデータに関する部分であります。それについては、この部分では、「我が国の研究データ基盤がそのプラットフォームとしての役割を果たせるよう、国際的な協調を図っていくことが重要である」と書かれております。9ページ、(3)の「データリポジトリに係る国際認証の取得」の部分も論文のエビデンスとしてのデータと関連するところだと思うんですが、二つ目の丸を見ますと、データ公開の受皿となるなどというところがあって、「我が国においても国際認証基準に基づくデータリポジトリを整備することは急務である」というふうに書かれております。内容的には同じようなことを言っていながら、表現が違うというのが少し引っ掛かっております。
 この点については先ほどの引原先生の発言からすると、急務と捉えるのが多分正しいのではないかと思っております。これに関することは、3ページにも若干言及があって、下から三つ目の丸のところの、このパラグラフ、最後なんですが、「我が国の対応は待ったなしとも言える」となっているところですので、表現を調整していただいて、急務であるという方に統一していただくべきではないかなと思います。
 それについて更に言えば、この9ページの検討の方向性と論点のところの、この方向性と論点における表現はスピード感に欠けるもので、急務であるのであれば急務らしい行動をきちんと取る必要があることをここでは言っておくべきではないかと思います。この問題は北森先生も前期からずっとおっしゃってきたことで、私も何度か発言をさせていただいたところですので、やはり検討の方向性や論点において「最重要課題の一つとして次期に引き継ぐ」といったぐらいのことは言っておいてもいいのではないかというふうに考えております。
【喜連川主査】  そんなにのんびりしようと思って、この文章を書かれたわけでは多分ないと思うんですけど、表現が若干コヒーレントになっているというのはおっしゃるとおりなので、それも含めて、多分竹内先生が御指摘したようなものの表現のインバランスはほかの文章のところにもいろいろあると思いますので。ただ、これは認証を取るんですが、認証を取るべき器がないと取りようがないというのもあるから、ここを急務にすると、ありとあらゆるところが多分急務になってしまうんですよね。要するに、全体として、早く動かすべきだというようなトーンに、力強く書くことが重要なのではないかという御指摘だと思うんですけど、丸山室長、いかがですか。
【丸山学術基盤整備室長】  おっしゃる点はごもっともだと思います。全体の記述のバランスももう一回確認をさせていただきながら再整理を試みたいと思います。ありがとうございます。
【喜連川主査】  我々としては、多分このシーリングメカニズムというか、グローバル認証を取るんじゃなくて、グローバル認証のメカニズムに我が国がどう参画するか。それがやっぱり一番重要なんじゃないかなと思うんですね。
【竹内委員】  その点は大変よく理解できます。なので、このデータリポジトリの話というのは、要素としてはこの研究データ基盤の一部の話だろうというふうに読んでいて思いましたので、そのあたりを少し整理していただいて、基盤の整備の中でも何をどういうふうに優先的に考えていくというような方向性が少し出れば、よりよいのではという感じがいたします。
【喜連川主査】  このシーリングも何か結構いいかげんなんですよね。キュレーターを何人持てますと。キュレーターそれぞれのクオリフィケーション、どうするのかと。何も書いてないわけですよね。データそのものはどうやるんですかということは、多分先ほどの安藤先生のお話のように、個別になるんですね。だから、ある意味で言うと、本当にこれはインパクトファクターのインポートみたいな感じで、その組織を評価するのであって、インディビジュアルなデータからなるべく逃げさせようという魂胆が見えている感じなんですね。インパクトファクターなんて何の意味もなく、中に入っている論文の方がはるかに重要なわけで、このビジネスを助長するようなところに日本が恣意的な誘導をするのはやっぱりよろしくないということもあって、その急務の形容詞句がどこにこう、アジェクティブとして掛かるかは丁寧な記載も要るかなと思って、是非それは竹内先生にも御指導いただけると有り難いです。
【竹内委員】  はい。その点については十分理解をいたしました。よろしくお願いいたします。
【喜連川主査】  はい。どうぞよろしくお願いします。
 では、井上先生。
【井上委員】  私の方からは、産業界との関係についてお伺いしたいと思います。3ページの方向性のところで、個人のプライバシー、財産的価値のある成果については例外とされており、5ページの囲みや7ページでも同様のことが書かれていますが、具体的にどうなるかということは、今期始まったときあたりから余り進展していません。
 次期に引き継ぐに当たっては、そろそろ次に一歩、具体的に進めていくべき時期だろうと思っております。オープンサイエンス、オープンイノベーション、オープンデータが重要となるこれからの時代、研究者、アカデミアの中だけ閉じて研究するということはあり得ないわけでありまして、企業との関係というのも深くなってきます。その場合に、一体どんな場面で、そして、どういう課題がデータをめぐって生じてくるのかというのを具体的に想定し、オープンサイエンスの観点からはどんな整理をしていくかということを検討していく必要があると思います。その点については、5ページの囲みの上のところにどんな整理が可能かということが記載されており、これを時期に引き継いでいただくのは大変重要なことで、次期はもう少し明確な形にしていただきたいなと期待をしております。
 その上で重要なのは、7ページの下の方の囲み2番目に、共同研究に係る研究データについては、全て非公開の扱いにするのか、それともそうでないのかというようなことが書いてあります。このペーパーの中でも随所に出てきますように、完全に非公開ということだけではなくて、制限付きの公開ですとか、制限付きの共有ですとか、データの公開・共有の態様には様々なものがあり、産業界との間でどういうルール作りをするのか、コーディネーションというか、幾つかのパターンのようなものを示していく必要があるんだろうと思います。
 弁護士の末吉先生に発表していただきましたけれども、不正競争防止法で限定提供データについての制度なども新たに導入されております。民間でのデータ共有のルールに係る動向も見つつ、アカデミアでのオープンサイエンスのあり方について次期に是非検討していただきたいと思っております。そのほか、書きぶりについてはちょっと気になるところが幾つかありますが、事務局の方に少しお伝えするようにしたいと思います。
【喜連川主査】  これの全体のフレームワークをおっしゃっていただくのが、先生がここに御参画いただいている役割です。文部科学省の中で、産との境目を、しかも、この知財権といいますか、トレードシークレットの議論をこの中でしっかりするというのは、根源的にやっぱり相当難しいんですね。ですから、わざわざ末吉先生に来ていただくようなことをせざるを得ないぐらいの状況であるというところですので、要するに、経済省のアクティビティといかに連携していくかということなんですけれども、本来は、どちらかというとドライブをしていただくのは経済産業省だと私は思っていまして、というのは、それはもう、このお金に結び付くといいますか、収益に直接影響があるわけですね。だから、避けて通ることはできないんですよね。だったら、それを彼らの空間の中で考えて、そこを産学連携にエクスパンドしたときにどうなるかというのも、当然一緒に考えてくださいという流れで、文部科学省が主導的に動くようというよりは、そちらの方がこなれるんじゃないかなというのが僕の印象ですね。
【井上委員】  まさにそういう意味では、この2年の間に、不正競争防止法の改正もなされましたし、AI、データに関する契約のガイドラインなんかもできておりますので、それに、文部科学省側が、アカデミアとしてどう反応すべきかを検討する、ちょうどその時期に来ているのかなという気はいたします。
【喜連川主査】  ちょうど来ているとは、私は思っていませんけれども、余りに弱い。まあ、あれはアームストロングの一歩みたいなもので、極めて弱い第一歩なので、あれでは全然動かないんじゃないかなと私は思っていますが、いずれにせよ、この辺は文部科学省主体で動かすのはやっぱり相当しんどいんじゃないかと。ですので、ここの中に次期への送り込みというのは、文部科学省が考えるというよりは、多分経済産業省の委員会と連携を図るとか何か、そのくらいの表現じゃないかなという気がしますけど。
【井上委員】  分かりました。
【北森委員】  先生、よろしいですか。
【喜連川主査】  どうぞ。
【北森委員】  私も知財という意味でデータを見たときに、この委員会に参加して、気が付いた点なんですけれども、私は工学系研究科なので、産業界との共同研究なんかにも一番近いところにいると思うんです。それで、今、日本の大学の産学連携という意味では、産業界からの資金というのは、もう諸外国に比べて圧倒的に低いんです。それはもう御存じのとおりですね。その仕組みの中の一つが知財に関する取扱いもあるわけですね。そのときに、知財だけでもなかなか理解が得られず、産業界からの資金導入が難しい状況で、データまで問題が生じてくると、ますます大学に資金、産業界からの資金という流れが厳しくなる可能性もあります。ここの取扱いも極めて重要で、データまで持っていかれるのかというふうに企業が誤解をしたら、これはもう共同研究は成立しなくなると思うんですね。
 そのときにやっぱり運営費交付金プラス競争的資金イコール一定の環境で、大学側のほかに資金源を求めようとしたら、産業界からの資金ということにもなろうかと思うんですが、それが経済産業省の範疇だからといって、文部科学省から引き離してしまうのは、今後の大学の財政ということを考えると極めて危険ではないかなというふうには思います。だから、文部科学省としても、やはりそこのところは大学予算、大学の財政という観点で見ていく必要があるんじゃないかなというふうには思います。
【喜連川主査】  いや、決して引き離すというか、何もしないと申し上げたわけではないんですが、この取りまとめのワーキングペーパーを見ていただいたときに、学の中でもまだまだ考えなきゃいけないことがてんこ盛りにある中で、どっちから先にやるんですかといったときに、これはまず学の中を整理せざるを得ないんじゃないかというのが私のポイントです。
【北森委員】  そこは全く同意で、それだからこそ、ここでちょっと誤解を受けるような表現が出てしまうと、産業界からも厳しい状況になるんじゃないかなというふうに思います。
【喜連川主査】  そうですね。きょうは、谷藤先生が御欠席ですけれども、まさに日本で一番強いのはやっぱり材料ですので、NIIは物質・材料研究機構等での実証を随分お手伝いさせていただいておりますけれども、そういう中で産業界のデータ等、独自に作ってきたデータをどうやって融合させて、かつ、お互いの利益をある種、いかに不具合が出ないようにするかというデザインは、相当個別論になってきますよね。ですので、そこを丁寧な議論の俎上にのせていきたいと思います。やっぱり企業の知財部の方というのは極度にプロテクティブなので、ほとんどの法制度枠は、井上先生なんかと一緒にそこに出ていたと思うんですけど、原則、何もしてくださらなくて結構ですという言い方しかされないんですよね。要するに、動くと何か悪いサイドエフェクトが出ることを心配されているように思います。
 そこと文部科学省が会話をするのはすごくしんどいので、まず経済産業省の中で意識改革をしてくださいというのが僕の言い方です。私の発言が誤解を受けるといけないのですけども、北森先生のおっしゃっているところの御懸念はまさにそのとおりですので、これによって、企業がデータを出し渋らないような特段の配慮をしつつ、産学連携も図るなど、かなり積極的なアティテュードを見せるように書いておくのが重要だとおっしゃっていることは、本当にそのとおりですので、そこは修正させていただきたいと思います。
 五味委員、いかがですか。
【五味委員】  最後ですので、ちょっと一言。やっぱり今回のレポートをまとめていただいたところについてコメントさせていただきたいんですが、先ほどデータの話があって、私もそんな深く話をするつもりはないんですけれども、9ページにありますように、囲みの中にありますように、データに関する記述が非常にいろんな表現が出てきました。活用しなかったデータ、失敗したデータ、それから、利活用の対象と考えられていないデータと、いろんな表現をされているということはまだやはりこのデータとして、つまり、研究活動に使われるデータの類型化と言うんですかね。そこはちょっと整理した方がいいのではないかなというふうに思いました。多分、非常にエッセンシャルなのはやっぱり論文として出たものに対するエビデンスとしてのデータというのは最優先なんでしょうけど、その下が結構。ですので、その辺の類型化を来期の課題の中で是非整理すると、それに伴って、企業とどこの部分まではどういう権利関係にしていくのかというのは整理できるのではないかなというふうに思っています。
【喜連川主査】  ありがとうございます。
【五味委員】  はい。あと、それ以外のところでは、私はこれをとにかく早く進めなきゃいけないということを導入に当たって課題という観点で、意見的に言うと、最初、データマネジメントポリシーというのを、やはりこれは大学なり、学協会なり、いろんなところから作成していかなきゃいけないということがこの中で起きてまいります。このままこれを実際にやろうと思うと、それぞれのところでどこから手を付けていいのかと非常に悩まれると思われますし、それをサポートする仕組みが、それを今後サポートしていくことになるかと思うんですけど、そこに対するコストを皆さん、どうやって捻出されていくのかなというところが非常にあります。
 そういった費用に関するところは、この委員会のテーマではないのかもしれないんですけれども、そういった今後発生してくる、こういった費用をどうやって皆さん獲得して、これを実現していくのかという、そういったところは、この次のときにはある程度その辺のところのめども見せないと、なかなか皆さん動きにくいのかなというのが一つでございます。
 それからもう一つは、じゃあ、これを実際にポリシーが仮にできたとして、導入していこうと思うと、じゃあ、その大学なり、どこかの部門がそれをずっとポリシーを回し続けるということをしなきゃいけなくなると思うんですね。そういう体制が果たしてどこが担うのかなというのがございます。この委員会が当初始まった頃は、結構図書館の意義というところが非常に注目されていたような感じがいたします。そこの中にこのキュレーターの問題と言うんですかね。育成というのも入ってくるのかと思うんですけれども、各それぞれの組織の中で、まさにこのオープンサイエンス、オープンデータの体制作りというところはもう一つ大きなテーマになっていくだろうと思いますので、その辺の整理をしていった方がいいのかなというのが一つです。
 あともう一つは、この日本全体のこのオープンサイエンスの進みぐあいを、じゃあ、誰が、PDCAでいくと、誰がどうチェックして、次の方向性。特にこの中にも記述がありますけれども、フォーマットの整合性を取り、標準化の進度はどうなっているかと。こういうのが、分からないですけど、NIIがずっとウオッチングしながら軌道修正、整合性を取っていくのか。何かそういう全体の進捗度合いをモニタリングしていくような、そういう機関というところも今後決めていく必要があるのかなと思います。
 以上です。
【喜連川主査】  ありがとうございました。コストのことは出ていないので、あえて多分書いておられないのかなと思ったんですが、何かこの検討の四角ぐらいのところには入れておいた方がよろしいんじゃないでしょうかね。
【丸山学術基盤整備室長】  おっしゃるとおりかと思います。書いているときには意識はしつつも、最後、筆に残らなかったということで、申し訳ありません。もう一回検討します。
【喜連川主査】  それ以外にも今、御指摘頂いたところ。赤木先生。
【赤木委員】  先ほど話が出ました。私、まず二つあって、一つは研究者の識別子と同時に、データの識別子のようなもののはある程度必要なのかなと私は思っています。研究者は動きます。ただ、責任のある、大学の中の教室のようなところがデータの管理をやらないといけないような気がしております。メディカルの方の動きにはそういうことを感じることがございます。教室ごとの業績表を作るのに図書館が協力して欲しいといった要請は近年あります。それは研究資金を取ることも理由なんでしょうけれども、恐らくは人が動いたときに、蓄積しているものを管理していきたいという意向があるものと思います。
 それから、データ管理者の育成の問題というのは、冒頭、図書館の方とのレレバンスがあるのではないかという御発言がございましたけれども、これについては、そのとおりだと思いますが、大学の設置の形態によって大分事情も異なりますし、その供給源として図書館職員を、それに若干の再教育で投入できるかどうかは、非常に機関ごとの特性があるような気がいたします。むしろ別組織でもって、研究支援のようなところでやった方が、効率がいいのかもしれませんし、そこはちょっとオープンに考えた方がいいのではないかなというような印象を持っております。
【喜連川主査】  今おっしゃった、皆さん、そういういろんな、次、これは議論しておいた方がいいんじゃないかみたいなポイントが幾つかあるかと思いますので、それをちょっとできれば文部科学省の方に、この場所は指定されなくても、どこかにはめるという意味での御希望をおっしゃって、今、非常にいいポイントを御指摘いただいたかと思います。
 永原先生、最後に。これで、先生で終えたいと。
【永原委員】  はい。幾つかの分野では、既にデータがオープン化され、共有されているではないか、だから、やればできるだろう、というような雰囲気が全体のトーンとしてあるようですが、これは本質的に違うことで、単に延長では決してゆかないということをきちっと認識しておくべきだと思います。
 データ共有している分野では、自分が取ったデータをほかの人にも使ってほしいし、自分もほかの人のデータを使いたい、共有することで、確実にサイエンスが進展する明らかだから分野としてデータを共有しているわけです。そのため、自分達でデータベースも整備するし、キュレーターも配置し、自分たちが取ってきた研究費の大きな部分をそこに投資しているわけです。
 ですが、そのようなニーズのない分野において、どこかの誰かが使うかもしれない、そこから何か出てくるかもしれない、というだけではとても進みません。もしかしたらCSTIはそのような展開がおこることを期待しているのかもしれません。民間が基礎研究から出てきたデータを使って、何かすごいいいことをやってくれるかもしれない、新しい薬を作ってくれるかもしれない、という期待をもっておられるのではないでしょうか。しかし、そのためにデータのフォーマットをそろえるなどと言われたら、大部分の研究者にとってはとんでもないことになります。
 つまり、日本の学術界全体としてみて、プラスの効果、それは圧力が掛かっているかもしれませんが、それとマイナスの効果と考える必要があります。一律にとにかく公開することがよいことである、すべての分野でデータ公開を進めろ、実際でそうしている分野があるではないかという議論は行き過ぎであろうと思います。一部の分野が先を走っているわけではなく、研究の性質が根本的に違うからなのです。どこかにインセンティブが、ということが書いてありましたけれども、多くの分野の研究者にとっては、インセンティブなど感じられないのであって、自分のデータをこういうフォーマットにしなさいなどと言われることは、苦痛でしかありません、今後の議論が進むことに私は非常な危惧を感じます。
【喜連川主査】  オープンな質問で恐縮なんですが、先生並びに先生の周りの方は、本当はこのアクティビティは反対だと思えばよろしいですか。
【永原委員】  いえ、反対かどうかは分かりません。
【喜連川主査】  そうですね。放っておいても共有ですよね。
【永原委員】  例えばデータのフォーマットなんかも、それぞれのやっぱりプロジェクトや目的に合ったものが必要です。人のデータはそのままで普通は使えないので、データを共有したいと思う人たちが決めざるを得ません。
【喜連川主査】  使えないですね。
【永原委員】  既に共有されている分野では、キュレーターが使いやすいようにいろんな加工した形で公開するわけです。分野によって、どういう公開データにすれば皆が使えるかという、関係者の共通認識が必要です。無目的に共通のデータ形式を作ることは不可能でしょう。
【喜連川主査】  周りに御反対の研究者がおいでになると。
【永原委員】  分野が異なると、求めるものも異なります。
【喜連川主査】  そうですね。分かりました。
【永原委員】  全部の学術分野を考えた場合に、共通フォーマットなどというものは極めて考えにくいものであり、外部の期待があるのかもしれませんが、研究者自身がなかなか動かないこと、負担が大きいことが懸念されます。
【喜連川主査】  その次の世代のワンディケイド、先になったときに、多分、研究のカルチャーというのがかなり変わってきて、大幅にドライに移ると思うんですよね。そこを見越したときに、私はその次のここの本当にやるべきところとしては、各研究所のデータを管理しているような方のヒアリングをしたんですね。そうじゃなくて、トップの研究者が、今どういうふうに研究をしていて、そこでデータの共有というファクターが入ってきたときに、あなたは研究が加速すると思いますかと。加速させるためにはどういう共有メカニズムが必要なんですかというのを、次期の委員会でヒアリングしたいなと思っているんですね。
 それは多分、先生と気持ちが相通じるところもあって、見捨てなくて済むんじゃないかなと思っているんですけど、そういう理解でよろしいですか。
 ということで、丸く収まることができたかと思います。
 時間を越して、本来はこの議論だけで、この2時間の委員会がどういう方向に進むかというのは、やや心配なところもあったんですけれども、非常に多くの有意義な御議論をしていただけたかと存じます。今期はこれで終えたいと思いますが、事務局の方からお願いいたします。
【磯谷研究振興局長】  研究振興局長の磯谷です。喜連川先生がおっしゃったように、きょうが今期最後の学術情報委員会ですので、一言御礼を申し上げたいと思います。
 喜連川主査、そして、引原主査代理をはじめ、皆様方におかれては、2年間にわたって、非常に出席率の高い委員会で、毎回、本質的、非常に根源的な議論を頂きました。言うまでもなく、データが非常に価値を持ってくる社会がますます加速的にそういう時代になってきて、先ほど主査もおっしゃったように、研究スタイルそのものが劇的に変わっていく中で、また一方で、先ほど永原先生がおっしゃったように、分野によってもいろいろ事情が違う中で、何を基本的に考えて、どういう優先順位で、どうやってフィージビリティを上げるかといったところは、我々も今の議論も参考にさせていただいて、また来期も、現在、来期の審議体制については検討中でありますけれども、先生方には今後とも様々な形で引き続き、学術情報の流通、利活用、あるいはオープンサイエンス、データポリシーといったことについては御指導いただきたいと思っております。
 間違いなく学術情報委員会が議論していることが、これからの学術、あるいはまた学術を超えた世界で中核的な役割を担っていく、そういう分野だというふうに思っておりますので、引き続き御指導いただきたいと思います。
 簡単ではございますが、お礼の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
【丸山学術基盤整備室長】  では、伝達事項だけお願いします。
【高橋参事官補佐】  ありがとうございました。本日の議事録については、各委員に御確認いただいた上で公開をさせていただきます。
 それから、冒頭にて主査より御発言ございましたが、資料1の論点整理案については、修正後、各委員にお送りいたしますので、御確認の上、追加での御意見等がございましたら、改めて事務局まで御連絡を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【喜連川主査】  それでは、本日、閉会させていただきます。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室

電話番号:03-6734-4080
ファクシミリ番号:03-6734-4077
メールアドレス:jyogaku@mext.go.jp(コピーして利用される際には全角@マークを半角@に変えて御利用ください)

(研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室)

-- 登録:平成31年04月 --