資料1-1 学術振興上の重要な課題の検討について(検討の背景・観点等)

1. 第5期学術分科会における審議を踏まえた検討【資料1-4】

  今後の学術研究の振興の方向性として、研究者の自主性と研究の多様性の尊重を振興の前提・原則とするとともに、戦略的な視点を持って学術研究の振興を図ることも重要な課題と指摘。      

  その上で、関係機関の機能と連携の強化により、国内外の動向を踏まえた重点的に推進すべき研究分野・領域の設定や、大学等や学問分野の枠を超えて研究を推進できるような体制の構築を図ることの必要性を提言。 

2. 大学における研究開発全体の状況を踏まえた検討【資料1-5】

  大学においては、科学研究費補助金により研究者の自由な発想に基づく学術研究が行われるとともに、政策課題に対応する分野別の研究開発も行われている。

  このような中、科学研究費補助金の分野別配分はほぼ一定で推移しているが、政策課題対応型研究開発経費による分野の重点化は大学の研究の有様にも影響を及ぼしてきたと考えられる。

   このような大学における研究開発全体の状況を俯瞰すれば、学術研究の多様性の確保や発展を図るために必要なものが抜け落ちることが懸念され、研究者の自主性を掘り起こして研究の発展を図るためには、学術研究全体を俯瞰した重要課題の議論・検討が必要ではないか。

3. 国際的な学問分野の動向や我が国の状況を踏まえた検討【資料1-6】

  学術研究は、研究者の自主性を尊重し、研究者が自ら開拓することにより進展しているが、例えば、分野別の論文数に占めるTOP10%論文数の度合等に見られるように、中長期的な推移は分野によって異なっている。

  このような中、各分野の研究ポテンシャルを俯瞰して学術研究全体の振興を図るためには、分野の動向や我が国の状況も含めた学問的観点からの重要課題の議論・検討が必要ではないか。

4. 諸外国における戦略的取組を踏まえた検討【資料1-7】

  諸外国の研究支援機関(NSF等)においては、研究者の自由な提案とピアレビューによる助成を基本としつつ、特定課題や分野横断的な課題についてテーマを設定して募集する取組も行われている。

  我が国においても、研究者の自主性の尊重を基本としつつ、学術研究全体の振興を図る観点から、研究者の自主性を掘り起こして発展を図るための取組が必要ではないか。

→ ・ 国の政策や社会的課題に基づく「課題」ではなく、我が国の学術研究の学問的発展に必要な「学術振興上の重要な課題」を議論・検討

     ・「学術振興上の重要な課題」は、研究者の自主性を掘り起こし、領域を超えた新たな学術コミュニティの形成をはじめとする学術研究の発展を図るための学術コミュニティ自身による議論・検討

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