資料3 村松岐夫 先生 発表資料

人社国際化付録1

海外発信の方法

A 日本の研究状況についての海外への情報提供 6名・7名

B 研究成果の外国語での発表の促進 8名・8名

C 研究者間の交流の機会の増大 6名・7名

D 留学生の派遣・受け入れの増大 5名・4名

E 外国人研究者の日本での任用  4名

F 日本語・日本学術に通じた外国人研究者の育成 5名・5名

G 対象国の言語・学術に通じた日本人研究者の育成 3名・6名

海外への文献情報の提供

A 日本の研究情報を収集し海外に発信する公的なサービス共同利用機関の設置 3名・1名

B 各大学や日本学術振興会などがもつ海外拠点の連携と情報提供サービスの充実 3名・4名

C CiNiiや東洋学文献類目など、研究文献データベースの海外ユーザー向け充実 2名・5名

D 日本の研究文献の入手方法の明確化と簡略化 1名・2名

E 日本の学術雑誌における外国語記事・レジュメの充実 0名・5名

翻訳について

A 日本の研究情報を集約的に海外発信する公的なサービス機関を設け、すぐれた著書を選定して外国語に翻訳する。  8名

B 補助金による外国語著書・外国語学術雑誌出版の奨励 4名

C 営利目的でない研究者用の外国語翻訳・校閲サービス機関の設置 3名

D 各研究機関における翻訳・校閲担当スタッフの雇用  4名

E アカデミックライティングや外国語プレゼンテーション訓練システムの充実 3名      

F 業績評価において外国語著作に高い評点をつけること  1名

人社国際化付録2(0112)

 「従来のやり方=丹念な実証で価値がありこれ、を続けるべきだ」という見解が根底にあるが、「残念ながら我々の研究は無視されることが多い」という認識も新しい方向模索のインセンティブになっている。

1 外国人アンケートを見ながら、「外国人が日本語が読めないが、でもやっぱり日本はすごいらしいぞとは思っている先生はいっぱいいますから、系統的に辛抱強く、しかも質のいいものを、こっちで金を使ってでも、暇をかけてでも紹介していく必要があると思います。」 

2 もっと積極的な意見:英語圏の方向と言語に好意的な発言

(1)英語文献への評価は低いが、英語のに寄る発信を「時代の方向」と考えている発言
 「欧米の研究者と一緒に仕事をしますと、〔現地語の原典に基づいた〕日本の研究の方法との違いというものが際立ってくるんですね。彼らは原典を読まない。英訳で済ませる。なぜ原典を読まないのだと思うが、他人の二次的な研究を使いながら意味のあること、その価値を認めていったほうがよいと思う。
 また、このことは同時に、日本の今までの研究のもってきたレベルを浸透させることが、東洋学の国際化の我々の使命だと、そう思っているんです」(中国古代史)。

ここでは二つの英語化を考えている
 1.実証研究の成果の英語化
 2.メタ理論への志

後者については、具体的に次の発言あり。

 メタ研究も時間がないとできないし、私は分業したらいいと思うようになってきました。ところが、日本ではそれはとても偉い人にしか許されないですね。

 アメリカなどではそういう二次文献を使う方法論があるんです。それは最初から訓練しなきゃできないですよ。二次文献でそんなにひどくはないことが言えるようにする能力は、意識的に養成すべきことだと思います。

人社国際化付録3

 次のような意見もあった。「〔韓国学研究では〕各国ではほとんどの雑誌や文献がデジタル化されて、不便は何も感じないと言うんですね。ところが日本についてはそうはなっていない。

  1. デジタル化がものすごくおくれています。
  2. 現地に研究拠点をおいて、そこに連絡すれば日本の人文学の文献を入手できるそういう場所が欲しい。方法かも知れない。
  3. 外国の東洋史研究者は、非常に困っていますね、向こうの人は」。「〔東南アジア史では〕植民地支配の伝統をもつ国々の……フランス極東学院……やオランダの王立言語民族地理研究所……などが、世界の研究をほぼ網羅しようと努力をして、新しく出た文献については、それを押さえようとしております。ただし、実際は中国語、日本語とか、そういったものはほとんどブラックボックスになっておりまして、それで彼らも、日本の研究はかなり進んでいる、世界の研究のセンターの一つであるとおおよそはわかっているので、依頼がある。

     日本の研究のすぐれたものを年間30本前後紹介してくれないかという話を具体的に持ちかけられたことがありました。

  4. ……ただ、先ほど人材というお話も出ましたけれど、これを恒常的に続けていくためには、やはりかなりの組織を持っていないとできないと痛感しました。……例えば私の専門のところでは、〔京大の〕東南アジア研究所があり、また東京には東洋文庫やJICA……そういったところがいろいろあるんですが、それをうまくまとめていって、日本の研究成果を情報発信していくやり方をとっていけばいいんじゃないかと、感想としては思っております」。海外アンケートでは、「学会でインターネットのポータルサイトを作り、既に外国語に翻訳された日本の研究の情報を提供するとともに、日本語の論文や英語に翻訳された著書の要旨、主要著作の書評などを掲載し、図書館や大学レポジトリへのリンクを張るなどの方法によって、外国との交流の窓口とすべきである。

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