第8期学術情報委員会(第7回) 議事録

1.日時

平成28年2月26日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 学術情報のオープン化について
  2. その他

4.出席者

委員

西尾主査、羽入主査代理、相田委員、逸村委員、岡部委員、加藤委員、喜連川委員、久門委員、高木委員、竹内委員、辻委員、美馬委員

文部科学省

(科学官)美濃科学官
(学術調査官)市瀬学術調査官
(事務局)小松研究振興局長、岸本科学技術・学術政策局審議官、榎本参事官(情報担当)、渡邊学術基盤整備室長、松本学術基盤整備室参事官補佐

オブザーバー

安達国立情報学研究所副所長

5.議事録

【西尾主査】  皆さんおはようございます。時間になりましたので、ただいまから第7回学術情報委員会を開催いたします。
 本日は、前回にも申し上げたとおり、審議まとめの最終的な取りまとめを行いたいと思っております。
 それでは、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
【松本学術基盤整備室参事官補佐】  それでは、お手元の議事次第に基づいて、確認をさせていただきます。
 本日の配付資料については、議事次第に記載のとおり資料1と2、それから机上資料になってございます。それに加え、机上配付資料として審議まとめの見え消し版を用意しております。不備等あれば、事務局までお申し出いただければと思います。
 以上でございます。
【西尾主査】  どうもありがとうございます。資料等について何か不備がありましたら、お知らせいただければと思います。
 それでは、審議まとめの協議に入りたいと思います。前回の委員会及びその後に頂いた多くの御意見や具体的な修正案を踏まえて、審議まとめ(案)を作成しております。審議まとめ(案)を作るに当たり、本当に多くの御協力を頂いたことに対して、心から御礼申し上げます。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
【渡邊学術基盤整備室長】  それでは、資料1を御覧いただきたいと思います。中間まとめ以降の修正点等を中心に御説明させていただきます。
 まず、3ページの1行目の終わりからですが、「また」以降の記述がございます。「研究成果の公開と利活用の取組主体となる大学等並びに学協会の活動と、これらを支援する事業等を行う関係機関の取組を検討の対象範囲とした」という記述を加えさせていただきました。これはオープン化に係る検討項目が多岐にわたり、また議論の範囲も広いということがございますが、この委員会での検討対象範囲をより明示的に示すことを意図して、この記述を加えさせていただきました。
 続いて、同じページの脚注4に係るところでございますが、ここは「分野を越えた新たな知見の創出」という本文を受けて、日本語による成果の発信、利活用について記述したところでございます。ここの脚注の4も、「また」以降でありますけれども、「国際的に論文の発見可能性を向上させる点から、日本語の論文であっても、英文の論題と抄録を付加することが望まれる」という注記を入れさせていただいております。
 続いて、4ページを御覧ください。最後の丸を加えてございます。「研究成果の公開と利活用の取組は、大学等が主体となって行われており、また、分野ごとにはオープンアクセスなどの活動が学協会において行われている。大学等や学協会が果たす役割の重要性を認識した上で、国は、関係機関の事業を通じてこれらの取組を支援する」ということで、先ほど申し上げた議論の範囲ということを加えたこととの関係において、基本的な考え方においても、取組の主体と国の支援の関係について記述したという趣旨でございます。
 続いて、5ページです。二つ目の丸の最後の行に掛かるところですが、「国は、諸外国のオープンアクセス振興の具体的方策なども参考にしながら支援していく必要がある」と修正してございます。
 この修正の趣旨ですが、オープンアクセスについては、国際的に協調を図っていく観点も重要であるということ、これに加えて、いわゆるグリーンOA、ゴールドOAといった形で、国によりそれぞれの対応がありますけれども、それに対する支援策も様々あるということから、特に今後ゴールドOAに関する諸外国の動向も見極めていく必要があるであろうという御意見を頂いておりますので、こういった記述とさせていただきました。
 続いて、同じページの四角囲みの中の大学等に期待される取組のところに、「オープンアクセスに係る方針を定め公表する」とございます。これの脚注8を御覧いただきたいと思いますが、昨年中間まとめを出す前後において、各大学にてオープンアクセスポリシーを策定、公表しているという流れが出てきております。その事例について、ここで紹介させていただいているということでございます。
 続いて、7ページを御覧いただければと思います。論文のエビデンスとしての研究データの公開の事項でありますけれども、まず分野ごとに異なる特性ということで述べておりました。ここの脚注10のところですが、天文学分野ではということで、一つの事例として取り上げさせていただいております。ここでは観測データのアーカイブ、あるいはオンラインでの公開が進んでいるということと、観測者が一定期間データの占有が認められており、この間に論文を作成するといったこと。それと観測データの二次的な利用に係る成果の創出といったことについて紹介させていただいております。ビックサイエンスの分野ということもあるかもしれませんが、今申し上げた点などがポリシー的な例示として捉えられるのではないかということで、加えさせていただきました。
 続いて、8ページを御覧いただきたいと思います。ここでは研究データの保管・管理ということで、保管の重要性等について述べているわけでありますが、2行目から「特に」以下でありますけれども、「公的研究資金による研究の実施段階から、研究プロジェクト等の終了後に至るまで」とさせていただきました。元々ここではデータマネジメントの必要性ということで記述していたわけですが、研究の実施段階から管理の必要性があるのではないかという御指摘を前回頂きまして、この記述に修正させていただいております。
 続いて、三つ目の丸の事項です。これは新たに加えました。ここではクラウドを活用した大学の研究データ基盤ということで、NIIが提供する共用リポジトリサービスの強化、この強化については研究データ公開リポジトリとして整備することが妥当であるということと、論文のエビデンスデータを搭載する機能、あるいは論文とデータを関連付ける機能を有して大容量化するデータを格納できる共用プラットフォームとする必要があるとしております。この構築のためには、メタデータの標準化や格納対象とするデータを規定する必要があるという趣旨を記述してございます。これはアカデミッククラウドの活用を図るということについては、元々中間まとめの段階でも明示的に示してあったわけでありますけれども、その具体化という意味合いで記述を加えております。
 なお、この記述に関連して、脚注の13、14を新たに加えております。脚注13は、前回の委員会での御発表でもございましたけれども、永続保存の必要性があり利用頻度の低いデータについては、コールドストレージを活用するなど、効率的な保存についての必要性ということを御指摘いただいております。
 また、脚注14は、メタデータの標準化等の検討においては、研究者コミュニティにおける検討と連動しつつ、研究データ共有の必要性が高い幾つかの分野から進めることが考えられる。実証実験などを通じ、研究活動の実態に配慮した検討を行うといったことで、進め方についての一つの考え方を示しております。また、その際の観点として、大学共同利用機関など、各分野における中核的機能を有する組織と連携し進めることが考えられるとしております。
 また、これの関連としては、NIIに設置された大学図書館とNIIとの連携・協力推進会議というのがございますが、これは国公私立大学を含めた枠組みであります。ここでオープンサイエンスの対応、あるいは大学図書館が果たすべき役割の検討が進められているという状況を記述してございます。
 続いて、9ページの四角囲みの中ほどの記述、大学等に期待される取組の二つ目でありますけれども、研究データの保管に係る基盤整備についてということで、先ほど申し上げましたクラウドを活用した大学等の基盤整備に関連して、ここの記述をより明確化させていただいたということでございます。
 続いて、11ページを御覧いただきたいと思います。11ページは研究データの公開方法ということで、二つ目の丸を新たに加えております。これも先ほど8ページで御説明した記述を加えたこととの関連でありますけれども、「公開されたエビデンスデータの利活用を促進するため、各データと論文情報等の統合的な検索や、分野別のデータ検索が可能となるシステムを整備する必要がある」ということを加えてございます。
 続いて、12ページを御覧いただきたいと思います。研究成果の利活用、その利用ルール等の明示ということでありますけれども、二つ目の丸で、「著作権の帰属や利用条件などの著作権ポリシー」という記述がありますけれども、この利用条件の内容について、括弧書きで幾つか例示をさせていただきました。
 また、脚注20において、これは全く新たな記述でありますけれども、この公開と著作権の関係が一般には少し分かりにくい側面があるという御指摘などを頂いておりまして、この脚注20の記述をさせていただいております。
 この脚注20の記述の中では、一番下から2行目のなお書きがございます。「なお、情報処理の分野でマルチメディアコンテンツを論文に添付して公表するケースが現れている。さらに、今後は3Dデータが論文に添付されるケースなども想定される。論文に添付される新しいタイプのコンテンツに係る著作権の取扱いについても、学協会等が適切にルールを定めそれを明示することが期待される。その際、添付されるコンテンツ等に第三者の著作物が含まれる場合には、当該第三者の著作件処理に関して留意すべきである」ということで、前回の委員会において、新しいタイプのこういった成果公開の在り方ということの御議論がございましたので、それを受けてこのなお書きを記述させていただいております。
 続いて、14ページを御覧いただきたいと思います。まず、脚注24ですが、これは研究データの引用と評価の中で、成果の所在情報をきちんと管理できるようにしていきましょうということとの関係であります。ここでJaLC(Japan Link Center)という組織がその活動を現在担っているわけでありますけれども、そのJaLCで研究データへのDOI登録ガイドラインというのを昨年公表いただいております。この紹介ということで、情報を加えさせていただいております。
 次に(5)の人材の育成及び確保の事項でございます。ここについては、元々人材の育成としておりましたが、前回の御議論で、その確保の必要性についても言及すべきという御指摘でありましたので、まず表題については「人材の育成及び確保」とさせていただいております。
 具体の記述ですが、最初の丸は「オープンサイエンスの取組が拡大し、新たな研究方法が拡大しつつある状況において、大学等においては、広く情報通信分野の人材育成に取り組むとともに、研究者の支援に係る専門人材についてもその育成が急務である。特に研究データの公開と利活用を促進するためには、研究データを適切に取り扱える人材の育成が必要である」としております。
 ここも前回、人材育成について広く御議論いただいたわけでありますけれども、この関連では脚注の25を御覧いただきたいと思います。前回の委員会においては、情報通信分野の人材育成の幅広い御議論ということでございましたが、これに関連した委員会の審議ということで、総合政策特別委員会においても、超スマート社会の実現に向けた人材の育成・確保について提起されております。その議論を引用させていただいた上で、この人材育成に関する文部科学省の取組事例を紹介させていただくという形で、ここで整理させていただいております。
 続いて15ページ、同じく人材育成、確保の事項でありますけれども、「大学等においては、技術職員や大学図書館職員等が、データキュレーターとしての一定の機能を担っていくことも期待されている。しかしながら、既存の業務を担当しつつ新たな取組とするには限界があるため、職員の能力開発と併せて、専門人材の新たな確保についても考慮することが望まれる」ということで、量的拡大についても言及すべきであるとの御意見がありましたので、このような整理にさせていただいております。
 この関連で、四角囲みの中ですが、「間接経費を活用した新たな専門人材の確保に努める」ということで、一つの考え方としてこういう視点があるのではないかという記述を加えさせていただいております。
 続いて、16ページを御覧いただきたいと思います。継続的な検討の必要性ということで、新たに記述してございます。ここでは二つ目の丸の冒頭ですが、「もとより、『オープン化』の意図は、研究の過程全てを公開することではなく、研究成果の相互利用を促進することにより、研究の発展や新たな成果の創出を期待することにある」ということで、これは内閣府の検討会でも議論としては出ておりましたけれども、オープン化の意義・意図ということをより明確に示した方がいいだろうということがございまして、ここで整理させていただいたということであります。
 それと、最後三つ目の丸ですが、「学術情報のオープン化については、研究終了後の研究データの長期的な保存の仕組み、保存すべきデータの範囲、データ提供者のインセンティブなど、長期的視点から取り組むべき課題も多く存在する。本委員会においては、我が国において着実に取組が進むよう、審議まとめを踏まえてフォローアップを行っていく」ということで、今後の検討の必要性について言及させていただいております。
 この関連では脚注の26でありますが、外の会議との関係性も踏まえて注記をしてございます。内閣府ではオープンサイエンス推進に関するフォローアップ検討会というのが立ち上がりまして、各省の取組等に対するフォローアップの在り方について検討が進んでおります。また、この委員会においても、日本学術会議の審議も踏まえてフォローアップを行うということについて追記させていただいております。
 記述の内容は以上でありますが、最後に資料1の最後の27ページを御覧いただきたいと思います。参考で、審議まとめにおける関係機関の役割という表を添付しております。この表は本文にございます事項を一覧にまとめたというものでありますが、前回このまとめ方について御指摘を頂いておりましたので、それを踏まえて再整理させていただきました。
 説明は以上でございます。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。渡邊室長から御説明いただいた内容について、皆様方から頂きました御意見やコメントが反映されているかどうかということを御検討いただきまして、御意見等を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
【羽入主査代理】  ありがとうございます。1点、私自身の理解が不十分なまま質問させていただくのですが、8ページの三つ目に新たに加えられた部分の表現です。「クラウドを活用した大学等の研究データ基盤については、NIIが提供する共用リポジトリサービスを強化し、研究データ公開リポジトリとして整備することが妥当であり」とあります。その後に書かれている「論文のエビデンスデータを搭載する機能や……が必要である」に関してNIIが妥当である、というように書く方が説得力があるのではという気が少しいたしました。
 提案としては、「クラウドを活用した大学等の研究データ基盤を提供する共用リポジトリサービスを強化、機関リポジトリとして整備することが必要である。さらに、論文のエビデンスデータを搭載する機能やこういう機能が必要であり、これらの点から、NIIが妥当である」というようにする方が分かりやすいのではないかと考えた意見です。
【西尾主査】  今の羽入先生の御意見は非常に重要で、その方が説得力があると思うのですが、渡邊室長、いかがでしょうか。
【渡邊学術基盤整備室長】  御指摘ありがとうございます。趣旨はNIIに中心になって整備いただくと、もちろん大学との連携というのが前提でありますけれども、ということを意図しておりますので、御指摘を踏まえてそのようにさせていただきたいと思います。
【羽入主査代理】  少し不明確な提案で申し訳ありません。
【西尾主査】  喜連川先生、よろしいでしょうか。
【喜連川委員】  多分お書きになったときの気持ちとしては、まずリポジトリの部分としてのファンクションを作りましょうと。でもそれを入れておくだけでは駄目で、ちゃんと論文と関連付けるようなファンクションもその後きっちりと上に作っていきなさいということをおっしゃいたい気持ちで、このような記載になっているのだと思います。
 現在National Institutes of Health等の動きを見ておりましても、結局いわゆるリサーチデータに来る部分というのは、論文を通しての参照部分からほとんどアクセスが来るようになっています。ですから、そういうものは後から追加するのではなくて、最初からきちんとやりなさいというのが羽入先生の御下問と理解しましたので、それは大変適切な御示唆かと思います。ありがとうございます。
【西尾主査】  その方が説得力があると思いますので、そういう方向での修正を再度お願いいたします。
 加藤委員、今のことでしょうか。
【加藤委員】  はい、今のことに関連して、JSTのJ-STAGEについても各学協会の論文を掲載して、その論文とリンクをするためのデータをどういうふうに管理するかというのが非常に大きな課題になっております。NIIがやっておりますELSの受皿のような形で、来年度は300を超えるジャーナルが更にJ-STAGEに追加される予定となっており、オープンジャーナルのプラットフォームになるわけです。
 その論文とデータとの関連付けというのは、J-STAGEの学協会からの要望がございまして、基本的には同じようなやり方で論文とリンク付けをしていくというのが当然となってきておりますので、もしその論文のエビデンスデータと関連付ける機能を有するということであれば、J-STAGEのオープンジャーナルのプラットフォームを活用するというのも一つ大きな柱ではないかと考えております。
 大学の研究データ基盤ということで、リポジトリの中でオープンアクセスポリシーを生かして、そこの中で管理をするということではこの表現でよろしいかと思いますけれども、広い意味で論文とデータとの関連付けについては、JSTの方でもJ-STAGEというオープンアクセスジャーナルのプラットフォームで同様な取組をやってございますので、参考にしていただければと思っております。
【西尾主査】  喜連川先生、何か御意見ございますでしょうか。
【喜連川委員】  すみません、大変結構な御指摘だと思うのですけれども、下手をすると二重投下になる可能性があるのではないかと心配いたします。今のところではっきりしないのは、この研究に付随してデータというものをエビデンスとしてきっちり保存しなさいというのは、どちらかというとインスティテュートの責任においてしっかりやりなさいというのが世の中の流れになっているのではないかと感じます。
 つまり学会、ジャーナル出版社に対しては論文が行くわけですけれども、そのエビデンスのデータは職員のいる研究所や大学で担保されるものであるというような雰囲気の流れの方が、これは流れがどうなるか分からないですけれども、Natureにしても自分のところでデータを持つという気はないわけです。そうしますと、ここに書かれているポインタが機関リポジトリ側から来るか、あるいは今、加藤委員から御指摘いただいたように学会サイドから来るか、いずれにしても、データは余りたくさんの場所に置いておいても重複投資になってしまうのではないかと思いますので、適切な表現をいただければと思います。
【加藤委員】  すみません。NIIと一緒にやっていますJaLCというところで研究データにDOIを付けて、データがどこにあるかというのは特にそのDOIでアクセスできますので、データを集めてこようということではありません。論文とデータを関連付けするときに、JaLCを活用してリンクするということは、当然NIIの方でも考えられていると思いますので。
【西尾主査】  最終的には、この審議まとめをどう生かすかというときに、このようなプラットフォームを作るという観点から言いますと、やはりそれなりの予算投下をしていく必要が出てきます。ですから、今後の概算要求等にきっちりとくさびが打てるような表現をここでしておく必要がありますので、先ほどの二重投下というような形で読む側に受け取られないようにうまく工夫をしていくということで、事務局と私の方に預からせていただいてよろしいでしょうか。
 インパクトのある表現をここでしておくことによって、このプラットフォームをきっちり作っていくということが重要だと思っております。例えば学術分科会等においても、研究者サイドからは、こういう研究データのプラットフォームを作るのは大事ですが、では、それはどこが中心となって、どういう形で作られていくのですかという質問が必ず出てきます。そのときに、研究者サイドにそれほどのオーバーヘッドがなくて、研究データが効率的にプラットフォーム上にアップロードされていく仕掛けを作るには、それなりのシステム構築が必要だと思っております。そのシステム構築を可能にするような表現をこの箇所で取らせていただきたいと思います。
 それでよろしいでしょうか。
【羽入主査代理】  一言だけよろしいでしょうか。お任せをして、その結果このままの表現になっても私は構いませんので、それも含めてお任せします。
【西尾主査】  はい、どうもありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。相田先生、どうぞ。
【相田委員】  15ページ目ですが、人材の育成及び確保の大学等における役割で「専門人材の新たな確保について考慮することが望まれる」ということで、大学等に期待される取組に、「間接経費等を活用して新たな専門人材の確保に努める」ということが明記されているのですけれども、確かにここの公的研究資金の定義では競争的研究費と定義しているので、したがって間接経費が付いているのだから、そこから出てきたデータを扱うための専門人材の確保を間接経費等を活用して、という発想は筋が通っているようには一瞬感じますが、しかし間接経費等を活用すると明記してしまうと、本当に定常的な雇用を望めないということを、暗にというか割とあからさまに意味することになります。
 そうすると、確かにお金に色は付いていないので、どの経費で雇用しても結果は同じなのですが、このように明記すると、こういう専門人材は1年や2年の短期雇用でいいのだということを暗に言っていることになってしまうので、やはりこの書き方は良くないのではないかと思います。
【西尾主査】  貴重な御意見をありがとうございました。これは前回、こういう人材は絶対確保すべきだというようなことをここに表現しておくと、大学の執行部に対して人材確保を訴えやすくなるという趣旨での竹内先生の御要望だったと思うのですが、どう表現したら良いでしょうか。
【竹内委員】  私が発言させていただいたことについては、机上配付になっている見え消し版の15ページの一番上の「大学等においては」というところで書かれておりますけれども、その部分が私が発言した趣旨の反映箇所でございまして、この「間接経費等を活用した」ということについては、私としては想定外の記述です。これはほかの委員の方からの意見なども踏まえて、事務局の方で加えていただいたのではないかと考えております。
【西尾主査】  これは四角囲みの中の記述が、その上に書いてあることの実践、具体的な取組と考えたらよいですね。
【渡邊学術基盤整備室長】  はい。
【西尾主査】  竹内先生と相田先生の今おっしゃったことを踏まえて、間接経費等と書くと、やはり有期的なプロジェクトに関連したものという印象がありますので、何か表現を工夫しましょうか。
 相田先生、何か良い表現はないでしょうか。
【相田委員】  難しいですね。この「間接経費等を活用した」という部分をそっくり削ってしまって、「新たな専門人材の確保に努める」だけでも良いかとは思うのですけれども、そうすると余りにも端的過ぎますか。
【西尾主査】  加藤委員、どうぞ。
【加藤委員】  この間接経費は何の間接経費かというところなのですが、例えば大規模ファンディングをしたときに、その部分の間接経費を活用して、こういうキュレーションを含めてやりなさいということもありますが、例えばデータ管理計画を出すということは、そういうことになります。その意味なのか、それとも大学の間接経費を使いなさいといった意味なのかという、いろいろな取り方があると思います。
 一定規模以上のファンディングについては、例えばデータ管理計画をちゃんと出しなさいと。そのファンディングの中でデータをきちんと整理をしていきなさいというような中で実施するという意味なのか、あるいはそれも難しいので、別の間接経費で確保しなさいという意味なのか、いろいろ取り方があるかもしれません。
【西尾主査】  貴重な御意見、ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますか。
【渡邊学術基盤整備室長】  間接経費に関しては、そのプロジェクトに特化したというよりは、例えば大学に入ってくる場合は、間接経費でその研究環境をどう整えるかというのが、一義的にはその趣旨でありますので、ここではそういう意味ではプロジェクトに対応したという趣旨ではなくて、もう少し広く捉えて、大学の使える財源としての間接経費という意味合いで書かせていただいたということです。
【西尾主査】  ここはとにかくこういう新たな専門人材の確保が大切であり、その確保に努めるということが重要であります。そして、間接経費等という表現は、大学に対するオーバーヘッドチャージの中で、むしろ永続的な観点での雇用ということを念頭に置いているのだと思いますので、ここの表現は誤解を招かないような工夫が必要です。そこで、新たな人材の確保に努めるということに関しては、まずはこの四角囲みの中に記述しておくということでよろしいでしょうか。その表現については、再度事務局と私の方で検討したいと思います。
 ほかにございますでしょうか。美馬先生、どうぞ。
【美馬委員】  ちょうど人材の話が出まして、机上配布資料の15ページの上から2行目に「研究データを適切に取り扱える人材の育成が必要である」とありますが、これは余り意味がないというか、余りにも大ざっぱ過ぎて、研究データを適切に取り扱えるというと、データをちゃんと保管しておくとか、そういうふうにもう一歩踏み込んだ記載が必要なのではないかと思います。
 例えばその前のページの脚注では、先ほど事務局から御説明があったように文部科学省の「情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業」とありますけれども、これは飽くまでも情報技術の人材です。多分ここで言っているのは、もっと統計学やデータサイエンス、ビックデータを扱うような人のことを言っているのだろうと思います。
 ここではアカデミックなデータ、学術情報ということでこの取りまとめを出すようになっていますけれども、そういうものは実はこれからの今の世の中では、経済や金融、バイオ系の産業界、いろいろな環境問題にあっても、こういう大きなデータを扱える素養がある人たちというのは、本当に人材育成として考えるともっと大きなものがあるのではないかと思うので、前置きが長くなって申し訳ありませんが、研究データを適切に取り扱える人材というのをもう少し具体的な、どういうものを持ったと言って、それは学術界だけではなく、今後の日本の大きな人材として必要であるというようなことが書いてあると良いと思いました。
 以上です。
【西尾主査】  渡邊室長、どうぞ。
【渡邊学術基盤整備室長】  今の点について、ここでの元々の議論として、今御指摘いただいたような広い人材育成の必要性からの議論もございました。その一連の議論の中で、ここのまとめとしては、従前データサイエンティストの育成ということまで踏み込んで書いてあったのですが、それだと本委員会の今回のまとめに関してということでは少し広過ぎるので、むしろもっと焦点化した方がいいのではないかということで、いわゆるデータキュレーターということをメインに想定していたという経緯がございます。
 データキュレーターと、アーキビストというような表現も頂いたのですが、ここでは主にデータキュレーターということを想定した記述にさせていただきたいと考えております。
【西尾主査】  これは、この節が研究成果の公開についての基本的な方策という中で書かれていますので、研究データを適切に取り扱える人材を表現しております。美馬先生のおっしゃるようなもう少し広い意味での人材は、また一方で重要ですが、ここにおいては焦点を絞らせていただきたいということで、美馬先生、よろしいでしょうか。
【美馬委員】  分かりました。
【西尾主査】  ありがとうございます。
 ほかにございますか。羽入先生、どうぞ。
【羽入主査代理】  すみません。今のことと関連してですけれども、このままでも良いのかもしれませんが、今回加えられた二つ目の丸の中に「専門人材の新たな確保について」と書いてあるので、そこと対応させて、「専門的に」とするのはいかがでしょうか。
【西尾主査】  美馬先生、それでもいいですか。
【美馬委員】  はい。
【西尾主査】  分かりました。羽入先生、どうもありがとうございました。
 相田先生、どうぞ。
【相田委員】  3ページの脚注の4ですが、分野を越えた新たな知見の創出等を推進するために、例えば日本語による成果の公開が期待されるという趣旨は分かるのですけれども、その後に、「また、国際的に論文の発見可能性を向上させる点から、日本語の論文であっても、英文の論題と抄録を付加することが望まれる」とあります。この「また」という言葉の使い方が、読んでいて違和感を覚えます。
 つまり、日本の中の分野を越えた新たな知見の創出のために、日本語による成果の公開というのも役に立つだろうという論旨だろうと思うのです。けれども、国際的な発見可能性を向上させる点から、英文の論題と抄録を付加することが望まれるという趣旨だと思いますので、これは「また」ではなくて、どちらかといったら「なお」という、少し強化する文言ではないかと思います。
【西尾主査】  羽入先生、いかがでしょうか。「なお」というのは。
【羽入主査代理】  例えば「同時に」とか。
【西尾主査】  「なお」や「同時に」という表現に改めた方がいいのではないかという御意見です。
【羽入主査代理】  「向上させる点からも」とか。
【西尾主査】  相田先生、羽入先生、どうもありがとうございました。そこは修正いたします。
 ほかにございますか。久門先生、どうぞ。
【久門委員】  16ページ目の継続的な検討の必要性のところで、2番目の丸にオープン化の意図というのが、公開するということだけではなくて、相互利用を促進することであると書いてあります。それはよろしいと思っているのですが、3番目の丸で、課題として幾つかが列挙されている中を見ると、長期的保存やデータの範囲、インセンティブなどのデータが提供される仕組みや保存される仕組みのことは書いてあっても、その相互利用をするということに関して記述がないので、是非ここは付け加えていただきたいと思います。
【西尾主査】  どうも、貴重な御意見ありがとうございました。おっしゃったコメントを必ず反映させていただきます。
 久門先生、どうぞ。
【久門委員】  もう一点、細かい点ではございますけれども、12ページ目の脚注20ですけれども、著作権に関することが追記されております。最後の方のセンテンスで、「その際、添付されるコンテンツ等に第三者の著作物が含まれる場合には、当該第三者の著作権処理に関して留意すべきである」という文言がありますが、この「留意」という言葉が少し弱いのではないかと思います。
 当然第三者のコンテンツが含まれている場合に、留意では済まずに処理しなければいけないので、ここはもう少し強い表現で置き換えていただければと思います。
【西尾主査】  どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。今日は最終確認ですので、こちらから一人一人御意見を伺うということはあえて控えさせていただきます。この最終まとめで、今までおっしゃったことが反映されていないようでしたら、御意見を頂ければと思います。
 相田先生、どうぞ。
【相田委員】  この審議まとめの中で取り扱っている範ちゅうが公的研究資金ということで、欄外に公的研究資金の定義が書かれていたと思うのですけれども、何度かそれを議論したときに、例えば科研費等プラス運営費交付金というのは最初から入っていると私は思っていたのですけれども、この欄外の書き方だと、公的研究資金は文部科学省又は文部科学省が所管する独立行政法人から配分される競争的研究費と定義しているが、例えば運営費交付金等も原則公開すべきであるというように、付加的な書き方が明確に定義されていて、ただ何度かいろいろ議論して範ちゅうをどこまで区切ればちゃんとした議論ができるかということでだんだん絞れてきたと思ったのですが、運営費交付金は最初から入っていたと私は思っていたのに、付加的な表現になってしまっているのですけれどもどうしてでしょうか。
【西尾主査】  渡邊室長、どうぞ。
【渡邊学術基盤整備室長】  公的研究資金といった場合には、国の使っている定義がございまして、そこにはいわゆる競争的資金ということで、その範ちゅうでくくられております。一方、交付金の議論になりますと、交付金自体は使途が特定されないという資金の性格上、それを競争的資金に含めるわけには定義上いかないものですから、その関係で、ここの御議論の趣旨を踏まえて、こういう表現の仕方にさせていただきたいということでございます。
 なお、今申し上げました交付金の使途が特定されないというところに関連して申し上げますと、あえてここで全額活用したという言い方をさせていただいておりますので、そこもそういう意味があると御理解いただければと思います。
【相田委員】  原則公開すべきであるということでも、本文中とここの文言は同じなのですけれども、原則公開するというよりは、ここでいろいろ検討した内容が適用される先が、公的研究資金や運営費交付金等だと思っていたのです。そういう表現になっていないような気がいたします。
 つまり、この提言の適用範ちゅうとしては、いわゆる定義されている公的研究資金と運営費交付金等というのは、同等に適用されると思っていろいろ議論してきたと思っているのですけれども、この書き方だと、「原則公開すべきである」というだけになってしまっているので、「原則公開すべき」だけであって、これが「適用されない」になってしまうようなニュアンスかと思ったのですけれども。
【西尾主査】  同等であるかどうかというのはどうなのでしょうか、渡邊室長。
【渡邊学術基盤整備室長】  そこの点については、内閣府の議論とも関連するのですけれども、先ほどの繰り返しになりますが、公的研究資金といった場合の定義の問題として、ここの範ちゅうで捉えているということがまず一義的な話であります。
 それを踏まえた議論の中で、もっと広く捉えるべきではないかという御意見は頂いたのですが、それをいわゆる交付金のルールとして適用するというのは、先ほど申し上げた理由で無理があるのではないかということで、ここは議論の過程として、こういう表現にさせていただきたいということでございます。
【西尾主査】  公的研究費というものと運営費交付金というのは違うということですか。
【渡邊学術基盤整備室長】  はい。
【西尾主査】  相田先生、何か御意見ございませんか。大事なことです。
【相田委員】  つまり、先ほどの間接経費という言葉が出てきたのは、ここのこういうふうにしっかり定義されたことと、だからあそこで間接経費というのが出てきたことがリンクしていると読んでいて感じたのですけれども、ただ、大学の中でいろいろな整備をしなければいけない。整備をしなければいけないデータの対象は必ずしも科研費等でなされた研究だけではなくて、いろいろなものを含むわけで、大学としていろいろなことをやらなければいけないということを一方で言っていながら、こんなにはっきり区別してしまうというのは、何かほかに事情があるのかとは思いますけれども。
【西尾主査】  この議論の対象として、公的研究費と運営費交付金を同等に扱うということ、ただし、同等というのはいろいろな意味がありますが、区別なく議論の対象とすることについては、文部科学省の見解として無理があるのでしょうか。
 というのは、今まで相田先生がおっしゃったように、運営費交付金を議論の対象とすることに関しては、コンセンサスが得られていたと私は思っているのですけれども。
【渡邊学術基盤整備室長】  はい。その意味では交付金を全額使った場合に、その研究のプロジェクトなりに経費として全額使った場合に、公開の対象とすべきであるということについては同等という理解はできると思います。
【西尾主査】  全額を研究に使った場合ということですか。
【渡邊学術基盤整備室長】  はい。
【西尾主査】  運営費交付金はいろいろなことに使いますので、運営費交付金の研究に関わる部分については、ここでの議論が同等に適用されるという解釈でよいのですか。
【渡邊学術基盤整備室長】  元々の内閣府のレポートでも、運営費交付金を全額活用した研究についてはということで、そこに一つの網を掛けているということがございます。それは先ほど申し上げましたように、交付金自体は使途が特定されていないということはあります。いわゆる研究費ではないということがありますので、研究の経費として全額交付金が使われた場合には、その研究から出てきた成果は公的研究資金と同じように扱いますという整理だと理解しております。
【相田委員】  それならば、そのように書いていただいた方が良いと思うのですけれども。
【岡部委員】  ちょっとよろしいですか。
【西尾主査】  岡部先生、どうぞ。
【岡部委員】  私もきちんと理解しているわけではないのですけれども、ここでこの公的資金として文部科学省等が所管する競争的資金と書いて、これについて何々すべきであると書いている意図は、このまとめが出た後は、それに基づいて文部科学省はこの競争的資金にこういう縛りをきちんとルールとして入れる。そういうことをお考えでこういうことを書いておられるのだろうと思います。
 一方、運営費交付金については、やはり建前としては各大学の独自性、自治というのがあるので、同じ「すべきである」と言っても強制力はない。そこのニュアンスの違いで、こういうふうに書き分けているのではないかと私は理解していました。
 そういうニュアンスであれば、要するに前者については強制力のある形で、制度として義務付けるということなので、後者の運営費交付金については、こういうふうにしなさいという単なる指導レベルの話とは区別しましょうということかと思いました。
【西尾主査】  そうすると、今まで思っておられたことと違ってしまうのでしょうか、相田先生。
【相田委員】  もしそうだとするならば、原則公開すべきであるという言葉が、文字どおり日本語としてこのとおりであると思えばいいわけですね。もう少しゆっくり考えさせてください。
【西尾主査】  相田先生としても、運営費交付金のことだとしたら、岡部先生がおっしゃるように、ある意味でのフリーハンド的なところはあってほしいという気持ちは一方で出てきますね。どうでしょうか、相田先生。
【相田委員】  でも、基本的に国のお金を使った研究データは公開するということでずっと議論してきたと思っていますので、運営費交付金も当然含まれると私は思っていました。
【西尾主査】  分かりました。これは、元をたどれば国からの研究費、つまり、国民からの税収入で賄われているということですね。岡部先生、どうぞ。
【岡部委員】  ただ、運営費交付金になると、それを制度として担保するのはなかなか難しい。では、各大学で全部それを全ての研究について毎回監査するのか。この研究は100%運営費交付金なのか、そうでないのが入っているのか、全部仕分をしなさいみたいな面倒を持ち込まれると、逆に我々は何をやっているのかということにもなりかねないので、まず科研費とかそういう明確なものについてはそういうことが分かるような形で、例えばこの科研費の報告書に書く研究成果は、きちんとオープンアクセスになっているということを確認する。そういうことをやろうということだと思うのです。でも、そうでない研究については逆にそういうチェックをなかなかできないので、そこは原則ですということで各大学に示すと、そこは各大学でやってくださいということになる。そこが違いかと私は理解しました。
【相田委員】  すみません。そこまでいくと、例えば科研費でこの研究をやりました。でも、100%科研費のお金だけでやったかどうかというのは、つまりその中に運営費交付金が全く入っていないかというのは、難しいのではないでしょうか。
【岡部委員】  でも、ここの上の科研費というところは、科研費を少しでも使った研究はこのポリシーが適用されるということだと私は理解しているのですけれども。
【相田委員】  つまり、基本的に原則公開というのがなるべくシステマチックに、国からの支援も含めてスムーズに動くように、いろいろなところに入れ込めるようにということが、これの目的ですよね。
 そうすると、欄外に運営費交付金等も公開すべきであると書いておけば、少なくとも含まれていることは確かだということになるわけですね。
 そうかなとは思うのですけれども、皆さんの議論のときにもう少し考えさせてください。
【西尾主査】  非常に深い御議論、ありがとうございます。
 ほかにございますか。羽入先生、どうぞ。
【羽入主査代理】  すみません、一つだけ。最後の文章なのですけれども、17ページです。よく考えてみるとこれがこの審議まとめの最後の文章になるのですが、「本委員会においては、我が国において着実に取組が進むよう」というだけでは、着実に何の取組が進むのかもしかしたら分かりにくいかもしれませんので、きちんと書いた方が良いのではないかと思いました。
 例えば、「本委員会においては、これらの課題も含めて、我が国において学術情報のオープン化が着実に進むよう、審議のまとめを踏まえてフォローアップを行っていく」というような表現を、審議まとめの最後の文章としてはいかがかと思いました。
【西尾主査】  是非今の羽入先生の文言を入れたいと思っているのですが、よろしいでしょうか。我々はこの審議のまとめをどのような趣旨で策定しているのかについて、研究データのオープン化を促進したいという気持ちを陽に出しておく必要があると思います。
 どうもありがとうございました。ほかに何か御意見ございますか。
 それでは、委員の皆様には様々な貴重な御意見を頂き、誠にありがとうございました。初めに申し上げておりましたが、委員会における審議は本日で終了したいと思います。審議まとめ(案)については、本日頂いた御意見等を踏まえて修正をさせていただきますけれども、最終判断については私の方に御一任いただければと思いますがよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。今回まとめました内容については、日本学術会議では分野ごとのポリシーなどに関する審議がまだ進んでおりますけれども、私自身は、学術情報のオープン化の推進ということについて、現時点で書ききれるところは全てこの審議まとめ(案)に書ききったという気持ちでおります。それも含めまして、改めて皆さんの御協力に感謝いたします。
 逸村先生、どうぞ。
【逸村委員】  以上のことで結構なのですが、そういたしますと、まだこれから審議まとめの整文化に多少の時間が掛かると思います。いつ頃公表されるような見込みというのはございますでしょうか。
【渡邊学術基盤整備室長】  修正を踏まえて、先生方の御了解を頂ければ、年度内には公表させていただきたいと思っております。
【逸村委員】  分かりました。
【西尾主査】  よろしいでしょうか。この審議のまとめが今後の日本の学術政策や、再来年度に向けての予算要求の背景的な資料として有効に使われるということを是非考えていきたいと思っています。どうもありがとうございました。
 それでは、せっかくでございますので、小松局長の方から一言いただけますと有り難いのですけれども。
【小松研究振興局長】  では、私の方から御礼を申し上げたいと思います。
 学術情報のオープン化の推進について、非常に精力的にまた精緻に御議論いただきまして、ありがとうございました。オープンサイエンスについては、今年の5月に日本で開催されますG7の科学技術大臣会合のときにも議題の一つとして取り上げられることとなっておりますので、国際的にも非常に大きな課題というか潮流となっていると認識しております。その中で、我が国が適切にやっていく上での大きな方向を作っていただいたと思っております。
 最後に表がありまして、実施主体、各主体が何をしなければいけないかということがきちんとまとめられておりますけれども、国としては自分がやらなければいけないことと、あとは各主体にきちんとこれをやっていただけるように促していくなり、またそのための方策を考えていかなければならないと思っております。
 さらに、先ほど西尾先生からもお話がありましたように、内閣府や学協会などで行われる審議の状況とも連携を取ってやっていかなければならないと思っておりますので、これをフォローアップして各施策を進めていく段階においてもまたいろいろ知恵を拝借し、御助言を頂ければと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
【西尾主査】  有り難いお言葉を頂きまして誠にありがとうございました。
 それでは、事務局から連絡事項等があれば、お願いいたします。
【松本学術基盤整備室参事官補佐】  本日の議事録については、各委員に御確認いただいた上で公開とさせていただきます。
 来年度の日程調整については、必要に応じてまた後日御連絡させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【西尾主査】  それでは閉会といたしますが、この審議のまとめに関しても、委員の皆様方に積極的また貴重な御意見、コメントを多く頂きましたことに改めて御礼申し上げます。
 ありがとうございました。
―― 了 ――

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