復興構想7原則 原則1:失われたおびただしい「いのち」への追悼と鎮魂こそ、私たち生き残った者にとって復興の起点である。この観点から、鎮魂の森やモニュメントを含め、大震災の記録を永遠に残し、広く学術関係者により科学的に分析し、その教訓を次世代に伝承し、国内外に発信する。 |
(5)地域経済活動の再生
1.企業・イノベーション
産業・技術集積とイノベーション
東北大学をはじめとして、多くの大学・大学病院、高専、研究機関、民間企業等が、地域における重要な知的基盤・人材育成機関として共存している。このような東北の強みを生かし、知と技術革新(イノベーション)の拠点機能を形成することが重要である。このため、被災した大学・大学病院、研究機関等の施設・設備をはじめ、教育研究基盤の早期回復を図り、より一層の強化をする必要がある。また、産学官の連携により、スピード感のある技術革新を可能にするため、中長期的、継続的、弾力的な支援スキームを構築せねばならない。さらに被災地の大学を中心に地域復興のセンター的機能を整備し、様々な地域ニーズに応えることが求められる。
これまでの実績を踏まえ、研究開発の促進による技術革新を通じて、「成長の核」となる新産業および雇用を創出するとともに、地域産業の再生をもたらし、東北に産業と技術が集積する地域を創り出すことが期待される。
東北における技術革新を通じた新産業・雇用の創出の具体例としては、以下が考えられる。
(5)災害に強い国づくり
1.震災に関する学術調査
今回の大震災は、わが国の歴史においても、また、世界史的にも稀な巨大災害であった。したがって、今後の防災対策を検討するため、東日本大震災について、各分野において詳細な調査研究を行うことが極めて重要である。
その際、地震・津波の発生メカニズムの分析や、防潮堤等構造物の効果、防災教育・訓練等ソフト対策の効果など、これまでの防災対策の長短あわせた再検証等が必要である。これに加え、避難行動など被災者が有する情報は、今後の教訓として重要である。さらに、被災者の心情や調査回数、個人情報保護の観点等に十分配慮しながら、被災者に対する聞き取りなどを実施することが重要である。
また、現在、各機関が様々な調査研究を実施・予定しているが、それらを有機的に連携し、総合的な調査となるような配慮が必要である。その調査結果については、研究者をはじめ広く一般にもアクセス可能で海外にも開かれたデータベース等を構築することが求められる。
研究振興局振興企画課学術企画室