○ 基盤的経費と競争的資金双方による支援(デュアルサポート)の重要性を踏まえつつ、我が国の研究力の強化に向け、研究費制度はどう対応していくべきか。
○ 調達システムの効率化や国産先端機器の開発支援等、限られた研究費の効率的・効果的な使用に向けた改善方策について。
○ 論文不正等に関する研究者倫理の向上と研究費の在り方について。
○ 大学等の研究を支えるデュアルサポート等の基本的な枠組みの重要性を認識しつつ、長期的な視点から、明確なビジョンを持って学術研究を推進していくためには、「学術研究の推進について」(平成23年1月17日、第5期学術分科会)で提起された、基盤的なシステムの整備、研究環境の改善、学術研究職の魅力の確保、国際化の推進、学術研究と社会との関わりといった現状と課題について、継続的に検討することが必要である。 その際、学術研究を巡る国際的な評価軸、学術研究を国際的にどのように進め、発展させていくのかといった視点が重要である。 ○ 国際的に進展する学術の動向を見据えながら、さらに魅力的なグラントとして育てていく視点から、審査の改善に加え、研究費の効果的な使用、成果発信など科研費制度の更なる充実改善を図っていく方策についても検討が必要である。 ○ 研究活動における不正行為については、研究者に厳格な自己規律が求められ、大学等においては教育研修が求められるが、それとともに研究費を配分する機関における研究者倫理の向上を促すための方策等について検討する必要がある。 |
○ 科研費による研究成果の把握、分析。
○ 学術研究の多様性・独創性という基本理念を踏まえ、分析結果に基づいた科研費制度の検証。
○ 検証の結果及び研究種目の在り方に関する議論も踏まえた効果的・効率的な配分の在り方の検討。
○ 学術研究は、必ずしも短期間に明確な成果が現れるとは限らず、また、研究分野により研究成果として捉えられるものが異なるという特性があるため、画一的・短期的な指標による評価にはなじみにくいという性質を有している。しかしながら、国費を投入して行われる事業については、可能な限り科学的根拠に基づく指標を用いながら政策立案及び評価を行い、その結果をわかりやすく説明するという社会的責任がある。科研費により行われた研究についても、一般的に研究活動に関し論文数や論文の被引用回数などの定量的な指標が用いられることが多い現状において、科学的根拠に基づく政策立案という観点から、どのような指標を用いて評価を行い、対外的に説明をしていくことが適当であるのか、そのためにどのようなデータ構築が必要であるのかについて、今後引き続き本部会において検討を進めていくこととする。 |
○ あらゆる分野にわたり研究者の自由な発想に基づく学術研究を振興する科研費について、学術研究の多様性・独創性という基本理念を重視しつつ、我が国の将来の発展を見据えた効果的な支援を継続的に図ることが重要である。そのため、研究分野や研究種目毎の研究者のアクティビティなどを把握・分析し、その結果を踏まえて、効果的・効率的な科研費の配分の在り方等について検討を行う必要がある。その際、研究分野により研究成果として捉えられるものが異なるという特性や、大学等の基盤的経費の削減等の我が国の学術研究全体を取り巻く状況を踏まえる必要がある。 |
○ 学術研究の国際化に対応した科研費による研究成果の効果的な発信について。
○ 科研費の在り方については、研究費全体の在り方とパッケージで議論をする必要がある。
○ 科研費により整備した大型設備・データベースの維持管理のための経費や研究支援者の措置等の支援の在り方のほか、共用促進のための制度等についても議論する必要がある。
○ 科研費によるデータベースの助成の在り方について、研究機関への支援策などを含めた中での検討が必要。
○ 採択率の向上等により、現在活躍している研究者の次の層の発展を厚く支援することが大切。
○ 研究種目の見直しに関しては、配分機関における審査体制等も考慮し、現行制度の運用改善を基本として考えるべきである。
○ 国際共同研究の推進や、外国の研究者の申請、科研費による研究成果の国際的な発信等、国際化に対応した制度改善についての検討が必要。
○ 間接経費が研究者の環境整備にきちんと使用できるよう、使途について何らかのルール化をすることも検討してはどうか。
小久保、矢崎
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