【基本的考え方】 |
【現状と課題】 |
【主な取組】
8-1 改革サイクルの確立と学修支援環境整備
・ 学長を中心とするチームを構成し,学位授与の方針の下で,体系的な教育課程の編成,組織的な教育の実施,成果の評価,その結果を踏まえたプログラムの改善・進化を行うという一連の改革サイクルが機能する全学的な教学マネジメントの確立を促進する。
そのため,教学に関する制度の見直しを図るとともに,補助金等の配分に当たっては,例えば,組織的・体系的な教育プログラムの確立など,十分な質を伴った学修時間の実質的な増加・確保をはじめ教学上の改革サイクルの確立への取組状況を参考の一つとする。
その際,ティーチング・アシスタント等の教育サポートスタッフの充実,学生の主体的な学修のベースとなる図書館の機能強化,ICTを活用した双方向型の授業・自修支援や教学システムの整備など,学修環境整備への支援や,基本施策17の学生に対する経済的支援も連動させながら促進する。ICTの活用に関しては,例えば,近年急速に広まりつつある大規模公開オンライン講座(MOOC)(※1)による講義の配信やオープンコースウェア(OCW)(※2)による教育内容の発信など,大学の知を世界に開放するとともに大学教育の質の向上にもつながる取組への各大学の積極的な参加を促す。あわせて,学生の思考を引き出す教科書等の教材や教育方法の開発・研究など,教育に関する特色ある自発的な取組を支援する。
また,学生が学修に専念できるよう環境を保障する観点からも,就職採用活動の早期化・長期化の是正に関係府省,産業界と連携しつつ取り組む。
※1 実際の講義と同様に,インターネット上で大勢に講義を提供し,かつ無償公開する講義形態のことで,修了者には履修証明を発行するサービス。
※2 大学等で正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開活動。
8-2 専門スタッフの活用と教員の教育力の向上
・ 各大学における教学システムの確立に不可欠なファカルティ・ディベロップメント(FD)(※)の専門家,あるいは入学者選抜や教学に関わるデータ分析,テスト理論や学修評価等の知見を有する専門スタッフの養成,確保,活用のために,拠点形成や大学間の連携の在り方等に関する調査研究を行う。なお,これと並行して,体系的なFDの受講と大学設置基準第14条(教授の資格)に定める「大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力」の関係の整理について検討を行う。
※ 教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。
8-3 学修成果の把握に関する研究・開発
・ 学生の学修成果の把握の具体的な方策について,国際機関における取組の動向や諸外国の例も参考にしつつ,大学間連携組織(コンソーシアム),学協会等における速やか,かつ多元的な研究・開発を推進する。
8-4 「プログラムとしての学士課程教育」という概念の定着のための検討
・ 現行の大学制度は大学や学部・学科,研究科といった組織に着目して構成されている。こういった状況を踏まえ,「プログラムとしての学士課程教育」という概念の定着のために,望ましい大学制度の在り方等について検討を進める。
8-5 大学院教育の改善・充実
・ 大学院教育については,「第2次大学院教育振興施策要綱」(平成23年度~平成27年度)に基づき,コースワーク(※)から研究指導へ有機的につながりを持った体系的な教育を確立するとともに,産業界等との連携を一層促進することにより,教育内容・方法を改善・充実する。
また,世界を牽(けん)引(いん)するリーダーの養成に向けて,大学院教育の抜本的な改革・強化を図るなど,基本施策15-1に記載した取組を進める。
※ 学修課題を複数の科目等を通して体系的に履修すること。
8-6 短期大学の役割・機能の検討推進
・ 高等教育の機会均等,教養教育や職業教育,地域の生涯学習の拠点といった役割を果たしている短期大学士課程についても,授業計画の充実など大学教育の質的転換をめぐる課題は共通するものであり,その特性を踏まえつつ,短期大学の役割や機能の在り方について更に検討を行う。
【基本的考え方】 |
【現状と課題】 |
【主な取組】
9-1 大学教育の質保証のためのトータルシステムの確立
・ 大学設置基準等の明確化や設置審査の高度化などを図るとともに,質保証に関係するシステム(設置基準,設置認可,認証評価等)間の相互の連携を進め,大学における質保証の徹底を図る。
9-2 大学情報の積極的発信
・ 認証評価機関や大学団体等が参画した自律性の高い主体を設けて運営する「大学ポートレート(仮称)」(※)の積極的な活用を促進する。その際,それぞれの大学がその機能や特色に応じてどのような教育に取り組み,成果を上げているかについての数値以外を含む情報を国内外の様々な者に提供することにより,社会において従来の偏差値等に偏したランキングとは異なる実態に即した大学像の共有が図られるように努める。
※ データベースを用いた教育情報の活用・公表のための共通的な仕組みのこと。
9-3 大学評価の改善
・ 各認証評価機関の内部質保証(※)を重視する動きを踏まえ,全学的な教学マネジメントの下で改革サイクルが確立しているかどうかなど,学修成果を重視した認証評価が行われるよう,それぞれの大学の特徴がより明確に把握できる客観的な指標の開発,大学がその機能を踏まえて重点を置いている教育活動や研究活動に着目した評価,企業や地域社会等の多様なステークホルダーの意見の活用,評価に関する業務の効率化を促進する。
※ 高等教育機関が,自らの責任で自学の諸活動について点検・評価を行い,その結果をもとに改革・改善に努め,教育の質を自ら保証すること。
9-4 分野別質保証の取組の推進
・ 高度専門人材の育成に向けて,大学及び高等専門学校における分野別質保証の構築・充実に向けた取組を促進する。
・ また,日本学術会議において審議が進んでいる「分野別の教育課程編成上の参照基準」は,各大学における改革サイクルの確立に際して重要な参考となるものと考えられるため,各大学や認証評価機関の活用を促す。
9-5 国際的な高等教育の質保証の体制や基盤の強化
・ 日中韓における質の高い大学間交流を拡大させる「キャンパス・アジア」の取組を推進する。また,高等教育の質保証に関する国際機関の取組や国際的な共通枠組み形成に貢献するため,我が国及び諸外国の高等教育制度に関する情報の収集・発信機能,国境を越えた教育連携・学修の評価等を担う体制を整備する。
9-6 専門学校の質保証・向上の取組の推進
・ 専門学校については,教育の質保証・向上のため,基本施策13-3に記載した取組を進める。
首東、佐藤
電話番号:03-6734-4080
ファクシミリ番号:03-6734-4077
メールアドレス:jyogaku@mext.go.jp(コピーして利用される際は全角@マークを半角@に変えてご利用ください)