研究環境基盤部会 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会(第114回) 議事録

1.日時

令和4年11月9日(水曜日)13時00分~15時30分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 次期ロードマップの策定について<公開>
  2. 大規模学術フロンティア促進事業の事前評価について(「ヒューマングライコームプロジェクト」)<非公開>
  3. その他

4.出席者

委員

小林主査、松岡委員、石原委員、上田委員、中野委員、原田委員、山本委員、岡部委員、鹿糠委員、鈴木委員、高橋委員、三原委員、吉武委員

文部科学省

黒沼大学研究基盤整備課長、山本大学研究基盤整備課課長補佐、吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官

5.議事録

【小林主査】  ただいまから、第11期第17回科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、本日も御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の会議は、文部科学省のYoutubeチャンネルでの配信という形で、冒頭から議題(1)までの公開での開催としますので、よろしくお願いいたします。
 それではまず、事務局から配付資料及び委員の出欠状況の確認をお願いします。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  資料のほうは事前にデータでお送りさせていただいておりますけれども、議事次第以下、資料1から資料5までの全体で23ページの資料、また、参考1から参考8までの全体で295ページの資料をお送りしておりますので、御確認をよろしくお願いいたします。このうち、公開審議で使う資料は資料1と資料2、参考資料1から参考資料6まででございます。
 また、本日もオンライン開催でございますので、いつもお願いしていることで恐縮でございますけども、御発言に当たりましては、Zoomの挙手ボタンをクリックいただきまして、主査からの御指名の後、御発言をお願いいたします。
 その他、御発言の際には、まずお名前をおっしゃっていただくこと、御発言の際には聞き取りやすいようはっきりとおっしゃっていただくこと、資料を御参照いただく際にはページ番号など該当箇所をお示しいただくこと、また、御発言なさらないときにはマイクをミュートに設定いただくことに関しまして、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 続きまして、本日の出欠でございますけれども、本日は、長谷山委員と長谷川委員が御欠席でございます。また、山本委員におかれましては13時30分目途で御退席、嘉糠委員におかれましては13時50分から14時20分の間、中座されると伺っておりますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【小林主査】  ありがとうございました。
 それでは、最初の議題、次期ロードマップの策定について、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  それでは、配付しております資料1、通し番号の2ページ目でございます。ロードマップの策定方針(案)ということで、次期ロードマップの策定に当たりまして基本方針を示した資料でございます。
 ロードマップに関しましては、本日お配りしております参考資料5、前回のロードマップ2020でも策定方針(案)を策定しておりまして、今回、ロードマップ2020をベースといたしまして、これまでの先生方の御意見を踏まえまして、一部追記、修正を行っておりますので、その点を踏まえまして、少し御説明をさせていただきます。
 まず、ロードマップの趣旨のところでございますけども、これまでのロードマップに関しましては、マスタープランの重点計画、また重点計画のヒアリング対象計画を参考としてきましたけれども、2つ目のパラグラフにございますように、日本学術会議におきまして従来のマスタープランを策定しないこととされた状況を踏まえまして、本作業部会で独自の方針に基づきまして選定作業を進めるため、基本方針を策定するというところを明記させていただいております。
 次の2-1、ロードマップの基本的な性格は、これまでと同様でございまして、幅広く学術研究の大型プロジェクトを推進するに当たりまして、研究者コミュニティの意向を踏まえながら、透明性や公平性を確保しつつ、各計画の優先度を明らかにするというところでございます。
 また、ロードマップは、大型プロジェクトを推進する上で一定の優先度を評価するものであり、直ちに予算措置を保証するものではないというところ。また、フロンティア事業によります支援につきまして一定の優先度を認めつつも、それのみに限定することではなく、財政上の制約を踏まえつつ、国際的な費用分担等、その他の可能性を踏まえて、視野に入れて検討を進めるものでございます。
 次の2-2が今回大きく変更したところでございますけども、ロードマップ2023の対象計画につきましては、公募を行いまして、書面審査、ヒアリング審査を経まして選定するということで、対象計画は以下のとおりということでございます。
 まず、大型プロジェクトのうち、実施期間を5年から10年程度、予算総額、この場合、国際共同事業に関しましては国内負担分、日本の負担分が概ね2,000億円を上限とするという形とさせていただいております。
 この期間に関しましては、現在のフロンティア事業が原則10年間の年次計画を組んでいるところを踏まえた設定とさせていただいておりまして、総額の2,000億円に関しましては、最近のロードマップ2017ですとか2020におきまして、最大の規模のプロジェクトが1,500億円程度のものがございますけれども、昨今の物価の上昇ですとか原油価格の高騰、また、各分野におきまして国際共同プロジェクトが検討されている状況を踏まえまして、ロードマップ2023に関しましては、2,000億円を上限とさせていただいております。
 次の、大型施設・設備の整備に関する計画に関しましては、「設置場所等が調整済み」と明記をさせていただいておりますけれども、こちらに関しましては、大型設備の整備に関する実現可能性の観点から、前提条件として記載をさせていただいております。
 次の3ページに移っていただきまして、提案者に関しましては、大学等、国公私立大学ですとか大学共同利用機関法人を想定しておりますけれども、その長または部局長等ということで、学部・研究科長、附置研究所の所長、共同利用・共同研究拠点の拠点長、各大学共同利用機関の長を想定しております。この部分に関しましても、大型プロジェクトの推進に当たりましては組織的なサポートが必要となってきますので、そういった点から、機関の長または部局長等という形とさせていただいております。
 次の2-3の評価の観点に関しましては、基本的にはロードマップ2020をベースとして、一部修正をさせていただいております。
 まず、丸1 の計画の学術的意義に関しましては、独創的な探求力により新たな知を開拓するという「挑戦性」、学術の多様性ですとか総合的な観点から捉えるという「総合性」、異分野融合の研究所との連携、新たな学問領域を生み出すことができるという「融合性」、また、世界に通用する卓越性を獲得するなど世界に貢献することができるかという「国際性」に関しましては、これまでと同様でございますけれども、その次の「科学目標が明確であり、目指す達成水準が示されているか」、この点に関しまして今回新たに追記をさせていただいております。これまでの大型作業部会の評価におきまして、特にこの点を毎回指摘させていただいていますので、今回新たに追記をさせていただいております。
 次の丸2 の研究者コミュニティの合意・サポート体制につきましては、「コミュニティの合意形成の状況は明確か」はこれまでどおりでございますけども、次の、「研究者コミュニティからの人材等が確保されているか」というものを、新たに追加させていただいております。こちらも、これまでの議論の中で、大型プロジェクトの推進に当たりましては、実施主体だけではなく、研究者コミュニティを挙げてのサポート体制、人材の確保が必要だということを指摘されていますので、そういった点も踏まえまして、今回追記をさせていただいております。
 その次の丸3 の計画の実施主体に関しましては、これまでと同様でございまして、推進体制が明確になっているか、多数の機関が参画する場合に関しましては、責任体制・役割分担が明確になっているかということでございます。
 次の丸4 の共同利用・共同研究体制につきましても、これまでと同様でございまして、実施体制が確立されていること、また、幅広い大学の研究者、そして若手を含む多様な研究者が参画できるかということでございます。特に「若手」というキーワードに関しまして、若手の研究者の方が活躍できる場の構築が必要ということから、今回、若手というキーワードを追加させていただいております。
 次の丸5 の計画の妥当性に関しましては、これまでと同様でございまして、準備スケジュール・実施スケジュール、また実施可能なスケジュールとなっているか、また、建設費及び運用費は妥当か、検討されているか。また、予算計画、人員計画は妥当かということで、この括弧書きで「研究者コミュニティからの人材も含む」という点に関しましては、先ほどの丸2 のコミュニティからの人材というところを踏まえまして、括弧書きで追加をさせていただいております。
 次の4ページに移っていただきまして、計画の準備状況(予備研究・技術開発・体制整備)が着実になされているか、建設終了後の運用計画が検討されているか、計画終了後のコミュニティへの波及効果、将来展望に関しましては、これまでと同様でございます。
 その次の丸6 の緊急性に関しましても、これまでと同様に、早期に実施することによります我が国が得られるメリットや優位性、逆に実施遅れによります我が国への影響はどのようなものかというところでございます。
 次の丸7 の戦略性に関しましても、これまでと同様でございまして、世界トップレベルの成果を上げ、我が国の強みをさらに伸ばすことになるかどうか、また、他分野への波及効果、国際貢献や国際的な頭脳循環、そして将来的な我が国の成長・発展につながるかどうか、また、実施しないことによります国の損失はどうかというところでございます。次の「産業界への波及効果」が今回新たに加えさせていただいておりまして、これまでのプロジェクトの評価の中でも、最先端の研究成果もしくは技術開発の成果を産業界へどう発展させていくかというところをコメントいただいておりましたので、この点に関しまして今回新たに追記をさせていただいております。
 丸8 の社会や国民からの支持に関しましても、これまでと同様でございまして、社会や国民に対しまして必要性・意義を説得力を持って説明できるかどうか。長期間にわたりまして国費を投入することに関しまして、社会や国民の支持がいただけるかどうか。また、地域社会ですとか行政、住民との信頼関係について記載をさせていただいております。
 丸9 は今回新たに事項として立ち上げているものでございまして、特に、これまでの評価の中でも若手研究者の人材育成について多くのコメントをいただいておりましたので、まず若手研究者ということで、こちらのほうは、技術職員ですとか研究支援者も含めまして、責任者として積極的に登用するなど、経験を積める場がありサポート体制が確立されているかどうか。また、当該計画を将来的に支える若手研究者等のキャリアパス形成が支援されているかどうかというところを新たに追加させていただいております。
 次の2つの丸に関しましては、書面審査フォーマットの検討の観点でございまして、これも前回と同様でございますけれども、一番最後の「参考として」以降、国内外の研究者コミュニティ(関連学会等)からのサポートレター等の提出を計画提案者に求める、こちらのほうは、前回の議論の中で、学術的な意義、価値を判断するに当たりまして、研究者コミュニティの議論の状況を把握すべきではないかというコメントをいただきましたので、この項目を新たに追加させていただいております。
 次の5ページに移っていただきまして、2-4.ロードマップ2020掲載プロジェクトの取扱いでございます。こちらのほうも前回議論いただきまして、ロードマップ2020におきましては15計画を選定させていただいておりますけども、現在、その中で支援できているプロジェクトが8計画でございますので、その継続についての取扱いでございます。
 まず、ロードマップ2020の掲載プロジェクトのうち、フロンティア事業による支援を受けていない、かつ継続掲載を希望するプロジェクトに関しましては、書面審査の書面の様式とヒアリングによりまして実施状況を確認させていただきまして、当該プロジェクトの準備状況について進展が見られる場合は、ロードマップ2023におきましても継続的に掲載をするという方向でございます。また、※印で記載しております、既に現在、フロンティア事業として支援しているプロジェクトに関しましては、年次計画に基づきます進捗確認により、その実施状況を確認するというところでございます。
 次の2-5のフロンティア事業に関する支援に関しましては、これは最終的なロードマップの報告書の中で取りまとめを行う際の観点でございまして、支援の対象をどうするかですとか、支援期間または新規の計画に関する支援の方向性に関しまして、最終的な取りまとめに向けて検討していく予定でございます。
 次の3の検討スケジュールに関しましては、資料2、8ページでお示ししておりますが、この策定方針に関しましては、今回と次回、12月7日の御審議によりまして取りまとめていただきまして、その後、策定方針に関します意見募集(パブコメ)をやらせていただきまして、最終的に(案)を取る形で取りまとめていきたいと考えております。その後、並行いたしまして、具体的な書面審査の様式ですとか、審査の実施要領、また、審査の体制につきまして、引き続きこの作業部会で検討させていただきたいと考えております。
 5ページに戻っていただきまして、今後の検討事項は先ほど御説明したとおりでございますけども、最後、6ページと7ページに関しましては、評価の観点の新旧対照表を最終的に策定する予定でございまして、この7ページまでが策定方針(案)でございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
【小林主査】  ありがとうございました。これまでロードマップは3年ごとに策定を行ってまいりましたが、今回は従来とは幾つかの点で異なるということになります。
 確認のために、重複になりますが、簡単に申し上げますと、従来はマスタープラン重点計画のヒアリングとなった対象に対して、申請を希望する方には書面を出していただいて、書面審査とヒアリングを経てロードマップを策定してまいりました。しかし、今回は、学術会議がマスタープランを策定しないとしたことをもって、独自の方針に基づいて選定作業を進めるということになりました。つまり、分かりやすく言えば、直接、申請を受け付けるということになります。
 それから、観点については、今までの経験上、データベースをつくるとか、何をやる、装置をやるとかいうアウトプットの記載が非常に多かったのですが、一番感じるのは、そのことによってどういう科学目標をどこまで達成するのかというアウトカムが大事ですので、丸1 の観点の最後のところに、科学目標を明確に、特にどこまで達成するのかを明確にしていただきたいということになります。
 あとは、前回の作業部会の御意見を踏まえて、研究者コミュニティからの人材確保がどうなのかという点、それから若手研究者の人材育成です。そして、予算・人員等については、従来、割とざっくりした申請も少なくなかったのですが、運営費として幾らみたいなのではなくて、明細を出していただくということ。それは予算や人員計画を慎重に見直していただくというだけではなくて、何を具体的にやるのかということをより知るということになるわけです。
 それでは、皆さんのほうから、ただいまの事務局の説明について御意見、御質問がある方は、挙手ボタンのほうをよろしくお願いいたします。どなたからでもどうぞ、御自由にお願いいたします。
【山本委員】  すみません、ちょっと今日早く抜けてしまうので、先に。
 実は、通し3ページの観点の2番目のところなのですけれども、必要な人材が確保できているかというところについて書いていただいたのですが、研究者コミュニティからの、実施に必要な人材が確保されているかということだと思うのです。一般的に使う人がいっぱいいてもしようがないので、そこはやっぱりちゃんとしていただかないと困ると思っていました。ちょっと細かいところで恐縮なんですけども、御検討いただければと思います。
【小林主査】  そうしますと、丸2 の2ポツ目を「研究者コミュニティからの実施に必要な人材等」とする。
【山本委員】  そうです。
【小林主査】  「実施に必要な」を加筆するという御意見ですよね。
【山本委員】  そうですね。お願いします。
【小林主査】  ありがとうございます。
 それでは、原田委員、お願いします。
【原田委員】  ありがとうございます。2点あります。
 まず、通し番号2ページ目、2-2「実施方法、対象計画等について」、これまでマスタープランを参考にしていたということもあって、各プロジェクトの規模感というのが、金額も含めて大体、比較的大型のものということになっていたかと思うのですが、今回、独自に公募するとなると、その規模感が非常に多様なものが出てくるのではないかと思います。上限の金額として2,000億という数字は見えているのですが、下限の数字というのも検討しておく必要があるのではないかと思いました。非常に細かいものから大きなものまで、多種多様なものが出てくるのではないかなという点が少し懸念されるところです。
 それから、2点目なのですけれども、通し番号5ページ目、2-4.ロードマップ2020掲載プロジェクトの取扱なのですが、こちら、準備状況等について進展が見られる場合は継続掲載するとありますが、ここで言うところの進展というものが、一体イメージとしてどういったものを想定されているのか、それについて教えていただけたらと思います。
 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。まず皆さんの御意見を伺います。
 松岡委員、お願いします。
【松岡主査代理】  どうもありがとうございます。今、主査のほうから御説明があったとおり、今回、直接受け付けるということで、これまでマスタープランを通していたときには、マスタープランのほうで学術的な価値は一通り評価をしてきたのですけれども、してきたという前提でやっていたんですが、今回は直接ということで、特にその科学的意義、学術的意義、科学目標のところに、より評価を、力を割くようなことになるのかなと思っております。
 そういう観点で、2-3のロードマップ2023評価の観点、丸1 計画の学術的意義のところを拝見したのですけれども、4ポツ目、「世界の学術コミュニティにおける理論や検証を通じて研究を相対化する」というのがちょっと分かりにくいというか、一般的な表現なのかなというのが少し気になりました。その後の「世界に通用する卓越性」というようなところにつながっていくようなことを表現しているのかなとは思うのですけれども、ここの表現をもうちょっと考えていただければと思います。よろしくお願いします。
【小林主査】  具体的な御提案があれば、お願いいたします。
【松岡主査代理】  そうですね。検証を通じて、ちょっと卓越性というのと被ってしまうかもしれませんけれども、その計画の持つ優位性を何か明確化する、すいません、言葉としてちょっとどうかなと思いつつ喋っていますけれども、優位性と。役割分担のようなことも、その後に国際性というのもありますから、かかるのかもしれませんけれども、世界における優位性、またはそれに基づいた役割分担を明確にするようなことを、ちょっと明記してはどうかなと思います。
【小林主査】  御自身の研究計画が世界の学術コミュニティにおいて持つ、いわゆる、きちんと位置づけるということですね。優位性だったり、あるいは、もし欧米と連携するのであればその共同体制とか、そういう位置づけを行うというように、表現をもう少し分かりやすくするということをやるということでよろしいでしょうか。
【松岡主査代理】  そうです。ありがとうございます。
【小林主査】  ほかの委員の方からはいかがでしょうか。よろしいですか。
 もし御意見があれば、随時、挙手ボタンをお願いしたいと思います。
 まず、最初の山本委員の御意見、観点丸2 の2ポツ目、研究者コミュニティからの実施に必要な人材等が確保されているか、「実施に必要な」を加える、これはいかがでしょう。
 よろしいですか。皆さん賛同いただいていると思いますので、御提案どおりにさせていただきたいと思います。
 その次に、原田委員から、まず金額についてです。2-2の最初の丸の1つ目ですが、「概ね2,000億円を上限とする計画を対象とする」と。とはいえ、全体の総額が決まっていますので、では下限はどこなのかというと、先行のロードマップ2020ですと、10年間で35億というのも採択をされています。そうすると、1年当たり3億5,000万、もちろん年度によってばらつきはありますが、大体その辺になろうかと思いますが。下限を定めるというのは、どこから応募していいのかということを分かりやすくするという意味でしょうか。
 この点、事務局はいかがでしょうか。実際の予算は事務局のほうで扱っていらっしゃるわけですが、下限設定は。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  これまでのロードマップに関しましては、日本学術会議に準じる形で、下限という形ではないですけど、数十億以上という言い方をしておりましたので、その数十億を、先ほど主査がおっしゃったように、現実のプロジェクトの状況を踏まえた下限として設定するという考え方もあろうかと思います。
【小林主査】  そうすると、概ね数十億から2,000億円までを計画の対象とするということでしょうか。この「数十億から」を加えるかどうかについてはいかがでしょうか。
 中野委員、どうぞ。
【中野委員】  数十億というのは、20億か、30億か、50億か分からないのですけど、大体それぐらいということでよろしいのではないかと思います。必ずしもお金がたくさんかかる計画がいい計画というわけでもないので、大規模学術フロンティア促進事業で、支援されるのが適当だと思われるものは出してきていただければいいと思います。
【小林主査】  数十億というのを入れるということで、別に100億いかなくてもいいし、ただ、あるいは科研の大きいほうで手当てできるものまでこちらに大量に出てくるということも少し難しくなるので、数十億円から上限2,000億円までの計画というようにするということではいかがでしょうか。
 よろしいですか。一応、下限を入れるということで。大型の科研で対応できるものは、そちらにお願いをするということになろうかと思います。ロードマップの性格を明確にするためにも、そういう形はいいのではないかと思います。それでは、原田委員の御提案どおり、ここのところは「数十億円から2,000億円を上限とする」というふうにさせていただきたいと思います。
 それから、原田委員の2点目の御質問ですが、事務局のほうで、2-4の2020掲載プロジェクトの取扱いの2ポツ目のところ、「進展が見られる場合」はどの程度の進展とするのかということですが、これはなかなか回答しづらいところだと思いますが、事務局で何かイメージをお持ちでしょうか。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  ありがとうございます。事務局といたしましては、フロンティア事業以外の様々な財源、例えば文部科学省のフロンティア事業以外の財源ですとか、あとは他省庁の財源、もしくは科研費とか、いろんな外部資金等を活用されまして、もしくは学内資金でもいいのですけれども、何かしらその計画の達成に向けまして活動されているかどうかというところをイメージしておりますけれども、具体的には、どういった経費というところまではイメージしておりませんが、何かしらそういった外部資金の力を活用しながら、研究活動もしくは準備を進められている、そういったところをイメージしているところでございます。
【小林主査】  例えば、具体的には「これはロードマップのお金がついたらやります。つかなかったらやりません。ですから、2020に出たけど、まだついていないので何もやっていません」ではやはり困るもので、実際にやっているものに対して支援をするということになりますので、少なくとも2020掲載以降、何も進んでないという場合は、もう一度、一から申請し直してくださいということになるのではないかと思うのです。
 ただ、掲載されて以降、フロンティアの予算はついていないけども、こういう形でやっていますというところを一応確認させていただくと。確認ができる場合は、2023に継続掲載をするということで、どの程度までというのは、これはもうケース・バイ・ケースによると思いますので、明確に文章化しづらいのかなという気はいたしますので、大体、今の事務局の回答で意識共有をさせていただければと思います。
【原田委員】  ありがとうございます。意識共有できました。
【小林主査】  ありがとうございます。
 それでは、松岡委員の、観点丸1 の4ポツ目の前半の文章、世界の学術コミュニティにおける議論や検証を通じて、その「相対化」のところが少し分かりにくいということでしたので、「議論や検証を通じて研究が持つ優位性や位置づけを明確にすることにより、世界に通用する卓越性を獲得する」という文章ではいかがでしょうか。1つの御提案ですが、松岡委員、どうでしょうか。
【松岡主査代理】  ありがとうございます。今のような表現にしていただければ、読んだほうも、どういうことを評価されるのかというのが伝わっていいかなと思います。
【小林主査】  ほかの委員はいかがでしょうか。もう一度申し上げますと、「世界の学術コミュニティにおける議論や検証を通じて、研究が持つ優位性や位置づけを明確にすることにより、世界に通用する卓越性」という形になります。よろしいでしょうか。
 それでは、そういう形に改めさせていただければと思います。
 ほかに委員の方で御意見のある方は。
 三原委員、どうぞ。
【三原委員】  評価の観点のところなんですが、新しく入ったというふうな形で御説明いただいた丸7 の戦略性の「産業界への波及効果等はどうか」というところ、非常に大事な観点だと思うのですけれども。この点に関しては、分野によっては、なかなか産業界の波及効果等々を最初から考えずに進める学術研究も多いわけなので、この観点については、例えばこの効果があまり見込めない場合でも減点をするのではなく、むしろ、こういう波及効果があるプロジェクトについてはそれなりの評価をするけれども、波及効果がないからといって、そのプロジェクトがマイナスの評点にならないようにするような評価が大事かなと感じました。
【小林主査】  いわゆる加点項目として考えるということでしょうか。
【三原委員】  そうですね。という観点での評価が好ましいかと思いました。
【小林主査】  実際には、フロンティア促進事業で現在行われている中でも、国文学研究資料館の日本語古典籍についても、実は崩し字の読み取り、かなり昔の時代の墨で書いた崩し字も判読できるような形で、文理融合でやっていて、実はそれが読めるなら現代のものは大体読めるというところで、実はその辺、産業界への波及効果というのもありますので、どこまであるのかは多分、分野の特性にもよると思いますが、これで減点するということは恐らくないと思いますし、全くないということもまたないのだろうと思います。その辺は分野によると思いますが、いずれにせよ、分野の特性を踏まえながら、加点として見ていくという理解でよろしいでしょうか。
【三原委員】  はい。ぜひそのようにお願いしたいと思います。
【小林主査】  ほかの方はいかがでしょうか。どうぞ、どなたからでも御意見があればぜひ伺いたいと思います。今日を踏まえますと、この後、次回作業部会から意見公募ということになりますので、できるだけ本日いろいろ御意見を承ることができればと思いますが、いかがでしょうか。
 鈴木委員、どうぞお願いします。
【鈴木委員】  戦略性の中の項目で、「計画を実施しないことによる国の損失はどうか」という、これをどう評価したらいいのか分からなかったのですけれども、何か特に今、継続しているようなものについて評価するというふうに理解すればよろしいでしょうか。
【小林主査】  事務局、私のほうは音声が聞き取りにくかったので、事務局のほうは大丈夫ですか。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  この項目に関しましては、特に分野によっては、激しい国際競争の中で各国が重点的に推進している分野もあると思いますので、そういった中で、我が国として推進すべきところを推進しないことによる損失、そういったところをイメージした形で、評価の観点として入れさせていただいているところでございます。
【鈴木委員】  ありがとうございます。
【小林主査】  計画を実施しないことによる、国だけでいいのかどうかですね、何となく。国の損失もあると思いますが、研究者コミュニティも含めて国という表現にするのか。国という表現が何を意味するのかなというところが気になるところではありますが、この点でしょうか、鈴木委員の御指摘というのは。
【鈴木委員】  はい。国と言うと、なかなか何を意味するかが難しいので、もしかしたら既に参加を決めたプロジェクトが駄目になったら、さすがに信用問題だなとか、そういう限定的な状況なのか、そうではないのかとか、その辺りがちょっと迷いまして。
【小林主査】  分かりました。御趣旨は理解できました。計画を実施しないことによって、日本の研究者コミュニティが世界から信頼を失うとか、あるいは、日本の研究者コミュニティが大きく立ち後れるとか、国の損失というのをもう少し具体的にこの表現を分かりやすくしたらどうかということと理解いたしましたが、事務局のほうはいかがでしょうか。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  ありがとうございます。少し、今の御意見を踏まえまして、次回までに修正案を検討させていただければと思いますので、よろしくお願いします。
【小林主査】  国の損失というだけですと、何か財政的な損失とか、それも含めてになりますが、より我が国の研究者にとっての損失も含めているというように理解できるような表現のほうが、より分かりやすいのかなという気もいたします。
 ほかの委員の方はいかがでしょうか。よろしいでしょうか、皆さん。
 高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  ありがとうございます。コメントというか、今までの皆様の議論を伺っていて、若干、クエスチョンなのですけれども、資料、通し番号3ページ目の、2023の評価の観点の丸1 から、とても重要な項目、全て重要な項目が9点あるのですが、この各項目のプライオリティと申しますか、一緒にはなってしまうのですけれども、優先順位のようなものというのは大きく考えなくていいのかどうかということについて、私自身、明確な答えはないのですが、これまでの案件を総合すると、恐らく丸7 が強い、丸9 が強いと、個々の案件によって重みづけが違うような気がするのですけども。こちらについては先生方はどうお考えになるか、そして事務局はどのような議論があるか……。
【小林主査】  まず高橋委員が、重みづけが違うということでしたが、高橋委員はどういう重みづけでお考えなのでしょうか。
【高橋委員】  国の政策上、ほかの案件、いわゆるファンディングでのプロジェクトがあるなかで、やはり丸1 、丸2 というのが必須の、この学術研究の大型プロジェクトにとっては本質に関わる部分だと思うのです。一方で、難しいですけれども、例えば丸8 ですとか丸9 は、多くの様々なほかの施策との連動によって補完できる部分もあるのではないかと思っておりまして、丸1 から丸9 までを均一同等に扱わなくてもいいのではないかというのが個人的な感想です。
 以上です。
【小林主査】  まず、均一同等に扱うということは、まだ決めてはおりません。
【高橋委員】  了解いたしました。
【小林主査】  それから、従来は、マスタープランを参考にしているときは、丸1 から丸5 辺りについてはマスタープラン、学術会議のほうで見ていただいているという理解で、それとそれ以外のところを別々にランクというか、段階的な評価をしておりましたが、今回は独自にやるということなので、それぞれに見るということになると思いますが、まず、丸1 は必須です。特に最後に付け加えた「科学目標が明確であり、目指す達成水準が示されている」、これはもう必須で、なければならないのは当然なことです。それ以外のものも全て必須ということになるわけですが、これは事務局について何か濃淡、どのようにお考えなのか、御意見はあるでしょうか。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  ありがとうございます。主査からの御指摘がありましたとおり、前回はその学術的な部分と緊急性、戦略性、社会からの支持という形で、分けて評定をいただいておりましたので、今回も若干その項目、学術的な部分と実現可能性とか、そういった形で今後の審査要領を検討させていただきますけれども、審査要領の中で、そういった評価のつけ方について検討させていただきたいと考えております。
【小林主査】  これ、なかなか順位をつけるのは難しくて、全てが必須で、例えば丸8 、あんまりほかよりはというお話もありましたが、地域社会の住民との信頼関係、つまり、そういう何か施設を造ることについて地元自治体から賛同を得られないという場合は、良い計画であって予算をつけても、実際には実現しないことになります。ですから、これもまた重要なところになろうかと思いますが、この重みづけについては少し議論したいと思って、まず先に吉武委員のほうから御意見を伺いたいと思います。
【吉武委員】  ありがとうございます。全体的なところについては特に異論はございませんが、この丸1 から丸9 の並び方、今の重みづけの話と少し共通するのですけれども、例えば若手研究者等の人材育成は、新たに追加したから丸9 になっていますけれども、これはむしろもっと上なのではないかという気がするのです。つまり、社会や国民からの支持というのは一番最後に置いておいて、もしこの丸1 から丸9 を多少カテゴライズすると、学術的な意義とか、研究者コミュニティからの支持とか、そういったものは1つの固まりになって、場合によっては、若手人材を育てるというのもそういうことなのかな。それから今度は、実行に当たってきちっとした体制が組めているのかというのは、丸3 、丸4 、丸5 辺りかな。それから戦略性、緊急性。むしろ戦略性が上のほうがいいかなとか思ったりするのですけども、これは個人的な関心ですが、最後に社会や国民からの支持が得られるかで、ここは小林先生がおっしゃるように、やはり重み、全てが必須なのだろうと思います。
 ただ、実際に評価するときに、多少の重みづけというのはあるかもしれませんけれども、この9つを少し意識的にカテゴライズしてみると、そういう3つか4つぐらいにカテゴライズできるのではないか、特に若手研究者の人材育成というのは非常にこれから大事なことですので、もっと上に上げておいてもいいのかなと感じました。
 以上でございます。
【小林主査】  ありがとうございます。
 議論の前に、まず中野委員の御意見を伺いたいと思います。どうぞ。
【中野委員】  丸1 の「計画の学術的意義、科学目標」のところなのですが、最後に付け加えた「科学目標が明確であり、目指す達成水準が示されているか」というのは、私も大変重要だと思います。これは独立させてもいいのではないかなという意見で、さらに、最終的な達成水準だけじゃなくて、その中間目標、適切なマイルストーンが定められているかということも付け加えていいのではないかなと思います。
 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。今、3つの御意見が出ました。丸1 から丸9 の重みづけをどうするのか。それから、丸9 の若手研究者の人材育成を含めて、その丸1 から丸9 の順番をどうするのか。それから、科学目標については丸1 から独立させてはどうか、つまり、丸1 を計画の学術的意義と科学目標に分けるということの御提案になります。以上の3点について、少し共通している部分がありますので、委員の間で御議論をさせていただきたいと思います。
 今の3点について、どなたからでも御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 まず、議論がしやすい「若手研究者等の人材育成」の順番ですが、これはいかがでしょうか。丸2 の後に持ってくるようなイメージでしょうか、吉武委員の御意見は。
【吉武委員】  そうですね。丸2 の次ぐらいかなと思います。
【小林主査】  この点についてはいかがでしょうか。丸2 の「研究者コミュニティからの実施に必要な人材等が確保されているか」の次に、「若手研究者等の人材育成」が来るということになろうかと思います。前回作業部会で、山本委員からその2つの御意見がちょうど出たところなので、多分その2つはリンクしているとしたら、丸2 の後のほうがスムーズなのかもしれませんが。御意見はいかがでしょうか。
【中野委員】  結構だと思います。その場所が収まりがいいかと思います。
 以上です。
【小林主査】  もし、ほかの委員から特に御異論がなければ、丸9 の「若手研究者等の人材育成」については、丸2 の「研究者コミュニティの合意・サポート体制」の次の観点として、「研究の実施主体」以降の観点の番号を1つずつずらしていくということになろうかと思います。
 その次に、「科学目標」について。この観点は独立させたほうがいいのではないかという中野委員の御意見ですが、いかがでしょうか。
 私が意見を言ってよろしければ、私は大賛成で、常にこれが気になるのです、いろいろな審査をするときに。何をつくるかとか、どういう装置を作るというのは分かるのですが、あるいはどういうデータベースをつくるというのは分かるのですけど、それで何を達成するのかがよく分からない、少し明確ではないというところで、一番そこは肝腎な気がするので、何よりもそこのところです。
 ですから、丸1 の「計画の学術的意義」は残りの部分として、「計画の科学目標」として、「研究の科学目標が明確であり、目指す最終的な達成水準並びに進捗状況における達成水準が示されているか」というような文章で、独立するとそこを絶対に書かなくてはいけなくなるのです。丸1 のワンオブゼムにすると、何となくそこを書かずに、従来の抽象的な表現のままで提出してくるところがなきにしもあらずという不安があるので、独立させることによって、絶対そこは必須事項で書かなければ駄目ですよという形にするということではいかがでしょうか。皆さん、今までいろいろと評価されてきているので、いろんな御経験があると思いますが。
 岡部委員、どうぞ。
【岡部委員】  私、先生のおっしゃるとおりで、その観点からいうと、この科学目標というのは、その目標を達成するための計画の前に来る、1番に、もう1行でバーンと来るほうが、より明確になるんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。
 三原委員、どうぞ。
【三原委員】  私も大賛成です。むしろ、これなしにはやはり評価できないものなので、観点の中でも一番重要な点だという意味で、丸1 に持ってくるか、あるいは別扱いにするかというような形でもいいかと思いました。
【小林主査】  ありがとうございます。
 それでは、中野委員の御提案のとおり、科学目標を独立させて、それから今、お二人の委員から御意見がございましたが、これを最初に持ってくる。丸2 に「計画の学術的意義」としてそれ以外の項目を残すということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、よろしいですか、そういう内容で。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  承知いたしました。ありがとうございます。
【小林主査】  それでは、最後に残りました高橋委員からの重みづけですが、具体的には、今、1つ項目が増えましたので、全部で10項目になりますが、これをどういうふうに評価していくかですね。それぞれについて、A、B、Cなり何なりつけていくということになると思いますが、つけ終わった後、それをどういう形で合計するか。同じウエートで合計するのか、それとも何か、例えば10項目ありますから、100点満点を、これは20点とか、これは5点とか配分していくのか。そこはかなり重要なことになろうかと思いますが、ただ、全てが必須項目なので、それとともに、例えばどれかCがついたらそれは駄目にするのか。その辺、この10項目の観点の総合の仕方ですね、非常に重要な高橋委員からの問題提起だと思いますが、この点いかがでしょうか。どなたからでも御意見をいただければと思います。
 原田委員、どうぞ。
【原田委員】  ありがとうございます。どれも、いずれも必須項目で、そこの間に点数の重みとして優劣をつけてしまうと、低い点数の項目は大したことないからというような扱いをされないか懸念されます。どれも重要で大切であるので、私自身は特に重みづけの必要はないのではないかと思います。
 以上です。
【小林主査】  ありがとうございます。ほかの委員の方はいかがでしょうか。
 松岡委員、どうぞ。
【松岡主査代理】  ありがとうございます。今の御意見に基本的に賛成です。心の中というか、評価に臨む者としては、やっぱり科学目標がちゃんと書かれているか、さっきの議論ではないですけれども、達成水準をちゃんと決められているか、学術的意義みたいなところに心情的にはちょっと重みはいくのかもしれないのですけれども。私、これまでロードマップをちょっとやらせていただいた経験からすると、そういうところをちゃんとやっている計画というのは、ほかのところもちゃんと考えていて、結構連動しているので、あまり項目ごとにそんなに凸凹は出てきていないと思います。
 かえってその重みをつけてしまうと、皆さんの胸を打つような計画というか、いいなと思う計画が必ずしもあぶり出されないようなことがあったときに、ちょっとどうするかという悩みが出てきてしまうので、最後はもうこれはいいねというのを推すような、ある程度のセレクションはA、B、Cでやるとしても、最後の「これは推しましょう」というのは、何かやっぱり私たち、研究とかしている者の良識というか、そういう判断でやるので、あえてあまりかちっと優先度はつけなくていいのではないかなというのが私の意見です。
【小林主査】  ありがとうございます。
 1つの御提案ですが、これは出てくるプロジェクトの性格にもよるので、あらかじめアプリオリに例えば丸1 は20点とか、丸幾つかは何点とかするのではなくて、丸1 から丸10 までの個別観点の評価をそれぞれ加えるとともに、最終的にそれぞれの審査をする方が総合評価をつけると。その総合評価をつけるときに、そのプロジェクトの性格に応じて、重みづけをそれぞれの審査する方の中で考えていただいて、ほかがどんなによくても科学目標が明確でなければ、これはもう駄目という総合評価に多分なるのだろうと思います。あらかじめ点数を割り振ってしまうと、1つがCでも、ほかがAだったらよくなってしまうということもありますので、個別観点の評価と、それと総合評価をつける。その総合評価のときに、高橋委員のお考えのとおりの重みづけを、それぞれの委員の視点で、かつその特性に応じてつけるという考えもあるのではないかと思いますが。
 失礼しました、吉武委員から手が挙がっています。どうぞ吉武委員、お願いします。
【吉武委員】  今、主査がまとめていただいたものに大賛成です。先ほどの、9項目だったものが10項目になったわけですね。それで、科学目標であるとか、学術的とかいうところで、若手人材も含めたら4項目あって、計画がちゃんとうまくいくかどうかというところが3項目ございます。それで、戦略性、緊急性、それから合意・国民の支持、ここで3項目でございますから、ちょうど4、3、3ぐらいで、バランスになっていると思いますので、特に重みづけは必要ないし、先ほど小林先生がおっしゃったように、何か決定的に問題点がある項目が1つでもあれば、そこはやっぱりはじくとか、あるいは、その総合評価をするとかいうことで十分カバーできると思いますので、今、主査がまとめていただいたことに賛成です。
【小林主査】  ありがとうございます。
 高橋委員、いかがでしょうか。その総合評価をつけることで、それぞれの委員の中で重みづけをすることになろうかと思いますが、そういう対応ではいかがでしょうか。
【高橋委員】  ありがとうございます。主査がまとめたとおりで結構だと思います。発言の趣旨は、むしろ丸まって、優等生で、網羅的なものであるところで、効率的な科学目標の挑戦性や卓越性を取り逃してはいけないという危機感からでした。ですので、この項目が、場合によっては、内容によって、全て網羅的にやらなくても、それが採択されるような可能性を残すという観点で、先ほど主査がまとめていただいたとおりで結構だと思います。ありがとうございました。
【小林主査】  ありがとうございます。
 それでは、10の観点とともに総合評価をつけると。その中でやはり重みづけをそれぞれの委員が考えてつけていただくということになろうかと思います。
 最後に、吉武委員のほうから、もう一度確認ですが、この丸1 から、今、丸10 になりましたが、その並び方ですね。若手研究者の人材育成は上に行きましたが、ほかの並びはどうでしょうか。吉武委員のほうで、もしお考えがあれば伺えればと思います。
【吉武委員】  基本的には問題ないと思いますけど、緊急性と戦略性で考えたら、僕は戦略性のほうが上かなという気はするのです。ですから、むしろ一番最後、丸8 が戦略性、丸9 が緊急性、丸10 が社会や国民からの支持ということかなという気がします。
【小林主査】  ありがとうございます。「科学目標」は独立して丸1 に行き、「若手研究者の人材育成」は「研究者のコミュニティの合意」と「研究の実施主体」の間に行き、緊急性と戦略性の順番を逆にするということですね。
 ほかの方はいかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。特に、緊急性と戦略性の順番については。よろしいでしょうか。
 特に御意見がなければ、そういう形でさせていただきたいと思います。
 ほかに何か御意見のある方はいらっしゃるでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、そろそろ時間になりますが、本策定方針については、今日の委員の先生方の御指摘も踏まえて、次回会議で再度議論をすることとなりますが、事務局のほうから何か御発言はあるでしょうか。
【吉田大学研究基盤整備課連携推進専門官】  ありがとうございます。この後の審議でございますけども、アドバイザーの先生の入室がございますので、再開を14時10分でお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
【小林主査】  それでは、本日の公開議事はここまでとなります。


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