研究環境基盤部会 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会(第86回) 議事録

1.日時

令和元年11月19日(火曜日)14時00分~16時30分

2.場所

文部科学省5F3会議室

3.議題

  1. 次期ロードマップの策定方針について<公開>
  2. その他<公開>
  3. 進捗管理について<非公開>

4.出席者

委員

小林主査、松岡委員、八田委員、山本委員、岡部委員、城石委員、鈴木委員、田村委員、東嶋委員、中野委員、原田委員、吉田委員

文部科学省

増子大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、西井学術機関課長、降籏学術機関課学術研究調整官、小林学術機関課課長補佐、吉居学術機関課課長補佐、二瓶学術機関課連携推進専門官

5.議事録

【小林主査】 それでは,時間になりましたので,ただいまから第86回科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会を開催いたします。
まず,事務局から委員の出欠及び配付資料の確認をお願いします。
【小林学術機関課課長補佐】 本日ですが,竹山委員と樋口委員が御欠席となっております。
また,配付資料及び机上資料ですが,こちらのタブレットの中にタブを分けてそれぞれ格納されております。配付資料については左側のタイトルというものです。机上資料については右側のタブの机上資料というところをタップしていただければと思います。
以上でございます。
【小林主査】 ありがとうございました。
それでは,本日,前回に引き続いて,次期ロードマップの策定に向けた議論を行いたいと思います。前回は,当方より用意した資料に基づいて,今後の検討の進め方について議論いただきました。そこで出していただいた議論,意見を踏まえて,事務局で整理していただきましたので,まず事務局から資料1「ロードマップ策定方針について(案)」,皆さんのタブレットの中に入っておりますが,この説明をお願いいたします。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。
資料1につきましては,前回の部会の中で小林先生より御提示いただいたものにつきましていろいろな御意見いただきましたので,それをまとめる形で反映させております。
まず,1.ロードマップ策定方針を策定する趣旨及び目的についてでございます。こちらについては,前回お示ししたものから特段は変えておりません。最後の真ん中ぐらいのところからですが,今回のマスタープラン2020は来年1月頃の策定が予定されております。ここでは個別の計画とは中立的にロードマップ策定方針を決めることが重要でありますので,マスタープラン2020が公表されるまでの間,具体的には本年中をめどといたしまして策定方針を取りまとめる必要があると,そういったものを記載しております。
また,その下のところで,2.具体的な方向性につきましてです。2-1,ロードマップの基本的な性格についてでございますが,こちらについては新しく記載をしているところでございます。背景といたしましては,前回の部会の中でもロードマップを作る目的は何なのかといったものであったり,若しくは,ロードマップに載せる計画といったものはどういった計画が対象となり得るのかといったような議論がありましたので,それをまとめているところでございます。
1つ目の丸,主に目的を記載しておりますが,ロードマップは幅広く学術研究の大型プロジェクトを推進するに当たり,広範なコミュニティの意向を踏まえながら,透明性・公平性・公正性を確保しつつ,各計画の優先度を明らかにするために策定するものとしております。
2つ目の丸ですが,そうした目的がございますので,ロードマップは学術研究の大型プロジェクトを推進する上で一定の優先度を評価するものでありまして,直ちに予算措置を保証するものではございません。従いまして,ロードマップに掲載された事業については,その中核となるのはフロンティア事業なので,フロンティア事業による支援について一定の優先度を認めるものの,それのみに限定するものではございません。同時に,財政上の多様な制約を踏まえつつ,国際的な費用分担や運営費交付金及び外部資金などの活用など,他の支援の可能性なども視野に入れる必要があると,そういった旨を記載しております。
続きまして,2-2のマスタープランの取扱いについてですが,こちらは前回から特段変えておりません。これまでどおりロードマップを踏まえまして,以下のとおりとしております。1つ目,マスタープランの重点大型研究計画ヒアリングを経て,重点大型研究計画に掲載された計画のうち,書面審査を経てロードマップ独自の観点からすぐれた計画を対象としております。また,重点に掲載された計画以外に,重点大型研究計画ヒアリングの対象となった計画のうち,書面審査の結果,特段にすぐれた計画があれば対象とするという旨を整理しております。
また,2-3では,ロードマップ掲載計画の選定に係る評価方法について書いております。先ほどロードマップ独自の観点と申し上げましたが,1つ目の丸にありますとおり,ロードマップ2017年に策定した際に用いた評価の観点は,現在のマスタープラン2020年のものとほぼ共通の構成となっております。こちらについては別紙1という形で,次のページ,3ページ目で整理をさせてもらっているのですが,別紙1をごらんいただければと思います。左側にあるのがマスタープラン2020の評価の観点,また,右側にあるのがロードマップ2017年時点で本部会において整理いただきました評価の観点でございます。こうして並べていただくと,マスタープラン2020は(1)計画の学術的意義についてはマスタープランで見てもらうのですが,それ以外の(2),(3),(4),(5),また次ページに移りまして(6),(7),(8),(9)に至るまで,ほぼほぼ本作業部会の評価の観点と重なってきているというものがございます。先ほどの資料に戻っていただきますと,このため,ロードマップ独自の審査方針といたしまして,先ほど御説明させてもらった評価について,重み付け,若しくはどういったところを中心的に見ていくのか,定量的な成果指標の設定をするのか,マスタープランには現在ないけれども,新しい関係を導入するのか,若しくは審査体制の工夫などにつきまして御議論いただければ,それらを検討・整理したいと思っております。
また,書面審査で用いる書類といたしましても,前回と同じですが別紙2に記載をしております。こちらも別紙2を見ていただければと思いますが,具体的には右側のページで6ページ目からが別紙2になります。前回から変えたところで申し上げると,右斜め下のページ番号,通し番号7ページ目のところで,様式1といたしまして,予算・人員・施設の詳細資料といったものがあるかと思うのですが,そこに1.年次計画というものが書かれているところがございます。これ自体は前回もお示ししたのですが,今回,それぞれに成果指標といった欄を新しく追加をしております。これにつきましても,前回議論いただいた中で,出してもらう際に,5年目若しくは10年目が終わったタイミングで,どういったKPIのような指標を検討した上で出していくのかといったものが分からないと,結果的に評価のしようがないのではないのかといったコメントを頂きましたので,それを踏まえるような形にしております。
また,5年目,10年目に示すような米印の評価の注釈を下に書いておりまして,必要とする年次までの予定を矢印などで記入してください,また,成果指標は学術的に達成し得る内容を記載するのではなくて,それにより実現が見込まれる内容を記載いただくようお願いいたします。具体的な例といたしましては,例えば学術研究を行う中核的な拠点となるという目的であれば論文数などが指標になるでしょうし,若しくはこの5年目,10年目で国際共同研究を先導する機能を果たすとなるのであれば国際共同研究の実施件数など,こういったものが指標になり得るのではないかと考えているところでございます。
また,様式関係で申し上げると,もう1点修正しているところがございまして,通し番号でいきますと10ページ目のところでございます。10ページ目のところは,いわゆる国際分担の見通しを記載するところになってございますが,ロードマップ独自の審査方針といたしまして国際費用負担といったものも重点的に見ているというところで,7番のところに書いてあるのは,国際分担で費用を負担できる内容などを単に記載してくださいといったところだったのですが,これがどの程度確度があるものなのかということで,例えば国際交流協定などの締結状況のようなものも示しながら,7の国際分担の見通し,そういったものも書いていただければどうかと記載しているところでございます。
以上が,別紙2の説明になりまして,最後,行ったり来たりで申し訳ございません。最後,通し番号3ページの最初の資料に戻っていきますが,2-4といたしまして,フロンティア促進事業による支援についてを記載しております。1つ目の丸といたしまして,こちらも前回の内容をほぼ書いているのですが,支援対象とする事業は国立大学法人運営費交付金を主要な財源とし,国立大学法人や大学共同利用機関法人を実施主体の中核とするものを原則とすると,「中核とする」といった文言を入れております。
また,3つ目の丸のところですが,こちらも前回に加えまして,3つ目の丸の1つ目のポツのところですが,「その一方で」以降ですが,その一方で,周期が到来した後,後期計画として高い優先度が認められないものの共同利用の実績などを踏まえ,フロンティア事業とは異なる枠組み,例えば学術研究基盤事業(仮称)への移行も提案するというふうに記載しております。こちらも前回議論いただいた中で,いわゆるこのフロンティア事業の中で見ていくものが,リサーチファシリティーのようなものなのか,若しくは共通基盤事業として10年とは限らず長年見ていくべきものを同じように議論していいのかといった意見がありましたので,であればこういうふうに分けた形の提案をしてはどうかという意味で,記載をさせていただいているところでございます。それ以外のところは前回の部会のとおりでございます。
以上でございます。
【小林主査】 ありがとうございます。
資料1,今,事務局から御説明いただいたとおり,ロードマップは大型研究として優先すべきものをリストアップするということで,直ちに予算化するものではないということになります。その中で,更にフロンティアになると,そこに予算が初めて付くということになります。
今,事務局から説明をしていただいたとおりですが,別紙1でマスタープラン2020とロードマップの観点が似ているということですが,もともとは違いました。マスタープランは1)から4)ぐらいでした。ロードマップは従来こういう観点でしたけれども,マスタープラン2014からだったと思いますが,非常にロードマップに観点を寄せてきたということになりますので,今は結果的にはほぼ似ているということになります。
それでは,議論に移りたいと思います。どなたからでも御意見をよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
【田村委員】 済みません。前回欠席したので分かっていないのかもしれないのですが,最後に御説明いただいた,3ページの学術研究基盤事業(仮称)への以降も提案する例というふうに書いてありますけれども,これは,提案というのはどなたがどちらにする提案という意味なのでしょうね。これを見ると,多分受け取る人が分からないのではないかと思いますけれども。この予算がまだあるわけではないですよね。
【小林学術機関課課長補佐】 おっしゃるとおりでございます。この提案といった趣旨といたしましては,本部会から文部科学省に対する提案という形で,こういったものも考えられるのではないのかというふうに頂ければと思っておりまして,それを踏まえまして,これを例えば予算措置するかどうかにつきましては,来年度以降考えていくということになると思います。
【小林主査】 そうすると,今回のロードマップ2020の選定に当たっては,それはどのように考えればよろしいでしょうか。この学術研究基盤事業というものが,提案するとしても,それが認められるという前提で選定を行うのか,それとも,それは将来的な話であって,ロードマップ2020においては従来どおり,それがないものと前提として選定作業を行うのか,どちらでしょうか。
【小林学術機関課課長補佐】 ロードマップの議論自体が始まるのが来年1月以降で,かつ7月までの間で定めることになりますので,その時点においては予算要求という形ではできていません。ですので,結論といたしましては,こういったものは再来年度以降の形として議論いただければと思っております。
【小林主査】 分かりました。
ほかの方,いかがでしょうか。
【松岡主査代理】 御説明ありがとうございます。
通し番号4ページ目の別紙1のところで,マスタープラン2020の評価の観点(1)が計画の学術的意義で,ロードマップ2017にそれに対応するところが全く今空欄にはなっていて,実際に私2017をやったので,確かにそういう,表に出るような評価項目がなかったのはそのとおりだと思っています。
そのときに,もちろん私たちが評価をするときに,でも,そうはいえ,やはり学術的意義が高いものは応援する意味で,点数付けに工夫したというところがあると思うのですけれども,皆さんの議論でも,やはり学術的意義,マスタープランで通ってきたものなので,重点なので,学術的意義はやはり高いものなのだけれども,そういう観点の評価なり,実際にヒアリングで御説明いただくときに,そういうことをちゃんと伺うとか,そういうことは必要ではないかという議論があったと記憶していますので,今後,これをまたロードマップ2020の評価の観点を決めるところでそういうことを考慮いただけたらというふうに思います。
ありがとうございます。
【小林学術機関課課長補佐】 御提案いただきありがとうございます。
通し番号6ページ目のところで,おっしゃるとおり書面審査等に必要な書類といったものを書いておりまして,先ほど私が説明させていただいたのは,具体的には3,4,5に関係する書類になってございます。ただ,学術的な価値のところは,では全く見ないのかといいますと,それはやはり違いまして,1,2といたしまして,実施機関がマスタープラン2020のヒアリング等を受ける際に出した提案書類といったものを我々の方に出していただきますので,それを踏まえて全体的に評価をすると考えられると思います。
【松岡主査代理】 おっしゃるとおりです。ただ,評価するときに,明確にここの点数に,点数というか何か書くときに,反映されるところが学術的意義については前回は少しなかったので,そこがあるとこちらも付けやすいなという感想も持っています。
【小林主査】 簡単に言いますと,マスタープラン,今回の2020の提案書類を我々は見ていませんので分かりませんが,2017までで言うと,それと,こちら側のロードマップの評価の観点が,必ずしも1対1の対応ができていないので,非常に評価を付けにくかったというのは,松岡先生の言うとおりだと思います。
ですから,この1,2だけでいいのかどうかということですね。もう少し詳しく知りたいというところは正直言ってあります。マスタープランはどうしても数が多いです。件数が全部で百,五六十あると思いますけれども,ですから,どうしてもスペース的もある程度制限があると思うのですけれども,ウエブで書く内容ですが。こちらの場合は,ロードマップですから,より更に慎重に見ていくという観点から言えば,もう少し詳しい資料を欲しいと。それができれば,ロードマップの評価の観点と1対1で対応できるようになっていると,なお有り難いかなというところです。
ほかの方,いかがでしょうか。どなたからでも。
大体これでよろしいという感じでしょうか。
そうすると,私の方から,この成果目標ですが,これは従来とは異なって,各申請拠点によって目標の立てるものは違ってくるということになると思いますが,例えばそこに何か共通した観点みたいなことを作業部会で考える必要はあるのかないのか。つまり,観点はある程度,例えば国際的なものとか,こちらで立てておいて,個別的な指標は,当然計画内容が全く違いますから,それぞれの申請拠点でお考えいただくということなのか。それとも,観点も含めて,全部申請拠点に丸投げをするのか。どちらなのでしょうか。
【小林学術機関課課長補佐】 ありがとうございます。
そういった意味においては,やはり部会の中で御議論いただければと思いますが,今,フロンティア事業で見ているものを見ましても,天文台のようなものとか,KEKのようなものから国語のようなものまで,非常に幅広いところがありますので,それらを共通的に見る指標といったものはまだ難しいのかなというのが,まず一義的にありました。
その上で,一方で,共通的に見るべき観点のようなものがあるのかという点につきましては,こちらについては,先ほど申し上げた,通し番号で言う4ページ目のところで,こういった観点を,このロードマップは今2017になっていますが,ロードマップ2020についてはこういった観点を見るといったものは整理しておりますので,この観点に基づいた上で,各指標については各実施機関が具体的に定めて出していくというのがいいのではないかと思っています。
【小林主査】 国語ではなくて国文学ですが,それは置いておいて。通し番号の7ページのところが,この様式ですと,共通した観点が出てこないので,成果指標は当然出していただくとして,その観点について,今御説明いただいたロードマップの表から観点を入れた方が,少し比べやすくはなるかなという気はします。
ほかの方はいかがでしょうか。
【小林学術機関課課長補佐】 ありがとうございます。
正におっしゃるとおりかと思いまして,例えば,4ページ目で観点を示しておりますので,観点ごとにどういった指標を各実施機関が立てるのかといった形で出していただくというのがあり得るかと思います。
【小林主査】 大分,従来のロードマップとは少し違う形になりますけれども。どちらかと言うと,指定国立大学法人の評価のような感じなのかなと。つまり,競争ではなくて,自己達成を立てて,それを達成していっていただくと,そういう評価の流れになるのかなという気はいたします。
ほかの方はいかがでしょうか。
【山本委員】 今の件なのですけれども,評価すること自体はいいのですが,数字的にやるのが難しい部分もすごくあると思うのですけれども。これは,例えば,社会,研究者コミュニティの合意とか,主体の明確性といったところ,ではKPIとして定義するのというのは,事実上,難しいですよね。これに沿っていただくことは僕はいいと思うのですけれども,ある程度自由度を持たせておいた方が,現実的なKPIになり,実質的にエフェクティブに働くと思いました。コメントです。
【小林主査】 ほかの方はいかがでしょうか。
確かに,数値で書く部分もあれば,国民社会との合意というのは数値よりはむしろ何かカテゴリー的になるかもしれません。自治体と協定が結ばれているとか,住民との合意があるとかになるのかと思いますが,それはもう,申請の内容によって多分違ってくると思います。
ほかの方はいかがでしょうか。
【原田委員】 JAMSTEC原田です。
仮に,数値で成果指標を立てることができたとしても,例えば論文数を見た場合,分野によって大変論文の出やすい分野,そうではない分野と様々かと思うのですね。ですので,比較をする際に,単純にこういった論文数等を直接単純比較ということをするのは,幾ら数値で出てきていたとしても,ちょっと難しいのかなという気はいたします。
以上です。
【小林主査】 それは多分そういう比較ではないですね。だから,競争ではなくて自己達成というのはそういうことになると思います。
ほかの方はいかがでしょうか。
これ,7ページ以降のフォーマットをどう作るかというのは,事務局はかなり御苦労が伴ってくると思いますけれども,その辺のところを。
多分,1年目というのが,予算がついた1年目なのか,それとも,場合によっては現在の指標があってもいいと思うのですよね。そうすると,現在に比べて,どれだけ伸ばしていくのかという,そこの比較ですよね。その機関の比較を見るのが重要ではないか。その機関とほかの機関というのは,ちょっとこれは比べられないですよね。高エネルギー加速と国文学とをどうやって比較するかは難しい問題になりますから,1年目があるのもいいのですけれども,申請時点,現時点がどうなのかというのがあってもいいのではないかなという気がします。
ほかの方はいかがでしょうか。
よろしいですか。大体。何となくこれでフォーマットは決まっていくことになりますけれども,よろしいですか。
中野先生はよろしいですか。
【中野委員】 全体を消化し切れていなくて,簡潔な質問ができないのですが。
一番大事なのはやはり,どういう計画かということを我々が理解するということなので,前回も少しお話ししたかもしれないのですけれども,計画の内容というものがマスタープランの申請書と,それからヒアリング資料だけで十分なのかというところが非常に気になっておりまして。もちろん,マスタープランの申請書は最低限出していただきたいのですが,それプラスアルファで,申請している側も真剣なので書きたいというところはあると思うので,それを増やすということはないのでしょうか。
【小林主査】 これはかなり増えています。ですから,年次計画,それから人員計画……。
【中野委員】 そういうのは増えているのですけれども。
【小林主査】 ええ,増えています。それから,冒頭でほかの方から意見がありましたけれども,松岡委員からありましたけれども,学術的意義についても,マスタープランの申請だけではなくて。
【中野委員】 ああ,そうなのですか。
【小林主査】 ええ。学術的意義に関しても。
【中野委員】 これは書き足すということになっているのですか。
【小林主査】 ええ。ということを,冒頭,私の方から申し上げたところですが。
【中野委員】 では,結構です。
【小林学術機関課課長補佐】 おっしゃるとおり,今,通し番号の4ページ目で申し上げれば,評価の観点として,計画の学術的意義といったものが抜けております。ただ,先ほど松岡委員,小林委員の方から御提案いただきましたので,具体的にこの評価の観点として,マスタープラン2020と同じような評価の観点を据えるのがいいのか,若しくは,計画の学術的意義として,もう少しロードマップに即したような形で,個別具体にこういった視点で見ていきますよというのがもしあれば,御提案いただければ,この通し番号4ページ目のこの欄が埋まっていくということになるかと思います。
【小林主査】 マスタープランの資料を出していただくのは最低条件としてあるとしても,マスタープランとロードマップはまた方向性はかなり違うところがあります。マスタープランの場合は,私も昔は関わっていましたが,要するにある種,こういう計画があったらいいなというものも中には含まれます。夢ではないですけれども,こういうものが欲しいなというものが。ロードマップになると,実際的にその先の予算化ということも念頭に置きますから,実際にどこに作るのだ,その場所を確保されているのだ,あるいは,スペックが分からないと予算も付けようがないですし,スペックはどうなのだとか,国際的に競合している施設のスペックと比べてどうなのだとか,よりそういう緊急性とか現実的なものというのが出てくる。そういう意味では,やはりマスタープランを出していただくとしても,その評価の観点でC1のこのロードマップ,今度は2020になりますけれども,この観点に即したフォーマットというのをやはり書いていただくのが重要ではないかなという気がします。その内容がマスタープラン2020に提出したものと重複することは,全く,一向にかまわないのですけれども,改めてここに合わせて,もうちょっと分量を多く書いていただいた方が,より評価はしやすいかなというのは,今までのロードマップの選定の経験から言うと,ちょっと分量が少ないかなという気がするので,そういうふうに思います。
少なくとも,科研の特別推進よりは分量があっていいのではないでしょうか。そういう気がします。
【岡部委員】 よろしいですか。
【小林主査】 はい。
【岡部委員】 基本的にマスタープランのときに出していただいた書類は前提とするので,同じことを重複して書いていただく必要はないと思うのですけれども,マスタープランとして出された,今年の何月でしたか。早い段階ですよね。ですから1年近くたっているので,やはりいろいろな状況の変化もあるはずですので,そういうことで,やはり文章の形で書けるようなフォーマットにしておく必要はあるかなと。特に,マスタープランのときと変化があれば,そこを書いていただく。あるいは,先ほど小林先生がおっしゃったような,計画の具体化に向けて,より詳細化,進展,進んだところについては,どこをマスタープランと比べて読めばいいのかというところが,我々同じことを何回も読まされるのは大変ですので,つなぎとなるところですね。今御用意いただいているマスタープランと,この表形式の計画の間のつなぎとなるようなところを,改めてこの申請書に書いていただく方が,我々は理解しやすいのではないかなというふうに思いました。以上です。
【小林主査】 今,作業部会の委員,欠席の方も含めて10名中,前回のロードマップの選定に関わったのは4人なので,その経験がある方とない方で少し違いがあるかもしれませんけれども,経験で言うと,やはりマスタープランとロードマップはかなり違うかなという気はします。一度,作業部会の委員でもあり,学術会議の副会長だったときに,作業部会の委員として学術会議でその話をしたことがありますが,学術会議の回答は,ロードマップとマスタープランは違う,ロードマップのためにマスタープランを作っているわけではないという回答でしたので,やはり観点は違うということはあると思います。
余り個別的なことは言えませんが,9月のマスタープランの重点のヒアリング,3日間,朝から晩まで出ましたが,やはり,作る場所は決まっていないものはその中にはありました。それが重点になるかどうかは分かりませんが。ですから,やはりちょっと観点は違うので,そういう意味では,こちらは実際に具体化できるということはもう大前提になります。社会,国民の支持があるかどうかも含めて,具体化できないものというのはちょっとロードマップにはなじまないかなという気はします。
ほかの方はいかがでしょうか。どなたからでも。
八田先生,いかがですか。
【八田委員】 余り経験がないものですから。
このところに書いてある,マスタープランで選ばれなくて,ヒアリングで,選ばれなかったものでもこちらが特段のあれで取り上げることができると書いてありますけれども,例は2000以前はあったのですか。それは。
【小林主査】 まず,マスタープランで選ばれなかったものは入ってきません。マスタープランは申請が多分160ぐらいあって,マスタープランに採択されないものというのは,今回の数は知りませんが,今までの例で言うと10とかそれぐらいではないでしょうか。ほとんどのものはマスタープランには載ります。問題は,そこから重点に載るかどうかということなのですね。
【八田委員】 なるほどね。
【小林主査】 今まで例があったかと言うと……。
【八田委員】 だから,重点に載らないものでも対象に,私たちは。
【小林主査】 例で言うと,HL-LHCです。ですから,これはその分野,物理が非常に混んでいるわけですね。そういうところはどうしても,すぐれていても漏れてしまうということがあったということです。
【八田委員】 分かりました。
【小林主査】 大体皆さんよろしいでしょうか。
実際の選定作業を始めてみないと分からないところは随分ありますけれども,先ほど御意見ありましたとおり,マスタープランの締切りが今年の3月だったと思いますから,それからやはり1年ぐらいたてば,いろいろな状況の変化というのは当然出てくると思います。
個人的には,どちらかというと,1,2はなくても,参考資料ぐらいで,やはりロードマップ用のものを出していただきたいというのが正直言ってあります。事務局は大変とは思いますが。ただ,これはかなりの予算を最終的には伴うものですから,やはり従来にも増して,より慎重に選定をしていくという観点から言えば,ロードマップはロードマップとしての観点を立てて,その成果目標についてはそれぞれの視線から指標を作っていただいて出す。それを慎重にやるということです。
従来は,学術的なところについては1で代用していた部分があるのですけれども,経験上,それではよく分からないというというところが正直言ってあったということになります。松岡委員も前回選定に関わっていたので,そこのところは私も全く同意見です。ですから,ちょっと大変かもしれませんが,ロードマップの観点に即したものをやはり出していただいて,1,2は参考資料ぐらいでもいいのではないでしょうか。省庁が違いますので,違う省庁のものをそのまま使うというのはどうかなという気がします。
では,田村委員か中野委員,どちらでも。
【田村委員】 私も前回の経験で,分野が違う計画の学術的意義というのは,確かに短いマスタープランの文章では正直分からないという印象を持っていました。ヒアリングに選ばれて,ここでお聞きすればつかめるのですけれども,その前にヒアリング対象を選ぶのは確かに非常に大変だなという印象があって。確かに,特別推進のレベルの文章量というのが適正化どうかというのは,ちょっと多いかなという気もしましたけれども,何かやはりきちんと理解しやすいような文章が欲しいとは思いました。そのときに,言葉だけではなくて,やはり図を混ぜて,科研費の書類は皆さん図を入れて書きますけれども,図と文章が混じったような形で説明していただきたいというのがあって。スライドのファイルを見ると,今度は図ばかりで言葉の説明が少ない方もいるので,それはそれで分からないし,やはりそこは,本当にA4,2ページ,3ページぐらいでいいのですけれども,その計画の,本当に国際的にも歴史的にもというか,これまでの背景も含めて,どうして意義があって,どうしてやりたいかというのがきちんと伝わるような書類を,そんな長くてもいいと思うのですけれども,図も入れた形で作っていただきたいというのが私の印象でした。
【小林主査】 中野委員,どうぞ。
【中野委員】 先ほど,時間的に大分たっているので計画が変わる可能性があって,その点はちゃんとつなぐというか,変化が分かるような資料ということだったのですが,同様に,日本の財政とかいろいろな状況を考えると,計画を縮小して出してくるという場合もあるのではないかと思うのです。だから,ロードマップとマスタープランが違うという,そこは大きく違う,本当に作りたいものと実際に作れるものということで,そういうところで計画が変わっている場合は,それがはっきり分かるような資料も欲しい。だから,マスタープランは夢の部分で,いわば,こんなものができたらすごいでしょうというので評価されていると思うのですけれども,実際に作るものはそれとは変わってこざるを得ない場合もあると思うのですね。そういう場合はどこを切ったか,どう変えたかというのが分かるというのが助かるかなと。
【西井学術機関課長】 御提案というか,こんなイメージで。参考資料1の中でお示ししておりますロードマップ2017,観点として,これをベースにお考えいただけるとすると,観点ごとに文章化したものを,右側の具体的な視点で数値的な指標も,それぞれ各提案者の方から設定していただいて,御説明の文章を作っていただいた上でですね。その際に,特に,先ほど来御説明がありましたけれども,マスタープラン2020の際にもこういった形で観点を設けて申請者は出しておりますので,その際に説明した内容との変更点なども,それぞれの項目の中で適宜説明いただいたようなものを文章として出しつつ,その中で図表なども入れて,適宜,数値的な指標は数値的な指標でということでお出しいただいたものを一つまとめて御審査の際に見ていただくと,そのようなイメージではいかがでしょうか。
【小林主査】 できるだけ詳しい方がいいと思いますが,今期作業部会の,多分冒頭で中野委員から御意見がありましたけれども,場合によっては,出してきた,出ていただいた計画ですぐれているのだけれども,少しこういう部分が足りないのではないかとか,もっとこうした方がいいのではないかということがあれば,例えば留意事項を付けてヒアリングのときにどうその留意事項に応えていただいたかということも示していただくということも,ある種,よりよい計画となるような少し誘導といいますか,もし前提にするならば,やはりかなりある程度詳しいものを出していただいた方がというふうに思います。
マスタープランの方の資料をごらんになったことがない方は,何を言っているのだろうと思われるかもしれませんが,そんなに詳しくはないと私は思っています。どうしても,ウエブで入力する範囲ですから,ある程度限られているということはありますので,こちらはこちらでやはりきちんと出していただくということではいかがかというふうに思います。まだ少し時間はあると思いますので。
ただ,いずれにせよ,年内には全部決めておかないと,1月にマスタープランの重点が発表されますので,それ以降はちょっと議論がしづらいところがあります。何か特定のものを入れようとしているとか,入れようとしていないとかというふうに誤解を受けるといけませんから,まだそれが発表される前,今の時点で全て決めておきたいということです。
ほかに何か皆さんの方で付け加える点というのがあれば伺いますが,大体よろしいでしょうか。
一応,それでは,前半についてはそういうところで,あとは,今までのロードマップとかマスタープランの資料等々も少しごらんいただければ,より具体的に御理解いただけるのではないかと思いますが,今回頂いた御意見を踏まえて整理して,次回は意見募集案と併せて審議をさせていただきたいというふうに思います。
それでは,一時休会の前に,今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いいたします。
【小林学術機関課課長補佐】 それでは,資料2でございますが,今後の審議スケジュールについてです。次回については現在調整中でございまして,来月の12月10日若しくは12月19日のどちらかで今調整をしているところでございます。議題といたしましては,引き続きロードマップの策定方針について御議論いただければと思います。
以上でございます。
【岡部委員】 19日木曜日ですね。
【小林学術機関課課長補佐】 失礼いたしました。木曜日でございます。
【小林主査】 それでは,本日の会議はこれで終了といたします。皆様,長時間どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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